昨日の記事で、集団的自衛権は、
PKO活動以外では、陸上自衛隊にはあんまり関係ない、
というようなことを書きましたが、
実は、ちょうど昨日、
南スーダンでのPKO活動に行かれていた方の講演を聞きました。
(あ、防衛協会の総会での講演会です)
第5使節団第9施設群群本部第3科の安在一等陸尉のお話です。
それにしても、自衛官の、
パワーポイントを使っての分かりやすく丁寧な説明には驚かされます。
企業のパワポ資料は、自己満足で不親切なモノが多いですが、
自衛隊のパワポ資料は、
「いかに、民間人に分かりやすく伝えるか」
「どう作ると、民間人が分かりやすいか」
という事を、とてもよく考えて作られているなぁと、いつも思います。
本当に、手抜きしないよね、いろんなことに。
で、話に無駄がないんですよね。
余計な話はしないんです。
だから、とてもわかりやすい。
民間企業も、少し見習ったら?と思う(笑)
朴訥として、話が上手いわけではないですけど、
こういうお話は、分かりやすいのが一番ですから。
さて、安在一尉は、本部付隊長として、半年以上、首都ジュバで
滞在している隊員たちの、食事の用意などの生活面の支援を主に、されていたそうです。
当然日本は、工兵(って書いてあった)として、インフラ整備を主に活動しています。
道路つくりとか、橋作りとか。
で、ちなみにこの工兵には、中国軍や韓国軍もいました…ので、
聞きたくて仕方なかった質問は、
「韓国軍が作った道路や橋のクオリティってぶっちゃけどうなの?」
ってことでしたが、きっと、人前では本当のことを言ってくれないと思ったので、
Q&Aの時には、質問しませんでした(笑)
あと、中国軍が駐屯しているエリアは、石油が多く産出しているエリアなんだって~。
ちなみに、この南スーダンは、すぐ北のスーダンから分離独立した国ですが、
部族間闘争だのスーダンとの国境未確定地域だの、元将官が率いている反政府勢力だのと、
日本じゃ考えられないくらい不安定で、危険な地域です。
この話を、
反政府勢力とか、分離独立とかって、誰かが資金援助や武器を提供して支援しないと、
こんな貧乏な国が勝手に内乱起こせるわけないよね~?と思いながら聞いていたのですが、
そもそもこれらを裏で糸引いているのが中国なんだそうです。(←森田社長談)
でた!!!!
こいつら、自国の利益のためなら、他の民族を踏みにじっても構わないっていう奴らよねぇ

で、自分たちは、工兵置いてインフラ整備のするという建前で、
ちゃっかり石油を横取りしてんのねぇ。
あ、でも中国や韓国とは、よく協力していたのだそうです。
なんか不思議~。
さて、中国なんかは置いておいて、
我らが陸上自衛隊の活躍なのですが・・・。
素晴らしいの一言です

雨季には、道路が陥没して、
道路というよりもはや水路と化している道には、
水が干上がると、そこは、住民たちのゴミ捨て場となっている、ひどい状態。
そのゴミをまず、丁寧に広い、
コンクリートを節約するために、丁寧に石を積み上げて側溝をつくり、
道路を作っていきます。
その仕事は見事というしかありません。
ココは結構地層が固いらしく、
ショベルカーのショベル部分がすぐにボロボロになるのだそうです。
だけど、圧倒的に様々な物資が不足している地域なので、
そう簡単に替えは手に入らないので、
隊員さんたち自ら、鉄板を取り付けて補強して作業する、というようなことをしていたのです。
安在一尉は、隊員に2つのことを徹底させたとのことでした。
1つは、「無理、というな」ということ。
「どうやったらできるか」
を考えるようにするということでした。
2つめは、「常に笑顔でがんばる」ということ。
これは、外で働く隊員たちのために、
ここでは娯楽がないので、せめて、
おいしい食事をつくろう、温かいお風呂をすぐに入れるように用意しよう、
ということで、モチベーションを維持するためにしていたのだそうです。
ちなみに、川から140トンの水をくみ上げても、浄化処理すると40%しか残らないので、
真水はとても貴重でした。
食事も、野菜などは、隣の国などから仕入れていたそうですが、
検問にひっかかるため、到着したときには、野菜が腐っていることがほとんど。
これだけ聞いても、いかに、我々日本人の生活が恵まれていて幸せかが分かると思います。
そんな中での活動だったのです。
お話の中で、私がもっとも素晴らしいと感動したのは、
自衛隊は、単なる工兵として道路や橋をつくればいい、という考えで赴いたのではなく、
南スーダンの国づくりというコンセプトで赴いていることです。
おそらくですが、こういうコンセプトを持って
このような地に駐屯している軍隊って、ないのではないでしょうか?
南スーダンは、小学校しか出ていない人たちがほとんどで、国民はまともな教育を受けていません。
そして、生活をしてくために不可欠な仕事する技術を持っていないのです、ほとんどが。
自衛隊は、道路を作る時に、地域住民を雇用し、
ノウハウを与え、自分たちで道路を作れるようにしました。
これまで、側溝にゴミを捨てていた住人には教育をして、ゴミを捨てる住人はいなくなったのです。
また、食事を作る技術や、ウェイターとしての接客技術を教え、彼らが仕事に就けるよう、
さまざまな民生活動も行った事です。
よく言います、飢えた者に魚を与えても意味がない、賢者は、魚の釣り方を教える、と。
こんな軍隊って他にあるんですか???
これほどまでに、善意に満ちて、建設的な軍隊って他にもあるんですか?
その話を聞いて私は、大日本帝国がその昔、
朝鮮半島や各東南アジアの国で行ってきたことを、想起しました。
私たちの祖先は、侵略などしていません。
欧米の植民地だった国に、中国の属国でしかなかった国に、
独立と尊厳と文化を伝えたのですから。
現代において、その一端を垣間見たような気持ちがしました。
自衛隊に継承されているのは、現在において失われつつある、
本来の日本人としての、もっとも大切な部分であるように、私は感じます。
そして、さらに美しいのは、自らの功を声高に触れまわらない所です。
なんでしょう…わかってくれる人だけ、分かってくれたらいい…
いや、
分かってくれる人がいるのなら、とてもありがたい!それで充分!
そんな気持ちを感じます。
だから、私は、できるだけたくさんの人に、
自衛隊、すごいんだぞ~~~

たくさん、たくさん、お伝えしたいと、いつも思っているのです…。