さて、ゴールデンウィーク乗「艇」第二段は、
ミサイル艇です
もともと、行く予定にはしていなかったのですが、
博多港にミサイル艇が来ていたってことで、行こうかどうしようか迷っていた時、
前日、ネットでスケジュールを見ていると、
14:30見学終了、15:00出航
となっていたので、
出航が見たい!!!!と思い、
ここで決断(笑)
…メインは出航なので、あんまり早く行っても仕方ないしな~と、
1400時前後到着を目指して、家を出ました。
到着は、1410時くらいでした…ら、
なんかもう、ぼちぼち見学終了っていうアナウンスが…
やっべー
さて、今回、博多港に入港したミサイル艇は、
おおたか
しらたか
この2隻です。
大きさは200トンなので、あぶくま型護衛艦のさらに10分の1で、
こじんまりとしています。
…ふと思ったけど、
艦と艇の境目ってなんだろうね???
そんなことを思いながら、部屋のお気に入りカレンダーを眺めてみる。
トイレに貼ってかけ算の九九を覚えるみたいに、
見ているだけで艦名や艦形を覚えるという優れモノ(笑)
え?あ、もちろん非売品ですとも。
護衛艦にのっているサンタさんから、クリスマスプレゼントに頂きました
そんな自慢はさておき、
これを眺めていると、
最小艦 ⇒ 多用途支援艦 980トン
最大艇 ⇒ 掃海艇ひらしま型 570トン
だということが分かります。
…ん~、具体的にはどのラインで艦と艇の線がひかれるのかな?
900トンくらいかな???
で、ミサイル艇は200トンなので、いかに小さいかがお分かり頂けますね?
…それくらい小さいから、見学つったって、すぐ終わるわけで(笑)
なので、ぼちぼちと終了っていっても、
ギリギリまで見学させてくれました…が、
残念ながら「しらたか」1隻だけの見学となってしまいました。
もうちょい、早く行かなきゃだった
でも、どうにか1隻は見学させて頂けたので、良しとしよう。
で、乗ると…もんのすごく揺れる!!!!!すごく揺れる!!!
動いていないのに、なぜこんなに揺れる???
ってくらい揺れてました。
少なくとも、私はまっすぐに歩けなかったよ…。
こんな状態だと、すぐに船酔いしてしまうヘタレの私は、
もう、乗ったよ、という満足感だけを胸に、早々に上陸。
ラッタルの出口にいた自衛官に、
「…すっごいゆれますね~」
と言うと、
「そうですか???」
とけろっと言われました。
まぁ、艦艇随一のスピードを誇る、ミサイル艇に乗っていらっしゃるんだものね、
こんなささやかな上下で揺れなんか感じないよね、そりゃ。
もう、見学は叶わないおおたかを遠巻きに見て、
ラッタル降りたところで、そのまましばらくいることに。
そこにいた、おじさ…自衛官に、
「あの、出航って15時なんですよね?」
と聞くと、
「あ~、その予定だったんですが…14時半すぎには出航しないといけなくなりました」
「えっ??そうなんですか?」
聞けば、なんか別の船…フェリーかなんか?が来るから、早く岸壁をあけろと言われたらしいです…。
もう、この国における海上自衛隊に対する、民間の海上交通関係のひどさは分かっちゃいますが、
「えええそんな~ひど~いっそんなのひどいです」
と言わずにいられなかった。
「まぁ、そんなもんですよ」
と苦笑いをする海自さん。
なんかさぁ、もうちょっと自衛隊に敬意を払おうよ・・。
こんなに、民間船舶への遠慮や譲歩を強いられる海軍って、ないよね…。
言ってもせんないことなので、話題を変えてみる。
「あ、でも、早めに出航なんですね実は私、今日、出航が見たくて来たんです」
すると、海自さん
「えそうなんですかそれはぜひ!お見送りしてください」
とすっごいうれしそうに言ってくれた
「いいんですか?じゃあ、はりきってお見送りしますね」
…やっぱり、お見送りってうれしいんだなぁって思いました。
入港時のお出迎えも、もちろんうれしいみたいだけど。
ちなみに、入港時、自分を待ってくれている女性が岸壁にいるって、
船乗りにとっては、最高の幸せらしいですね
…お見送り云々の話をしていた時、
すぐ側のテントの中に、
日焼けしてすらっとした渋い一等海佐の方がいらっしゃいました。
名札をみると、
「ミサイル艇司令」
とかいてあるではありませんか。
話しかけたいけど、さすがにお忙しそうなので、
様子をうかがっていたら、ずうずうしい
話しかけて、長々と、吉田(元)総監と知り合いだの何だのとくだらない話をしている。
こんなオバハンのしょうもない話につきあわされている、指令をお気の毒に思いながら
作業風景を黙々と見学していたら、
「…すみません、出航の打ち合わせがありますので」
となんとか離脱成功され、心の中で、お疲れさまでしたとお声掛け。
それからしばらくすると、
その指令が、わざわざこちらに来られて、
「あと、30分したらあちら(おおたか)が先に出航します。
その後こちら(しらたか)ですので、ぜひ、お見送りお願いします」
と仰ってくださいましたので、
「はいっ(超笑顔)」
と言って、おおたかの方へ移動。
にしても、わざわざ言いに来てくれたのは、
「出航を見に来た」というのが、聞こえてたのかな?
おおたか、気がつけば自衛艦旗が、もうマストに取り付けられている…
しまった!!!付け替えるところを見たかったよ~
と思いながら、マストに翻る自衛艦旗を見上げていると、
その下に、細なが~~~~~~~い白い布がぴらぴらしている。
「あ、長旗だぁ初めて見た…気がする」
長旗 ⇒ 細長い吹き流しみたいな旗の付け根に旭日旗がちょこんと書いてある、
なんだか妙にかわいいくて、艦長が乗艦している時に掲げられる旗っぽくない旗。
帝国海軍時代から残る旗だけど、海軍時代のモノは、なんだか「ゲゲゲの…」
でおなじみのあの妖怪みたいな感じです(笑)
艦長がいる時に揚げられるらしいから、見たことないはずはないんだけど、見た記憶なし。
そして、写真はうまく撮れませんでした…ごめんね
で、出航に向けて、片づけやら準備やらされている乗員のみなさんをじーっと見学。
近くにいた自衛官に、
「あの、ミサイル艇って、何人乗っているんですか?」
と聞くと、
「18人です」
と、、衝撃の答え。
「ええたった18人なんですか??大変ですね」
「そうなんですよ。なので我々は、二役三役かけもちしています」
18人って…いくら小さいからって…ちょっとびっくり。
あ、でもだからかな?
さっきから見ていて、海士くんがいないなぁって思ってた。
どうみても、ベテラン勢って感じの中に、若い士官が一人いるかな~くらい。
ミサイル艇って、不審船対処や沿岸防備が主な任務らしいですが、
見ていると、ベテランじゃないと務まらないぜみたいな空気を感じました。
うまく言えないけど、護衛艦とはちょっと違う空気…気のせいかもだけど。
やがて(*)
ガスタービンの音がして、煙突から煙がうっすら上がりはじめました。
「わ~」
この瞬間にも、見えないとことで船を動かす準備をしている人がいると思うと、
なんだか感慨深いです。
ふと、船首に目をやると
錨が上がってる~
それにしても、小さい艇って、
近くで全体的な出航の作業風景を見ることができて楽しい~
いいなぁ、このコンパクト感。
とはいえ、小さいって言っても、艇を動かすのには結構時間がかかるんだなぁと思いました。
いろんな想いを感じながら、眺めていると、
ゆっくりと動き出して、岸壁から離れ始めた。
足元に荷物みたいなクッション(名前忘れた)を置いて、
じっと岸壁を見つめる海自さん。
艇が少しづつ方向を変えると、岸壁にぶつかりそうになる時に、
こうやって、岸壁を壊さないように、艇を傷つけないように、護ります。
も~~~~こんなところが大好きだよ、海上自衛隊
なんてなんて丁寧な作業
艇が角度を変えるたびに、このクッションを移動させます。
そして、
出航喇叭が鳴り、
「出航用意」
の声が聞こえました。
キターーーーーーーーー
これこれ
…だけど、ちょっと思った…
ちょっと動いてから、喇叭鳴らすんですね(笑)
本格的に動く前ってことなんですかね???
一旦、バックで下がってから行きました。
さてさて、こちらが動いたので、ぐずぐずしちゃいられない。
お次はしらたかを見なきゃ。
ちなみに、さきほどの指令が乗っていらっしゃるのは、こちらです。
さて、錨が上がり、以下(*)に戻る。
と、その間、しらたかの隙間から、
走り去るおおたかを見ていたのですが、
早い!!めちゃめちゃ早い!!
ミサイル艇、早っ(←「まるで疾風だ…」)
自衛艦艇最速の44ノット、早いです。
博多港から2時間くらいで佐世保に帰りついちゃうんだそうです。
ミッターマイヤー提督でも乗っているんですか?ってくらい、早い(笑)
一方、おおたかが疾風の如く走り去っている間、しらたかでは、
この作業中。
そして、再び出航喇叭と「出航用意」が響きました。
岸壁から離れてしばらくした、その時
皆さんが、帽振れをしてくれたのです
ちょっと遠かったけど、でもでも、初めて見た「帽振れ」
うれしい~~~~
うれしくて、一生懸命手を振っていたので、写真撮り忘れました…。
しかも、あの指令も振ってくれているのが分かりました
みんなが降り終わっても、
一番最後までお一人で手を振ってくれているのが分かりました
じ~~~~ん。
私も、ず~っと手を振りました。
普段、佐世保にいらっしゃるなら、またお会いできたらいいな~。
今度は、いろいろお話聞きけたらいいな~。
そして、この日のお礼を言えたらいいな~
そうして、2隻のミサイル艇は疾風の如く佐世保へと帰って行きました。
ミサイル艇の皆様、お疲れさまでした。