『五木寛之の百寺巡礼』を往く

五木寛之著「百寺巡礼」に載っている寺100山と、全国に知られた古寺を訪ね写真に纏めたブログ。

8 成田山

2023-04-17 | 千葉県

第45番 成田山

聖と俗が混ざり合う庶民信仰

 

 

 

参拝日     平成28年(2016) 7月30日(木) 天候晴れ

 

所在     千葉県成田市成田1
山号     成田山
院名     金剛王院  
寺名     新勝寺
正式名       成田山金剛王院神護新勝寺  
別称     成田不動 成田さん
宗旨     新義真言宗
宗派     真言宗智山派
寺格     大本山
本尊     不動明王
創建年      天慶3年(940)
開基     寛朝僧正
霊場     関東三十六不動霊場三十六番
文化財       国指定重要文化財 光明堂、釈迦堂、三重塔、仁王門、額堂
       成田市指定文化財 鐘楼、一切経蔵他

 

  年に数回ほど海外勤務の息子を送迎するので成田空港に行っている。其のうち年一回は成田山に詣でることにしている。あらためて百寺巡礼をスタートさせたので今年は初めて成田山にお参りすることにした。百寺巡礼第8番目のお寺は成田山でおなじみの成田山新勝寺である。  成田山は、千葉県成田市にある真言宗智山派の寺であり、同派の大本山のひとつである。本尊は不動明王。東京近辺では、明治神宮、川崎太師、浅草寺、とならんで成田山は初詣の参詣人を集める有名な寺である。家内安全、交通安全などを祈る護摩祈祷のために訪れる人も多い。

 

 

境内案内図

 

 

 

 

総門   開基1070年の記念事業により平成19年(2008)に建立。高さ15mの総欅造り。蟇股という欄間にあたる部分には十二支の木彫刻が施されている。

 

 

 

 

総門に掲げられた扁額 

 

 

 

 

総門を潜り仁王門に進む

 

 

 

 

仁王門【国指定重要文化財】 天保2年(1831)に創建された。門の左右に密迹金剛、那羅延金剛の二尊が奉安され、昔から成田山の門を守ってきた。また、裏仏として、広目天、多聞天の二天が奉安されている。

 

 

 

 

中央の「魚がし」の文字が大きく目立つ大提灯は、魚河岸講の奉納によるもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

門の左密迹金剛、那羅延金剛の二尊が奉安され、成田山の門を守ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

門の裏仏として、広目天、多聞天の二天が奉安されている。

 

 

 

 

仁王門の天井部分

 

 

 

 

本殿の前の広場

 

 

 

 

大本堂の前にある常香炉

 

 

 

 

大本堂   昭和43年(1968)建立の鉄筋コンクリート造。 大本堂は当山で最も重要な御護摩祈祷を行う中心道場。堂内の御本尊不動明王は、向かって右に矜羯羅童子、左に制咤迦童子を従えている。また、四大明王や平成大曼荼羅などが奉安されている。

 

 

 

 

外陣の様子    この大本堂は、建築家吉田五十八の設計である。奈良・法隆寺に隣接した中宮寺の設計者である。内陣は296畳もある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三重塔【重要文化財】 正徳2年(1712)に建立。総高は25mで、塔内には大日如来を中心に五智如来が奉安され、周囲には「十六羅漢」の彫刻がめぐらされている。雲水紋の彫刻がほどこされた各層の垂木は一枚板で作られた珍しいもので、一枚垂木と呼ばれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

極彩色に施され華やかな姿が注目を集める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鐘楼  元禄14年(1701)に建立。

 

 

 

 

一切経堂  享保7年(1722)に建立され、天保2年(1831)から平成21年(2009)の間に数回に修復を繰り返してきた。入口の額は、かの松平定信公の筆による。

 

 

 

 

堂内の輪蔵には、一切経(約2,000冊)が納められている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖徳太子堂   平成4年(1992)に建立、平成19年(2007)に修復。日本の仏教興隆の祖である聖徳太子の理念にもとづき、世界平和を願って建てられた。堂内には、大山忠作画伯の壁画が6面に渡り描かれてあり、聖徳太子像が奉安されている。

 

 

 

 

相輪

 

 

 

 

大本堂の西側から境内を見る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

釈迦堂【重要文化財】  安政5年(1858)に建立された。かつての本堂であり、大本堂の建立にあたって昭和39年(1964)に現在の場所に移された。仏教を開いた釈迦如来や、普賢、文殊、弥勒、千手観音の四菩薩が奉安されている。周囲には、五百羅漢や二十四孝の彫刻がほどこされ、江戸時代後期の特色をよく残している総欅づくりの御堂。

 

 

 

 

釈迦堂の妻側

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北西側の境内

 

 

 

 

開山堂

 

 

 

 

光明堂【重要文化財】  元禄14年(1701)に建立された。釈迦堂の前の本堂であり、江戸時代中期の貴重な建物。大日如来、愛染明王、不動明王が奉安されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

額堂【重要文化財】   文久元年(1861)に建立され、昭和61年(1986)に修復された。ご信徒から奉納された額や絵馬などをかける建物で、江戸時代に奉納された貴重な絵馬や、様々なモチーフの彫刻は、目を見張るものがある。また、七代目市川團十郎丈が寄進された石像がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

境内の桜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平和大堂   唱和59年(1984)に建立。真言密教の教えを象徴する塔。総高は58mで、1階は大塔入口、成田山の歴史展、写経道場各種受付がある。2階の明王殿には、大塔の御本尊不動明王、四大明王、昭和大曼荼羅、真言祖師行状図が奉安され、3・4階の経・法蔵殿には、ご信徒による掛仏、5階の金剛殿には五智如来が奉安されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相輪

 

 

 

 

成田山の境内には、東京ドーム約3.5個分 (16万5000m²)にも及ぶ広大な公園が整備されている。公園は仏教の生きとし生けるものすべての生命を尊ぶという思想が組み入れられ、不殺生を表す尊い生命をはぐくむ場となっている。また、公園内各所には松尾芭蕉や高浜虚子など著名な文人たちの句碑が建てられている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

成田山門前商店街

 

 

 

 

 

 

 

 

 

成田山案内図

 

 

 

 

 

 

成田山の案内書

 

 

 

 

 

「百寺巡礼」よりー『もっとも成田山が多くの参拝者の支持を得ているのは、こうした祈祷もさることながら、その結果として「ご利益のデパート」と言えるほどに、さまざまな現世利益を提供するということもある。数えてみると、二十余りのご利益が取りそろえてあるのだ。家内安全、商売繁盛、心願成就、厄難消除、開運成就、交通安全、災難消除、方難消除、息災延命、大量満足、海上安全、安産、旅行安全、航空安全、工事安全、事業繁栄、工場安全、学業成就、合格成就、当病平癒など。ご利益は生活のあらゆる面にわっている。だれでもどれかには関係するだろう。成田山のこういうあり方に対して、観光と信仰とをごちゃ混ぜにしていると批判するむきがあるようだが、私は必ずしもそうとばかりは考えない。日々の暮らしをいとなむ人々の気持ちを思えば、やはり、原理主義的に人々の願いを切りすてて考えてはいけないのではないか。さまざまな俗っぽいを全部ひっくるめてこそ、人々の信仰というものは強まり、長く続くのだろうとおもうのだ』。

 

 

 

 

御朱印

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                          成田山 終了

 



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