詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

絵葉書

2015年02月08日 | 
車窓からの景色を眺めていると
ふいに絵葉書が届く
いつのどれの
もう思い出せない旅先から

写っていたのは
ありふれた街の角
ふたりで歩いていた気分
倦怠感も色あせればセピア色

ふたりはきっかけを探している
誰かの日常と私たちの非日常
揺れて
溶けあって
夢の中のあの坂につながっている
心を裏返しにしてつくったひとつのカプセルに入って
外からやってくる不機嫌も苛立ちもときめきも
ふたりを布で巻き付けるようにタイトにする
だから疲れが蔦のように管を巻いても
風景を絡めとって
一枚の絵葉書は刷り上がる

気まぐれな便り
いつどこに届けようか考えもせず
自分でも気付かぬうちに
ポケットから出しいつのまにか
未来の自分に宛てて
するっとポストに入れているから
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