新しいカレンダーを置いた
知らず胸を張りながら
新しいものは喜ばしい
新しい命も
けれど私が迎える正月は
もう数えきれない
一年は計を立てぬうちに終わり
見渡すと楕円の形をしている
一年で一周のはずなのに
去年の一月は半周した
ちょうど向かい側にある
何から刻まれているのか
考えるのがなんとなく怖い
歌のように数えながら寝て
正月が正月にふさわしく
華々しかった頃を離れて
両親が雑煮の餅をつまらせないか目を光らせて
磨き忘れている隅をこっそりと磨いている
私もとっくの昔に少女でないこと
びっくりするほど自覚なかった
外からの明るさが
ぐるりと半周して色を変え
暮れていった
三ヶ日も過ぎて家人のいない部屋
私が充満してしまい
金縛りにあう
骨はぐずぐず
地面も繋がりも揺れ動いて
つかまえられない
簡単なのに
すぐそばにあるものを
しっかりつかめばそれでいいのに
風呂掃除のスポンジとか
買い物袋とサイフ
包丁まな板おたまに菜箸
このところ通勤電車の記憶しかない
どこかしら行っているはずなのに
イメージが細長い四角形に閉じ込められている
遠くへ行きたかったはずなのに
それとも、どこへも行きたくないのかな
破っても破っても
隠されている本音は
新年の旅にあけまして
いつかわかるでしょう
おめでとう
知らず胸を張りながら
新しいものは喜ばしい
新しい命も
けれど私が迎える正月は
もう数えきれない
一年は計を立てぬうちに終わり
見渡すと楕円の形をしている
一年で一周のはずなのに
去年の一月は半周した
ちょうど向かい側にある
何から刻まれているのか
考えるのがなんとなく怖い
歌のように数えながら寝て
正月が正月にふさわしく
華々しかった頃を離れて
両親が雑煮の餅をつまらせないか目を光らせて
磨き忘れている隅をこっそりと磨いている
私もとっくの昔に少女でないこと
びっくりするほど自覚なかった
外からの明るさが
ぐるりと半周して色を変え
暮れていった
三ヶ日も過ぎて家人のいない部屋
私が充満してしまい
金縛りにあう
骨はぐずぐず
地面も繋がりも揺れ動いて
つかまえられない
簡単なのに
すぐそばにあるものを
しっかりつかめばそれでいいのに
風呂掃除のスポンジとか
買い物袋とサイフ
包丁まな板おたまに菜箸
このところ通勤電車の記憶しかない
どこかしら行っているはずなのに
イメージが細長い四角形に閉じ込められている
遠くへ行きたかったはずなのに
それとも、どこへも行きたくないのかな
破っても破っても
隠されている本音は
新年の旅にあけまして
いつかわかるでしょう
おめでとう