私が私になるために
私は私を離れなくてはいけない
小説家が小説について書いている本で
音楽家が画家について語っているくだりを読んで
そのように思った
私を意識している私は
幽体離脱のように
私を離れ
私を見ている
外の世界を曇りなく
見るため
感じるために
私よ、どいてください
私は私と一体になりたい
一体となって私を離れたい
水晶の中に火を灯すことができたら
赤いオレンジ色が無数に映って
いっせいに揺らめくだろう
夢の中ではどんな冒険も
私の器に映ったろうそくの火の揺らめき
だからぬくぬくとした家のように
閉じられていてあたたかい
出会う人々もへその緒でつながっているように親密で
目覚めても無意識に
その人の心地を撫で続けている
風景を歩いている
私は私にぴたりと重なり
私を見失い
純粋な世界を見ることができている
のだろうか
いや、私でいっぱい
容器までぐるんと私なのだ
一歩一歩初めてなのに
夢から覚めた世界で
同じイメージに閉じ込められているのは
どうしたことだろう
放射状に足跡をつけているのは知っているのに
蜘蛛の巣のように
私を囲い込む私
どうして抜け出したらいいのだろう
私は私を離れなくてはいけない
小説家が小説について書いている本で
音楽家が画家について語っているくだりを読んで
そのように思った
私を意識している私は
幽体離脱のように
私を離れ
私を見ている
外の世界を曇りなく
見るため
感じるために
私よ、どいてください
私は私と一体になりたい
一体となって私を離れたい
水晶の中に火を灯すことができたら
赤いオレンジ色が無数に映って
いっせいに揺らめくだろう
夢の中ではどんな冒険も
私の器に映ったろうそくの火の揺らめき
だからぬくぬくとした家のように
閉じられていてあたたかい
出会う人々もへその緒でつながっているように親密で
目覚めても無意識に
その人の心地を撫で続けている
風景を歩いている
私は私にぴたりと重なり
私を見失い
純粋な世界を見ることができている
のだろうか
いや、私でいっぱい
容器までぐるんと私なのだ
一歩一歩初めてなのに
夢から覚めた世界で
同じイメージに閉じ込められているのは
どうしたことだろう
放射状に足跡をつけているのは知っているのに
蜘蛛の巣のように
私を囲い込む私
どうして抜け出したらいいのだろう