詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

とつぜん、家を買うことになる1

2017年02月01日 | 雑記
いつか買うのだろうとは思っていたが、タイミングがわからず、ずっと社宅住まいだった。ここ二年ほど角度23度くらいの傾斜で家賃が値上がりしていたので、そろそろ買い時なのかなぁ、と話してはいた。でも、チラシなんかで見ていると、最近、同じくらいの角度でマンションの値段も高くなっている気がするし、オリンピックが終わるまで待つべき?という意見も(夫婦間でだけど)あり、特に積極的な行動に出ることもなく、時は過ぎていく。

ある日、実家で、建設現場に関わる仕事をしている兄に、マンションについて尋ねていたら、そういえばあそこもまだ売り出し中だよね、と実家に比較的近い場所に建っているマンションを教えてくれた。数日後、「新聞の折り込みチラシに入ってたよ」と、親から広告が送られてきた。

まあ、まだすぐには買わないけど、準備運動的な感じで、ちょっと見に行ってみる〜?と夫と二人、ある休日にトコトコ出かけた。

そして今日に至る。なんと、契約してしまった。なんと、一軒めで決めてしまった。真剣に探していたわけでもなかったのに。モデルルームを見に行ったその日に申し込みをし、一生に一度の大きな買い物をしてしまった。

申し込み(この部屋を買いたいという意思を伝える)から契約の日まで、いつもの私には考えられないくらい睡眠時間を削り(とはいっても大したことはない。とはいっても眠い。とはいってもずっと興奮状態で、仕事中に睡魔に不意打ちされて意識を失うこともなかった!)、いつもの私には考えられないくらい集中して、ネットで調べたり、本屋さんで不動産関係について立ち読みしたり、した。マンションを見に行く前に買っておいた野菜たちは、料理されることなく、冷蔵庫の中で萎れていった(とはいっても、翌週にはちゃんとしなしな野菜炒めに生まれ変わりました)。

家を買うって、ものすごく大きなことなのに、あの契約までの流れ、早すぎませんか?営業の人に、「こんなもんですか!?」少々怒り気味で聞いてしまった。「こんなもんですよ」と、営業さん。「それは法律的に決まっていることなんですか?」と私。「そういうわけではないですけど……」

なんだか売る側が完全に主導権を握っているようで、そういうネット情報を読んだり、本を読んだりして、さらに不信感。しかしながら、かなりかなり悩んだ末、結局、申込みから一週間も立たないうちに言われた通り手付金を振り込み、契約をした(契約した、なんて偉そうに言ってますが、ご主人様に契約してもらったのです。ぺこり)。

契約をする日は、約束の時間よりも早くそこへ行って、重説と管理組合の規約を先に読ませてもらった。分厚くて、「契約する前にこれを読むなんて、無理ですよね?」と言いながら(このときもまだ不信感でいっぱい)。約束の時間に夫も到着したので、あと20分だけ時間をくださいと言って、読む。この時間で気になるところ、ほとんど目を通してしまった。日頃の本屋さんでの立ち読み訓練効果は絶大でした(本屋さん、ごめんなさい。おかげさまでしばしば衝動買いしているので許してください)。私も、やればできるんだ。自分にちょっと感心した。

気になることは全部聞いて、営業の方からの重説説明も聞いて、決心の固まっている夫に、サインをしてもらった。あー。もう引き返せないよ。時計を見れば、いつのまにやらもう夜中の12時近く。終電に間に合うかどうか、ぎりぎりの時間!駅まで必死で走った。夫婦二人、ばかみたいに走った。営業の人も帰れたかな。

あんなに悩んでいたのに、契約が済んでしまったら、急に気持ちが軽くなった。憑き物が取れたみたいに。そうだ、ほんとに、契約するまでの間は憑き物がついていたみたいだった。嵐のような一週間だった。

こういうときにはかえって、自分に入り込んでしまうこともなく、人並みの平衡感覚を保てているような気がした。自分のズレた思い込みの世界で、誰にもわからないような「いい」に拘泥することなく、もっと一般的な感覚で「いい悪い」がわかりそうな気がして、もしかして、いい詩が書けるかもしれない、など思ってしまって、深く考えずにさらさら〜と書いた詩をアップしてみた。けれど、いつもに増してつまらない文章になっている気もした。

つづく

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