詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

眠り

2023年10月24日 | 
眠りは不思議な生き物
毎晩欠かさずわたしのもとを訪れる
わたしになんの取り柄もなく
創造力のきらめきもなく
つまらなくても
闇の中にそこだけほのかな意識となったわたしに
両側から黒い腕をからめて
広く柔らかな背中に乗せ
暗い世界で音楽のように飛翔する

境界は波のように定まらず
眠りはあいまいな生き物だから
温度を感じられることは稀
誰かの話を聞いている
けれど粒はあいまいになり
それは縁がレース飾りのように波打つ切手
ハルだけで満たされている

わたし自身の道のりで
詩にはなかなか出会えないけれど
眠りがどれほど大きなポケットを備えているのかは計り知れない
成長していく家や美しい階段
とっておきの感情を 素朴に用意しておく
込められたメッセージが
閉じられた循環でありながら
どこからでも出たり入ったりして
浸潤の容易な膜のように
「印象」という形を受け取り
与え返し
わたしを超えたものとして
ひっくり返され
わたしを包む
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