詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

夜へ出かける

2015年11月03日 | 
坂を上がって
川沿いの道に出てはっとする
羊羹のような深い暗い鼠色に
色んな色の明かりが川に長く延びていて

詩を書きたいと思う
書きたいことがたくさんある
ひとつの詩に書けることは限られている
とても分けることができなくて
心にぐいと打ち込まれた杭で
ひとつ引っ掛けるとずるずるずるずる
未分化の感情が引っ張りだされてくる

この川の流れ
大きくてもう流れには見えない
ゆらゆら無数の筋が揺れているだけの水面に
長く延びて映っている
色とりどりの明かりが
感情の間口をさらに押し広げて

川べりを歩いていると
ずっとずっと歩いていると
もつれた糸の端を握ったまま
向こう側へ渡ってしまった人のところへ
辿って行けそうな気がするのに
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