月の音
2017年12月31日 | 詩
何色というのだろう
淡い色の移りゆく様
一枚の大きな窓越しに見ている
空の色海の色
つぶやきのような雲が
ひとつふたつみっつ並んで
黒い星のようなカラスが
ひとつふたつ駆けていく
わたしのいるこちら側には空調の音しかない
けれど向こう側では
違う音が満ちていることを知っている
枯れ草が揺れている
切れ目のない無数のきらめきが
まっすぐな線の向こう側からやってきて
岩場に崩れ
なおも浜辺へ押し寄せ果てる
光を残していた空の色も
海へ移ってやがて消え
遠慮がちだったかすれ跡のような月が際立ってくる
色の消えた海に
うっすらと光の道があらわれる
それをどのように見ているのか
わたしは一体なにを見ているのか
しばし目を離し
ふたたび窓に目を戻すと
そこはもう一面の闇
それでもなおじっと見つめていると
わたしの動物が働き始め
瞳孔が開いていくらしい
なんの音もしないのに
過ぎ去った時間の中の話し声のように
銀糸で縫い込まれた感情のさざなみが
海の上で絶え間なく
ささやいているのが見えてくる
淡い色の移りゆく様
一枚の大きな窓越しに見ている
空の色海の色
つぶやきのような雲が
ひとつふたつみっつ並んで
黒い星のようなカラスが
ひとつふたつ駆けていく
わたしのいるこちら側には空調の音しかない
けれど向こう側では
違う音が満ちていることを知っている
枯れ草が揺れている
切れ目のない無数のきらめきが
まっすぐな線の向こう側からやってきて
岩場に崩れ
なおも浜辺へ押し寄せ果てる
光を残していた空の色も
海へ移ってやがて消え
遠慮がちだったかすれ跡のような月が際立ってくる
色の消えた海に
うっすらと光の道があらわれる
それをどのように見ているのか
わたしは一体なにを見ているのか
しばし目を離し
ふたたび窓に目を戻すと
そこはもう一面の闇
それでもなおじっと見つめていると
わたしの動物が働き始め
瞳孔が開いていくらしい
なんの音もしないのに
過ぎ去った時間の中の話し声のように
銀糸で縫い込まれた感情のさざなみが
海の上で絶え間なく
ささやいているのが見えてくる
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます