MIRO ITO発メディア=アート+メッセージ "The Medium is the message"

写真・映像作家、著述家、本物の日本遺産イニシアティブ+メディアアートリーグ代表。日本の1400年の精神文化を世界発信

脱皮 「美露」 から 「みろ」 へ、蜻蛉のように軽く透明な存在へ

2008-10-22 10:33:11 | Weblog
脱皮 「美露」 から 「みろ」 へ、蜻蛉のように軽く透明な存在へ

 この半年間、ブログをずっと更新できないでいました。日本に戻って5年が経過し、私なりにこの5年の成果をかたちにする時機になり、人生で一番忙しい半年間でしたが、忙しさの質が変わってきたというか、根を着々と生やした大地から芽が葺き出し、葉が広がり、幹が育ち始めている感触です。これから様々な新しい花を咲かせてくれることでしょうか。

 この間、ヨーロッパやアメリカにも足を運び、日本での5年間の成果を展覧会や写真集にするプロジェクトも動き始めています。 折から今年に入って世界があらゆるレベルで激震し始め、良くも悪くも新しい時代の始まりを予感させてくれる中、私自身、ひとつの時代の区切り(~「魚座」の時代から「水瓶座」の時代へ~)として、魂の輝きが本当に求められる時代の到来を願って、古い殻を脱ぎ捨てようと誓い新たにしました。

 こうした時代の変わり目に際し、日本で20年あまり使ってきたアーティスト名(漢字の「美露」)を、脱ぎ捨てることにしました。もともとドイツで写真家としてデビューした私は、「MIRO ITO 」の名を使っていましたが、88年のツァイトフォト(東京)での個展以来、日本名ではずっと「美露」を使ってきました。「美」を「露(あらわ)」にする生き方を選んだ覚悟を込めて_。

 当時はまだドイツで活動をしていましたので、ひらがなよりも漢字に惹かれていましたが、この5年間、日本文化の伝統の重みと、精神の深淵に魅せられた作品をつくっている関係で、ひらがなを初めて美しいと感じるようになりました。そして、新しい時代に向かって、日本発の「精神」の花を作品として大きく開かせる気持を込めながら、私自身はますますこころを蜻蛉のように軽くして、作品のこころに浸透していけるよう、ひらがなの「みろ」にすることにしました。

 この際、20年来の私自身のさまざまな「垢」を脱ぎ捨てることで、さらに溌剌と魂そのものとして輝き出したい、と誓っています。

 本当はずっとローマ字の「MIRO ITO」のままで十分だったのですが、20年も使い続けて来た漢字の「美露」にはいまでもとても愛着があります。古い名前との別れは、自分の分身との別れのようなものです。でもその分身といま敢えて別れることで、これまで知らなかった「半身」が新しい分身になってくれるかもしれません。失うことでしたか、得る事の出来ないものがあるのです。

 しばらくは『アサヒカメラ』での連載や著書などの名前として、「美露」の名も併用しますが、「みろ」と、これからひらがなに変えることで、さらにピュアに作品とともに輝きたいと願っています。

 これからは新しく生まれ変わった気持で、光を背にした蜻蛉のように透明な、未来へとふんわりと舞う羽のよう羽搏いていていきたいと願っています。

 これから 「伊藤みろ」をどうぞよろしくお願いいたします。

 2008年10月吉日
 伊藤みろ

 追伸 久しぶりに「天使のような雲」の空を撮りました。10月16日の空です。
  text and photo by miro ito, all rights reserved. skiy over kamiuma, 2008.10.16

 ☆☆☆☆☆☆☆☆  好評連載中 by 伊藤美露  ☆☆☆☆☆☆☆☆
 「極意で学ぶ 写真ごころ」(『アサヒカメラ』朝日新聞出版社)
 2008年の11月号のテーマは「写真の『構図』とは?」p.184~187

 ☆☆☆☆☆☆☆☆  日本図書館協会選定図書  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 『魅せる写真術 発想とテーマを生かす撮影スタイル』
 著:伊藤美露 定価 : 2,079円 B5判/160P/オールカラー    
 ISBN 978-4-8443-5921-0