MIRO ITO発メディア=アート+メッセージ "The Medium is the message"

写真・映像作家、著述家、本物の日本遺産イニシアティブ+メディアアートリーグ代表。日本の1400年の精神文化を世界発信

「アサヒカメラ」新年号(2012年1月号)にて「能」を撮った作品を10頁で発表 by 伊藤みろ (Miro Ito)

2011-12-23 11:41:34 | Weblog
 12月20日発売の「アサヒカメラ」新年号(2012年1月号)に、「能」を撮った作品を10ページで発表しています。
 シテ方金春流 金春穂高氏、観世流 武田志房(ゆきふさ)氏、武田友志(ともゆき)氏、武田文志(ふみゆき)氏をスタジオで撮りおろした作品です。

 曲は「翁」「羽衣」「絵馬」「敦盛」「高砂」です。
 
 翁は、天下泰平の祈祷の舞いとして、新年に舞われます。
 金春流・金春穂高氏が世の安寧への願いを込めて、空を舞台に演じる翁は、咒師猿楽の流れを組む興福寺春日大社の薪能での「咒師(しゅし)走りの儀」の翁です。また世界共通の伝説である「羽衣」を舞っていただきました。

 一方、松の永遠性と夫婦和合を詠う「高砂」を観世流・武田志房氏に、武田友志氏には天照大神(「絵馬」)を舞っていただきました。

 NYで「9.11」を体験した私は、世界の平和を願い、能に流れるこうした神々の「おめでたさ」や、悟りを目指すこころの道を作品のテーマにしています。
 武田文志氏には、敵と味方が仏縁で友となる「敦盛」を演じていただきました。

 抑制のきいた動きから役者の深い感情が溢れでる能は、観る人の心の中で響き、人の心のあり様を発見する心理劇です。
 同時に想像力を仏や神々の世界へと飛翔させる世界最高峰の伝統芸能といえます。 
 
 さて「アサヒカメラ」といえば、同誌での連載『極意で学ぶ写真ごころ』がこのたび書籍になりました(フィルムアート社)。

 ドイツで写真家になった私にとって、日本文化はモダンアートの源流でもあります。
 東西文化の融合の極みから生まれる写真ごころを説きながら、「極意」の技法を開示しています。
 せひご高覧くださいませ。

 かしこ

 伊藤みろ メディアアートリーグ

 2011/12/23
 Photo & Text by Miro Ito/Media Art League. All rights reserved.
 Photo: Tomoyuki Takeda "Ema" by Miro Ito

 撮影協力:イイノメディアプロ
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「極意で学ぶ写真ごころ」伊藤みろ 著 / B5 判/
 予価 2,400 円+税/並製 オール4C / 152 頁/
 発刊:2011年11月30日 / ISBN 978-4-8459-1180-6
 発行元: 株式会社フィルムアート社  TEL: 03-5725-2001
 http://www.filmart.co.jp

  [フィルムアート社の情報サイト]
 http://www.filmart.co.jp/cat138/post_157.php#more

 [amazonで発売中]
 http://www.amazon.co.jp/極意で学ぶ写真ごころ-伊藤-みろ/dp/4845911809/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1322401804&sr=8-1

 [伊藤みろ 『極意で学ぶ写真ごころ』情報サイト]
 http://miroito.exblog.jp/

 公式サイト: http://www.miroito.com

写真ごころの極意論: 『極意で学ぶ写真ごころ』について (「アサヒカメラ」連載の書籍化)

2011-12-14 13:34:22 | Weblog
 このたび書籍として発刊しました『極意で学ぶ写真ごころ』(フィルムアート社)は、日本文化の「極意論」と絡めて、「写真ごころ」とは何かを考えるエッセイを冒頭に、「基本」でありながら、「極意」である実技を伝授する教本です。

 写真ごころとは、写真における表現をめざす態度であり、現実の先に永遠なるものを視ようとする思いのことですが、冒頭では「不射の射」を考えてみました。

「不射の射」といえば、「射らずして射る」という、まさに神業の世界です。
 大正時代の弓道の大家・阿波研造師範は、線香で照らしただけの暗闇の中で二本の弓矢を放ち、一本目は的の真ん中に命中。二本目は一本目の筈に当たり、一本目を引き裂いていた、という逸話があります。

 阿波師範は「それ(仏)が射た」と語りました(ドイツの哲学者のオイゲン・ヘリゲルの著作『弓と禅(日本の弓術)』より)が、「仏が射る」とはすなわち、仏と呼ぼうが神と呼ぼうが、宇宙本体の大本の力による業、という意味になるでしょうか。武道では、古来より中国の神仙術のごとき、こうした離れ技を伝えています。

 もとより、達人の世界は、常人の想像を絶する世界ですが、芸術の創造行為も、どこかこうした人智を越えた力の助けを得ています。万物に遍満し、すべてを貫通する宇宙の摂理が、人が本来もつ潜在的な力と創造的に結びついているのではないでしょうか。
 そこでは「撮る」「撮られる」の関係が溶け合っていきます。この一体感こそ、写真ごころの醍醐味です。

 いわゆる芸術のインスピレーションの源がどこかと考えると、それは自然の生命力だったり、さらに現実の時空の先に広がる次元(無意識)からの働きかけによるものです。
 詩人が万物から「声なき声」を聴くように、画家は見える世界を通して、その先にある「見えない世界」を視ようとします。
 私にとっては、絵も写真とは、自分の意識をそうしたより大きな世界に結びつける「こころの窓」の役割を果たしています。

「不射の射」とは、写真においては、「撮らずして撮ること」「視ずして視ること」と本書の冒頭で書きましたが、それを追体験することが難しいようでしたら、一心に何かに打ち込んでいる自分を想像してみてください。

「無我夢中」という喩えのとおり、音楽を演奏するとき、絵を描くとき、詩を綴るとき、踊りを舞うとき、スポーツで記録に挑んでいるとき…でも、何でもいいのです。その時に、我を忘れることで、音楽そのもの、絵そのもの、詩そのもののエネルギーに自分を投げ入れ、どこか「永遠なるもの」に繋がっていく感覚が得られれば、それが「写真ごころ」であり、「絵ごころ」「詩ごころ」の入り口となるのです。

 本書では、日本文化の極意論を語りながら「技」に託された精神性を、また「写真ごころ」について考えながら、芸術の中に宿された永遠性を、語ってみました。
 私の写真ごころのすべてを注ぎこみましたので、どうぞご愛読くださいませ。


伊藤みろ
2012年12月吉日

写真:足立美術館 池庭(『極意で学ぶ写真ごころ』 P.83掲載より)
Photo & Text by Miro Ito/Media Art League. All rights reserved.

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「極意で学ぶ写真ごころ」伊藤みろ 著 / B5 判/
予価 2,400 円+税/並製 オール4C / 152 頁/
発刊:2011年11月30日 / ISBN 978-4-8459-1180-6
発行元: 株式会社フィルムアート社  TEL: 03-5725-2001
http://www.filmart.co.jp

[フィルムアート社の情報サイト]
http://www.filmart.co.jp/cat138/post_157.php#more

[amazonで好評発売中]
http://www.amazon.co.jp/極意で学ぶ写真ごころ-伊藤-みろ/dp/4845911809/ref=sr_1_1?

[伊藤みろ 『極意で学ぶ写真ごころ』情報サイト]
http://miroito.exblog.jp/

伊藤みろ 公式サイト: http://www.miroito.com

足立美術館公式サイト: http://www.adachi-museum.or.jp/ja/index.html

『極意で学ぶ写真ごころ』発刊のご案内  伊藤みろ by Miro Ito

2011-12-01 12:08:02 | Weblog
『極意で学ぶ写真ごころ』発刊のご案内  (著:伊藤みろ)

 アサヒカメラ誌で連載していた「極意で学ぶ写真ごころ」が11月30日、フィルムアート社から書籍として発刊になりました。

 ドイツ、アメリカをはじめ、世界の写真文化の第一線で学んで来た経験を一冊の本に託しました。

 この本では、「極意」を二つの範に求めています。
 一つは、能や剣、弓道などの技芸をはじめ、山水画や日本庭園などをテーマに、そこに秘められた極意を学びながら、写真表現に置き換える、日本の精神文化に学ぶ極意です。
 学ぶのは、形を超えた理(ことわり)です。

 日本の伝統文化の簡素さに宿る幽玄なる美の「形」を「表」とするなら、「裏」にはそれを支える「理」が常に張り合わさっています。その意味で、日本文化はまさに「極意」の文化といえるほどです。

 もうひとつは20世紀初頭の前衛運動であるモダンアートにおける表現上の挑戦。
 フォービズム、キュビズム、ダダ、表現主義を経て、新即物主義やシュールレアリスム、抽象芸術に至るまで、芸術表現が根本から塗り替えられるなか、ロシアンアヴァンギャルトやバウハウスで試された果敢な写真の実験をヒントに、写真技法を「写真道」として、捉え直してみました。
 
 こうした技法の「理」と「道」を実践しながら、その先に行き着くのは「写真ごころ」です。
 そして写真ごころとは、剣や弓道の極意のごとく、熟達とともに形を超え、万物の心と溶け合って一体となり「無我の境地」へと限りなく近づいていきます。

 「日本伝統文化」と「モダンアート」、一見相容れないように見える二つの範は、モダンアートの源流に日本の伝統文化を位置づけるとしたら、「陰陽」のようにかみ合ってくるのです。

 同書は、私自身の経験をもとに、東西文化の融合、その極意と精華とを考えながら、写真ごころとは何かを解き明かしていく技法書であり芸術エッセイです。

 連載中から、初心者から上級者、プロのカメラマンまで、幅広い層の方々にご愛読いただきましたが、書籍化にあたっては、内容や写真を更新し、魅力をさらにアップさせるよう努めました。

 普遍的に使える技法と知識の上に、写真表現の盲点をつく、知られざる極意を随所に披瀝しています。

 版元フィルムアート社の暖かな支援のもと、私の写真魂と写真ごころのすべてを、そしてアーティスト、美学研究家としてドイツやアメリカで学んだこと、考えたこと、感動したこと、作品やエッセイに込め、本として最高の形にまとめられたと自負しております。

 一人でも多くの方にお読みいただければ、本望です。

 どうぞよろしくお願いいたします。

 かしこ

 伊藤みろ メディアアートリーグ

 2011/12/1
 Photo & Text by Miro Ito/Media Art League. All rights reserved.

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「極意で学ぶ写真ごころ」伊藤みろ 著 / B5 判/
 予価 2,400 円+税/並製 オール4C / 152 頁/
 発刊:2011年11月30日 / ISBN 978-4-8459-1180-6
 発行元: 株式会社フィルムアート社  TEL: 03-5725-2001
 http://www.filmart.co.jp

  [フィルムアート社の情報サイト]
 http://www.filmart.co.jp/cat138/post_157.php#more

 [amazonで発売中]
 http://www.amazon.co.jp/極意で学ぶ写真ごころ-伊藤-みろ/dp/4845911809/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1322401804&sr=8-1

 [伊藤みろ 『極意で学ぶ写真ごころ』専用情報サイト]
 http://miroito.exblog.jp/

 公式サイト: http://www.miroito.com