MIRO ITO発メディア=アート+メッセージ "The Medium is the message"

写真・映像作家、著述家、本物の日本遺産イニシアティブ+メディアアートリーグ代表。日本の1400年の精神文化を世界発信

MIRO ITO発 メディア=アート+メッセージ No.22:つながりの力を求めて 映像詩「大和四寺巡礼 1300年の神仏霊場 龍神の道を往く」+講演録画「時を超えた共生共創」のご案内

2024-07-09 16:39:03 | いかに生きるべきかのメッセージ
辰(龍)年の本年も、後半を迎えました。

閉塞感が強まるばかりの世相において、過去・現在・未来を貫く私たちの中に流れる、つながりの力に気づき、より大きな世界へと視野を広げて、自分自身や世の中を見つめ直すこと。

それが神話や宗教、民俗の中で受け継がれてきた、龍神崇拝の今日的な意義の一つといえるかもしれません。

そんな気持ちで視聴いただけたらと願い、新しい映像作品のご案内をさせてくださいませ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「大和四寺巡礼 1300年の神仏霊場 龍神の道を往く」
製作:奈良県/監督・文・映像:MIRO ITO (伊藤みろ)
企画・制作:メディアアートリーグ&
本物の日本遺産イニシアティブ
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
奈良県観光局の依頼にて制作した、「大和四寺巡礼」の映像詩(4K/約15分)がこの春に完成しました。

大和四寺とは、長谷寺・室生寺・岡寺・安倍文殊院から成る、奈良県中南部に位置する古刹の総称です。

副題のとおり、それぞれ1300年以上の歴史と由緒を誇る4つの寺院を、辰年に因んで「龍神の道」としてご紹介する作品です。

 日本のはじまりの聖地である磐余(いわれ)や泊瀬(初瀬)朝倉をはじめ、飛鳥(明日香)から、大和と伊勢を結ぶ宇陀路室生(うだじむろう)までをめぐる「大和四寺巡礼」は、1300年の神仏霊場であり、龍神と出合う祈りの道です。「龍神の道」を訪ねて、大和の古刹・名刹へ、足をお運びいただければ、幸いに存じます。

当映像詩は、奈良大和四寺巡礼の会のYoutubeチャンネルにてご鑑賞いただけますので、下記のリンクにて、ご高覧いただければ、幸いに存じます。
 https://www.youtube.com/watch?v=z_alvRwzjIU




なお「メディアアートリーグ」ならびに「本物の日本遺産イニシアティブ」のブログを更新しました。
 上記映像作品の内容を補完すべく、私自身の取材やリサーチを元に、大和における「龍神の道」の背景に、触れさせていただきました。
ご興味のある方は、併せてお読みいただければ、幸いに存じます。

(ブログの記事は共通)
○ メディアアートリーグのブログ:https://mediaartleague.org/blog/media_art_message_by_miroito_25/
 ○ 本物の日本遺産イニシアティブのブログ:https://japan-authentic-heritage-initiative.org/yamato-yoji-junrei-short-movie/



撮影ならびに取材のご協力をいただいた奈良大和四寺巡礼の会(長谷寺・室生寺・岡寺・室生寺)に心から感謝申し上げます。

🔳🔳🔳🔳🔳🔳🔳🔳🔳🔳🔳🔳🔳🔳
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「時空を超えた共生共創」の講演録画のご案内
(日中平和友好条約締結45周年記念  日中伝統思想交流)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

つながりの力といえば、華厳思想に光を当てた、本年2月25日に日比谷図書文化館ホールにて開催された講演につきまして、主催者の(一財)日本アジア共同体文化協力機構(JACCCO)のWEBサイトにて、1時間に編集された録画(中国語の字幕付き)がアップされました。
 
基調講演は、禅と華厳教学については、円覚寺管長・横田南嶺老師、華厳思想と東大寺盧舎那仏については、私が解説と映像上映を行いました。
またパネルディスカッションでは、JACCCOの瀬口清之理事を司会に、宮本雄二JACCCO理事長・元駐中国大使を交え、混迷を深める世界において、「いかに生きるべきか」をテーマに多角的なディスカッションをさせていただきました。
ご興味のある方は、ぜひご覧いただければ、幸いに存じます。


それでは、辰年の本年後半、龍の昇天のように、世界の新たな局面に向けて、多くの物事が良き方向に進展する年になることを願いつつ、引き続きご厚誼の程、どうぞよろしくお願いいたします。

令和6年7月吉日

MIRO ITO 伊藤みろ
メディアアートリーグ
本物の日本遺産イニシアティブ

#Miro Ito  #伊藤みろ #奈良大和四寺巡礼 #奈良県 #宇陀室生 #安倍文殊院 #室生寺 #岡寺 #泊瀬(初瀬)#磐余 #長谷寺# 飛鳥(明日香)#龍神の聖地・奈良 #龍神の道 #龍蛇信仰

MIRO ITO発 メディア=アート+メッセージ No.21:華厳の哲学を元に、北極星のように、光を見続けていく

2024-04-25 01:20:40 | いかに生きるべきかのメッセージ
世界が混迷を極める中、季節は巡り、新しい生命が息吹く、自然の恵みを実感する時節となりました。

ご報告が遅くなりましたが、去る2月25日、日比谷図書文化館コンベンションホール「時空を超えた 共生共創」(主催:日本アジア共同体文化協力機構JACCCO、日中平和友好条約締結45周年)の講演イベントは、多くの方々のご支援をいただき、無事に終了いたしました。

福田康夫元総理大臣(JACCCO会長)のご挨拶の後、メインのテーマである華厳思想について、円覚寺管長の横田南嶺老師からのお話を受けて、東大寺盧舎那仏および華厳思想について、映像上映と解説をさせていただく機会に恵まれ、この20年のまとめをさせていただくことができました。


映像詩「大仏さまは生きている」監修・撮影協力:東大寺、監督・撮影・文:MIRO ITO

宇宙の光の図像

華厳思想で説かれるのは、「宇宙のすべての現象は相互に不可欠に関係し合っている」という「縁起」(因縁生起—pratityasamuputpada)の哲学であり、その本質には、一つとすべての一体性・相即性のことわりがあります。

植物と動物、小石と惑星、原子と太陽系、人と世界、宇宙と己_まさにひとつがすべてであり、すべてがひとつである、と説かれています。


画像:NASA

分子で構成されたタンポポの胞子モデル  (画像: Anna Chesnokova/iStock by Getty Image)

そして悟りを啓いた釈迦自身が盧舎那仏(大仏)であり、瞑想による自己の変容のドラマの舞台となっています。

さらにその台座には、壮大な宇宙の姿が刻まれています。そのことを「宇宙の光の図像」として解説いたしました。


東大寺盧舎那仏線刻蓮華蔵世界図国宝   8世紀(撮影協力:東大寺、Photo by Miro Ito)

混迷の時代をどう生きるか

講演イベントでの後半では、横田老師と私に加え、JACCCOの宮本雄二大使・理事長や瀬口清之理事を交えたパネルディスカッションも、行われました。

混迷を極める世界において、いかに生きるべきかについて、華厳哲学を元に、北極星のように、光を見続けていく必要性について、意見が一致しました。

宗教、哲学、政治と外交など、さまざまな立場から意見を述べあう、有意義な場となりました。

「時を超えた共生共創」(主催・写真提供:JACCCO)

新しい出発点

これまで、東大寺や盧舎那仏についての作品上映や展覧会は、NY国連本部や欧州評議会、メキシコ国立世界文化博物館、ギリシャ国立ビザンチン&キリスト教美術館等をはじめとする、世界の多くの場所で行わせていただいてまいりましたが、私にとりましては、次の20年の新しい出発点となりました。


2016年11月 世界巡回写真展・映像上映・講演シリーズ「光と希望のみち」を欧州評議会にて開催
(主催:外務省・在ストラスブール日本総領事館、共催:日本カメラ財団、メディアアートリーグ)


世界の連帯に向けて発信を企図してまいりました、長年の構想の華厳哲学についての映像作品の方も、本年は実現に向けて歩みだしたく、その第一歩が踏み出せたと思っております。

今後とも、皆様とご一緒いただきたく、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

MIRO ITO 伊藤みろ
メディアアートリーグ
本物の日本遺産イニシアティブ
http://mediaartleague.org
https://japan-authentic-heritage-initiative.org




⭐️⭐️⭐️ MIRO ITO【文化イベントのご案内「時を超えた 共生共創」2024年2月25日 東京・日比谷図書文化館 (14:00-16:30) 】⭐️⭐️⭐️

2024-02-18 13:08:47 | いかに生きるべきかのメッセージ
年頭の能登半島大地震が影を落とす2024年、皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。

世界におきましては、長引くロシア・ウクライナ戦争、2023年パレスチナ・イスラエル戦争をはじめ、気候変動による天災、疫病再流行の懸念など、先行きの見えない状況が続く中、本年も、NYで体験した「9.11同時多発テロ事件」以来、私のライフワークとなりました「世界の一体性」を鼓舞する文化力に、光を当ててまいりたく存じます。

具体的には、私たちが一つであり、すべてのつながりを説く華厳哲学について、東大寺をはじめ、多くのご関係各位のご支援の下、映像作品や展覧会・書籍などの作品づくりを行わせていただいてまいりました。

この度、福田康夫元内閣総理大臣が会長を務める(一財)日本アジア共同体文化協力機構(JACCCO)の主催により、来たる2月25日に日比谷図書文化館(14:00-16:30)におきまして、2023年度の日中平和友好条約45周年を締め括るイベント「時を超えた 共生共創」に登壇させていただくことになりました。

基調講演は、臨済宗大本山円覚寺の横田南嶺管長が行ってくださいます。
私は、東大寺の大仏さまを取材した「盧舎那仏の光の道 大仏さまは生きている」を上映・解説を行わせていただきます。

また後半では、JACCCOの宮本雄二 元中国大使・理事長、瀬口清之理事を交え、混迷する現代において、古来、日中思想交流を通して学んできた”知の系譜”について、パネルディスカッションが行われます。

つきましては、ご興味のある方は、添付のJPGをご高覧いただき、ご来場いただければ幸いに存じます。

末筆ながら、本年も引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

お申し込みは以下から:

令和6年2月吉日

MIRO ITO 伊藤みろ
メディアアートリーグ
本物の日本遺産イニシアティブ




伊藤みろ発:メディア=アート+メッセージ No.15ー清らかな蓮の花のように、自然の叡智に向かう

2020-05-07 05:49:30 | いかに生きるべきかのメッセージ
伊藤みろ発:メディア=アート+メッセージ No.15ー清らかな蓮の花のように、自然の叡智に向かう

毎日、世界の多くの国々で報じられる言葉を失う惨状を、深まる悲しみともに切り抜けながら、新しい時代が始まろうとしています。

新型コロナ感染の災禍とともに、一人一人の自粛への自覚が求め荒れるつつある今、これを乗り越えることができた未来では、「BC(Before Corona) 」「AC (After Corona) 」といわれる世紀の大転換が起こると予見されています。

かつて疫病による人口激減が賃金上昇を引き起こし、労働の機械化が一気に進行した産業革命後のヨーロッパのように、コロナ感染拡大によって、これまでの生活の変化を余儀なくされ、労働のIT化やAI化への変革が後押しされつつあります。

一方、人同士の距離感の拡大によって排他的風潮と疎外感が広がり、世界の分断化だけではなく、社会の管理・監視化が進むことが懸念されています。コロナ感染拡大は、もはや伝染病との戦いである以上に、信頼と協調に基づく社会生活、ひいてはヒューマニティと人権への挑戦となっています。


蓮華座


奈良・大峰山の石仏観音像


さて、仏陀の悟りの姿である仏像は、両足または片足の甲を反対側の腿の上に乗せる姿勢(結跏趺坐または半跏趺坐)で座っています。

不自由でありながらも、もっとも身体を安定させるため、禅定(ぜんじょう)の修行法として、蓮華座とも呼ばれます。

仏陀は、世界そのものを、蓮華に喩えました。また宇宙を一輪の蓮華の上に立ち現れる世界(小宇宙)の無数の集合体(大宇宙)として表し、さらにその大宇宙が無数に点在する教えを説いています。この光景は、奈良・東大寺大仏さまの蓮弁に「蓮華蔵世界」として1300年前に刻まれました。

蓮華は、泥の中で育まれる清浄心の喩えでもあります。煩悩にまみれた世の中でも、汚れのない心のあり様が立ち現れることの象徴です。さらに私たちひとりひとりが、かけがえのない命の華に他なりません。



有限の中で無限に目覚める

外出自粛や自宅待機という社会的な自由が阻まれる中で、瞑想をして心の安静を保つ乗り越え方があります。

蓮華座を組んで静かに座ると、有限な身体の制約の中で、心が無限に開かれていくことが感じられます。 無際限の宇宙に向かって自我を解き放つことで、自分がなぜこの世に存在するのか、何をしなければいけないのか、どこに向かいつつあるのか、真実を求めていく限り、いつしか答えも自ずと立ち上ってくることでしょうか。

その先に開かれてくるのは、すべてが絶え間なく流転するという自然の本性であり、私たち自身も自然の一部である気づきです。

すべてが相互につながり合い、支えあっている自然の命こそが、私たちの存在の本源的な要素であることに目覚め、地球という命を守るために、新しい自粛の機運がこれまで以上に高まることが願われるばかりです。



命の源であり、命そのものである地球


叡智に向かう選択

1300年前の蓮の種から復活した蓮は、今年も、私が愛してやまない古都・奈良で花を開かせます。 

時空を超える蓮のような清らかな未来を思い描きながら、自然の叡智への目覚めとともに、「効率優先」のこれまでのグローバル化へ逆戻りするのではなく、「いのち優先」のグローバル化の始まりを祝福するものであってほしい、と願われるところです。

コロナ感染拡大と地球温暖化も、ともに私たちの命に関わる重大な危機です。私たちの選択によって、地球の汚染がどれほど緩和されるか、奇しくもコロナ危機は、私たちに示してくれました。

人の命とともに、大元である地球の命を守りながら、自然の智恵によって清められる新しい時代の開花を願いながら…


合掌

令和2年5月吉日

伊藤みろ メディアアートリーグ
Media Art League
East meets West, North meets South through "Media = Art + Message"
http://mediartleague.org

Photographs & Text by Miro Ito/Media Art League. All rights reserved.

伊藤みろ発:メディア+アート=メッセージ N0.14ー国籍を超えて地球を愛する

2020-01-06 10:01:36 | いかに生きるべきかのメッセージ
伊藤みろ発:メディア+アート=メッセージー国籍を超えて地球を愛する

新年明けましておめでとうございます。

皆様にとって新年が、ご多幸の年となることをご祈念申し上げます。


新たな10年の試練

持続可能な未来をどう描くか、いまや世界は試練にさらされています。

地球規模での気候変動が予測を超えた速さで進み、世界気象機関(WMO)によると、過去5年間は観測史上、最も暑かった5年間でした。私たちに今必要なのは、地球環境の持続性にかかわる脅威と取り組む生き方を、真摯に求めていくことです。


センス・オブ・グラティテュード

私たちのいのちは、地球のいのちとひとつです。
地球の健全さを私たち自身のことと考え、最優先課題として、私たち自身の暮らし方と結びつけ、新しい価値体系を生み出す生き方へと、ともに歩むということを、実践していきたいものです。

持続可能な生き方の基本は、私たちが生かされている自然環境を慈しみ、自然の恩恵に感謝することです。

慈しみと感謝の連鎖が、気候変動に歯止めをかける意識を育み、持続可能な未来を構築できるのではないでしょうか。



人類という真の国籍

地球温暖化には、国境がありません。
地球を守るには、人類という単位が必要です。

いまこそ「人類という真の国籍」(H.G. ウェルズの言葉)に目覚めていくべきときです。



人類愛、自然愛、地球愛

自然を慈しむこころは、神道の基本であり、仏教では、すべてのつながりを宇宙の真理として説いています。「隣人を愛する」というキリストの教えは、人類愛を根底にしながら、生きとしいけるものへの愛へと開かれていくものです。

人も自然も、水も空気も、光もエネルギーも、循環する万物のすべてに感謝に満ちた態度で臨むこと。日々の瞬間瞬間に、いまここで生かされていることに感謝し、人類愛、自然愛、地球愛に向かって開かれ、お互いにつながっていくこと_。


私たちの希望は、私たちの愛あるつながりと行いに帰結するのではないでしょうか。


本年も、東西南北のつながりと心の連帯を訴える文化芸術プロジェクト「光と希望のみち」をどうぞご一緒くださいませ。

新年もどうぞよろしくお願いいたします。


令和二年一月吉日

伊藤みろ メディアアートリーグ
Media Art League
East Meets West, North Meets South through “Media = Art + Message”

Photographs & text by Miro Ito/Media Art League. All rights reserved.
Photo (above) The Afrasiab painting (part), Afrasiab Museum, Samarkand, Uzbekistan (7-8th century CE)
Photo (below): A statue of Apollo reclining Buddha-like (from [former] Portuguese Royal Family Collection), National History Museum, Rio de Janeiro, Brazil