MIRO ITO発メディア=アート+メッセージ "The Medium is the message"

写真・映像作家、著述家、本物の日本遺産イニシアティブ+メディアアートリーグ代表。日本の1400年の精神文化を世界発信

写真の未来を思う:「表現するこころの時代」の到来を願って

2008-12-23 14:03:34 | Weblog

 写真の未来を思う
「表現するこころの時代」の到来を願って
 
 世界ががまさに激動するなか、まさに「こころの時代」「いのちの時代」の到来です。 危機といえるこんな時だからこそ、いまこそ私たちそれぞれの文化の中にある伝統に新しい光をあて、心の領域において、よりクリエイティブな時代になってほしい、と作品に来るべき次の時代への願いを託す気持です。

 アメリカ大統領選のオバマ氏の劇的勝利の時には、私は19年前にベルリンで体験した東西の壁崩壊を思い出していました。このたびの大統領選が人種の壁の崩壊への新たな一歩になり、これまでの人種・文化・宗教・信条などの分離の時代から「統合」の時代へと進むことを願う次第です。

 さて、12月20日発売の「アサヒカメラ」誌(2009年1月号)での連載「極意で学ぶ写真ごころ」より、これまでの作家名「美露」が「みろ」に変わりました。『魅せる写真術』などの著者名はまだ「美露」のままですが、私自身は、新たな統合の気運に乗って、風のようにしなやかな広がりをもつ存在を目指していきたいと願っています。

 なお最新号の新年号では、この連載の特別編として4頁に亘り、NYから写真の過去、現在、未来を考えてみました。いまやデジタル一眼レフにハイビジョン動画が集成される時代となり、動画と静止画の境がどんどんなくなり、まさに写真においても「統合」の時代に差しかかっています。

 メディア間の自在な「構築」と「実験」が可能なデジタル時代にあって、写真表現はどこにいくのか、私自身、NYの写真事情とドイツ現代写真を眺めながら,これまで考えて来たことを「批評」として、書き上げました。

 とくに私が訴えたかったことは、「表現するこころの時代」の到来を願い、前世紀の初頭に旧来型のアートの概念を打ち破ったモダンアート運動に範をもとめた「個の復権」です。

 表現するこころは、世界に「いのち」を見出すこころであり、対象の「こころ」と響き合い、さらに自分のいのちの深淵に横たわる「無意識」のなかへと解き放たれていきます。

 無意識こそ、シュールレアリストたちが夢見た人類の記憶への旅立ちであり、未来の写真を考えるヒントがあるのかもしれません。

 よろしければ、ご高覧ください。


伊藤みろ
2008.12.23

 追伸 今日は12月21日の冬至の空をお見せします。 
 text and photo by miro ito, all rights reserved. skiy over kamiuma, 2008.12.21
 
 ☆☆☆☆☆☆☆☆  好評連載中 by 伊藤みろ  ☆☆☆☆☆☆☆☆
 「極意で学ぶ 写真ごころ」(『アサヒカメラ』朝日新聞出版社)
 2009年の1月号のテーマは「構図を発見する」p.198~201
  特別編「ニューヨークで写真の現在・過去・未来を考える」p.202~205

 ☆☆☆☆☆☆☆☆  日本図書館協会選定図書  by 伊藤みろ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 『魅せる写真術 発想とテーマを生かす撮影スタイル』
  著:伊藤美露(著者名は「美露」のままです) 
  定価 : 2,079円 B5判/160P/オールカラー    
  ISBN 978-4-8443-5921-0