MIRO ITO発メディア=アート+メッセージ "The Medium is the message"

写真・映像作家、著述家、本物の日本遺産イニシアティブ+メディアアートリーグ代表。日本の1400年の精神文化を世界発信

MIRO ITO発:メディア=アート+メッセージ No.16「本物の日本遺産イニシアティブ」発足のご案内

2021-08-09 09:45:36 | 世界発日本の精神文化
世界に対する答えを見つける

 この1年半は、世界の多くの人びとにとって、忍耐の時間でした。
TOKYO 2020 オリンピックでは、国籍、人種を超えた世界最高峰のアスリートたちが熱戦を繰り広げ、多くのアスリートがコロナ禍による延期の1年の結果、逆境をチャンスに変えた成果を見せてくれていました。忍耐とは、それ自体が一つの活動の力となりうることに、改めて気づかせてくれます。

コロナ禍という、未曾有のパンデミックに世界が晒され、2021年8月8日の時点で、2億300万人が感染し、429万人が死亡した世界的な出来事を前に、世界は一つの運命共同体である、という思いが強まるばかりです。

コロナ禍がきっかけとなった新しい時代のための新しい意識とは、分断化がますます進む世界において「世界は一つであり、私たちは皆一つなのだ」とする意識を全開させることなのではないでしょうか。
この意識は、もう一つの重大な危機である、気候変動問題とも切り離せないものです。


江戸時代後期の世界地図(部分、Ensign, Bridgman & Fanning Publishers, New York)

「本物の日本遺産イニシアティブ」

私自身、ニューヨークで体験した9.11同時多発テロ事件以来、世界の一体性へのメッセージを発信すべく、日本の1400年の歴史の中に、東西文化の交流の証を探る「光と希望の道」プロジェクトをスタートさせました。

それから間もなく20年が経過し、1400年の日本文化とシルクロードのつながりを展覧会や書籍、映像作品として「見える化」させ、コロナ禍以前には、2016年から2019年の間に、外務省国連日本政府代表部・在外公館や国際交流基金、日本カメラ財団との共催で、世界巡回展を11カ国12都市で開催いたしました。

その後、世界での展覧活動はコロナ禍の影響を受けて保留中であるものの、その静止の期間を生かして、このたびオンラインによる活動を本格化させるべく、「本物の日本遺産イニシアティブ」をスタートさせました。

同イニシアティブでは、1400年の歴史以来、シルクロード諸国からの恩恵を受け続けた日本文化から、世界の未来にいかに貢献しうるかをテーマにしてまいります。

そのために独自の「メディア=アート+メッセージ」づくりを行いながら、中期的に財団設立を目指し、同じ志を持つかたがたを同志=会員として、募っていく文化活動です。


映像詩「いまに生きる奈良」(33分)


映像詩「いまに生きる奈良」(監督・撮影・文:MIRO ITO 伊藤みろ) 製作:いかす・なら地域協議会

さて新しいWEBサイトのご案内を兼ね、2005年より15年以上かけて取材をしている奈良への思いの丈を込めさせていただいた、映像詩「いまに生きる奈良 シルクロード東の終着点〜1400年の精神文化の回廊」という作品のご案内をさせてくださいませ。

同作品は、文化庁クラスター事業「いかす・なら地域協議会」の製作で、私が監督・撮影・文を手がけさせていただきました。2006年から本年1月までの撮影をもとに、33分の映像にまとめたものです。
南都六大寺+春日大社の伝統をご紹介しながら、奈良をシルクロード東の終着点であり、日本の神仏習合の1400年の聖地として位置付けるものです。

本年の聖徳太子1400年御遠忌にちなみ、東アジアにおいて仏教の教えを元に国づくりを行い、国際交流の先鞭をつけた聖徳太子の偉業の紹介に始まり、国難克服・国民救済のための復興事業である聖武天皇による大仏造立、鑑真和上の来日と受け継がれる仏教の秘儀、美術や芸能として継承されきた神仏習合の麗しき伝統、さらに奈良にいまも息づく東西文化の交流の証の粋を、映像詩としてつづります。

2月6日に奈良県甍ホールで上映後、奈良県文化資源活用課のYouTubeで配信されております。「本物の日本遺産イニシアティブ」のご案内かたがた、「いまに生きる奈良」をご覧いただけたらと願い、お知らせ申し上げます。(※下記リンク内の映像作品名「いまに生きる奈良」をクリックしてください。)


なお「本物の日本遺産イニシアティブ」におきましては、ぜひ皆さまにご参加いただければ、幸いに存じます。興味を抱いていただけるようでしたら、当イニシアティブのサイト(https://japan-authentic-heritage-initiative.org/)へお越し下さいませ。

それでは、猛威を振るうコロナ禍の収束を祈りつつ、世界の一体性への願いとともに、引き続きどうぞよろしくお願いたします。

末筆ながら「本物の日本遺産イニシアティブ」発足のために、ご協力をくださった多くのかたがたに、心から厚く御礼申し上げます。

令和3年8月吉日
MIRO ITO 伊藤みろ

本物の日本遺産イニシアティブ
Photo and text by Miro Ito, Japan Authentic Heritage Initiative/Media Art League. All rights reserved.

トップイメージ写真:「本物の日本遺産イニシアティブ」サイト部分(左:室生寺十一面観音立像、中央:東大寺月光菩薩立像、右:東大寺伎楽面崑崙・酔胡従)

Japan Authentic Heritage Initiative
Weaving Japan’s 1400-years of cultural legacy into a tapestry for the future