※某SNSの自分の日記から転載です
昨日の午前中の事。
いつもの様に車で移動中、大通りにぶつかる交差点で信号待ちになった。
目の前の交差点をふと見ると、ちょうど真ん中あたりに何やら黒い塊が落ちている。
ん?
ボロ布か何かかな…
その手の物はよく落ちているし、目が悪いので良く見えず、軽くそう思っていた。
信号はまだ変わらず、そのまま何となくその塊を見ていた。
あれ?もしかして…
そう思った時、頭上でカラスの鳴き声がした。見ると二羽のカラスが側の電柱にとまり、あるいはすぐ羽ばたきまた電柱にとまるを繰り返していた。
電柱にとまったカラスは交差点を気にしている。
やはりそうか。
その「塊」は、カラスだった…全く動かない所を見ると既に死んでいるのだろう。
それにしては、そこ…交差点の真ん中に堕ちてまだ時間が経っていないのか、はたまたドライバー達が上手くよけてきたのか、まだ車に牽かれた形跡はなく、その姿はキレイなままだ。
上空のカラス達はそんな「家族」だか「友」を気にして鳴き続けているようだが、いかんせん交通量が多くそこに降りる事は出来ない。
そう思った途端、カラス達の鳴き声が、横たわるそれに対してのものであり、追悼…というよりも死をまだ理解してなく、再び自分たちの元へ羽ばたいて来い、とエールを送っているように思えてしまった。
ど…どうしょう
信号は間もなく変わる。
このままここを通り過ぎれば、この話は終わってしまう。しかし横たわるカラスは、しばらく後には必ず牽かれてしまい、無惨な姿になってしまうだろう。
それを上空のカラス達はどう見るのか?どう思うのだろうか?
信号はもう間もなく変わる。
いいや、行ってしまおう!
でも、あのカラスは?カラス達は?
でも自分に何が出来る?
いいじゃん、行っちゃえよ。カラスなんかに関わって、逆に攻撃されたらどうする。
でも、このままだと後味がスゴく悪いし…
前方の信号が変わるまでの残り5秒足らずの間に、こんな自己問答を十回は繰り返しただろう。
どうしょう
どうしょう…
そして信号が変わった。
車を発進させ、大通りに出てすぐ車を左に寄せハザードを付ける。
後部座席に置いてあった使い古しのタオルを手に車を降りる。
最初は歩いて、しかし信号がまた変わりそうなので小走りになりながら、横たわるカラスの元へ向かった。
大通り側の信号は青になっていたが、先頭のドライバー達はこれから何が起こるのかわかった様で発車を待っていてくれた。
それに対して片手で軽く礼をして、手にしたタオルで横たわるカラスを包む。
その身体はまだ暖かかった。
そのまま歩道に行き、その隅にカラスの骸を横たえる。
これでおしまい。
いくら隅っことはいえ、死骸を歩道に放置していくのは気がひけたが、大通りにそのままあるよりはいいだろう。
うん、これで気が済んだ。
タオルを外し、停車していた車に戻ろうとする自分のすぐ頭上からカラスの鳴き声がした。
既に仲間の骸からは数メートル離れている。
あれ?仲間の所に降りて行かないのかな?
そう思っていると、近くでこの一部始終を見ていたオバチャンに声をかけられた。
「あんたが殺したと思われたんじゃないかい?」
おいおい、勘弁してくれよ…
身に覚えのない報復を受けるのも嫌なので、大通りの車が途切れるのも待ちきれずに車内に戻り、その場を去った。
ホントにそうなのかな?
みすきが殺したと思われたのかな?
運転しながらそう考えると、少し寂しい気持ちになったが、それはそれで仕方ない。
でも、あのまま放置しておいたら、もっと後悔していただろう。
そう自分を納得させながら仕事モードに戻ったが、タオルでくるんで運んだ時のあの感覚はしばらく残っていた。
数時間後、同じ場所を通ったが、そこにカラスの骸は無かった。誰かが「処理」してくれたのかな…。
ま、そんな今日の出来事でした。
昨日の午前中の事。
いつもの様に車で移動中、大通りにぶつかる交差点で信号待ちになった。
目の前の交差点をふと見ると、ちょうど真ん中あたりに何やら黒い塊が落ちている。
ん?
ボロ布か何かかな…
その手の物はよく落ちているし、目が悪いので良く見えず、軽くそう思っていた。
信号はまだ変わらず、そのまま何となくその塊を見ていた。
あれ?もしかして…
そう思った時、頭上でカラスの鳴き声がした。見ると二羽のカラスが側の電柱にとまり、あるいはすぐ羽ばたきまた電柱にとまるを繰り返していた。
電柱にとまったカラスは交差点を気にしている。
やはりそうか。
その「塊」は、カラスだった…全く動かない所を見ると既に死んでいるのだろう。
それにしては、そこ…交差点の真ん中に堕ちてまだ時間が経っていないのか、はたまたドライバー達が上手くよけてきたのか、まだ車に牽かれた形跡はなく、その姿はキレイなままだ。
上空のカラス達はそんな「家族」だか「友」を気にして鳴き続けているようだが、いかんせん交通量が多くそこに降りる事は出来ない。
そう思った途端、カラス達の鳴き声が、横たわるそれに対してのものであり、追悼…というよりも死をまだ理解してなく、再び自分たちの元へ羽ばたいて来い、とエールを送っているように思えてしまった。
ど…どうしょう
信号は間もなく変わる。
このままここを通り過ぎれば、この話は終わってしまう。しかし横たわるカラスは、しばらく後には必ず牽かれてしまい、無惨な姿になってしまうだろう。
それを上空のカラス達はどう見るのか?どう思うのだろうか?
信号はもう間もなく変わる。
いいや、行ってしまおう!
でも、あのカラスは?カラス達は?
でも自分に何が出来る?
いいじゃん、行っちゃえよ。カラスなんかに関わって、逆に攻撃されたらどうする。
でも、このままだと後味がスゴく悪いし…
前方の信号が変わるまでの残り5秒足らずの間に、こんな自己問答を十回は繰り返しただろう。
どうしょう
どうしょう…
そして信号が変わった。
車を発進させ、大通りに出てすぐ車を左に寄せハザードを付ける。
後部座席に置いてあった使い古しのタオルを手に車を降りる。
最初は歩いて、しかし信号がまた変わりそうなので小走りになりながら、横たわるカラスの元へ向かった。
大通り側の信号は青になっていたが、先頭のドライバー達はこれから何が起こるのかわかった様で発車を待っていてくれた。
それに対して片手で軽く礼をして、手にしたタオルで横たわるカラスを包む。
その身体はまだ暖かかった。
そのまま歩道に行き、その隅にカラスの骸を横たえる。
これでおしまい。
いくら隅っことはいえ、死骸を歩道に放置していくのは気がひけたが、大通りにそのままあるよりはいいだろう。
うん、これで気が済んだ。
タオルを外し、停車していた車に戻ろうとする自分のすぐ頭上からカラスの鳴き声がした。
既に仲間の骸からは数メートル離れている。
あれ?仲間の所に降りて行かないのかな?
そう思っていると、近くでこの一部始終を見ていたオバチャンに声をかけられた。
「あんたが殺したと思われたんじゃないかい?」
おいおい、勘弁してくれよ…
身に覚えのない報復を受けるのも嫌なので、大通りの車が途切れるのも待ちきれずに車内に戻り、その場を去った。
ホントにそうなのかな?
みすきが殺したと思われたのかな?
運転しながらそう考えると、少し寂しい気持ちになったが、それはそれで仕方ない。
でも、あのまま放置しておいたら、もっと後悔していただろう。
そう自分を納得させながら仕事モードに戻ったが、タオルでくるんで運んだ時のあの感覚はしばらく残っていた。
数時間後、同じ場所を通ったが、そこにカラスの骸は無かった。誰かが「処理」してくれたのかな…。
ま、そんな今日の出来事でした。