4月25日(木)付
はじめに・・・
今回、こうしてブログを通じて転職活動(いや、もう今日の時点では「就職活動」と言った方がいいのかもしれないが)をいろいろ書いているが、実際のところこれまでに数回の転職を経験している。ずっと中小の印刷会社なので、みすきのように理不尽な事を飲み込む事が出来ない「とんがった」ヤツはどうしても続かなかったりする。自分から退社したり会社から退社させられたり・・・まあ、履歴書の職歴欄が足りなくなる位の経験はしている。なので、就職活動にはどうしても不利になる。
もちろん選ぶ企業側だって、そこの所は気にするし、退職理由を聞きたくなるのは当然だ。
過去の転職でもそこは面接で何度も聞かれたし、当然だと思う。
他の人より重荷を1トンくらい余計に背負っての就活という事は誰よりも自覚している。
そんな状況だからこそ、ちょっとやそっとではヘコタレない自信はあった・・・はずだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この日、面接に行ったのは、都内某所にある「出版関係」と称する会社。
印刷経験者求む、の求人で応募した。
そこに書いてあった事業規模を見てびっくり、なんと「2人」!こりゃまた小さな会社だなぁ、でも昭和50年代からやっているようだから、まあ大丈夫かな?でも、もしかするとホントは20人位いたけれど、みんなが辞めちゃって2人しか残っていなかったりして・・・などと勝手な想像をしながらその会社に向かった。
大きな通りに面した大きなビルの指定された階に行き、部屋の中に通されると・・・あれ?なにこれ。
部屋の中がすっからかん。まるで引越しでもするかの様に、と言うかもっと悪く言えば潰れた会社の顛末の一部のように棚が片されていたり、何か置いてあったらしき跡がある部分があったり・・・とにかくフロアが不自然に広い。
大丈夫か?これ。
この会社に対する第一印象は、それだった。
会議室のような部屋に通され、しばらく待ってやってきたのは面接官「B」。
履歴書を見て、これまでの経験や退職理由などを聞かれた。
一通り説明し終わってからやってきたのは面接官「C」。メガネをかけた五十絡みの、いかにも事務職をずっとしてきましたというタイプ。
そして履歴書を片手に、もう一度最初から説明する羽目に。
でもまあ、これは仕方ない。
また、ここは出版会社ではなく、出版社を相手にしている普通の印刷屋だった。表記がおかしいぞ。印刷屋だとわかっていたら応募は控えていたのに。
そして話が売り上げの事になった。年間いくら位売り上げていたのか?と聞かれ「○○万円」位です。と言った所で二人が固まった。「え?年間○○万円?月間じゃなくて?よくそれで会社がやっていけたね~!」「ホントに○○万円?全体ではいくら位なの?」などと何度も聞かれ、二人して電卓片手に信じられないという顔をしていた。
ええ、ええ、どうせそうですよ、ダメ営業でしたよ、かなり暇ぶっこいていたけど、前の仕事は単価が滅茶苦茶安かったんだから仕方ないでしょ。そう心の中でいじけ始めていた。
そこへやってきたのは面接官「A」。
え・・・この会社、二人じゃなかったの?その説明も特に無し。
みすきと向かい合って左からA、B、Cと並ぶ形になって面接は続いた。
もう年配で、やさしい感じのその人にも転職回数云々を聞かれ、少々辟易気味になったが、まだ気力は持ちこたえていた。
そしてまた三人で売り上げの話になった。
「うちはねぇ、●●万円の売り上げがあるんだよ、それを任せられるのかなぁ?あなたがそれだけの仕事が出来るのかが心配なんですよ」
「本当に○○万円で会社がやっていけるんだ?」
などと、それから延々と・・・そう延々と売り上げの話が続き、なんだか自分がこれからもそれしか動けない人間の様な口調になってきた。
もう正直キリがないので、口をはさんだ。
「あの・・・すいません。別に私は前の会社で担当していたお客を全部こちらに持ってくる訳ではないので、ここで働くとしても○○万円と言うことは無いと思うんですが・・・」
電卓叩きに忙しかった二人は手を止め、Cが言った。
「あのねえ、うちのお客さんは外資系が多いんだよ。それ以外のお客でも、いろいろ無理難題を言ってくる人は多いの。そんな時にあなたのようにそうやってすぐキレた口調になると、すぐお客さんに切られちゃうんだよ。そうしたらどうするの?何千万の売り上げが無くなるんだよ?困るんだよね、あなたのような態度をとられると」
え・・・マジ?
キレた口調で言った訳ではないのに。なんでそんな事を言われなくちゃいけないの?
AとCもそれに合わせて同様の事を言ってくる。
その時、ふっと思い当たった。
まさか・・・
まさかこいつら(失礼!)ワザと人をイラつかせて、その反応を見たんじゃないだろうか?でもこの言い方だと、初めからこの言葉を用意していたとしか考えられない!
マジすか?なんという陰湿な・・・。
今度はこちらが唖然とする番だったがそんな感情は表に出さなかった。
しかし、面接の場で相手にそういう思いをさせてしまったことは、こちらの落ち度。そこは素直に「申し訳ありませんでした」と謝罪した。
そして顔を上げてふと見るとなんとBは腕組みをして、こちらを睨んでいた!
みすきも数多く面接を受けてきたが、面接官が腕組みをしていたのは初めてだった。
な・・・なんという・・・。
プツっと音を立てて、みすきの緊張が解けてしまった。
もうダメだ。
もしも万が一この会社で採用されても、自分では続かない。
面接は会社が応募者を選ぶのと同時に、応募者もその会社を品定めできる機会。こちらの採点では、この会社、不合格。
そう言えば、さっきから感じているこの重苦しい雰囲気、これは面接のそれではない。なんか・・・三人から怒られているようなそれだった。
そうか、この人たちはこの面接で『この応募者はどういう人間なのかを把握する』のではなく『この応募者のアラ探しをしてやろう』的スタンスでいるんだ。だから話がずっと後ろ向きなんだ。人の話を信じようではなく最初から疑ってかかっているからこんな口調と視線、そして腕組みなんだ。
ブラック印刷屋の典型的なパターン。まだこんな会社が残っていたとは。
いくら売り上げがあろうが会社として成り立っていようが、自分はこんな会社には頼まれても入りたくない。
何だよ、ここは前の会社より性格が悪いじゃん!
もしこの会社に入って頑張ったとしても・・・客観的に見て、こちらに何の落ち度が無くても、何らかの理由をこじつけられて辞めさせられるに決まっている。そこまでハッキリ見えてしまった。
その後の会話は何を話したか、すでに覚えていない。
お互いに呆れてしまった同士だから、たいした中身など無かっただろう。何を計算しているのかわからないが、その後もCは電卓をいじっていた。
最後に「では休み明けに連絡します」と言っていたのは覚えていたが、どうせ不採用通知が届くだけのこと。
ひさびさにヘヴィな時間を過ごしてしまった。
そして、なにか物凄~く侮辱された気分で帰途に着いた。
この日の事は当分記憶に残るだろう、トラウマとして。
でも、めげないぞ。
本格的な就活は、まだ始まったばかりだ。
ハンデいっぱいの就活だけど、負けないぞ~~~!
たぶん、つづく
はじめに・・・
今回、こうしてブログを通じて転職活動(いや、もう今日の時点では「就職活動」と言った方がいいのかもしれないが)をいろいろ書いているが、実際のところこれまでに数回の転職を経験している。ずっと中小の印刷会社なので、みすきのように理不尽な事を飲み込む事が出来ない「とんがった」ヤツはどうしても続かなかったりする。自分から退社したり会社から退社させられたり・・・まあ、履歴書の職歴欄が足りなくなる位の経験はしている。なので、就職活動にはどうしても不利になる。
もちろん選ぶ企業側だって、そこの所は気にするし、退職理由を聞きたくなるのは当然だ。
過去の転職でもそこは面接で何度も聞かれたし、当然だと思う。
他の人より重荷を1トンくらい余計に背負っての就活という事は誰よりも自覚している。
そんな状況だからこそ、ちょっとやそっとではヘコタレない自信はあった・・・はずだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この日、面接に行ったのは、都内某所にある「出版関係」と称する会社。
印刷経験者求む、の求人で応募した。
そこに書いてあった事業規模を見てびっくり、なんと「2人」!こりゃまた小さな会社だなぁ、でも昭和50年代からやっているようだから、まあ大丈夫かな?でも、もしかするとホントは20人位いたけれど、みんなが辞めちゃって2人しか残っていなかったりして・・・などと勝手な想像をしながらその会社に向かった。
大きな通りに面した大きなビルの指定された階に行き、部屋の中に通されると・・・あれ?なにこれ。
部屋の中がすっからかん。まるで引越しでもするかの様に、と言うかもっと悪く言えば潰れた会社の顛末の一部のように棚が片されていたり、何か置いてあったらしき跡がある部分があったり・・・とにかくフロアが不自然に広い。
大丈夫か?これ。
この会社に対する第一印象は、それだった。
会議室のような部屋に通され、しばらく待ってやってきたのは面接官「B」。
履歴書を見て、これまでの経験や退職理由などを聞かれた。
一通り説明し終わってからやってきたのは面接官「C」。メガネをかけた五十絡みの、いかにも事務職をずっとしてきましたというタイプ。
そして履歴書を片手に、もう一度最初から説明する羽目に。
でもまあ、これは仕方ない。
また、ここは出版会社ではなく、出版社を相手にしている普通の印刷屋だった。表記がおかしいぞ。印刷屋だとわかっていたら応募は控えていたのに。
そして話が売り上げの事になった。年間いくら位売り上げていたのか?と聞かれ「○○万円」位です。と言った所で二人が固まった。「え?年間○○万円?月間じゃなくて?よくそれで会社がやっていけたね~!」「ホントに○○万円?全体ではいくら位なの?」などと何度も聞かれ、二人して電卓片手に信じられないという顔をしていた。
ええ、ええ、どうせそうですよ、ダメ営業でしたよ、かなり暇ぶっこいていたけど、前の仕事は単価が滅茶苦茶安かったんだから仕方ないでしょ。そう心の中でいじけ始めていた。
そこへやってきたのは面接官「A」。
え・・・この会社、二人じゃなかったの?その説明も特に無し。
みすきと向かい合って左からA、B、Cと並ぶ形になって面接は続いた。
もう年配で、やさしい感じのその人にも転職回数云々を聞かれ、少々辟易気味になったが、まだ気力は持ちこたえていた。
そしてまた三人で売り上げの話になった。
「うちはねぇ、●●万円の売り上げがあるんだよ、それを任せられるのかなぁ?あなたがそれだけの仕事が出来るのかが心配なんですよ」
「本当に○○万円で会社がやっていけるんだ?」
などと、それから延々と・・・そう延々と売り上げの話が続き、なんだか自分がこれからもそれしか動けない人間の様な口調になってきた。
もう正直キリがないので、口をはさんだ。
「あの・・・すいません。別に私は前の会社で担当していたお客を全部こちらに持ってくる訳ではないので、ここで働くとしても○○万円と言うことは無いと思うんですが・・・」
電卓叩きに忙しかった二人は手を止め、Cが言った。
「あのねえ、うちのお客さんは外資系が多いんだよ。それ以外のお客でも、いろいろ無理難題を言ってくる人は多いの。そんな時にあなたのようにそうやってすぐキレた口調になると、すぐお客さんに切られちゃうんだよ。そうしたらどうするの?何千万の売り上げが無くなるんだよ?困るんだよね、あなたのような態度をとられると」
え・・・マジ?
キレた口調で言った訳ではないのに。なんでそんな事を言われなくちゃいけないの?
AとCもそれに合わせて同様の事を言ってくる。
その時、ふっと思い当たった。
まさか・・・
まさかこいつら(失礼!)ワザと人をイラつかせて、その反応を見たんじゃないだろうか?でもこの言い方だと、初めからこの言葉を用意していたとしか考えられない!
マジすか?なんという陰湿な・・・。
今度はこちらが唖然とする番だったがそんな感情は表に出さなかった。
しかし、面接の場で相手にそういう思いをさせてしまったことは、こちらの落ち度。そこは素直に「申し訳ありませんでした」と謝罪した。
そして顔を上げてふと見るとなんとBは腕組みをして、こちらを睨んでいた!
みすきも数多く面接を受けてきたが、面接官が腕組みをしていたのは初めてだった。
な・・・なんという・・・。
プツっと音を立てて、みすきの緊張が解けてしまった。
もうダメだ。
もしも万が一この会社で採用されても、自分では続かない。
面接は会社が応募者を選ぶのと同時に、応募者もその会社を品定めできる機会。こちらの採点では、この会社、不合格。
そう言えば、さっきから感じているこの重苦しい雰囲気、これは面接のそれではない。なんか・・・三人から怒られているようなそれだった。
そうか、この人たちはこの面接で『この応募者はどういう人間なのかを把握する』のではなく『この応募者のアラ探しをしてやろう』的スタンスでいるんだ。だから話がずっと後ろ向きなんだ。人の話を信じようではなく最初から疑ってかかっているからこんな口調と視線、そして腕組みなんだ。
ブラック印刷屋の典型的なパターン。まだこんな会社が残っていたとは。
いくら売り上げがあろうが会社として成り立っていようが、自分はこんな会社には頼まれても入りたくない。
何だよ、ここは前の会社より性格が悪いじゃん!
もしこの会社に入って頑張ったとしても・・・客観的に見て、こちらに何の落ち度が無くても、何らかの理由をこじつけられて辞めさせられるに決まっている。そこまでハッキリ見えてしまった。
その後の会話は何を話したか、すでに覚えていない。
お互いに呆れてしまった同士だから、たいした中身など無かっただろう。何を計算しているのかわからないが、その後もCは電卓をいじっていた。
最後に「では休み明けに連絡します」と言っていたのは覚えていたが、どうせ不採用通知が届くだけのこと。
ひさびさにヘヴィな時間を過ごしてしまった。
そして、なにか物凄~く侮辱された気分で帰途に着いた。
この日の事は当分記憶に残るだろう、トラウマとして。
でも、めげないぞ。
本格的な就活は、まだ始まったばかりだ。
ハンデいっぱいの就活だけど、負けないぞ~~~!
たぶん、つづく