8月9日(金)。はいだしょうこさんが出演されるミュージカル「王様と私」を見に行きました。
本日のホール、阪急・西宮北口の兵庫芸術文化センター。
エントランスホールに入ったところ。いい香りが漂っています。
この香りか。さすが、マツケン様。
「ロジャース&ハマースタイン 王様と私」(全2幕、日本語上演)
ハローミュージカルプロジェクトというところの公演です。東宝が製作協力していますので、東宝ミュージカル版の再演と言えます。私は昨年に同公演を3回見に行きました。今年はこの兵庫公演の全4回を見ることにします。私はミュージカルファンではないので、普段は同じのものを何回も見るようなことはしないですけどね。この公演には私の愛しのエトワール、はいだしょうこさんが出演されるからです。昨年度はタプチム役は平田愛咲さんとダブルキャストでしたが、今年はしょうこちゃんのみ。しょうこちゃんのタプチム役が関係者から高い評価を得たからと思いたいですな。昨年のはいだタプチムと平田タプチムはどちらも素晴らしい出来だったと思っています。
本日のエトワール。はいだしょうこさんが演じるタプチムはタイ語でザクロまたはルビーの意味です。プリンセス・ルビー、ザクロ姫ですな。タプチムは高度な歌唱を要求される役ですよ。前回の東宝版では、しょうこちゃんが好きな本田美奈子さんも歌っています。
オペラ用の大ホールではなく、今日は中ホールでの上演です。完売ギリギリで取った席なんで、席は後のほうですが、舞台からそんなに遠くなく、センター位置でよく見えます。すでにホールの幕は上がっていて、昨年と同じ「王様と私」の幕が出てます。この幕、エスニックな雰囲気があって私はとても気に入っています。すでにプロダクションの著作権が発生してますから、幕を撮るだけで注意されるホールもあるかと思います。
ロジャース&ハマースタインミュージカルには「サウンドオブミュージック」や「回転木馬」「南太平洋」などのよく知られた作品がありますが、その中でも「王様と私」はR&Hミュージカルの最高傑作と評価される作品です。本作のミュージカルナンバーのほとんどがポップスやジャズなどあらゆるジャンルのアーティストにカバーされているように、音楽的も非常に優れた作品となっています。さて、ご承知のように、私はR&H作品についてはマニアとされる部類ですから、私を納得させるには相当なものを見せてくれないといけませんよ。いやいや、去年も見てますから中身はわかってますよ。主役の王様とアンナの微妙な関係を表現するのは非常に難しいです。王様があの上様であってもです。前述の通り、今年もはいだしょうこさんのパフォーマンスを楽しみにしてるだけです。
公演日程も後半を過ぎ、残りもわずかになりました。もうみなさんもご覧になられたと思います。
以下、曲目順に、はいだしょうこさんの登場シーンを中心に全解説をします。当ブログははいだしょうこさんのすべてを記録をすることを目的としてますので、タプチムのミュージカルナンバーの訳詞、タプチムのセリフ全部を記録しておきます。訳詞と台詞については、本田美奈子がタプチムを歌った東宝ミュージカル版の録音(1996年)がCDとなってますので、それを参考にしました。
序曲
生オーケストラは使わず、オーケストラは録音を使います。ミュージカルは生演奏が基本ですが、低価格の巡演公演でありますし、常に最高水準の演奏を使用するためには、これも必要でありましょう。客席の照明は消さずに有名な「王様と私序曲」が始まります。序曲が進むにつれて、徐々に客席の照明が落ちていきます。序曲はオリジナルバージョンを使用。序曲の演奏でミュージカルはすでに始まっているのですが、ミュージカルに慣れてない観客層が多いため客席はうるさい。ミュージカルの序曲はミュージカルナンバーのスイートになってることが多いです。「王様と私」も同様です。これを聴きながらこれから始まる物語に期待を膨らませるのが序曲の役割なんですよ。
第1幕第1場
幕開けです「♪Arrival at Bangkok」。1862年、シャム王国バンコク港に英国人教師アンナとその息子ルイスが到着したところから物語が始まります。アンナはシャムの宮廷の家庭教師に請われてシャムにやって来たのです。初めて見る異国の地、険しい表情の衛士たちを見て怖がるルイスに、アンナは怖いときには口笛を吹いて、自分は勇ましいのだと思い込めばいいと諭します。ミュージカルナンバー「I Whistle a Happy Tune」(口笛ふいて)。うわさではアンナの歌が上達してるときいていたのですが、あまり去年と変わってない。基本的に発声自体を変えないとだめだね。いっしょに歌ってる子役のルイスのほうが歌い方が自然で上手いってどういうことだ。また、去年も書いたかもしれませんが、ここでのコミカルな演出は一切不要ですよ。港の喧騒やおどろおどろしさを表現しないと「口笛ふいて」が生きてこないね。
第2場
王宮。王様登場「♪Vignettes and Dance」。西欧による植民地化にさらされているアジア諸国。シャムは列強と対等な外交関係を築くために、自国の近代化を早急に図らなければなりません。王様はもたらされる情報に苛立つ。そこに、西欧文明を取り入れる総合計画の一環として招いた英国人教師アンナの到着を知らせる報が届きます。アンナの王様との謁見の前に、タプチム登場シーンがあります。まず、バンコクの寺院の模写するために隣国ビルマから派遣されてきたルンタが登場、そのルンタに連れられてきたのがビルマ王子からシャム王への貢ぎ物タプチムでありました。この二人は実は恋人同士というのが、本作のサイドストーリーとなっています。タプチムは白の民族風のドレス。美しいというより小さくて可愛らしいですね。しょうこちゃんは黒髪に染めていますが、照明の加減なのかブログの写真で見るほど変わってるようには見えません。
王様「スパイなのではあるまいな」
タプチム「スパイではございません。タプチムと申します。英語を話すことができます」
舐めるようにタプチムを眺める王様。二ヤッと表情を見せ、気に入ったという素振りを見せます。
クララホム「陛下はお気にいられた。お気に召したぞ」
タプチム「気に入られた?」
『My Lord and Master』(マイ・ロード・アンド・マスター)
あの方は この私をお気に召された
どうして 今初めて 見た 私のどこが
いいの? なぜなの? 若くて きれいなほほも
手足も 愛に満ちた 声も王のものだと
おっしゃるの?
あの方が 王様でも
心の中に 秘めている
悲しみまで わからない
この私に 恋人が いるのは
わからないわ
しょうこちゃんの歌唱は昨年の時点で完成されてますが、今年は感情表現がより豊かになったような印象を受けました。たとえば、「♪なぜなの~」に入るところで少しためたりしてましたな。しょうこちゃんは本田美奈子のタプチムのパフォーマンスをCDやビデオで研究して臨んでいますよ。昨年は本田タプチムをしょうこちゃんの歌い方で歌ってみせた。今年はそれに平田タプチムがみせたような熱情を加味したタプチムに進化させたパフォーマンスだったように思います。しょうこちゃんはタプチムを演じるにあたり、本田美奈子を目標にしていたと思います。私が聴いたかぎりでは、歌に限って言えば本田タプチムをはるかに凌駕していると思いますよ。お見事でした。
もともとタプチムとルンタは恋人同士。タプチムが後宮に入ることは別れを意味します。歌のあいだスポットライトが二人を照らし出します。昨年はしょうこちゃんだけしか見てなかったです。こうなってたんですね。タプチムが歌ってるあいだ、やりきれないという表情を見せるルンタ。ルンタは歌の前に下がってしまうのが普通です。この演出はなかなかいいですね。
第2場の参考動画。王様登場シーンで珍しく女官の踊りが省略されてないのがあったのでこちらを。
ルンタは歌の途中で下がりますが、タプチムはアンナの謁見のあいだ舞台にいます。チャン王妃の歌ってるところで王様がタプチムを覗き込むところがおもしろいですな。さっきのニヤリもそうだけど、こういう王様で行くのかと思いましたが。
王様「この女は上手に英語を話す。ビルマの王子からの貢ぎ物だ」
アンナ「貢ぎ物!」
タプチム「先生、私に読める英語の本をお持ちですか?
トーマスおじさんの小さな家という本を読みたいのです。アメリカの女の方が書いた」
王様とタプチム退場。
ミュージカルナンバー「ハロー・ヤング・ラバーズ」。「王様と私」は、もともと当時のスターであったガーティ・ローレンスのために作られた作品。アンナはスターが演じる役で、スターが歌うべきナンバーが用意されています。それがこの歌です。アンナは王に立ち向かう気が強い女性を演じなければならないという難しい役なのでキャスティングには苦労すると思います。昨年同様に素晴らしい演技を見せた紫吹淳さんではありましたが、歌だけはどうしようもなかったですな。ちょっとかわいそうな気がしました。
「王子と王女たち、集れい!」。ミュージカルナンバー「March of the Siamese Children」(シャムの子供達の行進)。ルイスと王子、子役は順番で変わってるみたいでした。このシーンのアンナがボンネットをはずすところが私が好きなところ。これは映画版にもありますな。去年好評だったパッチワークの象のぬいぐるみは今年も健在。このミニチュアをグッズ販売すれば売れたと思うんだけどね。手軽に買えるような値段にするのは難しいか。
第3場
カーテン前でのシーン。子供達が歌ってたのは「Home Sweet Home」。
王様のソロナンバー「Puzzlement」(パズルメント)。
第4場
校歌「The Royal Bangkok Academy」(ロイヤルバンコク学院)を歌いながら、生徒、お妃たち登場。タプチムも。
王宮の学校のシーン。地図が広げられていて、チャン王妃がシャムは偉大な国で隣のビルマは貧しいと説明しています。それを聞いたビルマから来たタプチムは立ち上がって悲しそうな表情を見せます。なくてもいいところですが、しょうこちゃんは出番は多ければ多いほどいいですから。タプチムはオレンジ色のドレスでした。双眼鏡で見ると、手には次に使う鳴り物を付けています。
ミュージカルナンバー「Getting to Know You」(仲よくしましょう)。アンナが歌のお姉さんをするところです。タプチムはセンターに移動して、さっきの鳴り物(何ていうのか知らない、チンチンと鳴らすやつ)を鳴らす役をします。笑顔でやってて楽しそうですよ。
歌が終わった後もタプチムの出番があります。アンナがシャムには存在しない雪と氷の説明をするところですね。
アンナ「これを雪といいます」
タプチム「(立ち上がって)ゆき?」
シャムには存在しない雪に興味を持つタプチム。これは第2幕のタプチム脚本による劇中劇「トーマス伯父さんの小さな家」につながってきます。私的には、ここは「雪、スノウ?」って言って欲しかったな。このあと、見たこともない雪のことが原因で教室は大騒ぎになり、騒ぎに掛け付けた王様とアンナは喧嘩をしてしまいます。喧嘩の原因は、アンナを召使扱いする王様とそれに反発するアンナでしたな。そして、次のシーンへ。今年もまたやってきました。運命の第5場「木陰のくちずけ」。しょうこちゃん、お手柔らかにお願いしますよ。
(※「兵庫公演その2」へ続く)
花びらたたみかぐわしき、優しさ秘めてひそやかに湖の胸にしずみゆく。
ああ、愛しの君よ。なれもまた百合のごときにかぐわしき御身。たたみて我が胸に入りきたれかし。
本日のホール、阪急・西宮北口の兵庫芸術文化センター。
エントランスホールに入ったところ。いい香りが漂っています。
この香りか。さすが、マツケン様。
「ロジャース&ハマースタイン 王様と私」(全2幕、日本語上演)
ハローミュージカルプロジェクトというところの公演です。東宝が製作協力していますので、東宝ミュージカル版の再演と言えます。私は昨年に同公演を3回見に行きました。今年はこの兵庫公演の全4回を見ることにします。私はミュージカルファンではないので、普段は同じのものを何回も見るようなことはしないですけどね。この公演には私の愛しのエトワール、はいだしょうこさんが出演されるからです。昨年度はタプチム役は平田愛咲さんとダブルキャストでしたが、今年はしょうこちゃんのみ。しょうこちゃんのタプチム役が関係者から高い評価を得たからと思いたいですな。昨年のはいだタプチムと平田タプチムはどちらも素晴らしい出来だったと思っています。
本日のエトワール。はいだしょうこさんが演じるタプチムはタイ語でザクロまたはルビーの意味です。プリンセス・ルビー、ザクロ姫ですな。タプチムは高度な歌唱を要求される役ですよ。前回の東宝版では、しょうこちゃんが好きな本田美奈子さんも歌っています。
オペラ用の大ホールではなく、今日は中ホールでの上演です。完売ギリギリで取った席なんで、席は後のほうですが、舞台からそんなに遠くなく、センター位置でよく見えます。すでにホールの幕は上がっていて、昨年と同じ「王様と私」の幕が出てます。この幕、エスニックな雰囲気があって私はとても気に入っています。すでにプロダクションの著作権が発生してますから、幕を撮るだけで注意されるホールもあるかと思います。
ロジャース&ハマースタインミュージカルには「サウンドオブミュージック」や「回転木馬」「南太平洋」などのよく知られた作品がありますが、その中でも「王様と私」はR&Hミュージカルの最高傑作と評価される作品です。本作のミュージカルナンバーのほとんどがポップスやジャズなどあらゆるジャンルのアーティストにカバーされているように、音楽的も非常に優れた作品となっています。さて、ご承知のように、私はR&H作品についてはマニアとされる部類ですから、私を納得させるには相当なものを見せてくれないといけませんよ。いやいや、去年も見てますから中身はわかってますよ。主役の王様とアンナの微妙な関係を表現するのは非常に難しいです。王様があの上様であってもです。前述の通り、今年もはいだしょうこさんのパフォーマンスを楽しみにしてるだけです。
公演日程も後半を過ぎ、残りもわずかになりました。もうみなさんもご覧になられたと思います。
以下、曲目順に、はいだしょうこさんの登場シーンを中心に全解説をします。当ブログははいだしょうこさんのすべてを記録をすることを目的としてますので、タプチムのミュージカルナンバーの訳詞、タプチムのセリフ全部を記録しておきます。訳詞と台詞については、本田美奈子がタプチムを歌った東宝ミュージカル版の録音(1996年)がCDとなってますので、それを参考にしました。
序曲
生オーケストラは使わず、オーケストラは録音を使います。ミュージカルは生演奏が基本ですが、低価格の巡演公演でありますし、常に最高水準の演奏を使用するためには、これも必要でありましょう。客席の照明は消さずに有名な「王様と私序曲」が始まります。序曲が進むにつれて、徐々に客席の照明が落ちていきます。序曲はオリジナルバージョンを使用。序曲の演奏でミュージカルはすでに始まっているのですが、ミュージカルに慣れてない観客層が多いため客席はうるさい。ミュージカルの序曲はミュージカルナンバーのスイートになってることが多いです。「王様と私」も同様です。これを聴きながらこれから始まる物語に期待を膨らませるのが序曲の役割なんですよ。
第1幕第1場
幕開けです「♪Arrival at Bangkok」。1862年、シャム王国バンコク港に英国人教師アンナとその息子ルイスが到着したところから物語が始まります。アンナはシャムの宮廷の家庭教師に請われてシャムにやって来たのです。初めて見る異国の地、険しい表情の衛士たちを見て怖がるルイスに、アンナは怖いときには口笛を吹いて、自分は勇ましいのだと思い込めばいいと諭します。ミュージカルナンバー「I Whistle a Happy Tune」(口笛ふいて)。うわさではアンナの歌が上達してるときいていたのですが、あまり去年と変わってない。基本的に発声自体を変えないとだめだね。いっしょに歌ってる子役のルイスのほうが歌い方が自然で上手いってどういうことだ。また、去年も書いたかもしれませんが、ここでのコミカルな演出は一切不要ですよ。港の喧騒やおどろおどろしさを表現しないと「口笛ふいて」が生きてこないね。
第2場
王宮。王様登場「♪Vignettes and Dance」。西欧による植民地化にさらされているアジア諸国。シャムは列強と対等な外交関係を築くために、自国の近代化を早急に図らなければなりません。王様はもたらされる情報に苛立つ。そこに、西欧文明を取り入れる総合計画の一環として招いた英国人教師アンナの到着を知らせる報が届きます。アンナの王様との謁見の前に、タプチム登場シーンがあります。まず、バンコクの寺院の模写するために隣国ビルマから派遣されてきたルンタが登場、そのルンタに連れられてきたのがビルマ王子からシャム王への貢ぎ物タプチムでありました。この二人は実は恋人同士というのが、本作のサイドストーリーとなっています。タプチムは白の民族風のドレス。美しいというより小さくて可愛らしいですね。しょうこちゃんは黒髪に染めていますが、照明の加減なのかブログの写真で見るほど変わってるようには見えません。
王様「スパイなのではあるまいな」
タプチム「スパイではございません。タプチムと申します。英語を話すことができます」
舐めるようにタプチムを眺める王様。二ヤッと表情を見せ、気に入ったという素振りを見せます。
クララホム「陛下はお気にいられた。お気に召したぞ」
タプチム「気に入られた?」
『My Lord and Master』(マイ・ロード・アンド・マスター)
あの方は この私をお気に召された
どうして 今初めて 見た 私のどこが
いいの? なぜなの? 若くて きれいなほほも
手足も 愛に満ちた 声も王のものだと
おっしゃるの?
あの方が 王様でも
心の中に 秘めている
悲しみまで わからない
この私に 恋人が いるのは
わからないわ
しょうこちゃんの歌唱は昨年の時点で完成されてますが、今年は感情表現がより豊かになったような印象を受けました。たとえば、「♪なぜなの~」に入るところで少しためたりしてましたな。しょうこちゃんは本田美奈子のタプチムのパフォーマンスをCDやビデオで研究して臨んでいますよ。昨年は本田タプチムをしょうこちゃんの歌い方で歌ってみせた。今年はそれに平田タプチムがみせたような熱情を加味したタプチムに進化させたパフォーマンスだったように思います。しょうこちゃんはタプチムを演じるにあたり、本田美奈子を目標にしていたと思います。私が聴いたかぎりでは、歌に限って言えば本田タプチムをはるかに凌駕していると思いますよ。お見事でした。
もともとタプチムとルンタは恋人同士。タプチムが後宮に入ることは別れを意味します。歌のあいだスポットライトが二人を照らし出します。昨年はしょうこちゃんだけしか見てなかったです。こうなってたんですね。タプチムが歌ってるあいだ、やりきれないという表情を見せるルンタ。ルンタは歌の前に下がってしまうのが普通です。この演出はなかなかいいですね。
第2場の参考動画。王様登場シーンで珍しく女官の踊りが省略されてないのがあったのでこちらを。
ルンタは歌の途中で下がりますが、タプチムはアンナの謁見のあいだ舞台にいます。チャン王妃の歌ってるところで王様がタプチムを覗き込むところがおもしろいですな。さっきのニヤリもそうだけど、こういう王様で行くのかと思いましたが。
王様「この女は上手に英語を話す。ビルマの王子からの貢ぎ物だ」
アンナ「貢ぎ物!」
タプチム「先生、私に読める英語の本をお持ちですか?
トーマスおじさんの小さな家という本を読みたいのです。アメリカの女の方が書いた」
王様とタプチム退場。
ミュージカルナンバー「ハロー・ヤング・ラバーズ」。「王様と私」は、もともと当時のスターであったガーティ・ローレンスのために作られた作品。アンナはスターが演じる役で、スターが歌うべきナンバーが用意されています。それがこの歌です。アンナは王に立ち向かう気が強い女性を演じなければならないという難しい役なのでキャスティングには苦労すると思います。昨年同様に素晴らしい演技を見せた紫吹淳さんではありましたが、歌だけはどうしようもなかったですな。ちょっとかわいそうな気がしました。
「王子と王女たち、集れい!」。ミュージカルナンバー「March of the Siamese Children」(シャムの子供達の行進)。ルイスと王子、子役は順番で変わってるみたいでした。このシーンのアンナがボンネットをはずすところが私が好きなところ。これは映画版にもありますな。去年好評だったパッチワークの象のぬいぐるみは今年も健在。このミニチュアをグッズ販売すれば売れたと思うんだけどね。手軽に買えるような値段にするのは難しいか。
第3場
カーテン前でのシーン。子供達が歌ってたのは「Home Sweet Home」。
王様のソロナンバー「Puzzlement」(パズルメント)。
第4場
校歌「The Royal Bangkok Academy」(ロイヤルバンコク学院)を歌いながら、生徒、お妃たち登場。タプチムも。
王宮の学校のシーン。地図が広げられていて、チャン王妃がシャムは偉大な国で隣のビルマは貧しいと説明しています。それを聞いたビルマから来たタプチムは立ち上がって悲しそうな表情を見せます。なくてもいいところですが、しょうこちゃんは出番は多ければ多いほどいいですから。タプチムはオレンジ色のドレスでした。双眼鏡で見ると、手には次に使う鳴り物を付けています。
ミュージカルナンバー「Getting to Know You」(仲よくしましょう)。アンナが歌のお姉さんをするところです。タプチムはセンターに移動して、さっきの鳴り物(何ていうのか知らない、チンチンと鳴らすやつ)を鳴らす役をします。笑顔でやってて楽しそうですよ。
歌が終わった後もタプチムの出番があります。アンナがシャムには存在しない雪と氷の説明をするところですね。
アンナ「これを雪といいます」
タプチム「(立ち上がって)ゆき?」
シャムには存在しない雪に興味を持つタプチム。これは第2幕のタプチム脚本による劇中劇「トーマス伯父さんの小さな家」につながってきます。私的には、ここは「雪、スノウ?」って言って欲しかったな。このあと、見たこともない雪のことが原因で教室は大騒ぎになり、騒ぎに掛け付けた王様とアンナは喧嘩をしてしまいます。喧嘩の原因は、アンナを召使扱いする王様とそれに反発するアンナでしたな。そして、次のシーンへ。今年もまたやってきました。運命の第5場「木陰のくちずけ」。しょうこちゃん、お手柔らかにお願いしますよ。
(※「兵庫公演その2」へ続く)
花びらたたみかぐわしき、優しさ秘めてひそやかに湖の胸にしずみゆく。
ああ、愛しの君よ。なれもまた百合のごときにかぐわしき御身。たたみて我が胸に入りきたれかし。