公益社団法人全国有料老人ホーム協会なる団体が2001年から、高齢者の日常生活等をテーマにした川柳を募集し、毎年9月15日に優秀作が発表されている。今年もその時期が近づいている。毎年1万人前後の応募があり盛況のようだ.投稿者は殆ど65歳以上の高齢者だとのことである。最近書店には、我々高齢者が一読してみたくなるような川柳句集も置かれている。
そんな句集を書店で立ち読みしてとても興味と関心が持てたので、同上協会関係のNetで過去に紹介されている川柳を漁って観た。そのうち、直近2年間の第12回及び第13回分の優秀作を当方なりに選択して5句づつ転載し、最後にこの種の川柳なら傘寿直前の当方でも作れそうだと思い、ない知恵を絞り、初挑戦して詠んだ駄作川柳を書き加えた。
2012年(12回)応募総数は9353件
● 延命は 不要と書いて 医者通い
● おじいちゃん 冥土の土産 どこで買う?
● 指一本 スマホと俺を 使う妻
● 起きたけど 寝るまで特に 用もなし
● 日帰りで 行って見たいな 天国に
2013年(13回)応募総数は96021件
● 表札で 生きる亭主の 三回忌
● あの世では お友達よと 妻がいい
● 物忘れ 昔からだと 負けおしみ
● とも白髪 まっぴらごめんと 妻茶髪
● この動悸 昔は恋で 今病
傘寿前爺の駄作川柳
○ピンコロ死 願った俺寝て もう三年 ○傘寿坂 越えて束の間 まさか坂
○見え隠れ しのび寄り来る 使者の影 ○完治無理 そこを何とか 神頼み
○酔い進み 先逝きどっちか 大舌戦 ○おいお前 口ごもりは 念仏か
○逝く友に 来世で再会 約す友 ○もういいよ そろそろ逝くよ こちらから
○悟ったよ 心無罫疑 逝く準備 ○昔ごと 今更何よと 妻反論
○山男 介護ベットで 這い上がり ○尊厳死 自署後も続く 透析通い
○俺よりも 先に逝くなが 爺命令 ○労労の 認知と痴呆 度が進む
○宣告を 奇跡で消したい 余命観 ○シルバー席 座らぬ俺は 未だ傘寿
○前向きに 生きて逝きたい 終着駅 ○逝く順序 逆こそ同期の 誉れ順
○まだ早い 傘寿をステップ 米寿越え ○労労の 介護で悟った 夫婦愛
○“もう”よりも “まだ”が心の 最良薬 ○孫大変 思い込ませる 詐欺の罠
○爺婆が 青春切符で 旅三昧 ○ガラ系って どんな携帯 どんな柄
○医者嫌い あの爺さんが ドクター通
高齢者作の川柳は、気持ちの面で、とかく後ろ向き志向の傾向が現れ易いのは、仕方のないことかもしれない。しかし、当方はブログ表題に書いてるように、歳はとってもプラス志向を第一義として生きたいので、川柳作の場合も、自分自身にも励みになるような句も作るようにしたいと思っている。