日本語は、中国・韓国語とルーツが同じ感じだから語句に共通性があるのは当然だ。だから、両国語は夫々発音・表記は違っても、漢字の語順や意味が日本語と同じ語句もあれば、逆に、何故そんな漢字をその語句に充てているのか理解難い語句も実に多い。
夫々の国で独自の経過を経て来たのだから尤もだ。以下、極めて独断的だが、中国語の語句を例に日本語の語句との類似性や違いについて一寸観てみよう。
当方は、自分なりに中国語の語句を次の4類型に別けて覚えるようにしている。
・A類(本来類型=日本人には全く馴染めない用法のもの、例:商量=相談、便宜=安価、酒店=ホテル、存折=預金通帳、愛人=配偶者、歩く=走、乗る=坐)
・B類(簡体類型=簡体字化された元の字の意味からある程度類推出来る用法のもの、例:運転手=司机、宿題=作业, 売買=买卖、後悔=后悔、図書=图书、様式=式样、知り合う=认识、尋ねる・聞く=打听)
自分にとって覚え難いのは、殆ど上記2類型に属する多くの語句群である。
・C類(類似類型=漢字の意味上然りと類推出来る用法のもの、例:生魚片=刺身、爆満=満員、心想=気持、負責人=責任者、所以=故に、因為=によって、而且=かっ又、好在=幸いにも、其実=実は)
・D類(同一類型=漢字とその意味が全く同じ用法のもの、例:経済、感想、小説、尊敬、突然、痛快、仔細、政治家、体重)
勿論以上のいずれにも属さない用法の語句も多いので更なる勉強が必要だ。
なお、韓国語の場合、こと名詞については、漢字の組合せで出来る言葉は、日韓共通である。
だから、漢字の読める韓国人は、例えば、家庭・野球・健康・政治・日韓関係と書かれた漢字を가정、야구、건강、정치、일한 관계と読み、意味は全て理解出来る。逆にハングル学習歴がある邦人であれば、前記のハングル文字の意味も当然理解出来る筈だ。
この日韓共通の漢字は約千字あり、これを「千字文」と云い、当方もその昔、韓国語でその音と訓読みを習った。随分忘れているが、千字の漢字一文字・一文字を意味のある語句に組み合わせれば、韓国語に関する語彙は無数に増えることになる。
日韓両国人にとってお互いの言葉が習得し易いのは、こうした言語構成上の背景もあるように思っている。ところが聞くところによると、韓国では、漢字を読めない・書けない若者が増えていると聞いている。機会を得て是非現状を確認したい。以下・・次回