浦安海岸は東京湾の北西端に位置している。確か20年前頃までは、汚れた海の代表格のように云われていた。
しかし近年は、年々湾岸域の浄化が進んでいることもあり、変な匂いは全くなく、逆に微かに潮の香りもする。この海岸の海の色は、年間を通じて概ね濃い灰色をしているが、季節・天候・風向・風力・干満等の状況により海面の景観は、微妙に、そして時にはがらりと変化する。
特に初夏から秋口にかけてその傾向は顕著である。日により、どす黒く濁っている時もあれば、何故か綺麗に透き通り、外洋に面した紺碧の輝きに観える時もあるから不思議である。
海藻の種類は多くはないが、植生としては豊な方である。だからごく偶に、鱸スズキ・鯔ボラ・細魚サヨリ等の姿を見かけることもある。
概ね毎日、海岸沿いを散歩しながら、東京湾岸域の自然と空気に触れ会えるので、今月で傘寿の仲間入りをした老生にとって、散歩の時間帯は、大変幸いなひと時である。