気心は未だ若い「老生」の「余話」

このブログは、閑居の間に
「言・観・考・読・聴」した事柄に関する
 雑感を主に綴った呆け防止のための雑記帳です。

浦安湾岸夏風景(2)

2015-06-29 17:28:32 | 環境

浦安海岸は東京湾の北西端に位置している。確か20年前頃までは、汚れた海の代表格のように云われていた。

                                      

しかし近年は、年々湾岸域の浄化が進んでいることもあり、変な匂いは全くなく、逆に微かに潮の香りもする。この海岸の海の色は、年間を通じて概ね濃い灰色をしているが、季節・天候・風向・風力・干満等の状況により海面の景観は、微妙に、そして時にはがらりと変化する。

特に初夏から秋口にかけてその傾向は顕著である。日により、どす黒く濁っている時もあれば、何故か綺麗に透き通り、外洋に面した紺碧の輝きに観える時もあるから不思議である。

海藻の種類は多くはないが、植生としては豊な方である。だからごく偶に、鱸スズキ・鯔ボラ・細魚サヨリ等の姿を見かけることもある。

 

概ね毎日、海岸沿いを散歩しながら、東京湾岸域の自然と空気に触れ会えるので、今月で傘寿の仲間入りをした老生にとって、散歩の時間帯は、大変幸いなひと時である。

 


浦安海岸初夏風景

2015-06-06 10:26:10 | 環境

渡り鳥の集息域である「三番瀬」周辺の鳥達も、殆どが北に帰り、この時期になると、写真のような大きな群れはもう見られず、僅かな残留組?を見かける昨今である。

護岸の浅瀬でよく観かけた小魚を狙う愛らしい鷺達もどこに行ったのか、いなくなくなった。

鳥達に代わって目立つようになった光景は、干潮時の「あさり」採り=潮干狩り風景である。

湾岸の水位差の状況は、護岸堤防の壁面に残る水位線の跡と干潮時、護岸壁からかなり離れた場所であさり採りをする人達の様子を観ればよく判る。現れた砂浜はどす黒く、水はこの時期、黒く濁ってはいる。でも油汚れなどはしていないし、僅かに潮の匂いも感じられる。対岸に見えるのは、千葉幕張メッセのビル群である。

福井・若狭湾岸の綺麗な海辺で少年時代を過ごした老生にとっては、コンクリートで固められた湾岸の水辺であっても、海に変わりはない。だからこの湾岸沿いは、吾輩にとって、大変親しみを感ずる大好きな散歩コースでもある。

作業中の地元の人の話では、貝は1~2年もので、小振りだが味は大変良いとのことだ。

掘るポイントにもよるが、時には1時間で1~2Kgもゲットできるそうだ。浦安周辺沖で漁師が採った「あさり」は佃煮などに加工され、「浦安あさり」として駅前スーパでも売られている。

干潮で好天の週末ともなると、家族連れで護岸の渚は大賑わいになる。老生も孫と「あさり」採りをしたい気持ちもある。だが、足腰に負担がかかる動作を伴うこと。トイレが近いことなどのこともあり、散歩の途中眺めるだけで、実体験が出来ないのが残念だ。

浦安海岸は、昭和39年以降逐次埋め立てられ、今はコンクリート壁やテトラポットに固められた人口の海岸になっているけれども、夏場・潮干狩りの時期になると、昔の風景の一端が蘇る。その点で、東京湾の潮位の変化は、昔の名残を今に伝える懐かしい風景と渚の幸を齎す有難い自然の営みだ。