
今日は午後1時開演の「文楽若手会」を観にでかけました。


まず資料室へ。
企画コーナーでは、前期「忠臣蔵を知る」(6月30日まで)。
先日訪れた文楽鑑賞教室(社会人のための文楽入門)で上演の「仮名手本忠臣蔵」のための企画のようです。
「仮名手本忠臣蔵」の芝居絵。


それぞれの場面の絵も展示されています。
高師直。
大序の「恋歌の段」の絵でしょうか。

これは五段目の「二つ玉の段」ですね。
百姓與一兵衛と斧定九郎。
今は猟師となっている勘平を武士に戻すために金を工面しようと、勘平に内緒で娘お軽を祇園に売った與一兵衛。
手付の金を懐に、夜の暗闇の中山崎街道を家に向かって急でいる途中、
山賊となっている斧定九郎に狙われ惨殺されます。

早野勘平。
そこへ勘平(もとは塩屋判官の家来、今は猟師となっている)が鉄砲を猪に向かって発砲。
撃ちしとめたと思ったのは猪では無く、実は斧定九郎。

七段目「祇園一力茶屋の段」の大星由良之助。
彼は主君の仇討ちを計画していますが、それを悟られぬように遊びほうけた振りをしています。

遊女となっているお軽とその実の兄、塩屋家の足軽となっています。
しかし足軽(下級武士)のため仇討ちに参加したくでもできません。
お軽はふとしたことから由良之助が仇討ちをするつもりであることを知ってしまいます。
平右衛門は妹がその秘密を知ったことを悟り、彼女を殺してそれを功に仇討ちの参加を願おうと思います。
二人が出会う前に、由良之助も秘密をお軽に知られたと悟り、彼女を身請けした上で殺そうとしています。
お軽は身請けされ、勘平に和えるとルンルン気分なのです。
そこへいきなり兄に斬り付けられ、ビックリ。
身を守るために懐の懐紙を投げ出します。
そのシーンですね。

同じシーンの浮世絵。

小道具の展示もありました。
「二つ玉の段」では定九郎が與一兵衛を殺そうとするときに、
與一兵衛が殺されないようにいろいろと述懐します。
その折に街道筋に立つこの地蔵尊を足蹴にして倒し、その台座にどっかと座ります。
足蹴にした時に地蔵尊が倒れるのですが、この地蔵の背中の穴に手を入れてバタリと倒します。

猪。

祇園一力茶屋の段で使われる小道具。
敵討ちをひそかに計画している大星由良之助。
同じ塩屋判官の家来でありながら、仇討ちに反対する、敵方に寝返っている斧九太夫(定九郎の父)。
由良之助が仇討ちする気があるのかを確かめるために、
塩屋判官の命日の前日である逮夜に蛸を食べさせようとする場面です。
「丁ど受けをれ肴をするわ」
と傍らに在りあふ蛸肴挟んでずっと
「手を出して足を頂く蛸肴。忝い」
と頂いて喰はんとする手をぢつと捕らえ
「コレ由良助殿、明日は主君塩屋判官の御命日。取り分け逮夜が大切と申すが、見事その肴貴殿は喰ふか」

この鏡は、お軽が由良之助の秘密に気づくこととなった鏡。
由良之助が密書を読もうとしているところ、お軽はその密書を恋文かと思い、
「余所の恋よと羨ましく、おかるは上より見下ろせど、夜目遠目なり字性も朧ろ、思い付いたる述べ鏡、
出して写して読み取る文章」
とあります。

さて二階へ上がります。
「社会人のための~」と同じで、プログラムは無料です。

若手、といってもそんなに若くはないんですね。
太夫だと初舞台が平成十年という方がいらっしゃいますね。
三味線では平成十一年が初舞台、
人形に至っては、初舞台が昭和五十七年・・・
いつの間にか、三味線の鶴澤寛太郎さんなんて今回出演の三味線のなかで三番目のベテランさんで、
人形の吉田蓑太郎さんも人形の中ではベテランの方になっています。
お二人とも自分が文楽を観始めた時にはまだ文楽研修生でもありませんでしたね。
この日の舞台は収録されていました。

帰りは座って帰りたかったので、快速急行ではなく準急で。
途中停車した「瓢箪山」駅に「楠木正行公墓」と書かれた石碑が。
東大阪市往生院六萬寺に楠木正行(楠木正成の嫡男)の胴体が、
京都市の善入山宝筐院に楠木正行の頭が葬られているそうです。

あちこちに選挙看板。
奈良市長選挙、奈良市議会議員選挙があるようです。
