涙と笑いのHIV奮闘記III

自分とは無関係と思っていた病気の闘病を続けるオヤジの日記。
日に日に進行する物忘れとも戦っています。

国立文楽劇場で第三部国言詢音頭

2019-08-01 21:52:18 | 文楽

第三部はサマーレイトショー国言詢音頭。

自分は初めて観た演目です。

「五人伐の段」五人切り殺してしまうという恐ろしい夏向きの演目、最後に本水を使った雨の場面があります。

1737年に起こった事件を基に書かれた浄瑠璃です。
7月2日の深夜、曽根崎新地の茶屋大和屋十兵衛方で、主人十兵衛、十兵衛女房、下女二人、そして桜風呂の髪新女菊野の五人が、
菊野の客であった薩摩藩島津家の侍早田八右衛門に惨殺されたという事件。

滅多に上演されず、最後の上演は大正七年の御霊文楽座。

それが昭和五十三年、六十年振りに国立劇場小劇場で復活上演となっています。

大坂堂島の蔵屋敷に勤める薩摩藩士耶八柴初右衛門は曽根崎新地の遊女菊野を見染め、首ったけ。
藩の溶菌を横領し、派手に遊んでいます。
その菊のは初右衛門の知人の町人絵屋仁三郎と深い中。

ひょんなことからその事実を知った初右衛門、薩摩への帰国が決まったころに馴染みの人を集めて別れの会を開きます。
その場でお前たちの仲、そして自分を馬鹿にしていたことを知っていると示唆します。

夜中に二人を殺そうとやってきた初右衛門、
菊野、店の者など五人を伐り、雨の中を傘をさして謡を口ずさみながら去ってゆく。

 

細かい点は違いますが、「盟三五大切」を思わせる筋ですね。

 

次回の公演のちらしが一種類だけできていました。

 

第一部は心中天網島、二部は仮名手本忠臣蔵八段目から十二段目まで。


夏休み文楽特別公演第二部名作劇場「仮名手本忠臣蔵」五段目より七段目まで

2019-08-01 15:15:57 | 文楽

 

 

第二部は仮名手本忠臣蔵から五段目より七段目まで。
一応通し狂言となっていますが、三回にわけての通し狂言。

今回の演目が仮名手本忠臣蔵の名場面ですね。

 

猟師となった勘平は、山崎街道で同志の千崎弥五郎に出会い、仇討ちの資金調達を約束します。一方、おかるの父与市兵衛は夜道で斧定九郎に襲われて殺され、懐の五十両を奪われます。それは、勘平の仇討ち資金を用立てるため、おかるを身売りした前金。しかし定九郎は、猪を狙って発砲した勘平の銃弾であえなく絶命。誤って人を撃った勘平は、慌てながらも懐からその五十両を抜き取り、その場から逃げ去ります。

 

おかるを引き取りにきた祇園一文字屋才蔵の言葉から、昨晩撃ち殺したのが舅の与市兵衛と思い込む勘平。そこへ現れた不破数右衛門と千崎弥五郎、姑に詰問された勘平は、罪を吐露して腹を切りますが、真犯人が定九郎であったことが判明します。疑いの晴れた勘平は、仇討ちの連判に名を連ねることを許されると、安堵して息絶えるのでした。

 

 祇園で遊興に耽る大星由良之助のもとへ、おかるの兄の寺岡平右衛門が訪れ、仇討ちに加わりたいと願い出ますが、相手にされません。息子の力弥が届けにきた密書を、遊女おかると、師直と内通する斧九太夫に盗み読みされたことに気付いた由良之助は、おかるを殺そうとします。それを察した平右衛門は、自ら妹を手にかける覚悟を決めますが、由良之助に止められます。事情を知った由良之助は、おかるに九太夫を殺させて勘平の仇を討たせると、平右衛門を連判に加えます。

 

五段目
 山崎街道出会いの段  小住太夫 勝平
 二つ玉の段  靖太夫 錦糸 燕二郎(胡弓)
 人形  早野勘平 和生
     先崎弥五郎 玉勢
     百姓与市兵衛 亀次
     斧定九郎 玉輝
六段目
 身売りの段  咲太夫 燕三
 早野勘平腹切りの段  呂勢太夫 清治
 人形  女房お軽 一輔
     与市兵衛女房 蓑二郎
     早野勘平 和生
     原郷右衛門 玉也
     先崎弥五郎 玉勢
    

七段目 祇園一力茶屋の段

 由良之助 呂太夫
 力弥 咲寿太夫
 おかる 津駒太夫
 一力亭主 南都太夫
 伴内 希太夫
 九太夫 三輪太夫
 平右衛門 藤太夫
 宗助 清友

 人形  斧定九郎 勘壽
     伴内 文司
     一力亭主 玉路
     大星由良之助 勘十郎
     寺岡平右衛門 玉助
     大星力弥 玉翔
     遊女お軽 蓑助 一輔

 

七段目では右の床にずらりと太夫が並び、
寺岡平右衛門が登場すると舞台の左に一人分の席が設置され、そこに平右衛門を語る太夫が座ります。

自分が持っているDVDではその席に緋毛氈が敷かれていましたが、今回は敷かれていません。
ちなみにそのときの寺岡平右衛門を語ったのは五代目織大夫(後九代目綱大夫、その後九代目源太夫)。

大星由良之助宛ての密書を一力茶屋の二階から盗み見したお軽、
それに由良之助が気づいて、

「由良さんか」
「おかるか。そもじはそこに何してぞ」
「アイ、わたしやお前に盛り潰され、あんまり辛さの酔ひ醒まし。風に吹かれてゐるわいな」
「ムウ、ハテなう。よう風に吹かれてぢやの。イヤかる、ちと話したい事がある。屋根越しの天の川でこゝからは言はれぬ。ちよつと下りてたもらぬか」
「話したいとは、頼みたい事かえ」
「マアそんなもの」「廻つて来やんしよ」
「アヽイヤイヤ、段梯子へ下りたらば、仲居が見つけて酒にせう。アヽどうせうな。アヽコレコレ、幸ひこゝに九つ梯子、これを踏まへて下りてたも」
と、小屋根に掛ければ、
「この梯子は勝手が違うて、オヽ恐。どうやらこれは危いもの」
「大事ない、大事ない。危ない恐いは昔の事、三間づゝまたげても赤膏薬も要らぬ年輩」
「阿呆言はしやんすな。船に乗つた様で恐いわいな」
「道理で、船玉様が見える」
「エヽ覗かんすないな」
「洞庭の秋の月様を、拝み奉るぢや」
「イヤモ、そんなら降りやせぬぞえ」
「降りざ降ろしてやろ」
「アレまだ悪い事を、アレアレ」
「喧しい、生娘か何ぞの様に、逆縁ながら」
と後より、ぢつと抱きしめ、抱き降ろし。

このような卑猥なやりとりをして、梯子で二階から降りてゆくのですが、
お軽を遣う蓑助さん、体調が悪いのか、梯子で降りた場面からは一輔がお軽を遣っていました。
ちなみに、自分の持っているDVDは若い蓑助が最後までお軽を遣っています。

 

若手の義太夫、育ってきましたね。


午後から国立文楽劇場へ

2019-08-01 13:45:04 | 文楽

 

正午過ぎに部屋を出て国立文楽劇場へ出かけました。

日本橋駅で近鉄電車を降りて、黒門市場を通って。
ドラッグストアや、外国人が増えましたね~。
殆どアジア人。中国語が飛び交い、時々韓国語も。

劇場前にはためく幟。

正面の太い柱に今回の演目の広告。

上(向かって左の柱)が仮名手本忠臣蔵のお軽、二階座敷で酔い醒ましをしている場面ですね。

右(向かって右)が国言詢音頭の八柴初右衛門、五人切りをして立ち去るシーンですね。

劇場に足を踏み入れると正面に芝居絵。

 

時間があったので劇場一階をうろうろ。

文楽とビックリマンのコラボ記念撮影コーナー。

 

当日券の発売状況を知らせる掲示。

第二部は一等、二等、補助席、一幕見席まで全て満席、平日なのに・・・
第三部は一等、二等空席あり。

 

では資料室に行ってみます。

仮名手本忠臣蔵の説明コーナー。

大星由良之助の討ち入りの時の衣装。

切り取って舞台を作る、昔の遊び。

仮名手本忠臣蔵は有名なので、国言詢音頭の説明だったらいいのになぁ。

そして文楽入門コーナー。

床の模型の上に、太夫の持ち物が飾られています。
床本、読めません。

昔は文楽は上方の人気演芸で、当時の道頓堀の賑わいが描かれた本。

舞台模型。これは義経千本桜の道行初音旅の狐忠信と静御前ですね。

 

開場時間となったので、二階へ行きます。
途中天井からの吊広告。

 

赤穂大石神社の説明と、絵馬が飾られています。

 

番付は一階売店でも購入できますが、断然二階の方がすいているのでここで購入。

二階ロビーにあるスタンプを押して。

 

劇場内へ。

第一部のかみなり太鼓では宙乗りがあって。
文楽の宙乗りといえば舞台の上で行われるのですが、
今回は短い花道のようなものが設置されていて、そこから人形が宙乗りするようです。
宙乗りに使うワイヤーが見えますね。