夢みるpocoの昼と夜☆

不惑を過ぎても煩悩だらけ。
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自由気ままに感じた事を綴ったブログです。

十二国記『丕緒の鳥』

2013-07-13 | 文芸
待ちに待った、いやいや待ちくたびれた…
もはや物語を忘れかけている…
そんな小野不由美著の十二国記シリーズ

面白さに食事も惜しんで読み続けたこのシリーズ。
続きを待ち望んで、いったい何年の月日がったのだろうか???
んんん?12年???

しかも装丁変わっちゃったし
シリーズ終了する前に出版社とか装丁とか変えないで欲しいっす。

わたしくめが揃えて購入していたのは、講談社文庫。
山田 章博氏のイラストが表紙&挿絵の講談社X文庫―ホワイトハートよりも
やはり、講談社文庫!
けっして山田 章博氏のイラストが嫌いな訳ではないのだが
自分なりのイメージというものがあるので、小説は挿絵などはいらない。


ーーー話を戻そう。

出版社を変えての新刊の『丕緒の鳥』
短編4編
うち2編は、すでに発表され書き下ろしは2編。


「絶望」から「希望」を信じた男がいた。
慶国に新王が登極した。
即位の礼で行われる「たいしや大射」とは、鳥に見立てた陶製の的を射る儀式。
陶工である丕緒(ひしょ)は、国の理想を表す任の重さに苦慮する。
希望を託した「鳥」は、果たして大空に羽ばたくのだろうか──
表題作「丕緒の鳥」ほか、
己の役割を全うすべく、走り煩悶する、名も無き男たちの清廉なる生き様を描く短編4編を収録。

<画像&内容紹介出典元:amazon.co.jp

シリーズの完全な続編ではないと分かっていたので、世界感を堪能するので十分。

期待し過ぎてしまった方は、ガックリでしょうが
なんともまぁ~もの凄く十二国記の世界感が詳細に出て来ました。
これぞファンタジー!!!

より濃くより重く…どっしりと記憶に刻み込まれる世界感。

どれもが民を痛み民あっての世界であり、
国が傾きつつある、傾いているのを民はどう生きているか?

シリーズの王と麒麟の物語ではなく、民の物語としてこの短編とくに2編は存在します。

小野不由美氏は、
どこまで緻密にこの十二国記という異世界を創り上げたのだろうか???
どれだけのイマジネーション、どんな頭の構造をしていらっしゃるのか???


おそらくは、この4編は、シリーズの本筋では、描ききれなかった行間。
その行間には、本筋以上に十二国記という異世界が詰まっているんだと思うのです。

なので、この短編集があっての今後のシリーズなのでは???



あぁ~願わくば、
わたくしめが死ぬ前にシリーズを終わらせて下さいませ~~~っっ!!!





矢崎 存美著:ぶたぶたシリーズ

2013-04-29 | 文芸
友人から薦められて読み始めた、
矢崎 存美 著:ぶたぶたシリーズ
これがじわじわと面白い。

出版社を跨いで展開しているこのシリーズ。
軽い文体でさくさくと読み易く、
くすっと笑えて、ほっこりして、じんわりと後味を残す。
中毒性を持っていて、ハマると抜け出せない。


<ぶたぶたシリーズ>
見かけは、桜色した可愛いぶたのぬいぐるみだが中身は、中年男!
”人”である「山崎ぶたぶた」が紡ぐハートウォーミング・ストーリー!

優しき中年男「山崎ぶたぶた」の存在は、
作中の登場人物(老若男女)を虜にして行くのです。
いやいや読者もか!

かなりの作品が出版されていますが、
わたしくが読了したのは、まだほんの数冊です。
まだまだ楽しみが続いていくのです
友人に感謝ですね~


友人から借りて最初に読んだのは、
『ぶたぶたカフェ』

<画像出典元:books.rakuten.co.jp
カバーイラスト(手塚リサさん)&デザインも作風と合って良いです。

カフェ「こむぎ」を舞台に繰り広げられる人と人との触れ合いに癒されます
ぶたぶたの見た目の可愛さと中年男というギャップもイケてるし
ぶたぶたがカフェの店長をして自ら料理をしているという設定も面白い。

ーーーそして、
食欲魔人のわたしとしては、たまらないメニューの数々!
ううう…よだれが出ちゃう
きつね色に焼けたふんわりパンケーキにたっぷりのメープルシロップ&
つやつや目玉焼き、無骨な自家製ソーセージに野菜たっぷりスープの朝食!
鉄板フレンチトーストに洋酒で香り付けされたサワークリーム!
5センチほどの厚みのあるホットケーキは表面サクサクの中ふんわりっ!
ぐうぉぉぉ~~~
料理の表現がたまらんっ

そんな生唾もんの料理を登場人物がまた美味そうに食するのだ。
お腹が空いている時に読んだら暴れ出しそうですね~。
あとがきにありましたが、
作者本人も
「食い意地の張った人間」「いつかおいしい料理を書けるようになりたい!」
と語られていましたが…
正にその情熱が作中に溢れていましたねぇ。


『ぶたぶた図書館』

<画像出典元:books.rakuten.co.jp

山崎ぶたぶたは、読書好き。
『ぶたぶたカフェ』にもありましたが、色んな図書館にも出没しています。
図書館業界では伝説的存在の彼がひょんな事からモデルになる?!

今回も大活躍のぶたぶたさん、
人生の分岐点に彼と出会えた人は幸せかも~
良い方へと導いてくれる彼は、悩める人の道標


『ぶたぶたと秘密のアップルパイ』

<画像出典元:books.rakuten.co.jp

今度のぶたぶたさんは、会員制の喫茶店の店員。
その喫茶店への特別招待券を手に入れたイラストレーターの風子、
誰にも話せない秘密を店員に話さなくてはいけないという
そこへ訪れた彼女を迎えたのは、ぶたのぬいぐるみ?だった!?

その喫茶店にしかないメニューが
これまた、美味そうなぶたぶたさんの作ったアップルパイ!!!
むきゃ~~~!!!
食べたい

秘密を持った人達がそこでぶたぶたさんと出会い
彼のちょっとした言動で関わる全ての人が
心の重荷をおろし、次なる一歩へと踏み出して行く…。
う~ん、ほっこり



読むのが遅い私でも通勤&休憩時間で1冊2日あれば読めてしまう。
そして何より中毒性を持っているので、読みだしたら止まらないのだ。

で、次の作品を貸りるまで待ちきれず、本屋に駆け込む次第であります。

ーーーもう少しで読み終えるのが
『ぶたぶた日記』

<画像出典元:books.rakuten.co.jp


いくつか作品に共通しているパターンですが
(ぶたぶたカフェは違うな)
1冊に何編かの物語が存在しています。
登場人物それぞれに目線から語られ、それらがどこかで交差して
(いづれもぶたぶたさんを通じてですが)
ひとつの大きな感動に繋がって行きます。

それぞれの登場人物のぶたぶたさんを初めて見にした
出会った、会話したシーンの反応が面白いです。
その後の思考もそれぞれで読んでいて楽しいです


自分だったら、どうなのだろう?と想像してみたり…


わたしのお気に入りは、ぶたぶたさんが酒好きって所。
彼が酒を飲むシーンが気持ちが良い。
しかもかなり飲める口。
美食家らしいし!


あぁ~!
一緒に飲みたいな~~~!!!




何年か振りに活字中毒になっています



『スティル・ライフ』池澤夏樹

2012-10-04 | 文芸
*『スティル・ライフ 』池澤夏樹著*

Amazon.co.jpより:中央公論社/中公文庫>
中央公論新人賞: 芥川賞受賞作。

染色工場で働く”ぼく”の前に佐々井という男が現れる。
彼が語る宇宙や微粒子や世界の運行など静かに語り合う時間に夢中になる。
”ぼく”の日常が彼の出現によって少し変化してしつつあった…。
そんな彼から持ち出された仕事とは???


作家:池澤夏樹に最初に読んだ思い出の作品であり、愛読書。
かれこれ20年以上前にこの本に出会えたことの幸せ

単行本だったのか文庫本だったのか?
何かの書評を読んで、気になり、本屋で冒頭を立ち読みして
ノックアウト!
俗世間からかけ離れた、男2人の会話(理系の)にやられた。
その透明感で静謐かつ知的な文章体に心奪われ、
表現が詩的で美しい。
本書は、書評に文学と科学の見事な融合とありましたが、
まさにそんな感じ。


それ以来、今日に至まで、池澤氏の本は追って来ているのですが、
新刊を置いていない本屋もあるなどで、納得いかない!
もっと評価されても良いと思うのですが???

どれをとっても文学的要素が高い作品ばかりなのに。
何故???


最近になって、『スティル・ライフ』また読み返して、
忘れていた箇所や感じ方が変わったりして、新鮮でした。

雪の描写が素晴らしい。
子供の頃に感じた不思議な感覚を見事に文章で表現してくれたのである!

『雪が降るのではない。
雪片に満たされた宇宙をぼくを乗せたこの世界の方が上へ上へと昇っているのだ。
静かに、滑らかに、着実に、世界は上昇を続けていた。』


秋の夜長におススメの
穏やかな気持ちになれる、感性豊かな美しい青春小説です。



* おまけ *

読書家の女優宮崎美子さんが、朝日新聞の書評で
池澤氏の父君:福永武彦の作品『草の花』を取り上げられていらっしゃいました。
池澤氏のファンになって、福永氏の存在を知り、すぐに読んだ作品です。
こちらもおススメです。
美しい文章は、父君譲りですかね~。
母君(原條あき子)も詩人というサラブレット!
因みにお嬢様は、声優の池澤春菜さんです。




歌詞に感化されて…

2012-09-30 | 文芸
読書の秋がやって参りました。
はっきり言って読書家ではないのですが、読書は好きです。
読書というか、が好きなのかもしれません。
インクの匂いとか装丁のデザインとか…手に取った重みとか…
物語と一緒になって記憶に残るものです。
小説はやはり本で読みたいですね~。

さてさて、かなり長い間活字離れをしていたので、
ここらで、何かときめく作品はないかと探していたのですが、
ピンと来ず…
そんな所へ、GRAPEVINE のLIVEへ行ったものだから、
ボーカルの田中氏の歌詞が気になり始める。
ーーー以前から彼の書く詩は、
読書家と公言しての通り文学性が高く、なにかと評判になっていたのです。
真剣に歌詞を追った事は、今までなかったのですが、
それでもポンポンと彼の口から飛び出す言葉に刺激されない理由もなく…

取りあえず、気になっていた作品を読もうとAmazonでポチッとな!
それが、これだ
↓↓↓

Amazonより
この短編集に「スレドニ・ヴァシュター』という作品が載っている。

そうです、GRAPEVINE のアルバム「From a smalltown」
3曲目に収録されている『 スレドニ・ヴァシュター』である。
小説にインスパイアされて書いたのか?
はたまたまったく違う意図して書いたのか?
関係ないのか???よく分かりませんが、
興味を持ったので読んでみることにしました。


基本的にそんなミーハーな切り口から作品を選ぶ事が多いワタクシです。

モーパッサンの作品も読まなくては…「ベラミ』『ピエールとジャン』だったり
ーーー今更やな~


『 スレドニ・ヴァシュター』の
感想は、本が届いて読んでからUPしま~す!