「なれのはて」加藤シゲアキ
報道局からイベント事業部に異動になった
守谷に同僚の我妻が
たった1枚の絵を見せる。
この、1枚の絵で個展を開きたいという。
誰も知らない
「イサム・イノマタ」の著作権を追って、
そして、猪俣家の謎を追っていく。
東京と秋田を行き来する
時間、戦前、戦中、戦後を追いかける時間の移動。
序盤からこれは止まらんやつだなと思いながら、
グイグイと読み進めた。
守谷の幼少のエピソードは余分かなぁ
とちょっと思った。
戦争にまつわることや、
絵画のことをえがく作品は多いけれど、
彼にしか書けない小説だと思った。
最後に少し明るい未来が予想される
エンディングも良かった。
テレビ局員が追うというのも、面白かった。
絵画や、昔の事件を追う小説は
多く存在するが
加藤シゲアキにしか書けない小説だと思った。
彼しか書けない、それはすごいこと
惜しかったぁ、直木賞。