「月まで三キロ」伊与原 新
好きだぁ、大好きだぁ。
理系の小説家は珍しくはないし、
理系の話を絡めることも珍しくはないけれど
短編のひとつひとつにそれぞれのやさしさが込められていた。
月が今よりも30倍の大きさに見えていた太古にも、
月が少しづつ離れていって今よりもっと小さく見える未来にも、
思いを馳せることのできて、
希望を持ったりできる人間て面白い生き物だ。
過去の地層に未来を見る人間て面白い生き物だ。
化石かもしれないものを砕き続ける人間も面白い。
「月まで3キロ」と「天王寺ハイエイタス」が好き。
哲おっちゃんのギターに私もしびれたいなぁ。
もう15年くらい前のことだけれど
理系の派遣会社にパートでいたとき
派遣先の人に研究や開発を
差し障りがない程度に説明してもらうことが多かった。
そんな時、ザ・文系脳の私に
わかりやすく説明してくれる、
そしてパートのおばちゃんをバカにしない
そういう人は
ほんとにあったまいいんだなぁと思ったものだ。
そして、そういう人はすぐ出世して
いなくなっちゃうんだよねぇ。