お正月に「ご本だしときますね?」という番組の再放送があった。
録画したものをゆるゆる見る。
角田光代さんと西加奈子さんの回に
「本当につらいとき、何に救われますが?
音楽、小説、映画・・・」という質問がありました。
選択肢に人はありません。
角田さんは音楽、西さんはお笑いとプロレスと答えました。
角田さんは音楽に救われると感じたときに
小説は人を救わないんだなぁと思いましたと仰ってました。
さて、私は、お笑いです。
毎夜、毎夜、泣いて泣いて泣き倒していた時、
抜け出せることはないと思っていました。
音楽を優先して聴くということをほとんどしない私は
音が欲しいとき、テレビをつける。
その時、深夜のお笑い番組をやっていました。
若手芸人のコント番組。
その時私は、本当に意表をつくかんじで
「あはは」と笑ったのです。
自分の笑った声に驚いて、そして覚醒したのです。
あの日のあの夜から私は少しの抜け穴を見つけて
そこから少しづつ穴を大きくして光を取り入れていったという感じでしょうか。
そして、その後、私は
優しい、優しい、善意の塊のような人達が登場する小説を
そういう小説だけを貪るように読むのです。
お笑いの次が小説だな、私の場合。