最近うぇぶりで西森博之の旧作を読んでいるので…その中で一つ。
作者について言えば最近だと今日から俺は!の実写版が人気を得て
連載から20年経ってもヒットするケースってあるんだなぁなんて思っていたけど、そうでなくても結構小規模(10巻弱)程度の作品を何点か書いていました。
【ネタバレあり】
話は、記憶をなくした状態で名前と気位の高さのみを柊という和風の美女と
圭二郎という女性に興味がないとされている長身イケメンとの触れ合いが描かれた話。柊は人間とは思われない特殊な力を持ち、
最終的に、ある存在から不死を引き継ぐことになる。
自分を残して皆が死んでいってしまう世界を想い絶望した柊だったが、
圭二郎は彼女と添い遂げつつ、不死である彼女に、希望を残して退場していく。
(あらすじを書くときに"退場"と書くのは、どのようにして話の本筋に出てこなくなるかが分からないため個人的に好みの表現です。)
どうだった?
最初に書いたように、人外が出てくるので彼の作品としてはやや異色。
彼の作品の中で面白いほうかと言われると、少なくとも笑うことは少ない作品かと。
メインテーマが純愛の話なのか死と向き合うことなのかがわかりにくいが、
キャラ的な面白さで言えば、敵役で不死の特性を持つ"夜叉"こと上城さんの存在は結構面白かったと思う。不死だと生きていることそのものにメリハリがなくつまらないので何かに命を賭けて生きていることを味わいたいというタイプ。ただ、彼の退場もまたとてもあっさりとしたものだった。
話の面白さは、柊の正体が分かって不死になり、何かが起こりそうなのに話の先が読めなくなってくる後半側の方が面白かった。というか、前半の高校のあたりはちょっと長すぎた気がする。
前半の柊の我儘&外道&不遜キャラに周囲が振り回される時間が長かったため
そこで読むのをやめた人もある程度いたのではないかと思われる。
なので、前半をサラッと読んで最後の1,2巻を少し時間をかけて読むのがおすすめかも。
誰におすすめか:西森博之のファンか、ドMの人
その他一言:
千弓は最後まで顔ありモブの域を出なかったな…もう少しだけ存在感があればなぁと思った。
◇
しかし、このスタンスで書いていると、
10代に触れたものにはろくに感想文も書いていないわけで、
ちょっと申し訳ないような気がしてしまう。
しかし20年も前のことを思い出して読書メモを書くわけにもいかないのだった。
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