惜春賦 手風琴
2010.6.16
あの年のクリスマス
なぜかあなたは
子供のように はしゃいで
アパートの部屋中に飾りつけして
バイト帰りの僕を待っていた
とても暖かい綿の雪景色
あなたの笑顔みるたび
このままの幸せが途切れる時が
二人はわかっていた気がするよ
置手紙には別れ言葉
涙のあとがある
テーブルの向こうには君の小さな椅子
寂しさが今もうつむいて座ってる
細い指折り曲げて泣く くせの人だった
夢にまでみるくらい春を待ち侘び
あなたは雪をみつめて
白いためいきをガラス窓にひとつ
北のはずれの街のせいにした
もしもあの時の君のうしろ姿に
何かを気づいていたら
抱き寄せて寂しさを暖めあえれば
別れは二人を変えてただろう
時計台にも春の風が間もなく吹いてくる
この空の片隅に君が微笑んでいる
若すぎた暮らし
消しゴムで消している
もう一度生きるため
思い出を消している
若すぎた暮らし
消しゴムで消している
もう一度生きるため
思い出を消している