ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【書き込みを読んで8】難波先生より

2014-08-11 18:44:43 | 修復腎移植
【書き込みを読んで8】
「集合知」は容易に破壊的に作用することができるが、建設的な方向に作用するためにはエビデンスに基づいて冷静で論理的な議論を重ねる必要があると論じてきた。
 酒井氏に退場を求めたのは修復腎移植とアウシュビッツにおけるユダヤ人を同列に並べるなど、あまりにも感情的・刺激的・挑発的な書き込みが行われたからだ。
 STAP細胞事件から「修復腎移植」に話題を切り換えたら、とたんにnon Evidence-Basedな書き込みが増えた。重複した書き込みを防ぐために反論しておきたい。

① <Unknown (Unknown):2014-08-09 14:59
中野益男氏は考古学者ではありませんし、石器の年代について何かをいう立場にもありません。考古学者により持ち込まれた石器や土器に付着している脂肪酸分析を行ったに過ぎません。現代ある物質の脂肪酸組成を分析し、持ち込まれた異物のそれを分析し、その組成の近さからおそらくこういう物質だろうという推論をしたわけです。あなたの文章によると中野益男氏が10万年前の石器であると言ったかのような印象を与えますが、それはまったくの間違いです

そして当時すでにそのことは明らかであったためなんらの咎めもなかったわけです不用意ですね>

これはひどい (Unknown): 2014-08-09 17:07
中野氏にたいする誹謗中傷じゃないか。これは名誉棄損で訴えられるレベルですね。>

 同一人かと思いますから、まとめてお答えする。
田中琢(みがく)・佐原真(編)『発掘を科学する』(岩波新書, 1994/10初版)
 第2章「脂肪酸が示す世界」(pp.29~45)
 執筆=中野益男(1939生、帯広畜産大学畜産学部教授・奈良国立文化財研究所客員研究員)
 本文の要点:
 <油があかしたゾウの解体>
 「宮城県古川市の馬場壇A遺跡は、日本で最古級の旧石器時代の遺跡である。発掘調査がおこなわれたのは1986年。… 遺跡の中央には小さな沢のようなくぼ地がある。くぼ地の周辺の17箇所から、少ないところでは3点、多いところでは27点の石器が直径2~3メートルの狭い範囲でまとまってみつかった。>(p.31)
 「石器にはナウマンゾウとオオツノジカの脂肪酸が大量に付着しており、石器が見つかった地点の土にはこれらの動物の脂肪酸とコレステロールが残っていたのだ。…
 絶滅した動物の脂肪酸がなぜわかるか。…実は1969年、北海道忠類村からナウマンゾウの牙からろっ骨の部分にかけての部分が出土し、油状の液体がビーカー一杯分ほど残っていたので、その脂肪酸組成を幸運にもつかむことができたのである。…
 ナウマンゾウやオオツノジカの脂肪酸に覆われた石器が、ヒトの使ったものであることは動かしがたい。… 十何万年もの大昔の石器から脂肪酸の組成を調べて、ゾウを解体したことを証明したのは、世界でも初めてのことだった。>(p.32-33)
 <縄文クッキーの秘密> (項目名のみ示す)
 <環状列石は墓地だった> (同上)

 <新たな可能性を求めて>
 「1992年から、私たちは『古代生活環境復原のための新手法の確立』(代表者、佐原真さん)という課題で文部省から科学研究費(特別推進研究)を受けて新手法の確立を目指している。これらの新研究法は、大昔の生活環境、食文化、衣文化、技術文化、灯火の歴史、墓制、習俗などの解明に大いに貢献するに違いない。」(p.45)

 まさに中野氏は<10万年前の石器から世界で初めて脂肪酸を調べて、ゾウを解体したことを証明した>と述べている。
 <中野益男氏は考古学者ではありません>
 所属は「畜産学部教授」です。しかし考古学の研究をして、それで文部省科学研究費をもらっていれば、「考古学者」と世間ではいいます。本書執筆時の1994年、藤村新一の遺跡捏造はより大がかりに進行中で、発覚まであと6年しかなかったのです。

 <中野氏にたいする誹謗中傷じゃないか。これは名誉棄損で訴えられるレベル>
 どこが名誉毀損ですか。私が日本考古学会で以下の発表を行った時、中野益男氏は学会に出席して反論する権利を放棄しました。すべて本人の著作を引用し、矛盾点を指摘しただけですから名誉毀損にはあたりません。
 http://www.asahi-net.or.jp/~xn9h-hysk/godhand/sibousan.htm
 「共同」の記者がわざわざ帯広まで会いに行ったけれど、中野氏はまともに疑惑に答えるのを拒否した。その電話報告のメモは今でも保存してあります。

 『発掘を科学する』の編者田中琢(1933生, 京大文卒,考古学)と佐原真(1932生,大阪外大卒,京大修士、考古学)は共著『考古学の散歩道』(岩波新書, 1993/11)では、それぞれこう述べている。
 田中:<二度にわたって文部省科学研究費の補助を受け、「自然科学の手法による遺跡・古文化財等の研究(1975-78年度)と「古文化財に関する保存科学と人文・自然科学」(1980-82年度)の名のもとで大型の研究計画が実施された>。(『科学する』, p.8)
 佐原:<(奈文研での仕事として大きいのは)在外研究員としてドイツに行って、脂肪酸と年輪年代学を(日本に)もちこんだことがもっとも記憶にのこることだった。1979年にチュービンゲン大学でその方法を知った。>(『散歩道』,p.212)佐原に脂肪酸分析の話をしたのは、同大学に留学していた中野益男である。佐原は自分の立場・性質についてこう述べている。
 <考古学者にはものに関心が深い物質派と、社会構成・生産関係などを主に志向する理論派とがいる。… わたしは物質派に属している。性善説をとり、人のいうことを素直にうけとる半面、いいたいことは遠慮なくいう。
 そして、理数系には極端に弱い。… 遺跡の現場で、研究室で、わたしは数多くの自然科学者と接し、たいていはそのことばをそのまま信じてきた。>(同上, p.217-19)
 (佐原真は京大文学部の受験に3度失敗し、大阪外国語大に進学したので自然科学の基礎がまったくない。〔『散歩道』〕,p.207))

 他方、田中はこうも書いている。
 <ある研究会の席上で、放射性炭素年代測定の話を聞いた。席上、「わたしの測定には誤差はない」と断言した人がいた。…同席していた自然科学のかたに疑問をぶつけたところ、「かれは科学者でないんだ」と軽くいなされた。しかし、われわれの仲間はその人のところへ年代測定を依頼していたのです。科学者と信じて。
 イソップ物語のコウモリの話を思いだします。コウモリが、ある時は鳥だと自称し、あるときは自分はネズミだと主張して、生きのびる話です。われわれ考古学研究者が自然科学者だと思っていても自然科学の分野の人からみるとそうではない。逆もあるでしょう。自然科学の研究者が考古学研究者と思いこんでいても、そうかどうか。」(『科学する』, p.9-10)

 佐原真は2000/11に「毎日」スクープにより藤村が石器を「遺跡」に埋めているところが報道され、「旧石器遺跡捏造」事件が発覚しても、「自分は性善説だから…」と言い訳した。性善説は無知の弁明にならない。彼の死の直前(ショックで免疫能が低下し、膵臓がんで死亡)にまとめられた『考古学つれづれ草』(小学館,2002/7)では、中野益男の執筆部分がふくまれている『発掘を科学する』(1994)が業績目録にリストアップされていない。
 「旧石器遺跡捏造」事件は無知なネズミが「自分はネズミだ」というコウモリを信じて、すっかり騙されたというのが本質です。コウモリの方は、事件が発生すると「自分はネズミではない、鳥だ」と称して飛び去ってしまった。中野益男がどういうテーマで科研費をもらってきたか、以下を見た上で「彼は考古学者でない」とUnknown氏は主張すべきでしょう。それとも発言を撤回しますか?
 https://kaken.nii.ac.jp/d/r/30111199.ja.html

② 修復腎移植については、以下の書き込みがあった。
<病腎移植 (Unknown):2014-08-07 14:07
病腎移植に未来はない。
基本的に移植できる腎臓をドナーから摘出する自体おかしなこと。
ドナーの腎臓治療を優先すべきだ。
レシピエントは不完全な腎臓だけでなく病まで移植されることになる。

健康体なら腎臓は一つだけでも人は生きて行ける。
病腎移植よりも生体腎移植、健康な人からの腎臓提供が望ましい。
これは売買ではなく「寄付」形式をとる事。
勇気と覚悟のいる寄付だが、広い世の中だ、募れば無欲で犠牲心旺盛で神様みたいな人達が大勢存在することだろう。>
 修復腎移植は「廃物利用」の「もったいない精神」でおこなわれます。
 この「Unknown08-07 14:07」氏は、ちょっとでも腐った部分があるリンゴを丸ごと捨てる人でしょう。私なら腐った部分をくり抜いて食べますけど。
 「お布施」に岡山の美事な白桃をたくさん贈ってくれた方があって(厚くお礼申し上げます)、二人では食べきれない。おすそ分けもしたが、まだ残っていて一部は表面が傷んでいる。今の白桃は皮が薄くてはぎ取れない。ナイフで8分割して果肉をえぐり取り、傷んだ部分を切り棄て、残りは皮ごと食べているが、ブドウの皮のようなゴツゴツした舌触りがない。

 患者が「取ってくれ」という腎臓を取り去り、「要らない」というものを、腎臓がほしいけど誰もくれないと困っている人に植えてあげて、何が悪いのですか?
 「健康な腎臓の寄付」、けっこうですね。まず貴方が実行して見せて下さい。

 これとは別に、以下のメールも寄せられた。
 <STAP問題を通じて難波先生のメルマガを拝見する機会を得たことで、病腎移植についての知識が深まったことに、とても感謝しています。
 恥ずかしながら、病腎移植については新聞記事で軽く読んだ程度の知識しかなく、大きな誤解をしている部分が多々ありました。
 門外漢ではありますが、今後もこの問題については関心を持ち、何か私でも役に立てることがあるか、考えていきたいと思っています。>
 「自分の頭で考える」ことのできる人なら、STAP問題でのメディアの初期報道が誤りだったことを知り、「旧石器遺跡」が次第に何十万年と遡って行っても、疑うことなく報道し続けたメディアは、やはり誤報をしていた、とわかるだろう。
 よって、「病腎移植報道」もやはり間違っていたのではないか、と疑うことができるだろう。

 それができない人が多いから、かつて「大本営発表」を信じて破滅への道を辿り、原爆を2発も食らったのである。もし日本が原爆を持っていたら、ためらうことなくサンフランシスコかロサンゼルスに投下したことを、自覚しなければならない。

 理研出身の物理学者中谷宇吉郎は、昭和12(1937)年11月、「東京朝日」新聞に載せた「弓と鉄砲」という一文に、こう書いている。
 「弓と鉄砲の戦争では鉄砲が勝つであろう。…現代の火器をちょうど鉄砲に対する弓くらいの価値におとしてしまうような次の時代の兵器が想像できるであろうか。
 原子の蔵する勢力(エネルギー)はほとんどぜんぶ原子核の中にあって、最近の物理学は原子核崩壊の研究にその主流が向いている。原子核内の勢力が兵器に利用される日が来ない方が人類のためには望ましいのであるが、もしある一国でそれが実現されたら、それこそ弓と鉄砲どころの騒ぎではなくなるであろう。」(この部分は戦後の文章中に彼が引用しているので、戦前の原文との対照チェックが必要。)
 戦後の彼は昭和20(1945)年、「文芸春秋」10月号に「原子爆弾雑話」を発表し、こう書いている。
 「この短文(「弓と鉄砲」)を書いた頃の二、三年前、私は二、三の国防の要路の人に会った時に、こういう意味のことを話したことがある。もちろんわが国でもこの時代にすでに理研の仁科博士の下や、阪大の菊池教授の所で、原子物理学関係の実験が開始されていたので、そういう方面からも進言があったことであろう。」
 つまり日本での原爆開発のアイデアは自分が軍部に提供した、と述べている。その話に海軍の研究所が乗って、取り敢えず海軍の研究所に設備費10万円の予算がつき、当時北大理学部教授だった中谷は講師のTをその研究所に出向させている。(間もなく所長の転任により海軍独自での原爆開発は中止。理研の原爆開発研究は続いた。)

 昨8/9は長原爆忌だったが、もし日本が原爆を持っていたら「鬼畜米英」の都市に投下するのに、当時の日本国民は何のためらいも持たなかったであろうことを、忘れてはならないだろう。
 誰が投下したか、どの国が投下したか、という問題と爆発にともなう未曾有の大惨事とは別の問題である。戦争そのものを廃絶するための、堅固な国際機構を構築することが必要なのである。
 「安らかに眠って下さい。過ちは繰返しませぬから」
 広島の原爆慰霊碑にはそう刻まれている。
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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2014-08-11 20:32:08
<誰が投下したか、どの国が投下したか、という問題と爆発にともなう未曾有の大惨事とは別の問題である


さて、これのどこが別問題なのだろうか?
言葉を置き換えてみるとよくわかる。
「誰が放火したのか、どの組織が放火したのか、という問題と全焼に伴う遺体の惨たらしさとは別の問題である」

また、摘出して悪い部分を取り除いた腎臓を、要らないという患者がいるだろうか?
そこは医師が腎臓を戻しても大丈夫だと説得すべきでは?
返信する
Unknown (Unknown)
2014-08-11 20:33:28
<誰が投下したか、どの国が投下したか、という問題と爆発にともなう未曾有の大惨事とは別の問題である


さて、これのどこが別問題なのだろうか?
言葉を置き換えてみるとよくわかる。
「誰が放火したのか、どの組織が放火したのか、という問題と全焼に伴う遺体の惨たらしさとは別の問題である」

また、摘出して悪い部分を取り除いた腎臓を、要らないという患者がいるだろうか?
そこは医師が腎臓を戻しても大丈夫だと説得すべきでは?
返信する
Unknown (Unknown)
2014-08-11 20:51:29
<誰が投下したか、どの国が投下したか、という問題と爆発にともなう未曾有の大惨事とは別の問題である


本当にそうだろうか?
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