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名探偵モンク

「モンク、消防署に行く」リー・ゴールドバーグ著 高橋知子訳 ソフトバンク文庫

(裏表紙の解説から)
潔癖性、強迫神経症、高所恐怖症……妻を何者かに殺害されて以来、あらゆる神経症に悩まされる休職中の刑事モンク。が、捜査の腕は超一流、次々と難事件解決の依頼が持ち込まれる。少女に依頼され、モンクは消防署の犬を殺した犯人を追うが、やがて同じ夜に起きた不審な火事との接点に突きあたる。型破りの天才探偵が、オリジナル小説版で登場!

NHKBSで、毎週火曜日(そういえば今夜ですね)の夜11時から放送中の「名探偵モンク」が、小説になりました。
テレビを観たことのある人なら、あの奇妙な天才探偵のことは、忘れられないキャラクターとして憶えていることでしょう。

その小説版として、実は本国(米国)では、すでに5冊も出版されているそうですが、日本ではこれが初お目見えです。
――それしても、ソフトバンクは出版にまで手を出しているんですね。関係有りませんが……

実はそんなに期待していなかったのですが、読み始めたら、すんごく面白くて(テレビでキャラクターを知っていることも手伝って)一日で読み終えてしまいました。

モンクの助手であるナタリーの視点で書かれているのも、モンクの奇行ぶりを面白おかしくする要素となっているようです。

ともかく、何度もお腹を抱えて笑い転げながら、読み終えていました。
ただ、ラストのどんでん返しは、オマケとしては笑えないものでしたが……

ともかく、今まで色んなミステリーを読んできたけれど、一行で事件を解決してしまうのは、初めてだと思います。
もちろん、我々にも(ナタリーにも)分かるように、その後でちゃんと説明をしてくれます。

いや、ともかく犬殺しを解決するために、何件の殺人事件を解決したのか、憶えていられないほどです。
とくに、警察署で未解決事件のファイルをざっと読んだだけで、全部の事件の犯人を言い当ててしまうところなんか、凄すぎです。

それに、クライマックスで、事件解決に行き詰まった時のシーンでは、思わず涙してしまいました。
我知らず、ナタリーワールドに引き込まれていたようです。

久しぶりに、人に胸を張ってお勧めできる、上質のミステリーに出会った気分です。
BS放送を見られる人は、火曜夜のドラマも是非!
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