多分、晩生(おくて)なのであろう。学校推薦図書とか社会人として読んでおくべき云々の名著といわれる著作を、この歳になってようやく、あるがままの作品として読むことができるようになったようだ。
衝動的な殺人が続いている。しかも、殺人の動機が相手側に対する憎しみでないことが多い。たまたまそこに居合わせたために、かれの殺意の犠牲になる。アルベール・カミユの「異邦人」の世界である。
新興宗教の「とんでも論」が巷の嘲笑をかっている。中村元の訳による原始仏典を紐解いてみる。葬式仏教の経典や説法が、どれほどブッダの思想とかけ離れていることか。問題は、新興宗教にとどまらない様に思う。
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」は分析ばかりの愚作だ。ウェーバーの分析と薀蓄を一方的に披瀝されたって、面白くもなんともない。