渡辺淳一
三島由紀夫の「葉隠」、石原慎太郎の「法華経」は一般に知られている。石原は、その著作である「法華経を生きる」の序章で、法華経について「ある時期から法華経が、私が生ある者として存在することを、その根底で支えてくれてきた。」と記している。われらが渡辺淳一は、「風姿花伝」をその種の古典として位置づけているようだ。「秘すれば花」という表題で、「風姿花伝」の解説書を書いた渡辺は、その序文で「わたしはこの書を人生の指針として愛読してきた。」と明言している。
ところが、この「秘すれば花」では、その「序」での戒め、即ち「好色・博奕・大酒、三重戒、これ古人の掟なり。」の解説が、ものの見事に割愛されているのである。「風姿花伝」を人生の指針にしている渡辺さん、大酒なら酒量の問題でかわせるだろうし、博奕なら現代でも法律で禁じられている。しかし、三重戒のひとつとして好色を戒められたのじゃ商売にならない、お手上げであろう。で、この好色関連の解説をすっ飛ばしたのであろうか?
実をいうと、この「風姿花伝」はわたしの愛読書でもあるのだ。食に関する嗜好といい、心の糧とする本著といい、妙に趣味嗜好が似ているような気がして心中が穏やかではないので、氏に軽いジャブを飛ばしてみる。多分届かないのであろうが・・・。
三島由紀夫の「葉隠」、石原慎太郎の「法華経」は一般に知られている。石原は、その著作である「法華経を生きる」の序章で、法華経について「ある時期から法華経が、私が生ある者として存在することを、その根底で支えてくれてきた。」と記している。われらが渡辺淳一は、「風姿花伝」をその種の古典として位置づけているようだ。「秘すれば花」という表題で、「風姿花伝」の解説書を書いた渡辺は、その序文で「わたしはこの書を人生の指針として愛読してきた。」と明言している。
ところが、この「秘すれば花」では、その「序」での戒め、即ち「好色・博奕・大酒、三重戒、これ古人の掟なり。」の解説が、ものの見事に割愛されているのである。「風姿花伝」を人生の指針にしている渡辺さん、大酒なら酒量の問題でかわせるだろうし、博奕なら現代でも法律で禁じられている。しかし、三重戒のひとつとして好色を戒められたのじゃ商売にならない、お手上げであろう。で、この好色関連の解説をすっ飛ばしたのであろうか?
実をいうと、この「風姿花伝」はわたしの愛読書でもあるのだ。食に関する嗜好といい、心の糧とする本著といい、妙に趣味嗜好が似ているような気がして心中が穏やかではないので、氏に軽いジャブを飛ばしてみる。多分届かないのであろうが・・・。