旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

野坂昭如

2005年08月13日 19時48分23秒 | Weblog

小説家といえば、確か一昨年に脳梗塞で倒れたはずの野坂昭如が、昨年の12月に出した「死刑長寿」の「あとがき」を自らが書いているという情報を得た。躊躇はしたが、怖いもの見たさという好奇心が後押しするのでつい買ってしまった。以下、かれの「あとがき」のすべて、である。

「ぼくは、もの心ついて以降、嘘ばかりついてきた。
子供の頃は無邪気な嘘。
14歳で焼き出され、生きるための嘘が身についた。
糊口を過ごすようになって、嘘と現実の別が無くなった。
ここに収められた作品群は、その一部。
わが嘘に終わりはない。」

敬愛する野坂は、骨の髄まで小説家という名の売文業者なのである。

高村薫

2005年08月13日 19時47分28秒 | Weblog
              高村薫

高村薫さん、名前や風貌からでは男性なのか女性なのかとんと見当がつかない。小説のタイトルや風貌から、多分男性なのだろうくらいに考えていた。吉見さんの件があったので急いで究明してみることにした。その結果、意に反して薫さんが女性であることが判明した。

これまでも、薫さんの名前くらいは知っていたが、作品を読んだことがなかったのである。お詫びに薫さんの小説も読んでみる事にした。ただ今手元には、薫さんの「マークスの山」がある。

2005年08月13日 17時36分00秒 | Weblog


海を渡る風は 夢の匂い運び
燃ゆる瞳をなお 紅く染めてゆく
耳を澄ませばいま 遠い国の調べ
胸の琴糸を 甘くゆらしてる

時が来れば 野を駆けても
行かなけりゃ 行かなけりゃ
悔やむ気がする

あなたには あなたには
夢を信じていてほしい
僕は今 橋になる 
夢を渡らせるための
橋になる

人はいつも胸に 穏やかな覚悟を
抱きしめながらも 夢を追う階
美しく生きたい 終の宿までは
愛に支えられ 遥か旅路を行く

時が来れば 野を駆けても
行かなけりゃ 行かなけりゃ
悔やむ気がする

あなたには あなたには
夢を信じていてほしい
僕は今 橋になる 
夢を渡らせるための
橋になる

あなたには あなたには
夢を信じていてほしい
僕は今 橋になる 
夢を渡らせるための
橋になる

たそがれ マイラブ

2005年08月13日 14時33分44秒 | Weblog
今は夏 そばにあなたの匂い
しあわせな夢に おぼれていたけれど
夕立ちが 白い稲妻つれて
悲しみ色の 日暮れにして行った
しびれた指 すべり落ちた
コーヒーカップ 砕け散って

私はただ あなたの目を
言葉もなく 見つめるだけ
さだめといういたずらに
ひきさかれそうな この愛

今は冬 そばにあなたはいない
石だたみ白く 粉雪が舞い踊る
ひきさかれ 愛はかけらになって
それでも胸で 熱さをなくさない
凍える手で ひろげて読む
手紙の文字が 赤く燃えて

私はもう あなたの背に
もたれかかる 夢を見てる
さだめといういたずらに
ひきさかれそうな この愛