ソプラノ歌手 中川美和のブログ

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「劇場支配人」と「モーツァルトとサリエリ」について

2021-05-05 23:36:00 | コンサートのご案内&ご報告
さて、「劇場支配人」「モーツァルトとサリエリ」終演致しました。
色々ありましたが、今はとにかく終演できて良かったです。

終演後の1枚。
左が劇場支配人組、右の2人がモーツァルトとサリエリ組。
画質がアレなのでちょっとわかりにくいですが。
左から、赤いドレスがヘルツ夫人末吉朋子さん、ピアノの大下沙織さん、青のドレス私。
重なって 流しの楽士の大和田真由さん、ムッシュー・フォーゲルザングの三村卓也さん、サリエリ役の飯田裕之さん、モーツァルト役の吉田伸昭先生。

まずモーツァルト「劇場支配人」。
この作品の面白いところは、古典ならではの優雅さの中、とんでもなく馬鹿馬鹿しい内容を演じている事。
この日は緊急事態宣言の初日でした。
ただ幸運だけで、この回は上演する事ができましたが、翌日以降の公演は全て延期。
私が制作している「コーヒーカンタータ」「奥様女中」も延期になりました。
そんな中で出来ることって何だろう、
音楽の意味をいつも自問自答させられますが、自分が舞台に関わる時の答は一つだけ。

お客様に現実を忘れさせること。

人間は生きていると色々な事があります。
舞台の役目はそんな現実を忘れさせ、心を揺さぶる事だと思っています。

緊急事態宣言の中、
「たった1人でもお客様がいらしたら、何とありがたいことか」
と心から思いました。
いらして下さったお客様、本当に本当に、ありがとうございました!!

この作品の要である三重唱は、とにかく最高のコメディ。
「私がプリマドンナよ!」
歌いながら客席を見ると、目が笑っているお客様ばかりで、本当に嬉しかった。
私たち演者とお客様は一体で、舞台なんだなぁ、と思いました。

一方、「モーツァルトとサリエリ」は「劇場支配人」とは違い、超シリアスな内容でした。

この作品は、稽古始める頃が一番大変だったかもしれません。
そもそもリムスキー・コルサコフの音楽を歌った事がある人ってほとんどいません。
資料もほとんどない為、この作品が伝えたい事は何か、モーツァルトという役作り、サリエリという役作り……
全員が手探りの中、このオペラは名作だ、という自分の確信だけを頼りに稽古を重ねていきました。

そんな段階から、終盤は役の解釈についての議論をしたり、通し稽古で演出変えたり……
いや〜よくここまでたどり着いたな〜
手探りから始まったとは思えないクオリティになったと思います。

間違いなく、この作品は素晴らしい作品でした。

「劇場支配人」「モーツァルトとサリエリ」
関係者の皆様、そして当日お世話になった皆様。
一人残らず、本当にありがとうございました……!

終演後、スタッフさんが撮ってくださった1枚。


ちなみに、この2作を合わせてちょっと工夫した構成も評判が良くて嬉しかったです
そのまま上演しても良いのですが、せっかくオペラがクオリティ高く仕上がってるから、もっともっとお客様に楽しんで欲しいし、
もっともっと、その世界に入り込めるようにしたくて……!
上手く構成できて良かった

企画段階ではこの2作を上演してみたい✨というわくわくな気持ちだけだったのですが、今は
「劇場支配人」「モーツァルトとサリエリ」も、もっともっと上演されるようになって欲しいという気持ちでいっぱいです。
再演もしてみたい……!!

そして何より、緊急事態宣言の中、延期になった4月28日の公演
「コーヒーカンタータ」「奥様女中」は、
9月1日に延期になりました……!
チケットはどうぞそのまま保管をお願い致します。延期公演で使えます。

今度はこっちを思い切り頑張ります。
思いっきり笑って、思い切り可愛くて。
「劇場支配人」「モーツァルトとサリエリ」に負けないくらい、良い公演にしたいと思います。

頑張ります……!!




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