ソプラノ歌手 中川美和のブログ

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「東欧オペラの世界」「藤井多恵子の世界〜メノッティ編」終演しました!

2022-04-30 23:32:00 | コンサートのご案内&ご報告
東京室内歌劇場スペシャルウィーク
「東欧オペラの世界」「藤井多恵子の世界〜メノッティ編」
終演しました!

前回の東欧オペラ、本日です!……という記事の後に、メノッティの宣伝もしようと思ってたんですが。
東欧オペラの翌日にはメノッティの最終稽古だったため、そんな時間がなくてあっという間にメノッティの本番になったという……

なかなかのハードスケジュールでしたが、無事全てが終演して本当に良かったです

まず私が企画制作した1枠目、「東欧オペラの世界」は、ドヴォルザーク「ルサルカ」と、コダーイ「ハーリ・ヤーノシュ」の東欧のオペラ2本立て。(どちらもハイライト)

私が企画制作以外で「ルサルカ」で担当したのは、構成と訳詞です。あと簡単な演出。
「ルサルカ」は日本ではアリア以外は演奏される事はあまりありませんが、ヨーロッパでは演奏される回数も多いため、資料も多く、構成などもわりと作りやすかったです。
訳詞もチェコ語は初めてでしたが、これはそんなに悩まず作れたかな。
おとぎ話的な要素が強かったので、訳詞も作りやすかったです。

今回は演出を少しだけ工夫して、2幕の外国の王女を魔女の変身した姿とさせました。魔女が変身して外国の王女になり、王子をたらし込んで心変わりをさせ、ルサルカを陥れたと言うわけ。
「白鳥の湖」のオディールみたいな感じね。

というのも、2幕終わりのあの王女の激しい呪いの言葉が、私にはピンとこなくて……
それならいっそ、こんな風にしてみるのも面白いんじゃないかな、と。
そうすると魔女の悪役ぶりが際立つ  笑
そんなわけで、魔女役の久利生さんにはいわゆるエグい魔女ではなく、悪の華!みたいな美魔女になって頂きました。
外国の王女に変身した魔女とルサルカ

王子とピアニストも加わって1枚!

あまり上演されない作品ですが、音楽もストーリーもとても魅力的な王道オペラです。
素敵な上演ができたと思ってます!
訳詞もせっかく作ったので、色んな人に使ってもらえたら良いな。


ハーリ・ヤーノシュ組で。

「ハーリ・ヤーノシュ」の作曲家コダーイは子供の頃、N児……NHK東京放送児童合唱団で歌った作曲家でした。
独特な和声が印象的で、子供心に好きな作品でした。オペラを作っているとは知らず、「ハーリ・ヤーノシュ」の存在を知った時、これはやらなくては……!と、なったものの。
資料が少なくて、まず出演者に渡す楽譜と台本を用意するまでに少々苦労しました

「ハーリ・ヤーノシュ」はジングシュピールという、音楽と同じくらいセリフでの台本が多い作品なんです。
しかし台本が凄まじい量で、これをどう削るか。
また、作品の動画や音源等の資料も少なく、あっても字幕もない。しかもメインの曲目がオーケストラの曲が多く、それをどう処理してハイライトにするか……などなど。
でも、そんな事も含めてとてもやりがいのある作業でした。
「ハーリ・ヤーノシュ」では構成、台本、訳詞、演出を担当しました。
台本も大幅に書き直し、曲の構成もかなり工夫しました。普通ではない構成の仕方をしましたが、でもお客様が涙してるのが分かったので、良かったんじゃないかな?(自画自賛?笑)

ハンガリー語の訳詞もなかなか大変でしたが、出来上がったらそこそこまとまりのある訳詞が出来たと思ってます。
終演後、泣いてるお客様もいらして嬉しかったです
少しでもコダーイの魅力が伝わったなら良かった!
いつかコダーイの親友、バルトークのオペラも作ってみたいものです。


さて、私の企画制作もうひと枠は、メノッティのオペラ「チップと犬」「電話」の2本立て。

藤井多恵子先生の訳詞で行うため「藤井多恵子の世界〜メノッティ編」です。
(藤井先生は他にもバーバーなど、様々な作曲家の楽譜を出版されているため、今回はメノッティ編です)

ドレミ出版の「電話」なんて、歌った事のあるソプラノさんも多いと思います。
こちらは、特に構成や訳詞の必要もなく。
楽譜通り普通に演奏するだけなので、事前準備はさほど必要なかったので、その点は楽でした  笑
あとは簡単な動きの指導とかそんな感じ。

「電話」はベン渡辺将大さんと、ルースィ中島佳代子さん。演目も1番メジャーな作品ですし、経験者なのである程度本人たちにお任せするとして。
「チップと犬」は珍しい作品なのと、若手中心に出演をお願いしたので、オーソドックスに仕上がるように気をつけてました。

後進の育成……なんていう、立派なものではないですが、伝えられる範囲の事を稽古中に頑張って伝えたつもりです。
しかし若い子たちって可愛いのう〜笑
一生懸命なのが、なんかキュンとしちゃうのよっ
稽古中もピアノの遊間さんと「ガールズ(チップの出演者は女子だけなのです)可愛いですね……」とか言ってました?
終わった時泣きそうになっちゃった 笑

「電話」も、ウケてて良かった!
ベンも小ネタを稽古中からじわじわ仕込んでて  笑
すべったらどうしようね?とか話しながら、出演者たちで色々やってたのですが  笑

メノッティ組は舞台で1枚〜。

チップ組と電話組、ピアニストも一緒に全員で

藤井多恵子先生が道を拓かれた英語オペラの世界、我々歌手1人1人が演奏することによって、その道を踏み固めていく事ができるのだと思います。
先生が作って下さった訳詞に感謝しながら、どんどん上演できたらと思っています。


さて、東京室内歌劇場の大きなイベントであるスペシャルウィークも、「藤井多恵子の世界〜メノッティ編」で無事に幕を降ろす事ができました!
今回は2枠4作もオペラを企画制作をさせて頂き、感謝しかありません!

ドヴォルザーク「ルサルカ」
コダーイ「ハーリ・ヤーノシュ」
メノッティ「チップと犬」
メノッティ「電話」
どれも全く作品の方向性が違い、同時に作っていくのはなかなかハードでしたが、出演者の皆様が素敵な舞台を作り上げて下さり、本当に嬉しかったです。
そしてコロナ禍でこうして無事に終わることができたのが何より嬉しく、安堵しています。

また素敵な方にご出演頂けると良いな。

関係者の皆様、舞台スタッフの皆様、出演者の皆様、ありがとうございました!!
お世話になりました!

そして何より、いらして下さったお客様、本当にありがとうございました!!




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