ロシアンモンキーとマキシマムパーパーサム。
ともに、東京NSC出身の6期生。
芸人から愛され、お客さんからも愛され、東京よしもとのお笑い界に欠かせない存在だったこの同期の二組が、2014年12月29日、合同で解散ライブを行いました。
タイトルは、二組の代表的なネタを合わせた、「スパイダーおかんがハゲとるやないか!!」。
会場には、多くのお客さん、さらに芸人仲間も集まり超満員。
正直、この日を迎えるのが寂しくて仕方がありませんでした。
けれども、ライブが始まると、ひたすらふざけて、しんみりする時間すら取ってくれない二組。
オープニングVTRでの
『最後に涙とかそんなのいらねえ 笑って終わろうじゃねえか』
という言葉通り、やりたい放題の舞台に、全編通して笑いが絶えませんでした。
オープニングでは、ロシモンすーなかが、なぜか当たり前のようにテーブルクロス引きに挑戦し、成功しそうな片鱗も見せずあっさり失敗。コンビそれぞれのネタでは、キレキレの「ハゲとるやないか!!」を見せるマキパー、「みんな~」の言い方だけで延々としつこくボケるロシモン。
ロシモンのネタが終わると突如銃声が鳴り響き、なぜか撃たれるすーなか。その銃撃を止めようとして舞台に上がったチーモンチョーチュウ菊地は、音楽が流れ出すとブレイクダンス。そして、結婚していたことを3年間黙っていた件について謝罪させられる菊地。平成ノブシコブシ吉村も乱入し、ライブを見ていた芸人仲間をクズ呼ばわりし、「オレ売れてんぞー!」と絶叫。途中の「くじで席番号を引き、そこに座っていたお客さんに特技を披露してもらいプレゼントをあげる」というコーナーでは、元アームストロングの栗山が一般人のように舞台にあがり、懐かしの「所沢肛門病院」のギャグを披露します。
二組がネタ準備中の幕間をつなぐイシバシハザマ、セブンbyセブン、ピクニック。突如始まる、相席スタートを交えた6人のユニットコント。主に竹内健人、ブロードキャスト!!房野を中心とした仲間の芸人達のツッコミのヤジ……。
これ、全部、2時間のライブの中での出来事です。しかも全然書き尽くせていない、これでもほんの一部。
なんて濃いライブだったんだろう。改めて見ても思います。
最後まで、ひたすらしつこいボケと茶番の数々。本当に楽しかった。「いつも」のロシモンらしさ、マキパーらしさが詰まっていました。
だからこそ、「いつも」そこにあると思っていたものが、「いつも」ではなくなる瞬間。
最後のロシモンの漫才、「桃太郎」を見ながら、今まで何十回と見てきたこの鉄板のネタが、明日からは見れなくなるんだと実感した瞬間。
そこで、思い出したように、寂しさをひしひしと感じてしまいました。
ライブの中で、特に印象に残っているシーンがあります。
それは、サカイストとブロードキャスト!!が、二組に感謝の手紙を書いてきたのでそれを読みあげるという企画でのこと。
企画の冒頭こそ、真面目な雰囲気になるんじゃないかと思っていましたが、全くそんなことはなく。
ブロキャス房野は、手紙を読みあげている間、ボイスチェンジャーで声を変えられ、ワイドショーのインタビューに答える関係者みたいになる。ブロキャス吉村は、読んでいる途中に曲が流れ始め、手紙をそっちのけで歌い出す。サカイストまさよしの時には、BGMが大き過ぎて全然内容が聞こえない。ほんっとに、ひとっつも真面目にやらないライブです。
そんな中、ヤジっている芸人仲間から、「最後の砦だよ!」などと言って送り出されたデンペー。
満を持して手紙を読み始めますが、「つよしは、一緒にプールに行く時に、必ずマクドナルドが食べたいって言うよね。あと、一緒にスロットに行ったりもしたね。」などと、絵日記のような文章、しかも棒読みの読み方で、大いに笑わせます。
しかし、そんな小学生の作文のような文体ながらも、「ノブは舞台上でポジション取るのが上手かった」「川口くんは、リーダー気質があり、甘えん坊。そんな川口くんが僕は好きでした」など、仲間のことをしっかり見ているデンペーにぐっときました。
そして、シメの一言。
「ねえ、ぼくのワガママを聞いて。これからも、4人のお兄ちゃんでいたいよ。」
ここで、私はなんだか我慢できなくなって、涙があふれてきてしまった。
芸人仲間からは、「お兄ちゃんでいろよ、勝手に!!」「SMAPの森くんの手紙を意識してるのかよ!」などとツッコミが飛んでいて、そのヤジに耳を傾けて大笑いして、それでも私は泣いていた。止まらなかった。
デンペーは、兄弟コンビであるサカイストのお兄さんだ。でも、それと同時に、芸歴が比較的上の方だということもあって、多くの東京吉本芸人にとってのお兄さんのような存在なのかもしれない。
ツッコまれても、うとまれても、めんどくさがられても、いつも弟のことを大切に思う愛情が垣間見えた気がして。
そして、それはロシモンとマキパーが解散しても、続くものなんだなぁって。
もちろんデンペーだけじゃありません。
『ロシアンモンキー、マキシマムパーパーサムの解散ライブが終わり二組は地球上から消滅しました。14年間ありがとう!そしてこれからもよろしく 』(グランジ佐藤大のツイートより)
『ロシアンモンキー、マキシマムパーパーサムの新しい門出に乾杯!素晴らしい二組でした!ロシモン!マキパー!せんきゅっそ!!これからもよろしく。』(ブロキャス吉村のツイートより)
これから進む道は違っても、この先もずっと仲間だと、そんな思いをみんな持っていたのではないでしょうか。
ライブ全体を通して感じた、二組が今まで築いてきた関係性。その温かくて強い絆に触れ、私は思わず涙するほど心が動かされました。
よく、売れている芸人さんや放送作家さんとかが、「本当に面白い芸人であれば時間がかかっても必ず売れる」という意味合いのことを言っているのを聞きます。
でも私は、今まで6年近く東京のライブシーンで芸人さんを見てきて、そういう実感がありません。
もしかしたら、その芸人さん達が売れ始めた時代は、実際にそうだったのかもしれません。
でも今は、テレビやお笑い以外にもたくさんの娯楽がある。長時間労働で娯楽に割く時間が減ってきている。
何より、先行きに不安感が増す日本社会の中で、新しいお笑い芸人に対する寛容さが無くなってきて、もう「テレビで売れる」ことができる枠は残っていないような気すらします。これはいち視聴者の体感ですが。
今はもう、「面白ければ必ず売れる」時代ではないよ。
寂しいけれど、本当は辞めてほしくないけれど、14年間も頑張って来た芸人さんに対して、先の保証もないのに「もっと続けて」とは軽々しく言えません。
だけど、それが無駄な時間だったかと言われれば、絶対にそんなことはない。
「テレビ的」に売れることができなくたって、舞台上で、お客さんを強い力で引きつけて、常に私たちを楽しませ続けてくれた二組。
テレビに決して負けることのない熱量が、そこにはありました。
ロシアンモンキー、マキシマムパーパーサム、今まで本当にお疲れ様でした。
最後に集大成のライブを見せてくれて、本当に楽しかったです。
これからも、それぞれの道で、それぞれが出会った人を笑わせ続けてください。
きっとそれが、みなさんの14年間を、さらにゆるぎなく輝かせてくれることになると、勝手ながら思います。
ともに、東京NSC出身の6期生。
芸人から愛され、お客さんからも愛され、東京よしもとのお笑い界に欠かせない存在だったこの同期の二組が、2014年12月29日、合同で解散ライブを行いました。
タイトルは、二組の代表的なネタを合わせた、「スパイダーおかんがハゲとるやないか!!」。
会場には、多くのお客さん、さらに芸人仲間も集まり超満員。
正直、この日を迎えるのが寂しくて仕方がありませんでした。
けれども、ライブが始まると、ひたすらふざけて、しんみりする時間すら取ってくれない二組。
オープニングVTRでの
『最後に涙とかそんなのいらねえ 笑って終わろうじゃねえか』
という言葉通り、やりたい放題の舞台に、全編通して笑いが絶えませんでした。
オープニングでは、ロシモンすーなかが、なぜか当たり前のようにテーブルクロス引きに挑戦し、成功しそうな片鱗も見せずあっさり失敗。コンビそれぞれのネタでは、キレキレの「ハゲとるやないか!!」を見せるマキパー、「みんな~」の言い方だけで延々としつこくボケるロシモン。
ロシモンのネタが終わると突如銃声が鳴り響き、なぜか撃たれるすーなか。その銃撃を止めようとして舞台に上がったチーモンチョーチュウ菊地は、音楽が流れ出すとブレイクダンス。そして、結婚していたことを3年間黙っていた件について謝罪させられる菊地。平成ノブシコブシ吉村も乱入し、ライブを見ていた芸人仲間をクズ呼ばわりし、「オレ売れてんぞー!」と絶叫。途中の「くじで席番号を引き、そこに座っていたお客さんに特技を披露してもらいプレゼントをあげる」というコーナーでは、元アームストロングの栗山が一般人のように舞台にあがり、懐かしの「所沢肛門病院」のギャグを披露します。
二組がネタ準備中の幕間をつなぐイシバシハザマ、セブンbyセブン、ピクニック。突如始まる、相席スタートを交えた6人のユニットコント。主に竹内健人、ブロードキャスト!!房野を中心とした仲間の芸人達のツッコミのヤジ……。
これ、全部、2時間のライブの中での出来事です。しかも全然書き尽くせていない、これでもほんの一部。
なんて濃いライブだったんだろう。改めて見ても思います。
最後まで、ひたすらしつこいボケと茶番の数々。本当に楽しかった。「いつも」のロシモンらしさ、マキパーらしさが詰まっていました。
だからこそ、「いつも」そこにあると思っていたものが、「いつも」ではなくなる瞬間。
最後のロシモンの漫才、「桃太郎」を見ながら、今まで何十回と見てきたこの鉄板のネタが、明日からは見れなくなるんだと実感した瞬間。
そこで、思い出したように、寂しさをひしひしと感じてしまいました。
ライブの中で、特に印象に残っているシーンがあります。
それは、サカイストとブロードキャスト!!が、二組に感謝の手紙を書いてきたのでそれを読みあげるという企画でのこと。
企画の冒頭こそ、真面目な雰囲気になるんじゃないかと思っていましたが、全くそんなことはなく。
ブロキャス房野は、手紙を読みあげている間、ボイスチェンジャーで声を変えられ、ワイドショーのインタビューに答える関係者みたいになる。ブロキャス吉村は、読んでいる途中に曲が流れ始め、手紙をそっちのけで歌い出す。サカイストまさよしの時には、BGMが大き過ぎて全然内容が聞こえない。ほんっとに、ひとっつも真面目にやらないライブです。
そんな中、ヤジっている芸人仲間から、「最後の砦だよ!」などと言って送り出されたデンペー。
満を持して手紙を読み始めますが、「つよしは、一緒にプールに行く時に、必ずマクドナルドが食べたいって言うよね。あと、一緒にスロットに行ったりもしたね。」などと、絵日記のような文章、しかも棒読みの読み方で、大いに笑わせます。
しかし、そんな小学生の作文のような文体ながらも、「ノブは舞台上でポジション取るのが上手かった」「川口くんは、リーダー気質があり、甘えん坊。そんな川口くんが僕は好きでした」など、仲間のことをしっかり見ているデンペーにぐっときました。
そして、シメの一言。
「ねえ、ぼくのワガママを聞いて。これからも、4人のお兄ちゃんでいたいよ。」
ここで、私はなんだか我慢できなくなって、涙があふれてきてしまった。
芸人仲間からは、「お兄ちゃんでいろよ、勝手に!!」「SMAPの森くんの手紙を意識してるのかよ!」などとツッコミが飛んでいて、そのヤジに耳を傾けて大笑いして、それでも私は泣いていた。止まらなかった。
デンペーは、兄弟コンビであるサカイストのお兄さんだ。でも、それと同時に、芸歴が比較的上の方だということもあって、多くの東京吉本芸人にとってのお兄さんのような存在なのかもしれない。
ツッコまれても、うとまれても、めんどくさがられても、いつも弟のことを大切に思う愛情が垣間見えた気がして。
そして、それはロシモンとマキパーが解散しても、続くものなんだなぁって。
もちろんデンペーだけじゃありません。
『ロシアンモンキー、マキシマムパーパーサムの解散ライブが終わり二組は地球上から消滅しました。14年間ありがとう!そしてこれからもよろしく 』(グランジ佐藤大のツイートより)
『ロシアンモンキー、マキシマムパーパーサムの新しい門出に乾杯!素晴らしい二組でした!ロシモン!マキパー!せんきゅっそ!!これからもよろしく。』(ブロキャス吉村のツイートより)
これから進む道は違っても、この先もずっと仲間だと、そんな思いをみんな持っていたのではないでしょうか。
ライブ全体を通して感じた、二組が今まで築いてきた関係性。その温かくて強い絆に触れ、私は思わず涙するほど心が動かされました。
よく、売れている芸人さんや放送作家さんとかが、「本当に面白い芸人であれば時間がかかっても必ず売れる」という意味合いのことを言っているのを聞きます。
でも私は、今まで6年近く東京のライブシーンで芸人さんを見てきて、そういう実感がありません。
もしかしたら、その芸人さん達が売れ始めた時代は、実際にそうだったのかもしれません。
でも今は、テレビやお笑い以外にもたくさんの娯楽がある。長時間労働で娯楽に割く時間が減ってきている。
何より、先行きに不安感が増す日本社会の中で、新しいお笑い芸人に対する寛容さが無くなってきて、もう「テレビで売れる」ことができる枠は残っていないような気すらします。これはいち視聴者の体感ですが。
今はもう、「面白ければ必ず売れる」時代ではないよ。
寂しいけれど、本当は辞めてほしくないけれど、14年間も頑張って来た芸人さんに対して、先の保証もないのに「もっと続けて」とは軽々しく言えません。
だけど、それが無駄な時間だったかと言われれば、絶対にそんなことはない。
「テレビ的」に売れることができなくたって、舞台上で、お客さんを強い力で引きつけて、常に私たちを楽しませ続けてくれた二組。
テレビに決して負けることのない熱量が、そこにはありました。
ロシアンモンキー、マキシマムパーパーサム、今まで本当にお疲れ様でした。
最後に集大成のライブを見せてくれて、本当に楽しかったです。
これからも、それぞれの道で、それぞれが出会った人を笑わせ続けてください。
きっとそれが、みなさんの14年間を、さらにゆるぎなく輝かせてくれることになると、勝手ながら思います。
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