甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

nijiko

2008-10-02 23:00:26 | チュートリアル☆★
徳井義実監督作品 「nijiko」
内容を詳しくレポするつもりはございませんが、だいぶネタバレ含みます!!ご了承ください。




このあらすじを簡単に述べてしまうと、寿司アーティスト・川向虹子さんのドキュメンタリー風映画です。まるで情熱大陸(笑)

徳井監督曰く、
「主人公の女性は僕が女装しているので、最初は女に見えないですが、後半にはこんな女の人が本当にいるんじゃないかと思うはずです」。
HPより

でも私は、びっくりするくらい「徳井さんが演じている」という意識が消えるのが早かったです。
最初こそ何やってるのと思いましたが(笑)、でも少し見ていくと徳井さんではなくなり、そこにいたのは川向虹子さんでした。
徳井さんがどうこうというより、私が見ていたのは確実に虹子さん。
彼女がお寿司のことを語るキラキラした目がすごくかわいくて、信念を貫いてしっかり喋っていてすごいなと感じて、あぁこの女性ステキだなって、普通に思いました。
明らかにおかしい状況ですね(笑)
でも、それくらい虹子さんというキャラクター自体が好きになってしまったのです。
お寿司を取られて逃げられたところとか、(前半の)最後の方で小杉さんに怒られて、わんわん泣きながら地べたに寝っ転がっていた姿なんて、なんだかもう悲しくて。
徳井さんは実際泣いていたわけではないのに、泣きそうになってしまって。
どう考えても小杉さんが言っていることの方が正論なのに(笑)
それくらい、虹子さんに感情移入してしまいました。

お気に入りのシーンはたくさんあります。
この、虹子さんが小杉さんと言い合っているところもすごく好き。アドリブ対決で、どちらが負けるかわからない感じが(笑)
そして、ちょっとぐだぐだになっている感じが(笑)
でも毎回思うんですが、本当に徳井さんって何者なんでしょうか。
どうしてあんなアドリブっぽいシーンでも、つっかえることなく、そしてイントネーションが変わることなく、あんなに標準語の、しかも女性の言葉遣いが、スラスラ出てくるんでしょうか。
自分がもし、関西弁で男性風に喋れと言われたって、あんなに自然にできない。

友近さん…本当に楽しそう…(笑)
7月に神保町で行われた舞台挨拶で、監督は友近さんと感性が合うというようなことをおっしゃっていたそうですが、確かにそうなんだろうなと思いました。
友近さんが喋っているところは、もうドキュメンタリーじゃなかったもんね。

大吉さんのあまりにも自然な演技が本当にステキです。
一番初めの登場シーンで、虹子さんと二人で映っていたところなんて、いいカップルだなって素直に思ってしまいました。
それなのに、別れを告げる時の残酷さ(笑)

何を差し置いても、中盤のあのくーちゃんのナレーションでしょ!!(笑)
ひどいってひどいって。
ひどすぎて、笑いすぎて、途中から内容が全く頭に入ってこなかった(笑)
特に、散々何度も言い直した後の、
「虹子の個展は、大成功だったよ。」←なにこれ(笑)
あぁ笑った。

あと、これはどうでもいい話と言えばそうなんですが、あえて言わせて頂くと、柏原収史さんが出ていらっしゃったのが本当に嬉しかったです。
徳井さんとしては、そんなに深い意味もなかったのかもしれません。せっかくドラマで仲良くなったんだから出てもらおう、という。
けれど私は、過去と現在が繋がった気がして。
昔からずっと続いている、一本の流れを見られたような気がして。
なんだかすごく嬉しかったです。


100本映画は、監督の個性がそのまま出るなと感じましたが、やはりそれを一番感じたのは徳井さんの作品でした。
独自の世界観を築いて、そこでしかありえないことを存分に表現していました。
不思議なことに、途中から、「寿司アーティストって何?」なんて全く考えなくなりました(笑)
この映画を見た今、はっきり言えます。
私は、徳井義実という人のセンスに惚れ込んだ。
感性に憧れた。
自分のやりたいことをやっている、キラキラした目を素敵だと思った。
だから、好きになったんだ。

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