coco ノート

ロッキーと行く
不思議な空の旅...♪

前科八犯全身刺青男。

2016年12月09日 09時07分15秒 | Photo diary
 

18歳の夏でした、
僕はデパート地下の蕎麦屋さんで働いていて

その日も
忙しくなる前に行っておこうと

11時過ぎ 二階と三階の中間にある
トイレに向かっていました

三階が紳士服売り場なので
そこのスペースにはいつも

僕の気に入っているスーツが
展示されていました

 ☆****☆

ただこの日は
約一名、

見るからに怪しい男が
キョロキョロしていたのです

変な奴だな、と思っていたら
「バシャーン。」大きな音がして

男が展示してあるスーツを
引っ張って外そうとしています

「うわっ、僕のスーツが盗まれる。」
警備室へ一目散に知らせに走り出しました

「万引きです!!」
警備員二人とすぐに戻ると

男は丁度、一階の正面ドアから外へ出ようとしている
ところでした

「あっ、あの男です。」
「分かりました。」

「お客さんちょっときてください。」
男はすぐに捕まり 服の下からは盗まれたスーツが出てきました

 ☆****☆

  

これで 一件落着、
めでたしめでたし、のはずでした

ところが
地下の蕎麦屋で働いていると

「警察が来て面通しをしますからきていただけますか」
さっきの警備員でした

刑事ドラマみたいに
どこかの穴から覘くのかな...と思っていたら

警備室の真ん中にあの男がいました
上半身裸になってうちわでパタパタやっています

やせたからだの全身に刺青、「嫌だな..」と思っていたら
警察官が

「ご苦労様です。」
「この男に間違いないですか?」

「はい。」
小さな声で僕が答えると

僕に気づいた男は
振り向いて

「おい。お前、よく分かったな...」

「こわっ、」