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与謝野晶子 タブーへ挑戦 国会の様子『駄獣の群』民衆を代表せず動物的利己を計り・・君死にたまふこと勿れ

2012-05-24 | 動画 ・ 文化芸能
 与謝野晶子 タブーへの挑戦

没後70年に寄せて 入江 春行



 第一歌集『みだれ髪』(1901年8月刊)で、

 やは肌のあつき血潮にふれも見でさびしからずや道を説く君

などと詠んで、性愛というタブーに挑戦して、「まるで娼妓だ」と眉をひそめさせた与謝野晶子(1878~1942)は、その3年後、日露戦争の最中に長詩『君死にたまふこと勿れ』を発表(1904年9月号の『明星』)し、その中に「すめらみことは戦ひに/おほみづからは出でまさね」と、日本最大のタブー・天皇の問題に挑戦した。


 関心の広さと深さ

 それで「乱臣賊子、国が刑罰を与えよ」と糾弾されたが、晶子は「撤回しない、100年たったら私の詩歌碑が建つ」と反論した。自信家でもあり、予言者でもある晶子の面目が躍如としている。
同窓会名簿から削除せよ、とまで言われた晶子の母校には今、「君死にたまふこと勿れ」の碑が立っている。

 「君死にたまふこと勿れ」の発表から8年後、ちょうど今から100年前の1912年、5ヵ月にわたって、フランスをはじめヨーロッパ各地を巡遊し、日本の女性がいかに無権利状態に置かれているかを痛感した。
渡欧前にすでに評論集を1冊出していたが、この体験が大正期におけるオピニオンリーダーとして活躍する素地となった。

 平塚らいてうとの「母性保護論争」は興味津々だし、といって今、晶子の数多い警世の評論文について詳述することはできないが、「女子の独立自営」「婦人改造と高等教育」「選挙に対する婦人の希望」「何故の出兵か」「食糧騒動について」「婦人も参政権を要求す」「非人道的な講和条件」といった題目をアトランダムに抜き出しただけでも、彼女の関心の広さと深さを感じとることができる。
 
 女性が政治を論ずることがタブーとされていた時代(女性は政談演説を聞きに行くことも禁じられていた)に、彼女は国会の様子をつぶさに知り、「駄獣の群」という痛快な詩を1915年に発表している。

一部だけ紹介すると、「此処にある者は/民衆を代表せずして/私党を樹て、/人類の愛を思はずして/動物的利己を計り/公論の代りに/私語と怒号と罵声とを交換す。」といった調子の長い詩である。


 「無欲かつ民衆的」

 その晶子が「現在の代議士の中で最も純潔な、最も無欲な、且つ最も民衆的な唯一の壮年国士」としているのは山本宣治である。「氏を失ったことは日本人の大きな損失」と悼んでいる(「無産者は暴力を否定す」1929年3月)。

 「駄獣の群」を引用した議員に対して、仙石由人官房副長官(当時)は激怒した(朝日新聞2011年8月14日朝刊)そうだが、それはむしろ図星だったからではないか。

現在の国会で「駄獣」でない議員は衆議院に9人、参議院に7人しかいない、ああ。

 なお、晶子の論評(文芸評論を除く)の代表的なものは岩波文庫『与謝野晶子評論集』で読むことができる。
(いりえ・はるゆき 日本文芸学会常任理事)

(しんぶん赤旗日刊紙・2012・5・23)

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山本宣治
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E5%AE%A3%E6%B2%BB