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8/16金:布袋中や古知野中で行われている自由進度学習は「なぜ学力を下げるのか?」

2024年08月16日 | ニュース・記事
最近、塾生からよく耳にすることになった

自由進度学習

教師が教えずに、生徒が自分で計画を立てて調べて学ぶというもの。

一見すると聞こえは良いですが、

学術的にはどう見られているのか?

非常にわかりやすい動画があったので紹介しておきます。

フィンランド教育の失敗:日本の詰め込み教育はそこまで悪いのか?
https://youtu.be/O1y8BTmGvDA?si=ZaaYbMTnz-KEF9gS

実は、日本に先行して、

生徒主導型の教育を取り入れたフィンランド

2000年頃には学力世界一ともてはやされましたが、

実はこの20年ですさまじいほどの学力低下を招いています。



原因は、フィンランド版ゆとり教育と言われています。

詳細は割愛しますが、

・宿題の廃止
・教師主導型から生徒主導型への移行

が大きな原因とされています。

▼生徒主導型授業(自由進度学習)


生徒主導型学習の子どもの学力への影響はむしろ悪いか、伝統的手法(教師主導型)に比べて効果は薄いとの結果がでている。

生徒主導型学習は社会人など自律性が高い人には効果的ですが、そうでない子どもたち(特に小中学生)にはそうではないのです。

それを示しているのが次のグラフです。

▼数学的リテラシーと生徒主導型授業の関係


自由進度学習のような生徒主導型授業が多いほど学力は下がる傾向にあり、特に社会的階層が高くない家庭の子ほどその影響は大きくなる。

ごく一部の学力が高い子にとっては自分の学びたいことが学べるかもしれませんが、

大多数のそうでない子にとっては、生徒主導型学習はデメリットのほうが目立つようになります。

これは数学の学力だけにとどまりません。

▼科学的リテラシーと探究型学習の関係


探究型学習をするほど、理科の成績は低くなる傾向がある。

もともと理科が好きな子は探究的に「もっと学びたい」と思うかもしれませんが、

そうでない子にとってはもっと学びたいというそもそも意欲がわかないのです。

▼生徒主導型学習の問題点


・生徒主導型学習を効率的に行うには、生徒の自主性、自律性、自己抑制力、集中力、自発性、柔軟性など、様々な能力が必要
・自律性が低いと、難題に直面した時にすぐにあきらめたり、簡単で楽しい課題ばかりに取り組みたがる

つまり、もともと自律性や主体性のある子は取り組めるが、そうでない子は遊んでしまうのが生徒主導型学習なのです。

▼前提条件として生徒主導型学習は必要なのか?

科学的リテラシーに影響を与える要因として、

大きくプラスの作用するのが教師主導型学習です(右に伸びた青いグラフ)。



逆にマイナスに作用するのが探究学習です(左に伸びた赤いグラフ)。

漢字や英単語など、どうやって読むか、

数学の公式や理科・社会などの用語がどういう意味なのか、

そういったことを生徒にわかりやすく伝えるのが教師の本来の役割のはずです。

ところが、最近はそういうことを学校教師がやらず、

塾や教育系YouTuberが代わりにやっているのが実態です。

▼数学に対する興味と学力


確かに、日本の子どもたちの勉強に対する自信や興味の低さは課題とされています。

しかし、数学の成績と自信・興味はいわゆる「トレードオフ」の関係にあり、

数学の学力を上げようとすればするほど、生徒の自信や興味は下がる傾向にあります。

確かに難しい問題に取り組めば取り組むほど、そのような問題は解けるようになるかもしれませんが、

周りの子はもっとできる子も出てくるので、相対的にどんどん自信がなくなっていく子が増えるからです。

また、テストや受験のために問題集などで数学の問題を解けば解くほど、

数学のテストで点数は取れるようになるかも知れませんが、

一方で、「何のために数学を学んでいるのか」という興味はどんどん失われていくでしょう。

ただし、これはOECDの調査でもわかっているのですが、

成績と自信・興味を両立できている国はひとつもありません。

つまり、これはある程度、仕方がない問題なのです。

そして、最近何かと話題にあがる

問題解決能力や協調性、主体性を伸ばす教育の重要性ですが、

そもそもそんな教育が日本に必要なのでしょうか。

▼日本の生徒の問題解決能力


PISAによると、問題解決能力は世界3位で、

▼日本の生徒の協同的問題解決


こちらも世界2位ということがわかります。

そもそも、日本人は授業の内外で班活動や部活動などを行っているので、協同的な学びはもともとできているのです。

ただ、唯一があるとしたら、高校生や大学生になると勉強しなくなるというものです。

▼週60時間以上勉強する子どもの割合


OECD平均の半分程度しかいないことがわかります。

これは東大など難関大を目指すごく一部の生徒だけがゴリゴリ勉強しているけれど、

「勉強のし過ぎ」とは呼べるほど勉強している生徒はあまり多くないからです。

また、最も問題なのは大学生の勉強時間の少なさです。

▼大学1年生の1週間あたりの勉強時間


1週間のうち勉強時間が0という学生が1割近くおり、半数以上が週5時間以下しか勉強していません。

アメリカの大学生の半数以上が週11時間以上勉強しているのに対して、日本の学生は圧倒的に勉強していないのです。

つまり、東大などの難関大を目指すごく一部を除いて、

高校で大学に入るための勉強もしてないし、

大学に入っても勉強していないという実態が読みとれます。

これは確かに問題です。

以上から、

最近、流行っている

・宿題廃止
・自由進度学習
・探究学習

などが、少なくとも学力を犠牲にしてでも取り組むべきことではないことがわかります。

教師の働き方改革は確かに懸念材料ですが、

だからといって思いつきで宿題を廃止するとか

自由進度学習と称して生徒主導型の授業を取り入れるとか

教育の専門家として専門性に欠けるような実践は止めて欲しいと思います。

教師こそ、生徒以上に「勉強」しないといけません。


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