石麻呂に
吾れもの申す夏痩せに
よしといふものぞ
むなぎとり召せ
大伴家持
『万葉集』より
日本人がいつ頃から『鰻』を食べていたのかは定かではないんだそうな。とりあえず「万葉集」に鰻(当時は「むなぎ」と呼んだそうです)についての歌が載っているので今から1,3~4百年前には既に食べていたのは分かります。一説によると縄文時代から食べられていたとも・・・。ただどんな風に調理されていたかは今となっては分からず、想像するしかありません。
今日のように鰻を割いてタレを付けて焼いたのは、江戸時代には既に行われていた調理法です。写真のように白焼きでわさび醤油に付けて食べるのは何時の頃からかは知りませんが、夏はサッパリして個人的にはこの食べ方が好きです。特に冷酒のつまみにして食べるともう「幸せ!」。
天平の時代の食べ方はどうだったんでしょう。この頃は塩焼きか煮付けが普通であったと想像してます。川魚などは今でも串焼きが普通ですから、僕がこの時代に生きて鰻を食べるとしたら、塩を付け丸のまま串焼きにしたでしょう。
そんな訳という程ではありませんが、白焼きをちょっとだけ塩で食べてみました。現代の鰻ですから骨などは小骨まできれいに取り去ってありますから、雰囲気はかなり異なる筈です。でも味については当時の感覚を楽しめるかなぁと・・・。これはこれで鰻本来の味が楽しめて、けっこう「いける!」という感想でした。