昨日のこどもの日に親父映画を観るのもオツなものと思って観てきました。
「グラン・トリノ」とはアメリカのフォード社の車の名前で、アメ車が元気一杯だった頃の物です。何故車の名前が映画のタイトルとなったのか・・・、そんなことを考えながら観てみました。
大きく・重く・豪華な車。古のアメリカを象徴していた車。今では誰も乗らなくなった、主人公ウォルトの子供達ですら日本車に乗っている始末。ウォルトはかつてフォードで働いていたのにです。
厄介者。かつて朝鮮戦争では勲章まで貰ったのに、今では御近所にも子供達に嫌われる頑固ジジい。つまり、ウォルト=グラン・トリノなんですねぇ。
さて、お話の内容と言えば、誰からも認められず嫌われ者の爺さんのウォルト。隣に住むモン族のタオ青年を助ける気も無かったのに結果として助けてしまいます。その事件がきっかけで隣の一家との交流が深まっていき、特にタオに対して一人前の「男」にするという新たな生きがいを見出します。
しかし、事件は尾を引き隣の一家に重大な危機を引き寄せました。ラストの一家を救う為にウォルトがとった行動は・・・。
映画館で僕の後ろの席の人が少しうるさかったのですが、ラストシーンに近づくにつれ静かになってきました。緊張から感動へそんな心理状態だったんだと思います。僕も同じ状態でした。
失われたアメリカそして失われた大人の父親それを否定も肯定もしない、各観客自身に考えさせる。そんな映画ではないでしょうか。