中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

雲南省の「昆虫食」について

2013年05月17日 | 少数民族の食べ物

CNN等によれば、国連食糧農業機関(FAO)は5月13日に「昆虫食」についての調査報告書を発表したとの事です。

また、国連食糧農業機関のHPに拠ると、「今回の調査報告書はオランダのワゲニンゲン大学と共同で行われたとの事」「FAO調査報告書として発表された今回の報告書によれば、世界中で1,900種以上の昆虫が食用として消費されている。世界で最も多く消費 されている昆虫は、甲虫(31%)、芋虫(18%)、ハチ、狩ハチ及び蟻(14%)、バッタ、イナゴ及びコオロギ(13%)である。」「昆虫の多くは、タンパ ク質が豊富で、脂肪分に富み、カルシウム、鉄分、鉛分も高い。牛は乾燥重量で100g当たり6mgの鉄分を含むのに対して、バッタの鉄分含有量は、種別また食物の状況により、乾燥重量で100g当たり8~20mgである。」 などの記述があるとの事。

 

国連食糧農業機関(FAO)のHPからは、その調査報告書を全文ダウンロードできますが、その報告書の表紙です。国連食糧農業機関(FAO)のHPより

この調査報告書では、触れてはいないようですが雲南省でも、「さなぎ」や「トンボの幼虫ヤゴ」を食べるようです。特に今私が住んでいる「大理古城」では、一年中を通してトンボの幼虫「ヤゴ」が食堂の店頭に並んでいます。調理法としては、他の昆虫食と同じように油で揚げて食べるようです。大理古城ではトンボが飛んでない時期、トンボがいない季節外れの時期にも「ヤゴ」が店頭に並んでいます。なんと言う植物の葉かは判りませんが、エサとして葉を与えて育てているようです。この大理古城の「ヤゴ」は天然物というよりは言わば人工的に養殖した物のようです。

このFAOが今回発表した調査報告書の中でも、昆虫の人工養殖についても今後大いに研究すべきとしていますので、ここ大理古城では「ヤゴ」を既に人工的に育てているので、「ヤゴ」の飼育に関しては大理は既に最先端を行っているかもしれません。夏近くなると孵化直前のヤゴも食べるようですが、どの時期のヤゴが美味しいのかは判りません。

 

大理古城の食堂の店頭に並んでいる生きている「ヤゴ」。店頭には一年中並んでいます。何という植物の葉っぱか分かりませんが葉を食べて生きているようです。

 

こちらは油で揚げたヤゴ。

やはり雲南省大理白族自治州紗渓という鎮に行った際には、農易市場で「さなぎ」を売っているのを見かけました。やはり人間が食べるようで、魚等の餌のようでありませんでした、幾らするか、どのようにして食するかは聞かないでしまいましたが。


大理のある鎮の農易市場で見かけた蛹。人間が食べるようです。

今月初めにここ大理古城で行われた三月街という祭りの際にも「さなぎ」を売っているのを見かけました。こちらはチャンと包装されて、健康食品として売っていました。


こちらは大理古城の祭りの祭に売っていた蛹。

 

無論オタマジャクシは昆虫ではありませんが、貴州省のトン族や苗族は、中国の他の地方と同様にカエルも食べますが、オタマジャクシも食べるそうです。貴州民族大学にいる時、トン族の学生に尋ねたところ、やはりオタマジャクシを食べると話していました。私としては貴州省内は結構多くの地域に足を踏み入れ、その土地の農易市場も覗いた積りですが、オタマジャクシを売っているのは、残念ながら、終ぞ見かけませんでした。で残念ながらオタマジャクシも食べる機会は、今に至るまでありません。雲南省ではオタマジャクシを食べるかどうか今の時点では分かりません。

こちらは蛾の幼虫の一種類で「竹虫」と云い主に竹に寄生する昆虫。これは貴州省等でも食べますし、雲南省各地でも広く食べられています。私は貴州省の凱里市内や同じ凱里榕江県、黎平県等で食べた事があります。また雲南省麗江市や雲南省建水県でも「竹虫」食べましたが、建水県では串に刺して、炭火で焼いた物でした。麗江市での調理法方は油で揚げていました。貴州省では、「竹虫」は油で揚げるのが一般的のようです。油で揚げると竹虫も蜂もサソリ(以前河南省鄭州で食べた事があります)食感は同じです。この「竹虫」は、東南アジア各地でも広く食べられているそうで、竹が生える地域では多くの人が食べているとの事。

Photo: ©FAO/Patrick Durst

 



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