Ninbuのスマホで撮った花だって美しい!

サイクリング・テニス・散歩等の道すがら、公園・野原・湖畔・川辺等で見つけた美しい花をスマホで撮っています。

10月の花のアルバム(2/8)

2024-11-21 | 

10月の気温は全国的にかなり高く、1946年の統計開始以降、北日本、東日本と西日本では10月として1位の高温となりました。紅葉も遅れているようです。

10月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。花が少ない月ですが、つくば実験植物園の植物を中心に近隣の公園の植物を約160品種ほどの花木の撮影ができました。毎月恒例の記録として8回に分けて投稿します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中央アメリカから南アメリカに分布しています。池や沼に生え、高さは45センチほどになります。

葉は心形です。新しい葉は黄色っぽく、古くなると黄金色になります。7月から10月ごろ、花茎を伸ばして、白色の花を咲かせます。

<エキノドルス・グランディフロルス・アウレウス オモダカ科エキノドルス属>
10/22 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

富山県内の山間部で見つかり、1973年に新種として発表されたベンケイソウ科の多年草。多肉植物の仲間で、岩場や渓谷に自生します。

9~11月に花径1cmの淡いピンクで鞠のような花を咲かせます。環境省の絶滅危惧種に指定されていますが、園芸品種が流通しており、挿し木などで増やすこともできます。

和名の「エッチュウ」は富山を指す越中、「ミセバヤ」は古語の「見せたい」を意味します。

 

<エッチュウミセバヤ(越中ミセバヤ) ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属>
10/22 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

本種は、キョウチクトウ科の多肉性落葉樹です。幹はほとんど退化して、不定型な塊茎状となっています。

塊茎は扁平で、銀灰色をしており、そこからランダムに葉を出します。葉はほぼ楕円形で長さは3㎝程度。葉の中心から黄色い筒状花を2個づつ開花し、花冠は5裂します。

 

<エビスワライ(恵比寿笑い) キョウチクトウ科パキポディウム属>
10/22 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

ブナ帯の森に生え、株立ち樹形になる落葉低木。早春、アジサイに似た白い装飾花をたくさんつけ、北国(ブナ帯)の山に春がきたことを告げます。

夏から秋にかけて実る赤い果実は、柄まで赤いのでよく目立ちます。紅葉も美しく、山の鳥たちは、秋の赤い実を食べ、カモシカは冬芽を好みます。

卵円形の大きな葉を亀の甲羅に見立てたのが和名の由来。また、ハムシの一種が葉の葉脈だけ残して葉脈標本のように食べてしまうことが多いことから、「虫食われ」が転訛し、別名ムシカリと呼ばれています。

 

<オオカメノキ(大亀の木) ガマズミ科ガマズミ属>
10/11 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

南アメリカに分布するカタバミ科カタバミ属の多年草です。美しい葉を持ち栽培が容易なことから、世界で広く流通している球根植物です。

分布域は、ブラジル、ボリビア、パラグアイ、アルゼンチン、ペルーなどにあり、河川沿いの岩場、森林の開けた場所などに自生しています。

4月~10月の花期になると、葉の間から花茎を伸ばして花序を出し、小さな花を咲かせます。花茎は15~35㎝の長さで、花序には1~9個の花が付きます。

 

<オキザリス・トリアングラリス(三角片喰) カタバミ科カタバミ属>
10/11 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

トリカブトの近縁種のなかでは北方に分布しています。世界で2番目に毒性の強いトリカブトです。

高さ1メートルほどにも成長し、類似種がきわめて多く、草姿や葉の形も変化が大きいいのが特徴です。

花期は8~10月で青紫色で大変美しい花ですが、まれに白い花のものもあります。

 

<オクトリカブト(奥鳥兜) キンポウゲ科トリカブト属>
10/22 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

東南アジア原産のトチカガミ科の1年草。日本のトチカガミより少し大きめの白花を咲かせます。

水田や池沼等の水深の浅い場所に沈水して生えている野草です。

本種は雌雄異株で、5月頃長い花柄の先に、幾分黄色味を帯びた白色で2.5~4.5cm程度の3弁花を付けます。

雄花序には10~30個の花がつき、雌花序は1個となります。花後には径1.5cm程度で紡鐘形の果実をつけます。

 

<オッテリア・コルダタ トチカガミ科オッテリア属> 
10/22 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

肉厚の葉っぱを付ける多肉植物で、グラプトペタルム(属)の仲間です。日本には、昭和の初め頃に入ってきたとされています。

茎から花茎を伸ばし、その先端に数輪~10輪ほどの小さな星形の花を咲かせます。花色は白で、赤い斑点がぽつぽつと入ります。

 

<オボロヅキ(朧月) ベンケイソウ科グラプトペタルム属>
10/22 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

万葉集や源氏物語にも登場する日本人には古くから馴染みの深い植物で、日本~東アジアにかけて分布する毎年花を咲かせる多年草です。

名前の由来は美女も圧倒する美しさという意味の「おみな圧し」からきているという説があります。

また、小さな黄色い小花が女性の食べていた粟飯=「おみな飯」に似ている事から、など諸説があるようです。

姿形のよく似た同じオミナエシ科のオトコエシ(男郎花)というものもあります。

 

<オミナエシ(女郎花) オミナエシ科オミナエシ属>
10/22 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

本種は南アフリカ産のトウダイグサ科の多肉植物。学名はユーフォルビア・ホリダで、園芸界では和名の本種の名で流通しています。

本種は生長するにつけ、直径10㎝程度の円筒状となり高さは75㎝以上とも及ぶといわれます。

 

<カイイギョク(魁偉玉) トウダイグサ科トウダイグサ属>
10/22 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

南北アメリカ原産のキク科の植物で、品種によって一年草と多年草があります。

現在流通しているのは、オオテンニンギクとテンニンギクの交配種、それぞれの変種など、数多くの品種が流通し、毎年のように新品種が出ています。

咲き方は一重、八重をはじめ、ユニークな咲き方の品種も作出されています。花色は黄色、オレンジ、赤など発色の良いものが多く栽培されています。

<ガイラルディア キク科テンニンギク属>
10/11 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

本州、四国、九州の湖沼、池などの浅いところに群生する常葉性の多年草。環境省レッドリスト2020「準絶滅危惧」です。

葉の表面は濃緑で光沢ある辺縁から葉の中心に向かって蝶形の褐色斑があるのが特徴的です。

花期は7~10月初めまで葉柄基部に白色の束状花序が生じます。花は白色5から6年で花弁表面に白毛が目立ちます。 

 

<ガガブタ(鏡蓋) ミツガシワ科アサザ属>
10/22 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

沖縄を除く中部地方以南の各地に分布するバラ科の常緑広葉樹。山地の沢沿いや海辺の丘陵で稀に見られます。

開花は初夏(5~6月)で、小枝の先に直径10センチほどの傘形をした花序ができます。花の後には直径5mm弱の楕円形の果実がなり、11~12月になると赤く熟します。

名前の由来には、葉がモチノキに似て、材質が堅く、扇子の要(かなめ)や骨に使われたことに由来するという説と、赤い芽のモチを意味する「アカメモチ」からの転訛とする説があります。

<カナメモチ(要黐) バラ科カナメモチ属>
10/22 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

ハロウィンは古代ケルト人の「万聖節」という宗教的な行事が発祥とされています。ハロウィンと言えば「かぼちゃ」ですが、実は、正式には「カブ」を使うのだそうです。

ケルト人はハロウィンの日には「カブ」をくり抜いて焚き火を焚いたり、仮面を作ったりして悪霊から身を守っていたそうです。

ところがハロウィンがアメリカに伝わると、「カブ」は「かぼちゃ」へと成り代わりました。理由はアメリカでは「カブ」の生産量が少なく、「かぼちゃ」が多く収穫されていたから。そしてこれが全世界へと広がり、「ハロウィン=かぼちゃ」が定着したわけです。

 

<カボチャとハロゥイン>
10/11 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

関東地方と静岡県東部に分布。多摩川や相模川などの限られた河川の玉石河原に生育する越年草(多年草とする図鑑もあり)。 

発芽から開花までの1〜数年間はロゼット葉で過ごします。一度開花して結実するとその個体は枯れます。

高さ30〜80cmになり茎は上部でよく分岐します。葉は線状披針形、無柄でほとんど毛がありません。

頭花は直径3〜4cmで、舌状花は白色〜淡紫色、筒状花は黄色。総苞片は2列に並び、内片と外片は同長です。花期は9〜11月。

 

<カワラノギク(河原野菊) キク科シオン属>
10/22 つくば実験植物園

 

 

 

 

 


本種は中国が原産地と言われています。その後、ニュージーランドで栽培が開始され現在では、世界各国で食べられている果物です。

日本でも多くの地域で栽培されており、1970年代から愛媛県のミカン農家の転作作物として全国に広まりました。

現在は、主要品種の「ヘイワード」のほか「あしがらキウイ」「さぬきゴールド」「甘熟娘」など、生産地域ごとにオリジナルの品種が開発されています。

本種の名称は、ニュージーランドのシンボルである鳥「キーウィ」に由来しています。

 

<キウイフルーツ マタタビ科マタタビ属>
10/22 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

北アメリカが原産キク科ヒマワリ属の多年草で、食用とされるのはその肥大した根の部分です。

日本には江戸時代末期に家畜の飼料用として導入され、「豚いも」とも呼ばれていたようです。

9月から10月にかけて黄色い菊に似た花を咲かせ、その後秋には地上部が枯れ、地中に塊茎を作ります。収穫されるのはそれからとなり、11月以降に掘り出されます。

<キクイモ(菊芋) キク科ヒマワリ属>
10/12 近隣の畑

 

 

 

 

 

湿地、沼地などに生える抽水植物で多年草です。中南米が原産地ですが、現在はほとんど世界中の熱帯域に移動、定着しています。

東南アジアの水田にも多く育成し害草となっていますが、日本では沖縄以外では越冬できません。

根元から三角状の花柄が長く伸び、先端に数個の花が咲きます。花弁は3枚で鮮かな黄色です。

 

<キバナオモダカ(黄花面高) ハナイ科キバナオモダカ属>
10/22 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

甘みと酸味、ほのかな苦みを持ち合わせた柑橘で、皮ごと食べられます。花は葉の腋に咲きます。 花数が多く、1つの葉腋から2~3個の花を咲かせます。

他のミカン科の果樹は5月に開花するものが多いのに対して、本種は7月~9月と、少し遅いのが特徴です。

「金冠」と当てて、より暮らしが豊かになるように、という願いが込められています。

<キンカン(金柑) ミカン科キンカン属>
10/22 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

本種は全てアジア原産であり、15〜20種が知られています。日本、中国、朝鮮、ロシア、東南アジアに分布します。繁殖力が強く、IUCNの定める世界の侵略的外来種ワースト100に選定されています。

日本では、塊根からデンプンをとり、葛粉として利用してきました。また、生薬や家畜の飼料、ツルから繊維をとって布にするなど、多くの用途に使われてきました。

 

アメリカでは、本種が高さ35mの材木用の樹木に這い登り、木材生産に壊滅的な影響を与えたり、電信柱に這い登って送電線を機能不全にする問題も起きています。

 

<クズ(葛) マメ科クズ属>
10/12 近隣の路傍

 

 

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあるかもしれませんが、ご容赦下さい。

「10月の花のアルバム(2/8)」20品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「10月の花のアルバム(3/8)」に続きます。


9月の花のアルバム(3/8)

2024-10-17 | 

9月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。9月は実りの秋、さまざまな植物が果実をつけます。花が少ない月ですが、植物の実を中心に近隣の公園の花・鳥・昆虫など約140品種ほどの花木の撮影ができました。毎月恒例の記録として8回に分けて投稿します。

 

 

<本日のバラ 快挙> 2023/11 京成バラ園
系統:F(フロリバンダ) 作出:2011年 京成バラ園芸


花付きが良い品種です。花は完全に開き、花持ちが良いのが特徴です。枝は初め細立ちですが、成長と共に太く長くなります。

柑橘とダマスクのニュアンスを含むティーの香りです。2010年ローマ金賞、他受賞。

 

 

 

 


コレオプシスの園芸品種で開花期の長いのが特徴です。非常に強健で、一度植えれば何年でもよく育ち、年々株が広がっていきます。

外花弁はチェリーピンク、中心は赤色の小さなコスモスのような花です。

草丈は30cm程度で非常にコンパクトで、鮮やかな濃いピンクの花を株一面にたくさん咲かせます。

 

<コレオプシス・ガーネット キク科ハルシャギク属(コレオプシス属)>
9/18 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

日本特産の花木であり、暖地の林内や林縁に自生します。晩秋~冬に咲く花を観賞するため、庭木や鉢植えに多く使われています。

花の後にできる果実は直径1.5~2センチほどの球形で、ツバキよりも小さい。翌年の花が咲く10月頃に熟すと三つに裂け、中から黒褐色の種子が三粒ほど顔を出します。

ツバキほど知られていませんが、果実から採取される油は良質で、食用油や髪油として使うことができます。

 

<サザンカ(実) ツバキ科ツバキ属>
9/11 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

中国南部原産の、ミソハギ科の落葉中高木。日本へは江戸時代以前に渡来したと言われており、植栽樹として、庭や公園、寺社などで見られます。

漢字での名称「百日紅」の名のとおり、初夏から秋までの長い間鮮やかな紅色やピンク、白などの花を咲かせる花木です。

花の後にできる果実は直径7ミリほどの球形です。秋(11月頃)に熟すと6つに裂け、長さ4ミリほどの種子が現れます。

樹皮が白くなめらかな手触りをしていることが特徴です。猿も滑って落ちてしまうほどツルツルという様子から名付けられました。

 

<サルスベリ(百日紅) ミソハギ科・サルスベリ属>
9/10 柏の葉公園

 

 

 

 

 

南アメリカに分布するシソ科アキギリ属の多年草です。非常に強健で、暑い夏の盛りから秋まで花を咲かせてくれます。

最大の特徴は非常に濃い花色と、大きく口を開いた様な個性的な花の形(唇形)にあり個々の小花は長さが5cmと大きい所も魅力です。

日本ではメドーセージという名前で流通していますが、本来はサルビア・プラテンシスの英名です。

名前が間違ったまま国内に出回ってしまい定着したものと思われます。

 

<サルビア・ガラニチカ(メドーセージ) シソ科アキギリ属>
9/11 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

原産地の北アメリカでは宿根草ですが、耐寒性がないため日本では一年草として分類されています。

ラベンダーに少し似ている美しい青紫の花を長期間咲かせることからブルーサルビアとも呼ばれます。

白花や2色咲き種がありますが、大量に出回っている割には改良品種をあまり見ません。

花の美しさに加え、株がそんなに大きくならないこともあって人気があります。

 

<サルビア・ファリナセア(ブルーサルビア) シソ科サルビア属>
9/11 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

初夏から秋まで長い期間たくさんの花を咲かせるクマツヅラ科の多年草。最初に日本で確認されたのは1940年代後半ごろの東海地方です。

花は小さな花が集合している形状です。ひとつひとつの花は数ミリの極小さな花ですが、たくさんの花が次々と開花します。

名前の通り、背丈がとても高く、高さ60~150cmくらいに生長するため、庭や花壇に植えると見栄えがする草花です。

非常に丈夫で繁殖力が強いため、特定外来生物には指定されていませんが、「将来の生態系に被害を及ぼす恐れがある外来種」の中に入っている植物です。

 

<サンジャクバーベナ(三尺バーベナ) クマツヅラ科クマツヅラ属>
9/24 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

インパチェンスとニューギニア・インパチェンスの交雑種として、「サカタのタネ」が開発した園芸品種です。

インパチェンスと本種の最大の違いは、花と葉の大きさです。インパチェンスに比べると本種はひとまわり大きく、成長が早いことが特徴です。

本種は熱帯の植物のため暑さに強く、春から秋まで休むことなく次々と色鮮やかで美しい花を咲かせます。暑さが増すほどに株が大きくなるのが特徴です。

 

<サンパチェンス ツリフネソウ科インパチェンス属(ツリフネソウ属)
9/18 アンデルセン公園

 

 

 

 

 


日本では、「赤とんぼ」と並んでなじみ深いトンボです。 成虫の体色が雌雄間で著しく異なります。 

オスは老熟するにつれて体全体が黒色になり、胸部~腹部前方が灰白色の粉で覆われるようになります。 

一方メスや未成熟のオスでは、黄色に小さな黒い斑紋が散在するので、ムギワラトンボ(麦藁蜻蛉)とも呼ばれます。

 

<シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)  トンボ科シオカラトンボ属>
9/11 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

ブラジル原産の常緑低木です。花は朝咲いて翌日には散る1日花で、鮮やかな紫色の花が次から次へと開花します。

まるでクモが歩いているように見える雄しべの形から「ブラジリアン・スパイダー・フラワー」の別名もあります。

和名の由来は「紫紺色の野牡丹」で、アジアを中心に分布する別属のノボタンより、花色が濃い紫色であることを意味します。

<シコンノボタン(紫紺野牡丹) ノボタン科シコンノボタン属>
9/18 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

植物学的にはピーマンと同種です。中南米原産で、ヨーロッパ人のアメリカ大陸発見後、南米からヨーロッパに入り、その後世界に広がりました。

ピーマンやパプリカなどと同じトウガラシの仲間の甘味種。名前の由来は、果実の先が獅子の頭に見えることから名付けられました。

高温性の野菜のため暑さに強く、基本的に夏野菜として栽培され、市場に出荷されます。

<シシトウ(獅子唐) ナス科トウガラシ属>
9/18 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

メキシコを中心に南北アメリカに15種類が分布する植物です。

日本には江戸時代末期に入ってきました。栽培や品種改良が盛んになったのは戦後になってからで、それまでは仏花として栽培される程度だったそうです。

初夏~晩秋にかけての長い期間花を咲かせ続けるところから「百日草」とも呼ばれ、今では5月~11月と、百日どころではない長期間咲く草花です。

たくさんの品種と系統があります。草丈も高性種から矮性種まであり、花のサイズも超大輪、大輪、中輪、小輪と色々です。

咲き方もポンポン咲き、カクタス咲き、ダリア咲き等とても多様です。

 

<ジニア(百日草) キク科ヒャクニチソウ属(ジニア属)>
9/18 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

東アジア沿岸地方が原産の双子葉、常緑、低木樹の植物です。温暖な海岸地方に自生しています。

初夏に咲く花はバラ科特有の5弁の花で、白色の梅に似た花はとても美しいです。

秋から冬に稔る黒紫色の実は食べられませんが、奄美大島の「大島紬」は本種を使って染めているそうです。

 

<シャリンバイ(車輪梅) バラ科シャリンバイ属>
9/24 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

中国が原産となる帰化植物で野山に多く自生しています。秋に白やピンクの花が開花するキンポウゲ科の宿根草です。

名前に菊とありますが、学名からもわかるように菊ではありません。


 
花弁に見える部分はがくが花弁化したもので実際には花弁はありません。華道の素材としてや秋の茶花としても親しまれ、切り花として流通しています。

濃いピンク色の花は別名で京都の貴船地方に多いことから「貴船菊(きぶねぎく)」とも呼ばれます。

 

<シュウメイギク(秋明菊) キンポウゲ科イチリンソウ属>
9/18 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

熱帯アメリカに分布するトウダイグサ科の一年草です。日本には明治時代に渡来し、逸出したものが九州以南の一部の地域で野生化しています。

花序はトウダイグサ科の植物に特有の杯状花序で、ユニークな形をしています。杯状花序とは、合着してカップ状になった総苞の中に、雄花数個と雌花1個が包まれる形になった花序のことです。

花名は、その様子が赤ら顔をした妖怪の猩猩(しょうじょう)に喩(たと)えられたものです。なおポインセチアの和名はショウジョウボク(猩猩木)です。

 

<ショウジョウソウ(猩猩草)  トウダイグサ科トウダイグサ属>
9/18 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

福島県~新潟県以西の本州、四国及び九州に分布するブナ科の常緑高木。

ドングリがなる木の一つであり、ドングリがカケスやネズミなどの野生動物に運ばれることで自然に増えます。

伐採直後の材がアカガシと比べて白いこと、葉の裏面が白っぽいことなどから本種の名で呼ばれます。

 

<シラカシ(実) ブナ科コナラ属>
9/25 柏の葉公園

 

 

 

 

 

北アメリカ南部~南アメリカに分布するカヤツリグサ科ミカヅキグサ属の多年草です。草原や牧草地の湿原など、日当たりの良い湿った場所に分布しています。

日本への渡来時期は不明ですが、湿地で育つため、池や水盤などによく利用され、広く普及しています。

5月~10月の花期になると、長く伸ばした花茎の先に花序を出し、小さな花をまとまって咲かせます。

名前の由来は、花を含む苞の白い部分を、飛んでいる白鷺に見立てました。

 

<シラサギカヤツリ(白鷺蚊帳吊り) カヤツリグサ科ミカヅキグサ属>
9/10 柏の葉公園

 

 

 

 

 

北アフリカ~アラビア半島原産のイネ科チカラシバ属の多年草。日本では2001年に千葉県で記録があり、新しく和名がつけられたようです。

日本にあるチカラシバの仲間なので繁殖力が旺盛のようで、千葉県、東京都、神奈川県で逸脱があり、野生化しているようです。

ギンギツネという名前で園芸用に流通する品種で、大きな黒い穂を観賞するため、公園の花壇等にも使われます。

 

<シロガネチカラシバ(白銀力芝) イネ科チカラシバ属>
9/11 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

コセンダングサの変種で、花に白い舌状花が数枚つくものを言います。

コセンダングサ、本種ともに江戸時代に渡来しましたが、本種が急速に広がり始めたのは戦後のことです。

コセンダングサには花びら(舌状花)がありませんが、本種には白い花びらがあります。舌状花の長さはまちまちですが、1センチを超えないのがふつうです。

 

<シロノセンダングサ(白の栴檀草) キク科センダングサ属>
9/11 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

北海道及び青森を除く日本各地の山野に分布するシソ科の落葉低木。

秋にできる白い実を観賞するため庭木として幅広く植栽されています。別名はシロシキブ、シラタマシキブなど。

園芸用に広く普及するコムラサキの一品種で、白い実がなることから名付けられました。

果実が白く熟すのは8~11月。直径は3ミリほどと小さいが多数が密集します。

 

<シロミノコムラサキ(白実小紫) クマツヅラ科ムラサキシキブ属>
9/18 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

春にヤマブキ(山吹)の花に似た白い花を咲かせるバラ科の落葉低木。

花が同じ季節に咲くヤマブキ(山吹)の花に似ていることから名づけられました。

果実は、果皮に黒い光沢があります。果実は痩果(そうか)で、4個が集まってつき、9~10月に熟します。

痩果(そうか)とは、薄くて硬い果皮の中に一つの種子が包まれている果実のことだそうです。

 

<シロヤマブキ(白山吹) バラ科シロヤマブキ属>
9/18 アンデルセン公園

 

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「9月の花のアルバム(3/8)」20品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「8月の花のアルバム(4/8)」に続きます。


野菜や果物の漢字は難しい!⑥ 

2024-06-13 | 

ブロ友さんの投稿を見ると、いろいろな野菜や果物が登場します。

大根、人参、苺などの一部の漢字はわかりますが、大半は漢字が読めないものが多く、悩むことが多々あります。

自分の無知を反省して、今回は野菜や果物の漢字表記について調べてみました。

今回は野菜や果物の漢字表記と写真のあとに読み方を表記しました。まず、写真と漢字表記を見て、読み方を考えていただけるようにしました。

 

<葱>

 

<ネギ  ヒガンバナ科ネギ属>

語源は「根葱(ねぎ)」で、 ”根(ね)を食用とする 葱(き)(ネギの古名)” の意味から。

 『葱(ソウ)』は、葱(ねぎ)を表す形声文字です。漢字の足し算で覚えるならば、艹(植物)+怱(空気が突き抜ける・中空の)=葱(中空の植物。葱。ねぎ)です。

 

 

 

 

 

<鳳梨の花:あななすの花>

 

<パイナップル  パイナップル科アナナス属>

中国や台湾では「鳳梨」と書いてパイナップルを指すことから、日本でもこの難しい漢字が使われるようです。

パイナップルの頭についているグリーンの部分が鳳凰の尾羽をイメージさせることから「鳳」という文字が入るそうです。

 

 

 

 

 

<胡荽:こえんどろ>

 

<パクチー セリ科コエンドロ属>

日本へは10世紀以前に中国から渡来し、江戸時代にはポルトガル人が伝えたので、ポルトガル語のcoentroからコエンドロとよばれるようになったようです。

1990年代ごろから、エスニック料理店の増加とともに、生食する葉を指して「パクチー」(タイ語)と呼ぶことが多くなりました。

 

 

 

 

 

<甘蕉:かんしょう>

 

<バナナ  バショウ科バショウ属>

バショウ科バショウ属の植物…すなわち「芭蕉」の甘い食べ物だから、「甘蕉」=バナナです。俳聖・松尾芭蕉の家には「芭蕉」が植えられていたそうです。

 

 

 

 

 

<白菜の花>

 

<ハクサイ  アブラナ科アブラナ属>

ハクサイの語源は中国の〈白菜:パイツァイ〉をそのまま日本語読みしたものです。

葉は、お互いに抱き合うように重なり合い、大きくなるに連れて軸の白い部分が太く伸びるため日本では「白菜」と呼ばれるようになりました。

 

 

 

 

 

和蘭芹:おらんだせり>

 

<パセリ  セリ科オランダゼリ属>

パセリの和名は「オランダセリ」。このオランダという国名を表す「和蘭」に、「芹」という食べ物が合わさって「和蘭芹」となります。

 

 

 

 

 

<果物時計草:くだものとけいそう>

 

<パッションフルーツ  トケイソウ科トケイソウ属>

パッションフルーツの和名が「くだものとけいそう」だからです。トケイソウ(時計草)科の植物で果物を実らせるから「果物時計草」なのです。

ちなみに時計草の英訳がパッションフラワー、その果実ということでパッションフルーツだそうです。

 

 

 

 

 

<万寿果:まんじゅか>

 

<パパイヤ  パパイア科パパイア属>

「まんじゅか」と読んで、中国ではこの漢字でパパイヤを指すそうです。中国語で「万寿」は長寿のことで、「果」はフルーツのこと。「パパイヤ」は、長寿につながる健康的な食材といった扱いだったようです。

 

 

 

 

 

鹿尾菜>

 

<ヒジキ  ホンダワラ科ホンダワラ属>

「ひじき」を漢字で書くと鹿尾菜」。見た目が鹿の黒くて 短いしっぽに似ているところからきていると、江戸時代に書かれた「本朝食鑑」に記載されています。

 

 

 

 

 

<甘唐辛子の花

 

<ピーマン ナス科トウガラシ属>

16世紀に日本に「唐辛子」が伝わりましたが、当時の日本人の認識では「唐辛子は辛い食べ物」というものでした。

その後、明治時代になって「唐辛子」の仲間である「ピーマン」が伝わりましたが、その味が、唐辛子とは違い辛くなかったことから、「甘唐辛子」と呼ばれるようになりました。
 
同じ辛くない唐辛子で「獅子唐辛子(ししとうがらし)」がありますが、これは先端が獅子舞の顔に似ているということが由来です。現在「獅子唐辛子」は、「シシトウ」と呼ぶのが一般的になりました。 

 

 

 

 

 

<火焔菜:かえんさい>

 

<ビート  ヒユ科フダンソウ属>

ビーツは別名「テーブルビート」とも呼ばれ、炎のような赤い見た目から「火焔菜(かえんさい)」という和名も持っています。

ビーツの名前の由来は、ケルト語の「赤い色」という言葉が語源とされています。

 

 

<野菜の漢字表記はなぜするの?>

野菜の漢字表記には、言葉の視覚的な表現だけでなく、その野菜の文化的な意味や価値、料理を通じて伝えたいメッセージをより深く理解するための一助となるという目的があります。

たとえば、生菜(サラダ)という表記を見ることで、サラダが持つ新鮮で健康的なイメージを思い出し、日本の食文化の中でのその位置を再確認することができます。

また、野菜の漢字表記には、その野菜の意味や見た目が反映されているものや、当て字にもほどがあるものなど、さまざまな由来や語源があります。

野菜を表す漢字は常用漢字表にあれば漢字で、なければひらがなで書きます。学術的な場合はカタカナで書きます。

 

 

「野菜の漢字表記は難しい!⑥」、10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「野菜や果物の漢字は難しい!⑦」に続きます。


野菜や果物の漢字は難しい!③

2024-05-26 | 

ブロ友さんの投稿を見ると、いろいろな野菜や果物が登場します。

大根、人参、苺などの一部の漢字はわかりますが、大半は漢字が読めないものが多く、悩むことが多々あります。

自分の無知を反省して、今回は野菜や果物の漢字表記について調べてみました。

今回は野菜や果物の漢字表記と写真のあとに読み方を表記しました。まず、写真と漢字表記を見て、読み方を考えていただけるようにしました。

 

<蒟蒻芋の実>


<コンニャクイモ  サトイモ科コンニャク属>

こんにゃくの「蒟」は根っこの作物という意味。 「蒻」は文字通り弱い植物という意味です。 こんにゃくは、茎一本、葉一枚の植物で、風に弱く、湿気に弱く、日照りにも、病気にも、とにかく弱い植物なんです。

 

 

 

 

 

<薩摩芋の花>

 

<サツマイモ  ヒルガオ科サツマイモ属>

日本では 1600年ごろ、中国から日本にやってきました。 琉球(沖縄県)から薩摩(鹿児島県)に伝わったので、サツマイモとよばれています。

 

 

 

 

<里芋>

 

<サトイモ  サトイモ科サトイモ属>

和名サトイモの由来は、山地に自生していたヤマイモに対し、里で栽培されることから「里芋」という名が付いたとされます。

 

 

 

 

<莢隠元>

 

<サヤインゲン  マメ科インゲンマメ属>

いんげん豆の原産地は中南米メキシコ周辺といわれています。 コロンブスの新大陸発見によって、ヨーロッパへ伝えられました。

いんげんの名前は江戸時代に隠元禅師によって伝えられたとされることに由来しています。

当初は中の豆のみを食べていましたが、江戸時代終わり頃には成長途中の未熟なものを収穫し、サヤごと食べるようになっていきました。 サヤごと食べるインゲンだから「サヤインゲン」なのです。

 

 

 

 

<莢豌豆>

 

<サヤエンドウ  マメ科エンドウ属>

まめ科植物の種子がはいっている殻(から)のことを「莢(さや)」と書きます。

「豌豆」(えんどう)の「豌」という字は、「曲がる」「曲がりくねる」などの意味があり、蔓が曲がりくねって延びる豌豆の姿から、この字をあてたとする説があります。

サヤエンドウと絹さやは同じ品種です。関東では「絹さや」、関西では「サヤエンドウ」と呼ばれています。

 

 

 

 

 

<山椒の雄花>

 

<サンショウ  ミカン科サンショウ属>

「椒」の字には芳しい・辛味の意があり、山の薫り高い辛味の実であるため「山椒」の名が付けられたと考えられます。

また、漢字の「椒」には小さな実という意味があり、山にある小さな実の意味で「山椒」となったとする説もあります。

 

 

 

 

<椎茸>

 

<シイタケ  キシメジ科シイタケ属>

シイタケは季節にあまり関係なく発生することから、「四季茸」と言われることもあり、この言葉が訛って「しいたけ」になったという説もあります。

一般的には、 椎の朽木に 発生していたことから「しいたけ」の名前がついたとされています。

 

 

 


<紫蘇>


 

<シソ  シソ科シソ属>

シソは漢字で「紫蘇」と書きます。これは漢名に語源を発するもので、昔、蟹を食べてひどい食中毒で死にかけた若者に、シソの葉を煎じて飲ませたところ回復したことから、紫の蘇る草の意を表しているといわれます。

 

 

 

 

<自然薯の実>

 

<ジネンジョ  ヤマノイモ科ヤマノイモ属>

名前の由来は、その名の通り自然に生えているもの。古い書籍には「自然生」と記載されていたそうです。

それこそ日本では、米が主食となる以前、自然薯が主食として食べられていたと、言われているほど日本人には関わりの深い食材です。

しかし、その収穫量の低さから次第に栽培がしやすく、収穫も安定する外来種に取って代わられてしまいました。

 

 

 

 

<湿地>

 

<シメジ  シメジ科シメジ属>

「湿地」は土地が水分を含んでいる場所を指し、「茸」はキノコを意味します。

つまり、「湿地茸」とは、湿った土地で育つキノコという意味になります。しめじが湿地で育つことからこのような別名が付けられました。

 

 

<野菜の漢字表記はなぜするの?>

野菜の漢字表記には、言葉の視覚的な表現だけでなく、その野菜の文化的な意味や価値、料理を通じて伝えたいメッセージをより深く理解するための一助となるという目的があります。

たとえば、生菜(サラダ)という表記を見ることで、サラダが持つ新鮮で健康的なイメージを思い出し、日本の食文化の中でのその位置を再確認することができます。

また、野菜の漢字表記には、その野菜の意味や見た目が反映されているものや、当て字にもほどがあるものなど、さまざまな由来や語源があります。

野菜を表す漢字は常用漢字表にあれば漢字で、なければひらがなで書きます。学術的な場合はカタカナで書きます。

 

「野菜の漢字表記は難しい!③」、10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「野菜や果物の漢字は難しい!④」に続きます。


ひょうたんの話 Part2

2023-05-16 | 
先日、つくば実験植物園の中で、ひょうたんが木になっているところを見つけました。 実に2017年9月の初石テニスクラブ以来、6年ぶりに出会ったひょうたんです。

<ひょうたん(瓢箪)> 2017/9 初石テニスクラブ


私の記憶では、夏の日よけとして、青葉にひょうたんの実が下がる光景が、昭和時代の夏の風物詩でした。しかし、最近ではほとんど見かけることがなくなりました。

<ひょうたん(瓢箪)> 2023/4 つくば実験植物園


ひょうたんは熱帯アジアまたはアフリカを原産とするウリ科の一年生草本。くびれのある独特な果実を携帯用容器として用いるため、紀元前から中国などで栽培され、日本にも紀元前に伝わったとされます。

<ひょうたんの花> wikipediaより


今回、2017年9月に投稿した「ひょうたんにびっくり」の内容に、加筆修正したリメイク版を作成してみました。

<ひょうたん(瓢箪)> 2023/4 つくば実験植物園


ひょうたんは、日本では古くからとても縁起の良いものとされ、お守りや魔除けとして用いられてきました。また、蔓が伸びて果実が鈴なりになる様子から、家運興隆・子孫繁栄のシンボルともされています。

<ひょうたん(瓢箪)> 2017/9 初石テニスクラブ


ひょうたんは大きさにより、ミニひょうたん、千成、百成、中成、大成などの種類に分かれます。他に立姫、鶴首、ダルマなどの変形したものもあります。

<ミニひょうたん> ぐんま愛ひょう会の作品展より



<大長ひょうたん> ぐんま愛ひょう会の作品展より


ひょうたんで思いつくのは、豊臣秀吉の馬印です。秀吉は合戦の馬印として千成ひょうたんを使用し、天下を取りました。その発端は、美濃の斎藤竜興攻めだったと言われます。

<長浜町人の家に伝わった豊臣秀吉公像> 長浜城博物館所蔵


主君・織田信長が、稲葉山城(岐阜城)を攻めていた時のこと。少数の部下を連れて裏口から城内に忍び込んだ秀吉。

その作戦の成功を城外の味方に知らせるため、酒器に使っていたヒョウタンを竹の先に結んで、高々と掲げました。



戦に勝利した信長は「ヒョウタンの印は面白い趣向だ。馬印に用いよ」と大いに喜んだといいます。

以来、秀吉は戦に勝つごとに小さなヒョウタンを一つずつ増やし、やがてこれが千成瓢箪と呼ばれるようになりました。

<千成ひょうたん> ぐんま愛ひょう会の作品展より


秀吉は姉川合戦の後、その功によって湖北三郡を与えられました。
その後、小谷(湖北町)から琵琶湖に面した今浜(現 長浜市)に城下町を移しました。
そして、地名を長浜と改め、ここに城を築いて数年間居城としました。

<長浜城(昭和58年:1983年復元)>


秀吉がはじめて自らの城を築き、城下町を形成した地である滋賀県長浜市。
今でも、長浜市の市章はひょうたんをデザインしています。

<長浜市役所>


また、ひょうたんをあしらった橋の欄干なども、市内のあちこちで目にすることができます。ひょうたん愛好家の全国組織である全日本愛瓢会の本部も、長浜市内に置かれているそうです。

<長浜駅東側の架道橋>


長浜市同様に、ひょうたんゆかりの地として岐阜県養老町がよく知られています。

<養老公園> 養老町HPより


老いた父親のために懸命に働いていた木こりの「源丞内(げんじょうない)」が、ある日養老の山奥で見つけた滝の水をひょうたんに汲んだところ、滝の水がお酒に変わり、その酒の力で父親がたちどころに若返ってしまった、というものです。

<養老の滝> 養老町HPより


この出来事にいたく感激された当時の元正天皇が、実際に養老を訪れたのちに年号を西暦717年に「養老」と改められたということが史実として残っています。

日頃は目にする機会の少ない”ひょうたん”ですが、岐阜県養老町の吉田商店さんで栽培・加工・販売をされています。 

<吉田商店さん店内> 吉田商店HPより


千成ひょうたんで忘れてならないのは、豊臣秀吉公出生の地、名古屋です。秀吉公は尾張国愛知郡中村郷中中村(現在の名古屋市中村区)で生まれました。

<豊國神社 太閤まつりの「千成瓢箪御輿」>


千成ひょうたんのお菓子もあるんです。
名古屋の老舗和菓子店 両口屋是清(創業1634年)の千なりです。


どら焼きの中に紅粒あんが入っています。ふんわりとしっとりしていますが、きめは粗めでカステラのような感じです。



最後は懐かしい”ひょっこりひょうたん島”の歌をお聴きください。(1分53秒)
1960年代、NHKで5年間にわたりカラーで1244話作られ、絶大な人気を誇った人形劇です。

<ひょっこりひょうたん島テーマソング> 唄 前川陽子

7月の花のアルバム ④

2022-08-27 | 
先回の続きです。7月の花のアルバム ③ 2022-08-25

先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。



地中海沿岸原産の帰化植物。河川敷や線路脇の空き地、高架橋の下などの荒地に生育する強健な植物です。



花は6月から10月にかけて次々と咲き、直径3cmほど。花弁は淡紫紅色で濃色の筋があります。
<ゼニアオイ(銭葵) アオイ科ゼニアオイ属> 7/20 手賀沼湖畔


夏から初秋に、槍のようにとがったピンク色の花をたくさん咲かせます。ネコの尻尾のようで風にゆらゆら揺れていたり、ちょっとロウソクの炎みたいにも見えたりします。



セロシアの別名は「ノゲイトウ(野鶏頭)」で、ケイトウの古い品種だそうです。
<セロシア ヒユ科ケイトウ属(セロシア属)> 7/19 柏の葉公園


北アメリカ原産種で、日本へは江戸時代前半に渡来しました。これから作出された園芸種がマリーゴールドの名前で流通しています。開花期が長いが、万寿菊(クジャクソウ)よりはやや短いために名付けられたものです。



この花から作出された品種は「アフリカンマリーゴールド」、コウオウソウから作出された品種は「フレンチマリーゴールド」と呼ばれ、区別されていました。現在でもその名残は残っていますが、少しずつ使われなくなっています。
<センジュギク(千寿菊) キク科コウオウソウ属> 7/1 アンデルセン公園


花そのものではなく紫やピンク、白、黄、赤に色づく苞を観賞します。暑さと乾燥に強く、日本の夏に適した性質で、長期間咲き続けます。



苞の部分はドライフラワーにしても色があせにくいため、名前のとおり、千日色が変わらないのではないかと思うほどです。
<センニチコウ(千日紅) ヒユ科センニチコウ属> 7/19 柏の葉公園


花は6~8月に咲き、茎先の径4~6cmの輪散花序に密につき、赤みを帯びた葉状の苞があります。花や葉にカンキツのベルガモットオレンジに似た甘い香りがあり、ベルガモットまたはレッドベルガモットとも呼ばれます。



花冠は長さ3cmで上下2唇に分かれ、萼とともに緋紅色です。雄しべは2個で長く突き出します。花のつく様子をタイマツに例えた名です。
<タイマツバナ(松明花) シソ科 ヤグルマハッカ属>  7/1 アンデルセン公園


台湾原産の外来植物です。8月から10月頃になると、テッポウユリに似た白い花を咲かせます。繁殖力がとても強いため、日本では雑草としても扱われます。増えすぎると日本固有種の生態を脅かす危険があるため、繁殖のしすぎには注意が必要です。



タカサゴユリの葉は細長くて松の葉に似ていますが、テッポウユリは笹の葉のようにややふくらみがあります。タカサゴユリの花の大きさは15cmから20cmほどで、テッポウユリは10cmから15cmほどです。小さいほうがテッポウユリと覚えます。



また、花びらの外側にタカサゴユリにはピンクの筋が入りますが、野生種から選別された花びらの外側が紫色を帯びない純白種もあります。テッポウユリには筋がありません。
<タカサゴユリ(高砂百合)ユリ科ユリ属>   自宅


北アメリカを中心に約37種が分布するキク科ユリアザミ属の多年草です。日本には大正時代から昭和初期にかけてリアトリスという名前で渡来しています。美しい花を咲かせることから、いくつかの種が観賞用として栽培されます。



園芸品種リアトリス・リグリスティリスの和名がタマザキキリンギク (玉咲麒麟菊)と呼ばれています。
<タマザキキリンギク (玉咲麒麟菊) キク科ユリアザミ属> 
7/1 アンデルセン公園


豪華で力強く咲く大輪種から、優雅な中輪種や可憐な小輪種、シンプルな一重咲きや変化咲きなど品種が非常に多く、大小さまざまで用途も広く、古くから親しまれてきた春植え球根です。



花名はスウェーデンの植物園園長のアンデシュ・ダール(Anders Dahl)の名前にちなみます。花姿がボタンに似ており、和名は天竺牡丹(テンジクボタン)と名づけられています。


<ダリア(天竺牡丹) キク科テンジクボタン属>  7/1 アンデルセン公園


切れ込みのある深緑色の葉に、直径1cmほどの丸いボタンのような黄色い花がよく映え、夏の花壇を鮮やかに彩ります。キク科でも舌状花がない点がヨモギに似ることから、ヨモギギクと名づけられました。



花には強い殺虫作用があり、殺虫剤やくん蒸剤、害虫防除のスプレーなどに使われます。
<タンジー(蓬菊) キク科ヨモギギク属> 7/19 柏の葉公園

とても長い期間(5月~11月)開花する多年草(宿根草)です。豊富な花色。毎年新しい色の新品種が創り出されています。花びらの色が赤、ピンクや白のものや赤と白が混じっている品種もあります。



殺菌作用や解熱の効果があるハーブティーとしても知られており、お菓子のシロップやサラダにも利用されています。


<チェリーセージ(薬用サルビア) シソ科アキギリ属>  7/1 アンデルセン公園


日本を含む東アジア原産で、畑の隅や道端で見かけることの多い雑草です。花は朝に咲き、昼にはしぼみます。朝露がよく似合い、葉に朝露が弾く姿も、花の愛らしさも夏の熱さを和らげるような涼し気な様子をしています。



和名での名前の由来は諸説ありますが、朝露を帯びながら朝咲く様子や、朝咲いて昼には萎む朝露のように儚い様子から名付けられたと言われています。
<ツユクサ ツユクサ科ツユクサ属> 7/20 手賀沼湖畔


ブルーを基調とした涼やかな花を咲かせる多年草です。草丈が高くすっと伸びた花茎に縦に連なるように、たくさんの花を咲かせます。



和名のオオヒエンソウの由来は、中国名の飛燕草(ひえんそう)によるもの。学名と同じく、距が突き出した花のフォルムがツバメが飛んでいる様子に似ているからだそうです。


<デルフィニウム(大飛燕草)キンポウゲ科・デルフィニウム属>
7/19 柏の葉公園


非常にユニークな形の花で、その品種は500種以上と言われています。さらに掛け合わせた園芸品種もあるので、とてもたくさんの品種があるということになります。南国の果物で有名なパッションフルーツもこの仲間のひとつです。



和名の由来は、大きな3つの雄しべが時計の針に見えることからきています。


<トケイソウ(時計草) トケイソウ科トケイソウ属> 7/19 柏の葉公園


オクラに似た花を咲かせることから花オクラとも呼ばれます。原産地は中国で、この植物から採取される粘液はネリと呼ばれ、和紙作りのほか、蒲鉾や蕎麦のつなぎ、漢方薬の成形などに利用されています。


<トロロアオイ アオイ科トロロアオイ属> 7/19 柏の葉公園


原産地は中国や台湾で、バラ科の中でも栽培しやすい植物です。きれいな白い花を咲かせバラ特有のよい香りがします。



名前の由来は江戸時代にさかのぼります。大阪難波の植木商人がよく中国から輸入していたため、この名前が付けられたとされます。


<ナニワイバラ(浪速茨) バラ科バラ属> 7/1 アンデルセン公園


難を転ずることにも通じるため、縁起木、厄よけ、魔よけとして古くから庭に植えられてきました。夏に咲いた白い花は徐々に赤色になり、冬になると真っ赤な果実を実らせます。


<ナンテン(南天) メギ科ナンテン属> 7/1 アンデルセン公園


花は3~5日の短命で直径3~4cmの白や赤、ピンク色の花を次々に咲かせます。花は3~5日の短命で直径3~4cmの白や赤、ピンク色の花を次々に咲かせます。初夏から晩秋まで次々に花が咲くので、花の名前になりました。


<ニチニチソウ(日日草) キョウチクトウ科ニチニチソウ属> 7/19 柏の葉公園


樹高8mほどに育つ落葉高木です。枝は横に張り、夏には羽状複葉を広げて心地よい緑陰をつくります。葉は夕方になると閉じ、その姿が眠りにつくように見えるところから名前がつきました。



6月から7月に、枝先に淡紅色の長い雄しべをもつ、繊細でかわいい花が20ほど集まって咲きます。
<ネムノキ(合歓木) マメ(ネムノキ)科ネムノキ属> 7/19 柏の葉公園


日本や朝鮮半島に自生する、バラ科のつる性落葉低木です。日本では、沖縄県以外の山や野原でみることができます。



バラの中でも生命力が強く丈夫な種類で、品種改良や貴重なバラの品種を増やすための台木として使われることでも有名です。
<ノイバラ(野茨) バラ科バラ属> 7/1 アンデルセン公園


主な開花期は夏で、垂れ下がった枝にラッパ型の花をたくさん咲かせます。花色は濃い赤オレンジ色で非常に目立つ色彩です。ひとつひとつの花は短命ですが、絶え間なく新しい花を咲かせます。



和名は、漢名の「凌霄(りょうしょう)」という名前が「ノウセウ」となまり、その後ノウゼンになったといわれています。


<ノウゼンカズラ(凌霄花) ノウゼンカズラ科ウゼンカズラ属> 
7/19 柏の葉公園


ビロードモウズイカの仲間で、たくさんの品種があり、品種によって花丈にかなり違いがあります。開花前まではロゼット状の下葉で、そこから花茎が立ち上がり5月ごろに開花します。



花は穂状の形状で下から徐々に開花し、ひとつひとつの花の寿命は短いですが、上の花が咲き終わるまでには長い期間がかかるので一輪を長く楽しむことができます。


<バーバスカム ゴマノハグサ科モウズイカ属> 7/1 アンデルセン公園

最後までご覧いただきありがとうございました。
次回「7月の花のアルバム ⑤に続きます。

ポピーがいっぱい(あけぼの山農業公園)

2022-05-20 | 
あけぼの山農業公園のポピー(ケシ科ケシ属)を見てきました。(5月11日)
ポピーはケシ科の植物のことで、英語でpoppyと言うことから日本でもこの呼び方が普及しています。

<ポピー畑と風車 あけぼの山農業公園>


ポピーにはさまざまな種類があり、日本では、鑑賞用や食用に育てられる園芸用の種類をポピーと呼び、麻薬の原料になる種類をケシと呼んで区別しています。



人との関わりが深い植物で、古代人の住居跡からも発見され、現在でもケシの実(ポピーシード)は食用としてあんぱんや松風(和菓子)に使われています。



学名のPapaverは、ラテン語で「粥」を意味する言葉で、催眠作用のあるケシの乳液を赤ちゃんの粥に混ぜて眠らせていたことに由来しているとされています。



ただ、ケシには様々な品種があり、その中には麻薬が採れる品種もあることから、安全か危険かで以下のように区別されることもあります。



ポピー→安全なケシ(麻薬が採れない=栽培可能)の品種であり、園芸植物。
ケシ →危険なケシ(麻薬が採れる=栽培禁止)の品種であり、有害植物。



ポピーには約150種の品種があります。その中でも、ヒナゲシ、ナガミヒナゲシ、モンツキヒナゲシ、オリエンタルポピー、アイスランドポピー、カリフォルニアポピーの6つは、麻薬成分を含まない園芸品種として栽培可能です。

それぞれの品種の特徴を見ていきましょう。



<ヒナゲシ 別名:虞美人草、コクリコ、シャーレーポピー、アマポーラ>
原産:ヨーロッパ 花の色:赤、ピンク、白。


茎が立ってその脇芽から花茎が立ち、花が咲きます。枝も沢山出て、花数が多くなります。フランスやポーランドなどの国花として有名です。

<ナガミヒナゲシ(長実雛芥子)>
原産:地中海 花の色:オレンジ色。


ケシ坊主が細長いのが特徴で、そこから「長実雛芥子(ナガミヒナゲシ)」と名付けられました。今のところ特定外来生物には指定されておらず園芸品種になっています。

<モンツキヒナゲシ 別名:レディーバード・ポピー>
原産:西アジア~コーカサス地方 花の色:赤


5~7cmほどの濃赤色の花びらを咲かせます。花びらのつけ根の部分が黒く大きな斑点(3個)があるのが特徴で、ピエロという流通名がついています。

<オリエンタルポピー 別名:オニゲシ>
原産:トルコ、イラン等 花色:赤


花の大きさが20cmくらいになるものもあります。花弁の色は赤やオレンジ色が多いのですが、白、ピンク色もあります。また、花弁は4枚のものが多く、中心部に黒い大きな斑点(5個)があるのが特徴です。

<アイスランドポピー 別名:シベリアヒナゲシ>
原産:シベリアからアジア大陸北部 花の色:オレンジ色、黄色、ピンク、白。


茎に葉が無く、枝も無く、地際から蕾が伸びて花茎が立ち、花が咲きます。そのためスッキリとした姿で、切り花に使われることも多いです。

<カリフォルニアポピー 別名:花菱草(ハナビシソウ)>
原産:アメリカ合衆国西部。カリフォルニア州の州花になっています。
花の色:オレンジ、黄色、朱色、ピンク。
一般的なポピーと花や葉の形が異なるのですが、これもポピーの仲間です。


ポピーの話、いかがでしたか? 一口にポピーと言っても色々な品種があるんですね。ポピーの園芸品種は、およそ60種類があるようです。

オーソドックスな赤や黄色の一重咲きのものから、とても珍しい花色の園芸品種までバラエティに富んでいます。各々の品種の特徴を知って、楽しむのも良いかもしれません。



北柏ふるさと公園の鳥と花

2022-02-25 | 
2月15日に4年ぶりに北柏ふるさと公園に行ってきました。
目的は私にとっての5度目の野鳥撮影でしたが、残念ながら新たな鳥には巡り合えませんでした。

<ハクセキレイ スズメ目セキレイ科 全長約21cm>



最も身近なセキレイの仲間
体形は横長で、尾が長いセキレイの仲間。頭から背は黒色か灰色で、腹と翼は広く白色。尾をフリフリさせながら歩く、とっても可愛らしい野鳥です。「チチン チチン」と鳴きながら、波形に飛ぶのはセキレイ類の特徴です。



ハクセキレイは、河川、農耕地に加え、公園や駅前など開けた場所が好きで、人に見られても堂々と活動しています。特徴として白い顔に目を通る細い黒線があります。

<ムクドリ スズメ目ムクドリ科 全長約24cm>



大群でねぐら入りする様は魚群のよう
全身は黒味のある褐色で、頭は灰色がかった黒褐色。目の周囲から頬にかけて不規則な白斑があります。この白斑は個体によって違っていることが普通です。くちばし、足は黄色です。



平地から低山地の人家や人家近くの林で繁殖し、農耕地、公園の芝生、草地などでよく見られます。繁殖が終わると群になり、多い場合は数万羽の群になることもあります。

<オオバン ツル目クイナ科オオバン属 全長約39cm>



頭をフリフリ泳ぐ真っ黒い鳥で白い額がトレードマーク
全長39cm。全体は灰黒色で額とくちばしは白色です。足は緑青色。「キュイッ」と聞こえる声を出します。陸上を歩くこともありますが、水上生活が多く、すばやく水上へ逃げていきます。



池沼に生息していて、40年前は関東より北で繁殖していましたが、近年増加の傾向にあり、日本中で見られています。オオバンが増加している理由はよくわかっていません。

<コブハクチョウ カモ目カモ科ハクチョウ属 全長約150cm>



コブハクチョウはくちばしの上部の付け根に、コブに見える黒い部分があり、それが名前の由来となっているようです。ユーラシア大陸の中緯度地域に広く分布し、成鳥では全長150センチ程度になります。



手賀沼で初めて観測されたのは1973年。外来種のため、飼育されたものが逃げ出したか、人為的に放たれたものだといいます。90年には繁殖も確認されました。その後増加し、現在は170羽程度が生息しているとみられます。

<ツバキ(椿)「小絞り」 ツバキ科ツバキ属> 

ツバキの「絞り」では、花弁の白や桃、紅色の地色に紅の模様が発現します。



絞りは下図のように5種に分類できますが、「小絞り」と「吹き掛け」が同時に発現するような場合もあります。



絞り入りツバキの品種は「蝦夷錦」「吹上絞り」「吾妻絞り」等々多くの品種があるようです。ツバキの絞りを理解した上で観察すれば、多少なりとも、椿の品種の特徴が分かってくるようになるかもしれません。



<ハクバイ(白梅) バラ科サクラ属>



梅には、花の色からハクバイ(白梅)とコウバイ(紅梅)があり、一般的に白梅の方が先に開花します。ハクバイには一重咲きと八重咲きがあり、色は白で、花の直径は3センチ程度です。



ウメは原産地が中国の四川省から湖北省で、奈良時代以前に薬木として、中国文化と共に渡来し、栽培されたといわれています。


そっくりさんー2

2021-08-07 | 
過去に撮りためた写真を整理していると、よく似た花が多いのに気付きます。
私は似たような花を見ても違いがよくわかりません。

今回もよく似た花について整理してみました。
7月〜9月頃の夏の時期に咲く、よく似た名前のついた花を並べてみました。
名前が一致するか試してみてください。

アの花(大堀川畔で撮影)


イの花(自宅庭で撮影)


ウの花(手賀沼湖畔で撮影)


エの花(北信州の道草図鑑より)


<アの花はヒルガオ(ヒルガオ科)>
名前のとおり、昼間に開花し夕方にはしぼみます。
晩春から秋まで長い間咲き続けます。
花言葉は「絆」「友達のよしみ」「情事」です。
昼顔主題歌(他人の関係)/一青窈

<イの花はセイヨウアサガオ(ヒルガオ科)>
日没してから約10時間後に開花します。
(夏の日没が18:00頃だとすると翌日早朝4:00頃から咲き出す)
夏から秋まで長い間咲き続けます。
花言葉は「はかない恋」「固い絆」「愛情」です。
あさがお/あさみちゆき

<ウの花はヨルガオ(ヒルガオ科)>
白い花が開いて翌朝にはしぼみます。
名前のとおり夜に開きます。
花言葉は「夜の思い出」「妖艶」です。
夜顔/谷村新司

<エの花はユウガオ(ウリ科)>
夕方から翌朝まで夜の間に花を咲かせます。
実から「干瓢(かんぴょう)」を作ります。
花言葉は「はかない恋」「魅惑の人」「罪」です。
夕顔のうた/五木ひろし


よく似た名前の花を整理してみましたが、間違いがあればご指摘ください。
機会があればまた、別のよく似た花を整理してみたいと思います。



季節外れですが・・・

2021-08-04 | 
過去に撮りためた写真を整理しているとアジサイの花が多く見つかりました。
小さな花が集まって丸い花の形を作っている姿がかわいらしいです。
花のように見える部分は、花びらではなく葉が変形した萼(ガク)と呼ばれるものです。
夏本番ですが梅雨の代名詞ともいわれるアジサイについて調べてみました。

<ヤエカシワバアジサイ あけぼの山農業公園>
北米原産の八重花種です。
Snow Queenともいわれ、花期の後半赤く色づくことがあります。
ドライフラワーにも加工されます。


アジサイの名所と言えば全国各地にある「アジサイ寺」を思いつきます。
その美しさにより、日本全国の多くの寺で植えられるようになりました。
アジサイ寺は日本各地に点在する、境内にアジサイの花を多く植えている寺院の愛称です。梅雨時の古寺に彩りを添えるため、観光の目玉にもなるところも多いようです。

<ミカワチドリ(三河千鳥) あけぼの山農業公園>
愛知県の奥三河原産です。
名前の由来は貝殻のような花弁が反り返って雄蕊が長く、千鳥の足に似ていることから。


【紫陽花の名所】
全国に数ある紫陽花の名所の中から私の独断と偏見で選んでみました。
<北海道・東北の紫陽花名所>
北海道伊達市 有珠善光寺 秋田県男鹿市 雲昌寺

<関東・甲信越の紫陽花名所>
<甲信越の紫陽花の名所>
千葉県松戸市  本土寺 新潟県南蒲原郡田上町 護摩堂山あじさい園

<東海・北陸の紫陽花の名所>
三重県津市 かざはやの里 静岡県伊豆市 伊豆伊豆下田公園

< 関西の紫陽花の名所>
京都府宇治市 三室戸寺 兵庫県神戸市 神戸市立森林植物園(六甲山)

<中国・四国の紫陽花の名所>
広島県三原市 三景園 香川県仲多度郡まんのう町 国営讃岐まんのう公園

<九州・沖縄の紫陽花の名所>
鹿児島県出水市 あじさい峡 東雲の里
 沖縄県国頭郡本部町 よへなあじさい園

<アスペラ・ストリゴーザ あけぼの山農業公園>
中国南部~インド北東部原産のタマアジサイの仲間です。
白~白緑色の装飾花がテマリ状に咲く花序が魅惑的です。


【紫陽花の種類】
そんなアジサイは世界中で品種改良がおこなわれ、現在では2000種類以上の品種が存在しているといわれています。アジサイの種類は大きく3つに分けられます。

{ホンアジサイ(テマリ咲)}
「アジサイ」というと、一般的にはホンアジサイを指すことが多いです。
ヨーロッパで改良された園芸品種のセイヨウアジサイと区別するために「ホンアジサイ」と名付けられました。

{ガクアジサ}
ホンアジサイと並んでアジサイの代表種とされるのがガクアジサイです。
その姿が額縁のように見えることから「ガクアジサイ」と呼ばれるようになりました。

{「西洋アジサイ(品種改良)」}
西洋アジサイは、もともと日本で栽培されていたアジサイが西洋へ渡り、品種改良されたのちに日本へ戻ってきた品種です。通称、「ハイドランジア」とも呼ばれています。ハイドランジアはフランス産ですが、もとは日本のモモイロアジサイを品種改良してつくられたものです。

<ダンスパーティー あけぼの山農業公園>
2008年頃から目にするようになったガクアジサイの園芸品種です。
すっきりと尖った花弁は気品があり、貴婦人がダンスを踊っていると見立てた名前です。


紫陽花・あじさい・アジサイと付く歌も13曲ほど見つかりました。
その中から私の独断と偏見で5曲を選びました。
☆石原裕次郎 あじさいの歌(1960年)
☆グレープ 紫陽花の詩(1974年)
☆五木ひろし 紫陽花(1997年)
☆石川さゆり 紫陽花ばなし(1986年)
☆秋元順子 紫陽花物語(2011年)

<ウズアジサイ あけぼの山農業公園>
ガクアジサイがウイルスに侵されたものが園芸品種として定着しました。
鰐片が内側にまるまって渦を巻くように見えることに見立てた名前です。


アジサイがシンボルツリーになっている市町村もたくさんあります。
青森県:東津軽郡外ヶ浜町
秋田県:北秋田市
山形県:新庄市、西村山郡大江町
茨城県:かすみがうら市、稲敷郡河内町
群馬県:渋川市
埼玉県:さいたま市西区
千葉県:松戸市、成田市、旭市、習志野市、勝浦市、香取郡多古町
東京都:港区、三宅村
神奈川県:横浜市瀬谷区・港南区、相模原市、秦野市、足柄上郡開成町
新潟県:南蒲原郡田上町
富山県:射水市
福井県:福井市
山梨県:南巨摩郡南部町
岐阜県:美濃加茂市、瑞穂市
静岡県:下田市、牧之原市
愛知県:名古屋市千種区、日進市
大阪府:大阪市生野区
兵庫県:神戸市
和歌山県:伊都郡かつらぎ町
広島県:府中市、安芸高田市
長崎県:長崎市
熊本県:宇土市

<ハイドランジア・宵の星 あけぼの山農業公園>
宵の星はガクアジサイではあるものの、株姿はヤマアジサイに似ています。
一般的なガクアジサイに比べて、全体が少し繊細な造りをしていて線が細いです。


<アナベル あけぼの山農業公園>
北米に自生するアメリカノリノキの変種を品種化したものです。
日本のアジサイに比べると豪華ですが繊細な印象の花です。


最後は箱根登山鉄道の列車から見るあじさいの花をご覧ください。
箱根登山鉄道沿線のあじさいは、6月中旬頃から開花の時期を迎えます。このあじさいの咲く時期の箱根登山電車は”あじさい電車”の愛称で親しまれています。
箱根登山鉄道の列車から見る紫陽花