3月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。3月に入ると春の花が一斉に咲きだし、140品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿させていただきます。
今回も、2月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
八代亜紀『花水仙』(Official Audio)
春にスズランのようなつぼ形の花を房状にたくさん付け、満開時期は花穂が樹を覆うように咲き誇ります。
家畜や野生動物は、有毒植物の本種を避けることから別名、ウマクワズ、シカクワズ、ウシクワズとも言われています。
花が咲き終わると直径が5㎜ほどの実をつけます。花は下に垂れ下がって咲きますが、実はぶら下がっているように見えて熟すと上向きに開きます。
イメージは、くす玉が逆に開く感じです。実が熟す頃になると来春に向けた蕾ができており、アセビを見慣れない初心者では実と蕾を見分けるのが難しくなります。
<アセビ(馬酔木) ツツジ科アセビ属>
3/14 アンデルセン公園
南アフリカ原産のキク科ディモルフォセカ属の一年草です。草丈は20cmから50cm程度になり、5cm程度の花をつけます。
花は黄色やオレンジのとても鮮やかなカラーで、どことなくマーガレットにも似たような姿をしていて、花びらが沢山ついている印象を与えます。
本種は同じキク科のオステオスペルマムと似ていますが、本種は一年草、オステオスペルマムは多年草として分類されています。
<アフリカキンセンカ(ディモルフォセカ) キク科ディモルフォセカ属>
3/13 北柏ふるさと公園
トルコ東部〜イラン原産のアイリスの仲間です。草丈は10㎝位です。
2~3月に直径4cmくらいの紫色や青色の花をつけ、約10品種あります。
花被片は6個あり、外側3個は橙色と白色の紋様があり、内側3個は薄紫色で直立します。
<イリス・レティクラタ・カロリーナ アヤメ科アヤメ属>
3/4 つくば実験植物園
花梅は、桜と同様春を彩る日本の代表的な花木です。本種は花梅で野梅系・野梅性の遅咲き品種です。
中輪八重咲きで、紅と白、絞りなどを1本で咲き分けます。
別名「輪違い(りんちがい)」で、開花期 2月中旬~3月中旬です。
<ウメ「思いのまま」 バラ科サクラ属>
3/4 つくば実験植物園
紅梅の一品種で、梅の品種の中では中輪種です。開花期は1月中旬~2月上旬頃です。
紅色の花弁に赤い筋が入り、花弁先端がぼかしとなる中輪八重咲き種です。
<ウメ「唐梅:とうばい」 バラ科サクラ属>
3/4 つくば実験植物園
本種は実梅で、奈良県と徳島県での栽培が多く、南北朝時代には存在していたといわれている品種です。
薄ピンクの花がたくさん咲き、花粉もたくさん持つ品種です。開花期は2月中旬~3月上旬です。
実も大きめで、果肉が固く締まっているのでカリカリ梅や梅酒に適しています。
<ウメ「鶯宿:おうしゅく」 バラ科サクラ属>
3/4 つくば実験植物園
東南アジアや北アメリカ、南アメリカに自生するヒルガオ科の一年草(多年草)です。葉腋に花径2~3cmほどの濃い青色の花を咲かせます。
日本ではアメリカン・ブルーの名前で呼ばれ、広く販売されています。初夏から開花する可愛らしい丸い青花が好まれます。
本来は本種の呼び名ですが、1980年代の初輸入時には種が分からなかったため、アメリカから来たブルーの花、という安直な命名で定着してしまいました。
<エボルブルス(アメリカンブルー) ヒルガオ科アサガオガラクサ属(エボルブルス属)>
3/1 柏の葉公園
別名では「ファイヤーヒース」とも呼ばれる南アフリカが原産のツツジ科の常緑低木です。本種が山火事の後などに開花することからの命名と言われます。
本種の特徴は、花が枝先に多数集まり咲く花の形が長い筒状をしている、花の色が橙色または白色をしているなどです。
また、花や葉に毛が生えるためふさふさとした見た目をしている所や枝がクネクネと伸びるため独特なシルエットをつくる所などの特徴もあります。
<エリカ・セリントイデス ツツジ科エリカ属>
3/4 つくば実験植物園
南アフリカ南東部の限られた地域に分布するエリカで、南アフリカでは庭木として広く栽培されています。別名エリカ・ブライダルヒースとも呼ばれています。
樹高100cm~150㎝程度に成長し、花期は3月~4月ですが四季咲き性があります。長さ2㎝程度の筒状の花が美しい品種です。
花色は白、ピンク。暖地では戸外で冬越し可能ですが、高温多湿の環境が苦手なため夏越しが難しい品種です。
<エリカ・バウエラ ツツジ科エリカ属>
3/4 つくば実験植物園
ヒマラヤ地方を原産とするモクセイ科の常緑樹。オウバイやソケイの仲間で、春に似たような黄色い花を咲かせるため、稀に庭木として植栽されています。
開花時期は3~4月でオウバイよりやや遅い。花は直径4~5センチほどでオウバイより大きく、短い枝の先に一輪ずつ咲きます。
オウバイは一重咲きですが、本種は花びらが6~10枚に分裂するため、二重あるいは八重咲きに見えるのが特徴です。
<オウバイの花>
<ウンナンオウバイ(雲南黄梅) モクセイ科ソケイ属>
3/19 あけぼの山農業公園
※さざんかさんからのご指摘により、品種名と解説を変更しました。
さざんかさん、ありがとうございました。
原産地は西アジア・ヨーロッパで、日本へは栽培種として中国から渡来しました。開花時期は2~5月で、今では野生化して群生しています。
本種には多くの和名があり、一般にはムラサキハナナ〔紫花菜〕、ムラサキハナ〔紫花〕、ハナダイコン〔花大根〕などの方がよく知られています。
和名は、三国志に登場する諸葛亮(しょかつりょう)が出陣の先々でこの種子を蒔いたことから来ています。
<オオアラセイトウ(大紫羅欄花)アブラナ科オオアラセイトウ属>
3/13 北柏ふるさと公園
日本全国に生育する多年生の草本で、水田の畦などに群生します。春にタンポポとよく似た花を咲かせ、遠目には区別が付きにくいこともあります。
茎は地を這いながら、節々から根を下ろして広がっていきます。和名は、この姿が地面を縛りつけているように見えることにちなみます。
<オオジシバリ(大地縛り) キク科ノニガナ属>
3/15 手賀沼
原産はヨーロッパ南部~西南アジア(トルコ~バルカン半島)原産の耐寒性多年草(球根)。明治時代の初めに渡来しました。
開花時期は1月~3月で、花茎の先に白い花を下向きにつけ、花は3つの長い花弁と3つの短い花弁とからなり、短い花弁には緑色の斑紋があります。
スノードロップの一つです。エデンの園を追い出されたアダムとイブをなぐさめるために、天使が雪をこの花に変えたという神話があり、雪の中でも開花します。
<オオユキノハナ(大雪の花) ヒガンバナ科ガランサス(マツユキソウ)属>
3/4 つくば実験植物園
日本で江戸時代に品種改良されたツバキ科の双子葉、高木、常緑樹の植物です。
その性質と誰からも好まれる可憐で美しい姿から、公園や庭園、生垣などによく植栽されています。
花期は早春から春で、花色は赤色、ピンク色、薄紅色、白色などです。ヤブツバキから品種改良された植物で、八重咲の華やかな椿です。
<オトメツバキ(乙女椿)ツバキ科 ツバキ属>
3/14 柏の葉公園
アメリカの大果性のものとヨーロッパの小果性のものから17~18世紀ごろオランダで作られたものが原種で、江戸末期渡来した栽培種です。
春に白い五弁の花が咲きます。実は花托(かたく)がふくらんだ肉質の偽果で赤く熟します。主産地は静岡県、兵庫県などで、生で食べたり、ジュース、ジャム、苺酒などに加工します。
<オランダイチゴ(オランダ苺) バラ科イチゴ属>
3/4 つくば実験植物園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
「3月の花のアルバム①」15品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「3月の花のアルバム ②」に続きます。