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サイクリング・テニス・散歩等の道すがら、公園・野原・湖畔・川辺等で見つけた美しい花をスマホで撮っています。

8月の花のアルバム ⑧(最終回) 

2023-09-30 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 8月の花のアルバム ⑦ 2023-09-28


今回も、先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

 


関東以西の低山の林縁、路傍、草原など日当たりの良い場所に生育する小低木です。花は8~10月、葉腋から出した花序に黄白色または緑白色の蝶形花を花序の下部から少しずつ咲かせます。

植物図鑑にも掲載のないことが多く、知名度はあまり高くない植物です。花も地味で目立たず、藪のような場所に生えていることが多いため、気付かれにくいことも一因かもしれません。

果実は表面にカギ状の剛毛を持ち、節ごとに折れて、動物の毛や人間の衣服に付着して運ばれる、「ひっつきむし」型の果実です。和名は本種の茎葉を味噌に入れると「味噌の味がなおる」とされたことによります。

 

<ミソオナシ(味噌直し) マメ科ミソナオシ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

 

インドのアッサム州原産で、サトイモ科コンニャク属の非耐寒性塊根(多年草)です。葉の上に小さな珠芽(むかご)をつくって繁殖します。 

花は「仏炎苞」の内側にあり、棒状の付属体の下部に雄花の集まりが、更にその下に雌花の集まりがあります。

 

<ムカゴコンニャク (零余子蒟蒻) サトイモ科コンニャク属>
8/29 つくば実験植物園

 



 

本種はアメリカで育種されたムクゲの園芸品種で、花の形が八重咲きで、中央に小さな花弁が多数集まり、ふんわりとした柔らかな花姿をつくります。

花の色は白色、白色は光を最も反射するため明るい印象を与えたり、また汚れのない清潔な印象を与えたりします。開花期間中は株を覆うように沢山の花を咲かせる所が魅力です。

 

<ムクゲ・ホワイトシフォン アオイ科フヨウ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

 

北アメリカから熱帯アメリカにかけて約20種が分布し、日本には明治時代に入ってきました。

シュッと長い葉っぱが垂れ下がり、間から紫色の花をたくさん咲かせます。中心の雄しべが黄色く、花に明かりがともったような見た目は、落ち着いた雰囲気があります。

花は、早朝に開き、夕方になると萎みます。ただ、毎日次々と花を咲かせるので、長期間観賞して楽しむことができます。

 

<ムラサキツユクサ(紫露草) ツユクサ科ムラサキツユクサ属(トラデスカンチア属)>
8/20 手賀沼

 

 

 

 

ツユクサによく似て、少し花が大きく、花弁の白い淵のフリルがとても可憐な品種で、白い眼鏡をかけているようにも見えます。

ツユクサと同じように良く分枝し縁から根を出して増える1年草です。別名“フクリンツユクサ”とも呼ばれています。

毀れ種から良く増えて、抜くのが間に合わないくらいの生命力で、とても可憐だが増えすぎて困る植物でもあります。

 

<メガネツユクサ(眼鏡露草) ツユクサ科ツユクサ属>
8/19 自宅

 

 

 


 
ノボタン科の熱帯性花木です。花が大変美しいことから「熱帯の宝石」とも呼ばれていて、植物園の温室では見かける機会の多い花です。

熱帯アジアなどに多くの種類が分布していますが、花が美しい種類は、フィリピン原産のマグニフィカとジャワ島原産のスペキオサです。二つの違いは、花序に大きな苞があるのがマグニフィカで、スペキオサには苞がありません。

この属は、1820年にマリアナ諸島の知事であるJ. デメディニラにちなんで命名されました。

 

<メディニラ(大葉の宿り野牡丹) メラストマ科メディニラ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

 

北アメリカ南部から南アメリカに分布するキク科の一年草です。アメリカ・フロリダ州からメキシコ、アンティル諸島、中央アメリカにあり、牧草地や草原、森林などに自生しています。

5月~10月頃の花期になると、茎上部の葉の付け根から花柄を伸ばし、鮮やかな黄色の頭花(とうか)を咲かせます。

 

<メランポジウム キク科メランポジウム属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

カランコエはマダガスカル島原産の多年草。本種はカランコエの園芸品種です。葉は多肉質で光沢があり、対生、葉身は広楕円形から卵形、縁に鋸歯があります。

10-5月に円錐花序を出し、1cm程の白、淡紅、赤、橙、黄色の八重の花を多数つけます。花冠は4裂します。多肉植物で温室では秋から冬にかけて開花しますが、本来は早春から春に開花します。

 

<ヤエザキカランコエ(八重咲カランコエ) ベンケイソウ科カランコエ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

アフリカ南部原産の帰化植物。20世紀初めに観賞用に導入され、最近しばしば逸出が確認されています。花弁は5個で斑紋があり、径4~6cmで朝開き夕方に萎みます。

「矢の根」とは矢じりのことで、葉の形が似ることから。花は九州以南に分布するボンテンカやフヨウ  に似ています。「梵天」は婆羅門天、またはインドの意味で、インドから渡来したという説があります。

 

<ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花) アオイ科ヤノネボンテンカ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 


北海道から九州まで日本各地の山野に生えるマメ科の落葉低木。秋に咲く淡い紅紫の花を観賞するため、庭園や公園、川岸などに植栽され、「草」ではないが「秋の七草」に数えられます。

ハギの仲間は北半球に約60種ありますが、日本には本種に代表され、木として扱われる8種と、メドハギに代表される、草のハギ4種が分布します。

ハギという植物はありませんが、本種が最も一般的であるため、単にハギという場合は本種を示すことが多いようです。

開花は8~10月。花は直径1センチ程度の小さな蝶形。派手さのないところが昔から好まれる所以ですが、花期は長く、満開がはっきりしないまま咲き続け、いつの間にか花が消えます。

 

<ヤマハギ(山萩) マメ科ハギ属>
8/26 近隣の路傍

 

 

 

 

原産地は北アフリカまたはインド。日本でも平安時代頃にはすでに栽培されていたとされますが、何時どの様に伝来したかは分かっていません。

キュウリやゴーヤなどの仲間で、食用のウリ科の植物で、主にかんぴょう(干瓢)の原料としては使われています。実は「ふくべ」(瓢)と呼ばれ、それをほ(干)したものだからです。

本種の名称は「朝顔」と対比したものとして、夕方に咲き朝には萎んでしまうところに由来しています。

 

<ユウガオ(夕顔) ウリ科ユウガオ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

 


北アメリカ原産の多年草。日本には明治時代半ばに入ってきて全国に野生化しています。花径2~3cmの色鮮やかな花を株が隠れるほどに咲かせます。

本種は園芸品種が多く、小型種から高性種まであり、花壇、鉢植え、切り花などに広く使われています。名前の由来は、花色が友禅染のように鮮やかなことに因むと言われています。

 

<ユウゼンギク(友禅菊) キク科シムフィヨトリクム属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

 


 
暖地での栽培に適したブルーベリーの系統で、世界各国の冬季が温暖な地帯に栽培が広がっています。土壌適応性が群を抜いて高く非常に強健です。

主にアメリカのフロリダ州、ジョージア州、ノースカロライナ州で優秀な改良種が発表されてきました。

実が熟す前にウサギの目のように赤く色づきます。非常に樹勢が強く野性味溢れる系統で、甘味が強いのが特徴です。

 

<ラビットアイ(ブルーベリー) ツツジ科スノキ属 >
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

 

沖縄県に生息しているアサガオの仲間です。海の青さにも負けない濃い青色や紫色の花を咲かせ、生長が早いので夏のグリーンカーテンとして注目を集めています。

朝顔と比べて生命力が強く、つるをよく伸ばして近くのものに絡みつくのが特徴。早朝は青色、午後にかけて紫色に変化する変わった性質をもっていることからガーデニングに人気です。

朝顔は一年草ですが、本種は多年草で強健。10数メートルも蔓を伸ばすこともあります。葉の大きさも普通の朝顔に比べて大きくハート型をしており、花を房状につけ夕方まで咲き続けます。

 

<リュウキュウアサガオ(琉球朝顔) ヒルガオ科サツマイモ(イポメア)属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

「枕草子」でも記述がある程、日本で古くから親しまれている植物(多年草)です。 寒さに強く、本州、四国、九州の山野を中心に自生しています。 

春に芽吹き、秋の始まりと共に花芽をつけてベル形の花を咲かせ、寒くなる頃には地上部が枯れて休眠します。

 

<リンドウ(竜胆) リンドウ科リンドウ属>
8/24 柏の葉公園



 

 

 

熱帯アメリカに約150種類ほどありますが、そのなかで育てやすく花や葉が美しい一部の種類が観賞用に栽培されています。

花は一日花で一日で花はしぼみます。大量に開花するというよりは、少量ずつが夏の間開花します。草丈が低く、使いやすいので鉢植えに適します。

 

<ルエリア・ロンギペティオラタ キツネノマゴ科ルイラソウ属(ルエリア属)>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

 

北アメリカ原産のキク科オオハンゴンソウ属の二年草、または短命な多年草です。ルドベキア・トリロバ種から作出された園芸品種です。

7月~10月の花期になると、多数分枝した茎の頂部に頭状花を1輪咲かせます。頭状花は、中心部分の小さな筒状花と、花弁のように見える舌状花からなる集合花で、径3~4㎝の大きさです。

 

<ルドベキア・タカオ キク科オオハンゴンソウ属>
8/26 近所のお宅

 

 

 

 

南アフリカ原産のイソマツ科の半耐寒性常緑低木で、別名プルンバゴとも呼ばれます。爽やかなブルーの花を春から秋まで繰り返し楽しめる丈夫で育てやすい植物です。

本種の仲間は熱帯を中心に約20種類の仲間が知られています。その中でも南アフリカに分布する、プルンバコ・アウリクラータのことを本種の名(和名)で呼びます。

和名の「ルリ」は花色(瑠璃色)から、「マツリ」は花姿がマツリカ(ジャスミン)に似ているところに由来します。

 

<ルリマツリ(瑠璃茉莉) イソマツ科ルリマツリ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 


ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイの原産で、樹高1m〜2m程になるナス科の常緑低木です。日本へは鎌倉時代の頃に渡来したと言われています。

花は、茎の上部に集散花序を出して多くの花を付けます。花冠は径2.5cm程の淡紫色で、星形に深く5裂し、長い花柄があり、下向きに咲きます。

名前は、瑠璃色の花を咲かせることと、葉が「ヤナギ(柳)」に似ていることから名付けられました。鎌倉時代の頃、琉球をへて日本へ渡来したことから「リュウキュウヤナギ(琉球柳)」とも呼ばれています。

 

<ルリヤナギ(瑠璃柳) ナス科ナス属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

 

葉の形が松葉の様に棒状で花の形が菊に似ていることから「マツバギク(松葉菊)」と呼ばれる多年草です。南アフリカ原産で、日本には明治にやってきました。

5〜11月。花には約2cmの柄があり、直径約5cmの一重で光沢のある紅紫色です。耐寒性マツバギクと呼ばれているのはデロスペルマ属の一種で、本種の名前で出回っています。

 

<レイコウマツバギク(麗晃松葉菊) ハマミズナ科デロスペルマ属>
8/26 近所のお宅

 

 

 

 

クリムゾンレッドの花色とカップ咲きの花形がシックな雰囲気のバラです。情熱的な花色は咲き進むにつれてピンク色がかかっていきます。

ハイブリッドティーと花付き、耐寒性が良いポリアンサローズの交配で開発されたモダンなガーデンローズのグループです。

今年の5月にわが家で初めて育て始めたバラです。花付がよく8月頃まで花が次々と咲き続けました。今のところ、うどんこ病など病害虫の被害にも合わず、丈夫に育っています。

 

<レオナルド・ダ・ヴィンチ(バラ) バラ科バラ属>
フロリバンダ 1993年フランス(メイアン)作出
8/9~8/18 自宅

 

 

 

 

南アフリカの球根植物、多年草。多肉植物としても扱われ、葉が細く、葉の縁がギザギザになっている観賞のポイントです。

春、葉が展開し、春から夏にピンクや薄ピンクの花を咲かせます。

よく出回るのは、「シマツルボ」の名で知られるクーペリと、「豹紋」などの名を持つソシアリスの二種類です。その他、桃花を咲かせるガリエペンシスなどがあります。

 

<レデボウリア キジカクシ科(クサスギカズラ科)レデボウリア属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

レモンの原産地はアジア東北部からヒマラヤだと言われています。本種はレモンの栽培品種です。幹や枝には棘があり、葉は淡緑色です。

芳香のある白い5弁花は一年を通じて見られ、とくに春に多く咲きます。実は普通のレモンの約4倍の超ジャンボサイズで、全体に縦長の卵型で、頭の部分が少し絞ったようになっています。

日本では商業ベースで大規模に栽培しているところはおそらく無いと思われます。主に観賞用に庭木として植えられたり、個々の農園が数本植えている程度ではないでしょうか。

 

<ポンテローザ(レモン) ミカン科ミカン属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

日本固有の1属1種の植物で、東北地方南部から近畿地方にかけて分布します。深山のやや湿った林床に多く見られ、やや薄暗い林に大群落をつくっていることもあります。

葉の展開が終わるころから花茎を伸ばし、夏に花径4cmほどの大きな藤紫色
の花を、次々と涼しげに咲かせます。夏の盛りに咲く涼しげな花は技巧的かつ
神秘的であり、「森の妖精」「森のシャンデリア」などと称されます。

開花時期には夏の花の風物詩として、マスコミやSNSなどでも毎年取り上げ
られています。蛇足ですが、私は本種を直接見たのは、今回が生涯初めての経験です。

 

<レンゲショウマ(蓮華升麻) キンポウゲ科レンゲショウマ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 


世界の熱帯・亜熱帯に約40種類が分布する多年草です。花後にできる綿毛が繊維となり、種子からは油がとれます。厳密に言うとあのふわふわした綿はタネから生えた毛です。

本来は毎年花を咲かせる多年草ですが、寒さに弱く冬には枯れてしまうことが多いため、園芸上は一年草として扱われます。

主な開花期は夏で、ハイビスカスに似た姿の花を咲かせます。花色は淡い黄色で、しぼむとオレンジ色になります。

 

<ワタ(綿) アオイ科ワタ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

 

8月の花のアルバム①~④ 全199品種の花、野鳥、昆虫を最後までご覧いただきありがとうございました。

次回は「9月の花のアルバム」を10月上旬に投稿予定です。次回もご覧いただけると、とても嬉しいです。


8月の花のアルバム ⑦

2023-09-28 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 8月の花のアルバム ⑥ 2023-09-25


今回も、先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

 

 

世界の熱帯~亜熱帯に約120種が分布します。毎年花を咲かせる多年草、低木があります。多年草は生長すると株元が木質化(茎が木肌のようにごつごつと堅くなる) するものがあります。

花は細長い筒状で先端が5枚に花びらに分かれます。大きさは2cm前後で、色は、紫、青紫、白、オレンジ、ピンクなど、バラエティーに富みます。

葉脈が黄金色になったり、葉色が紫色のものなど花に負けず葉も美しく多彩なものが多いです。

 

<プセウデランテムム ・ラクシフロルム キツネノマゴ科エランセムムモドキ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 


本種は中国南部を原産とする説がありますが、正確な原産地は不明で、インド洋諸島で発生した雑種植物であるとの説が有力です。

日本では、熱帯および亜熱帯性の複数の品種が「ハイビスカス」と呼ばれ、南国のイメージをまとった植物として広く親しまれています。主に園芸用・観賞用として「ハイビスカス」として流通しているのは、本種になります。

和名は中国名の「扶桑」に由来します。また、沖縄県では「赤花(あかはな)」や「後生花(ぐそうばな)」と呼ばれています。後生花とは、沖縄県では死後の幸福を願って墓地に本種を植栽する習慣に由来します。

 

<ブッソウゲ(仏桑花) アオイ科フヨウ属>
8/24 柏の葉公園

 

 


中近東が原産といわれ、古代ヨーロッパや中国などへと広まり、温帯域を中心に世界中で栽培されています。

食用になる果実は房になって垂れ下がり、多数の実をつけます。栽培種はヨーロッパ種やアメリカ種、それらの交雑種があり、果皮の色により赤系、黒系、緑系があります。

紀元前2世紀ごろの中央アジア・フェルガナでの呼称budaw(ブーダウ)に対する中国語の音写「蒲陶」が変じて「葡萄」となりました。

 

<ブドウ(葡萄) ブドウ科ブドウ属>
8/3 あけぼの山農業公園
 

 

 

美しいピンクの大輪の花を咲かせる本種は、夏を代表する花木として親しまれています。日本の南部では野生化していますが、もともとは中国原産であると推測されています。

花色は品種によって白~ピンクまで色幅(濃淡)があります。花は朝開いて夕方にはしぼむ一日花で、ひとつの花自体は短命ですが最盛期は暑さにめげず毎日新しい花を途切れなく咲かせてくれます。

本種とムクゲ(木槿)は同じアオイ科フヨウ属の樹木で、花の咲く時期や姿形も何となく似通っているので間違うことがよくあります。

本種はよく枝分かれして上だけでなく、横にも枝がよくはりこんもりと茂るのに対して、ムクゲはすらっと直立した樹形になります。また葉や花も本種の方がムクゲよりも明らかに大きいので、見分けが付きます。

 

<フヨウ(芙蓉) アオイ科フヨウ属>
8/24 柏の葉公園 

 

 

 

北アメリカ原産のシソ科サルビア属の半耐寒性の多年草(日本では一年草扱い)です。

初夏に種を播いて育苗すると、夏から晩秋にかけて長く咲いてくれます。寿命は半年くらいで、ライフサイクルの短い植物といえます。

この花が一般に出回り始めた頃、サルビアといえば赤い花のサルビア・スプレンデンスのほうが圧倒的に知名度が高かったため、それと区別して覚えやすいように、本種の名称で流通するようになりました。

 

<ブルーサルビア(サルビア・ファリナセア) シソ科サルビア属>
8/24 柏の葉公園

 

 


パナマ・コロンビア・ヴェネズエラ原産のキョウチクトウ科プルメリア属の常緑樹。コブラの頭部のように先端が膨らんだ葉の形が特徴的です。

プルメリア属の他の種とは異なり、花色が純白です。しかもまとまって開花することから、英名では「花嫁の首飾り」と呼ばれます。

中心に黄色の入った白く大きな花を咲かせることから園芸用として人気があり、タイではピンク色の花を付ける交配種も流通しています。

 

<プルメリア・プデイカ キョウチクトウ科プルメリア属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

シベリアに1種が分布するほかは、残りすべてが北アメリカに分布しています。仲間は67種が知られています。

茎先にもこもことまとまってかわいらしい花を咲かせます。一年草や多年草などたくさんの種類や品種があり、花色草姿も様々です。

どの種も花茎に房~段状に小花を咲かせボリュームがあります。花期は比較的長めですが、種類によって最盛期が異なります。

フロックスの中で特に園芸種として人気が高いのは、一年草のキキョウナデシコ(ドゥラモンディ種)、多年草のクサキョウチクトウやオイランソウ(パニクラータ種)、芝桜(スブラタ種)などです。

 

<フロックス ハナシノブ科クサキョウチクトウ属(フロックス属)>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

道ばたや河川敷、草やぶ、林縁などいたるところにごく普通に生えるつる植物です。多年草ですが、何年もたつと茎の下の方が木質化して、藤づるのようになります。

わが国最古の歌集・万葉集でも「屎葛(くそかずら)」という名前で呼ばれていますが、さらに追い打ちをかけてかわいそうな名前にしたのが、植物学者の牧野富太郎先生です。

葉を揉むと、顔をしかめたくなるような悪臭があることから、屁、糞の字を当てた名前がつけられました。

一方で、花が可愛らしいことからサオトメカズラ(早乙女蔓)、花の真ん中がお灸をすえた後のように丸く赤くなることからヤイトバナ(灸花)の別名もあります。

 

<ヘクソカズラ(屁糞葛) アカネ科ヘクソカズラ属>
8/26 近隣の路傍

 

 


ベゴニアは世界の熱帯から亜熱帯に2000種以上が分布すると言われています。姿や生態は様々な形をとり、花壇や鉢花そして観葉植物など種によって扱いは異なります。

本種はベゴニア属のなかでも最もなじみのある種類です。ブラジル原産種ククラタの変種フーケリーを元として改良された園芸品種の総称です。

開花期間が長く、春から霜が降りる晩秋まで咲き続けます。和名はシキザキベゴニアで、 学名は「常に開花している」の意味です。

花色は白、ピンク、赤などがあります。花びらの表面は薄くラメが入ったようにキラキラしており、みずみずしい雰囲気を持っています。葉は丸っこくワックスのような光沢があります。

<ベゴニア・センパフローレンス(四季咲きベゴニア) シュウカイドウ科シュウカイドウ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

インドが原産とされるウリ科の植物です。日本には、中国を経て江戸時代に渡来したとされています。

8~9月に直径5~10cmほどの黄色い花を咲かせます。きゅうりの花とよく似ていますが、きゅうりの花径は3cmほどなので大きさで見分けることができます。

本種はたわしやスポンジなどの日用品として利用されています。しかし、開花から間もない若い実であれば食べることができます。沖縄では食用の本種が栽培されており、「ナーベーラー」という名前で呼ばれています。

 

<ヘチマ(糸瓜) ウリ科ヘチマ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 


南アメリカに自生する原種をもとに、ヨーロッパやアメリカで品種改良が進み、多様な品種がつくり出されました。

日本は特に品種改良が盛んで、最先端の研究が現在もされているまさに本種の大国です。ガーデニングブームの火付け役となったサフィニアも仲間で、日本人が品種改良した品種です。

大輪、中輪、小輪種があり、八重咲き、一重咲きなどのバラエティーもあります。語源はブラジル先住民のPetun(たばこ)が語源になっています。

 

<ペチュニア(衝羽根朝顔) ナス科ペチュニア属 >
8/24 柏の葉公園

 

 

 

インド原産のウリ科カラスウリ属の半耐寒性一年草。カラスウリに似ていますが、花は昼間に咲き果実は蛇のように細長くてくねります。

カラスウリに似た白い花が葉腋に咲き、花冠は5つに裂け、 裂片の縁が糸状に裂けます。花冠は4裂や6裂することもあります。

キュウリをずっと長くしたような、長いものでは1m以上の蛇のように細長くて、くねくねくねとした果実が、棚からぶら下がります。

 

<ヘビウリ ウリ科カラスウリ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 
本種はアメリカ大陸原産の植物のグループでヒマワリの仲間です。キク科の宿根草で夏〜秋にかけて鮮やかな黄色の花を沢山咲かせます。

7~8月が開花期です。本種は中心部が密になるアネモネ咲きの品種です。花の大きさは5~8cmくらいで、茎の頂点に複数開花します。

 

<ヘリアンサス・ハッピーデイズ(宿根ヒマワリ) キク科ヘリアンサス属(ヒマワリ属)>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 


姫ひまわり(ヒメヒマワリ)の名前で親しまれている宿根性のひまわりです。花期も長く、夏の暑さにも強い特徴をもっています。

花が似たヘリアンサス属(ヒマワリ属)との違いは、花弁が開花後も散らずに長く残ることで、特に八重咲きの品種では、1花が1か月近く観賞できるほどです。

 

<ヘリオプシス・サマーナイト キク科ヘリオプシス属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 


アフリカ大陸の東部やアラビア半島南部、マダガスカルなどの熱帯が原産です。本来は多年草ですが、冬越しが難しいため日本では一年草として扱われることが多くなります。

五つの花弁を持ち、星型の愛らしい花をつけます。色はピンクや赤、白、紫などさまざまです。花の時期が長いのも特徴で、初夏から秋まで次々と小さな花を咲かせます。

「サンタンカ」は熱帯原産の花で、日本では江戸時代には伝わってきていたとされています。姿形が似ていることから、本種が「クササンタンカ」と称されるようになりました。

 

<ペンタス(草山丹花) アカネ科ペンタス属>
8/24 柏の葉公園

 

 


原産地は南北アメリカの熱帯〜温帯。暑さに強い一方で寒さに弱く、多肉質の葉や茎を持つため乾燥に強い性質が特徴です。

本種は太陽が出ていると花が開き、夜の間や雨の日は花を閉じます。花は毎日開いて閉じてを繰り返しますので、毎日新しい花が咲いているような錯覚が起きます。

本種はハナスベリヒユの別名を持っており、同じスベリヒユ科のスベリヒユと見た目が大変よく似ています。スベリヒユは畑などでよく見られる雑草で、黄色い花を咲かせます。

本種は園芸品種として愛されている草花で、スベリヒユよりも花径が大きくカラフルな花色が豊富に揃い、開花期間も長いのが異なる点です。

 

<ポーチュラカ(花滑莧:ハナスベリヒユ) スベリヒユ科ポーチュラカ属>
8/24 柏の葉公園

 

 


中国原産のバラ科に分類される植物で、3〜5月に赤や白、ピンクの花をつけ、9〜10月頃に実がなり、その頃に旬と収穫時期を迎えます。

実はカリンと似た形が特徴で、熟してくると甘酸っぱい香りが楽しめます。もともとは、実を乾燥させ漢方薬として使っていたといわれています。

シロップやはちみつ漬けはお湯などで割ってドリンクにしたり、ジャムはパンにぬるだけでなくヨーグルトに加えたりなど、いろいろな楽しみ方ができます。

 

<ボケ(木瓜) バラ科ボケ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

中国南部原産で冬に葉を落とす落葉性の低木です。日本でも暖地や平地で野生化したものがよく見られます。

梅雨時から夏にかけて、ピンク色の小花がボール状にまとまって咲きます。その花姿は遠目から見るとアジサイっぽいかもしれません。花にはかすかな芳香があります。

 

<ボタンクサギ(牡丹臭木) クマツヅラ科クサギ属>
8/24 柏の葉公園

 

 


別名では「サルビア・ウリギノーサ」とも呼ばれるブラジルおよびアルゼンチン、ウルグアイが原産の多年草です。

初夏から秋にかけて澄んだブルーの花を咲かせる耐寒性多年草です。ハーブの仲間ですが、用途は主に観賞用です。

花はシソ科でよく見られる唇形花、唇形花は節毎に複数の花が付くため、花が節を囲うような外観になります。

セージ類は乾燥を好みますが、本種は湿地を好み、極端に乾燥している土地への植栽は向かない種類です。

 

<ボッグセージ(サルビア・ウルギノーサ) シソ科サルビア属(アキギリ属)>
8/24 柏の葉公園

 

 


1950年代にアメリカで鉢植え向きのキク矮性園芸品種が育成され、本種の名称で販売されました。

キクは自然開花期によって夏菊、夏秋菊、秋菊、寒菊に分けられ、本種は秋菊です。

 

<ポットマム(洋菊) キク科デンドランセマ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

熱帯アメリカ原産の水生植物で、17世紀にブラジルで発見されました。花が青く美しいので、主に観賞用として、19世紀から20世紀初頭に世界各地に導入されました。

しかし、爆発的に増えて川や池沼を被い、船の行き来やダムによる水力発電を妨げるなどの害があり、今では世界十大害草のひとつ「青い悪魔」として畏怖されています。

丸くふくらんだ葉柄を布袋さんのおなかに見立て、葉っぱがアオイに似ているので本種の名前があります。

 

<ホテイアオイ(布袋葵) ミズアオイ科ホテイアオイ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

東南アジアに固有の宝石蘭の一種です。葉の模様がキラキラと美しく、ジュエルオーキッドと呼ばれます。

開花期には小さなクリーム色の花を咲かせますが、ジュエルオーキッドは花よりも美しい葉を楽しむ植物です。

 

<マコデス・ペトラ(宝石蘭) ラン科マコデス属>
8/24 柏の葉公園

 

 


南アフリカ原産の多肉植物で、多肉質の細長い葉が密生し、キクのような花を咲かせます。

キク型の花を初夏を中心に秋まで断続的に咲かせます。赤やオレンジ、黄色、白など花色が豊富に出回っています。

本種は2種類出回っており、耐寒性とも呼ばれる寒さに強いデロスペルマ(麗晃)と、耐寒性の低いランプランツス系の品種に分かれています。

葉と花の形から本種の名前が付きました。菊の名がついていますが、キク科の植物ではありません。

 

<マツバギク(松葉菊) ハマミズナ科マツバギク属(ランプラントゥス属)>
8/3 北柏ふるさと公園

 

 


深山から亜高山帯にかけて明るい林の下や草地に生える多年草。頭花の色は黄色といっても少しオレンジを帯びた色をしています。

フキの葉のように丸い大きな葉で、山地に生えることから名前がつきましたが、フキの仲間ではなくキク科メタカラコウ属です。人の背丈にもなり、群生すると人の歩く隙間もないくらいです。

 

<マルバダケブキ(丸葉岳蕗) キク科メタカラコウ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

メキシコ原産で、キク科コウオウソウ属の常緑一年草です。アフリカンマリーゴールドと共に、マリーゴールドの代表的な観賞用品種の一つです。

花名にフレンチとついてもメキシコ産です。それは、フランスの王室で栽培され、パリから広まったことによります。

フレンチマリーゴールドの和名が一般的には本種の名で呼ばれ、アフリカンマリーゴールドはセンジュギク(千寿菊)と呼ばれます。

 

<マンジュギク(万寿菊) キク科コウオウソウ属(マンジュギク属)>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

「8月の花のアルバム ⑦」 30品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「8月の花のアルバム ⑧(最終回)」に続きます。

 

 


8月の花のアルバム ⑥

2023-09-25 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 8月の花のアルバム ⑤ 2023-09-23


今回も、先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

 

 

世界三大美女の楊貴妃が好んで食べたという果実。「1日3個の果実を食べれば歳をとっても老いが現れない」ということわざが残っていることからも、健康と美容に有効であることがうかがえます。

和名は夏に入って芽が出ることに由来します。果実は甘みが強いのでジャムやお菓子、果実酒の材料にも利用されます。また生薬としても用いられます。

本種は、平安時代の薬物書『本草和名』に薬として用いられていたとの記述が残されています。

<ナツメ(棗) クロウメモドキ科ナツメ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

南極大陸を作る片麻岩という石で、石英、長石、雲母などの鉱物からできています。

表面の複雑なくぼみは、硬いザクロ石の砂を含んだブリザードによって、少しづつ削られてできました。

<南極大陸の石 産地:南極大陸昭和基地 時代:先カンブリア時代(約10億年前)>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

アメリカ、オセアニア、アフリカの原産地では毎年が咲きますが、冬の寒さには弱いので日本では春まき一年草として扱われています。葉タバコの原料として知られるタバコも本種の一種です。

初夏から秋にかけて2~5cm程度の星型の花を咲かせ、葉は大きく草丈は20cm~1mほどです。本種は約50~70種が存在しますが、観賞用としてはハナタバコが人気です。

<ニコチアナ(花煙草) ナス科タバコ属(ニコチアナ属)>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

ボルネオなど赤道近くの東南アジアを中心として、ニューカレドニア、北オーストラリア、マダガスカルなどに分布するつる性の食虫植物です。

葉っぱの真ん中を縦に走る脈(中肋)が長く伸び、その先端がつぼのようにふくらんで捕虫袋になります。そこに落ちた虫は消化されて栄養になります。

<ネペンテス(靫葛:ウツボカズラ) ウツボカズラ科ウツボカズラ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

中国原産での落葉性のつる性木本。平安時代には日本に渡来していたと考えられます。古くから観賞用に植えられており、庭園、公園などに庭木として利用されています。

夏から秋にかけ橙色あるいは赤色の大きな美しい花をつけ、気根を出して樹木や壁などの他物に付着してつるを伸ばします。

近似種に北アメリカ原産種がありますが、本種に比べ、花は4㎝程度と小ぶりで、花数が多いのが特徴です。

<ノウゼンカズラ(凌霄花) ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 


シコンノボタンの園芸品種で、葉が細身で小さく、花も少し小さくなります。シコンノボタンよりも若干遅く開花し始めます。

地中海ブルーの美しい花を咲かせます。花が咲く時期が8~10月と長く、花がたくさん咲きます。花弁の元が白く、雄しべも白いので涼しげな印象です。

<ノボタンコートダジュール(野牡丹) ノボタン科ノボタン属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

南アメリカに分布するクマツヅラ科クマツヅラ属の多年草です。分布域はブラジル中部~アルゼンチン北部にかけてあり、草原や森林、荒れ地や畑など、日当たりの良い場所に自生しています。

日本には明治時代に導入され、逸出したものが野生化して道ばたに生えていたりします。本種も和名の宿根バーベナで流通することもありますが、大半は学名の本種の名前で流通しています。

<バーベナ・リギダ(宿根バーベナ) クマツヅラ科クマツヅラ属(バーベナ属)>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

 

東南アジア原産のマメ科落葉樹。オリヒメソウという流通名があるが、草本ではなく木本植物です。葉は厚みのある卵形で、先端部分が浅く切れ込みます。

花は枝先の葉腋に短い黄色の花を付けます。上弁の喉部にはチョコレート色の斑点が入ります。早朝に咲き、昼ごろにはしおれる一日花です。

<バウヒニア・トメントサ(黄花木椀樹) マメ科バウヒニア属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

メキシコからペルー原産のキツネノマゴ科の低木です。茎の先に花穂をつけ、苞の間から出る白色の花は目立たず短命ですが、美しい黄色の苞は長期間残ります。

本種は熱帯アメリカに6種が分布します。その中で最も栽培されているのはペルー原産のパキスタキス・ルテアで、主に鉢花として利用されます。

<パキスタキス(鬱金珊瑚) キツネノマゴ科ベニサンゴバナ属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

 

南ヨーロッパから中国北部原産。「スモークツリー」、「カスミノキ」、「ケムリノキ」など多くの名をもつ植物で、名前の由来になっているのは大型の花序です。

名前の由来は、仏具の払子の先についている”白熊”(ヤクの尾の毛)のことをハグマと呼ぶことからきています。

雄木と雌木がある雌雄異株の植物ですが、この大型の花序をつけるのは雌木だけです。

<ハグマノキ(白熊の木) ウルシ科ハグマノキ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

熱帯アジア原産の植物で、春にタネをまくと晩秋には枯れてしまう一年草です。ケイトウが花を観賞するのに対して、葉を観賞するケイトウという意味で、この名前があります。

日本には中国経由で古い時代に入ってきました。枕草子に「かまつか」の名前で出てくる植物は、本種の古名とされています。

最初は緑色の葉を出しますが、夏頃に茎の頂点から黄色と赤に色づいた葉を出します。秋の低温で、葉色はさらに深く・鮮やかになり見頃を迎えます。

<ハゲイトウ(葉鶏頭) ヒユ科ヒユ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

中国南部の暖帯~亜熱帯を原産とするバショウ科の多年草。バナナの仲間としては最も耐寒性があり、南国風の葉を観賞する観葉植物として古くから庭園や寺院を中心に植栽されてきました。

まるで木のように見える本種ですが、じつは木ではなく草です。草丈は3メートルから5メートルほどになります。花や果実はバナナとよく似ています。実は味もまずいため食用には不適です。

有名な俳人である松尾芭蕉は、門徒から寄贈された本種の株が立派に育ち、自身の庵の名物になっていたことにちなんで芭蕉と名乗りました。

<バショウ(芭蕉) バショウ科バショウ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

マダガスカル島が原産で、トウダイグサ科に分類される多肉植物です。長さ2cmほどの鋭く太いトゲが生えた茎を伸ばし、背丈は20〜100cmほどに生長します。

本種は種類が多く、よく見かけるものは「スプレンデンス」と呼ばれる品種です。赤、ピンク、白、黄、緑などカラーバリエーションが豊富です。また斑入り品種や大型の品種もあります。

<ハナキリン(花麒麟) トウダイグサ科ユーフォルビア属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

インド、インドシナ半島が原産の半耐寒性の球根植物です。日本には江戸時代に渡来し芳香を愛でられてきたようです。

葉は互生、長楕円形で8月~10月、茎の頂きに15cm程の花穂に7~8cmの芳香のある純白の花をつけます。

ジンジャーリリー又はホワイトジンジャーとも呼ばれます。ジンジャーというと生姜と間違えられるのですが、生姜とは別種です。

<ハナシュクシャ(花縮紗) ショウガ科シュクシャ属>
つくば実験植物園

 

 

 


野草のアザミの海浜性品種です。海岸の砂地などに自生するキク科の多年草で、夏から冬にかけて、紅紫色の可愛い花を咲かせます。

葉はぽってりと厚く、光沢があるのが特徴で、葉の縁は鋭いトゲで覆われています。根は牛蒡状で食用にすることから、別名でハマゴボウ(浜牛蒡)とも呼ばれます。

<ハマアザミ(浜薊) キク科アザミ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 


日本国内にしか生息していない日本固有種です。関東地方の以西〜四国・九州に分布しており、日当たりの良い海岸斜面や草地、岩場などに自生しています。

分岐する花茎の先に数個ずつ花を付けます。花はオレンジ色や赤色をした6弁花で、花弁は細長く外側に反り返っています。

中央から伸びる雄しべも特徴的ですが、長さは花びらに満たないです。また、花は早朝に咲いて夕方にしぼむ1日花でもあります。

<ハマカンゾウ(浜萱草) ユリ科ワスレグサ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

東アジアの温帯~冷帯にかけて分布するバラ科・バラ属に分類される落葉性の低木です。日本では北海道から東日本など日本海側の海岸の砂地に多く自生しています。

背丈は1~1.5mほどに生長し、太い枝にはたくさんの細かいトゲが生えています。5月~8月頃になると、野生のバラの仲間では最大級の直径6~10cmほどにもなる花を咲かせます。

<ハマナス(浜茄子) バラ科バラ属>
8/24 柏の葉公園

 

 



インド北東部やブータン等原産で、タコノキ科フルカツス属の熱帯性常緑低木です。樹木の頂上で二股に分枝します。雌雄異株です。

雄花は穂状で金黄色の花を咲かせます。雌花はパイナップルのような花序で、花後にパイナップル状の集合果が成ります。

<パンダナス・フルカツス タコノキ科フルカツス属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

スイレン科スイレン属に属する多年生の水草の1種です。水底に根を張った地下茎から長い葉柄を伸ばし、水面に円形の葉を浮かべます 。

花期は6月から9月、長い花柄の先についた1個の花が水面上で咲きます。花の大きさは直径3~7cm 、萼片が4枚、多数の白い花弁と黄色い雄しべがらせん状についています。 

<ヒツジグサ(未草) スイレン科スイレン属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

日本の紀伊半島以西に分布するキンバイザサの仲間でメキシコ原産。草丈は線形で表面には光沢があります。葉には白色の軟細毛が密生します。

6~9月頃、10~15cm程度の花茎を立ち上げ、先端に花被辺6個で、径2cm程度の黄色い花をつけます。

<ヒポクシス・デクンベンス キンバイザサ科コキンバイザサ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

熱帯アジアまたはアフリカを原産とするウリ科の一年生草本。くびれのある独特な果実を携帯用容器として用いるため、紀元前から中国などで栽培され、日本にも紀元前に伝わったとされます。

昔は果実をくり貫いて柄杓を作ることもあり「瓢(ひさご)」と呼ばれていましたが、色々な容器に使われるうち、語尾に竹製の容器を表す「箪(たん)」が結び付いて「瓢箪」と呼ばれるようになったようです。

<ヒョウタン(瓢箪) ウリ科ユウガオ属> 4/5 つくば実験植物園
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

アジサイ科アジサイ属の植物で、原産地は日本と中国です。国内では北海道から九州にまで自生しています。同じアジサイ属のノリウツギを、園芸用に改良して誕生した品種です。

暑さに強く、7~10月に花を咲かせます。一般的なアジサイの開花時期が5~7月なので、夏に花を楽しめる庭木としても人気です。

山などに自生しているノリウツギは花房が小さく、素朴な雰囲気です。一方本種は花が密集したボリュームのある花房を付けるため、存在感があり華やかな印象を与えます。

<ピラミッドアジサイ アジサイ科アジサイ属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

 

北アメリカ原産のマツヨイグサの仲間です。いつの間にか増えるほど丈夫な花で、駐車場の脇のような荒れた場所でも育ちます。野生化して空き地などに咲いている姿もよく見かけます。

ほかの「つきみそう」とは異なり、昼間に咲いて2~3日はしぼみません。花期は春から夏いっぱい。花は白色ですが、やがて淡いピンク色に変化します。

<ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草) アカバナ科マツヨイグサ属>
8/5 近隣の路傍

 

 


ポットマムと呼ばれる鉢植えの菊が改良された、オランダ生まれの品種です。海外で作り出されたことから、スプレーマムと合わせて「洋菊(西洋菊)」とも呼ばれます。

「ピンポン玉」のように丸く咲くマム(菊)という意味から名付けられました。マムとは、菊の学名である「Chrysanthemum」を短く「mum」と呼ぶことからきています。


<ピンポンマム(ピンポン菊) キク科キク属(クリサンセマム属)>
8/24 柏の葉公園

 

 


 東南アジアを中心とした熱帯・亜熱帯地域におよそ50種が分布するランの仲間です。日本ではコチョウランの名前でやや高級な鉢花として知られています。

「幸福が飛んで来る」という縁起のよい花言葉から、引っ越しや開業祝いのプレゼントによく利用されるので、洋ランの中では最もポピュラーな胡蝶蘭です。

和名は漢字で胡蝶蘭の字を当て、花姿を蝶に例えたものです。

<ファレノプシス(胡蝶蘭) ラン科コチョウラン属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

 

インドや東南アジアの熱帯地域原産のクワ科フィカス属の常緑高木です。幼木は枝が垂れ下がって、見た目が優しい感じがすることから観葉植物として人気があります。

葉は小さく、葉身は長さ10cmになる卵状楕円形をしており、緑色の皮質で光沢がある斑入りの栽培品種です。

<フイリベンジャミン(斑入りベンジャミン) クワ科フィクス属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 


南米原産のオシロイバナ科の低木、あるいはツル性植物で同属は18種の原種が知られています。丈夫で長期間開花することから、熱帯各地で親しまれているつる性の熱帯花木です。

花びらのように見えるのは苞(ほう)で葉が変化したものです。一重咲きの場合、3枚の苞が一組になっており、1枚の苞に花は一つで苞中央部の脈上に長さ1~2cm程度の細長い筒状の萼があります。

<ブーゲンビリア(筏葛) オシロイバナ科ブーゲンビリア属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

アメリカ原産の園芸品種でキク科キク属の多年草。スプーン状の舌状花が風車のように見えることから和名がつきました。

茎頂の頭状花序に「花びらに見える筒状で先がスプーン状の舌状花と黄色いドーム状の筒状花(小花の集合)」、筒状花一つ一つに雄しべと柱頭が2列の雌しべがあるスプレーマムの園芸品種になります。

<フウシャギク(風車菊) キク科キク属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 


全世界の熱帯・亜熱帯が原産。花を観賞するためよりむしろ、風船状の果実を見て楽しむために栽培されます。

名前の通り、風船のように膨らんだグリーンの実が可愛らしいつる植物です。寒さに弱いので日本では一年草として扱われていますが、熱帯では多年草です。若い枝を食用にする国や地域もあります。

<フウセンカズラ(風船葛) ムクロジ科フウセンカズラ属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

「8月の花のアルバム ⑥」 30品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「8月の花のアルバム ⑦」に続きます。


8月の花のアルバム ⑤

2023-09-23 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 8月の花のアルバム ④ 2023-09-21


今回も、先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

原産地は南ヨーロッパから中央アジア。ハーブとして用いられるほか、見た目が似ていることからコショウの代わりとしても使用されていました。

花が少なくなる7月から、さわやかなスミレ色の花を咲かせます。生育旺盛で育てやすい落葉低木ですが、あまり栽培されていません。

和名は、この葉が、チョウセンニンジンに似ることに由来します。

<セイヨウニンジンボク(西洋人参木) シソ科ハマゴウ属>
8/3 あけぼの山農業公園

ヨーロッパ原産で、ハーブではコモンヤロウと呼ばれ、花壇や切り花として栽培されたり薬用としても植えられてもいます。別名をヤロウ、アキレアとも呼ばれます。

花期は6月~9月頃、白から淡いピンク色の小さな花を散房花序につけます。近年、赤色や黄色で花色の多様な品種があり、切り花やドライフラワーに利用されています。

葉の形が和名の由来で、近縁のノコギリソウ(A. alpina L.) とは葉の形状が異なります。

<セイヨウノコギリソウ(西洋鋸草) キク科ノコギリソウ属>
8/29 つくば実験植物園

ヨーロッパ、アジア、アフリカなど旧世界を中心に分布するキク科ヤグルマギク属の多年草です。

一年草タイプではヤグルマギクがよく知られていますが、本種の名前で流通しているのは多年草タイプの常緑種です。

<セントーレア キク科ヤグルマギク属(セントーレア属)>
8/3 あけぼの山農業公園

東アフリカのごく限られた地域におよそ24種が分布します。日本に入ってきたのは明治の終わり頃で、昭和27年頃に栽培が始まり、昭和40年頃から大量に生産され、広く普及するようになりました。

花びらは5枚で中心に鮮やかな黄色い葯が2コつきます。花色は淡青紫~濃青紫です。アフリカスミレの和名もありますが、園芸ではあまり聞きません。

<セントポーリア イワタバコ科アフリカスミレ属(セントポーリア属)>
8/24 柏の葉公園


熱帯アメリカ原産で、花後に枯れる一年草です。日本には江戸時代前期に渡来したとされます。

主な開花期は夏から秋で、花色は紫紅、白、ピンク、オレンジなどがあります。炎天下でもめげずに茎がよく枝分かれして茂り、球状の花を咲かせます。

花びらはもたず、色づいているのは苞葉(ほうよう)と呼ばれる花の付け根に付く葉っぱです。夏から秋まで長い間、紅色が色あせないことからこの名前になったそうです。

<センニチコウ(千日紅) ヒユ科センニチコウ属(ゴンフレナ属)>
8/24 柏の葉公園

本種は、ロウバイの変種です。ロウバイは内側の花被片が濃い紫色になりますが、本種は花被片全体が黄色くなります。

基本種のロウバイよりは花期が早く、園芸種だけに形も大きくて美しいと言えます。茎にはスポンジ状の白い芯があり、これが「素心」の名前の由来です。

果実(偽果)は長さ3~5センチの不均整な楕円形で、先端に萎れた雄しべが残り、遠目からはミノムシが枝先にぶら下がっているように見えます。


<ソシンロウバイ(素心蝋梅)ロウバイ科ロウバイ属>
8/29 つくば実験植物園

三重県津市の赤塚植物園作出のアメリカフヨウとモミジアオイの交配選抜種の宿根性のハイビスカスです。

草丈が約2mに成長し、ひとつひとつの花は一日花ですが、真夏も休むことなく7月~9月に大輪の華やかな花が次から次へと開花します。

圧倒的な存在感と驚異的な強さ、ハイビスカスのような花姿から『巨神タイタン』にちなんで、花名が名づけられました。

<タイタンビカス アオイ科フヨウ属>
8/24 柏の葉公園

台湾と日本の南西諸島に分布する絶滅危惧種です。園芸種のハナツクバネウツギはツクバネウツギと本種の雑種です。

8月~9月頃、枝先に白い漏斗形の花を密生させます。花冠の先は5つに裂け、萼片は5枚です。近縁種のツクバネウツギの場合は、花冠の内側に橙色の網目が入りますが本種にはありません。

<タイワンツクバネウツギ(台湾衝羽根空木) スイカズラ科ツクバネウツギ属>
8/24 柏の葉公園

ユリ科ユリ属台湾原産の外来植物です。7月から9月頃になると、テッポウユリに似た白い花を咲かせます。

本種の花の大きさは15cmから20cmほどで、テッポウユリは10cmから15cmほどです。小さいほうがテッポウユリと覚えます。

また、本種にはピンクの筋が入りますが、テッポウユリには筋がありません。筋の有無でも判断できます。本種の葉は細長くて松の葉に似ていますが、テッポウユリは笹の葉のようにややふくらみがあります。

<タカサゴユリ(高砂百合) ユリ科テッポウユリ亜属>
8/19 自宅


色鮮やかな葉が重なってロゼットを形成する、春秋生育型の多肉植物です。メキシコを中心に中南米に約180の原種が知られ、数多くの園芸交配種が存在します。

多肉植物のなかでも1年を通じていろいろな魅力が楽しめる人気の高い属です。大きさもさまざまで、葉の色も緑や赤、黒、白、青色など変異に富んでいます。

属名は18世紀にメキシコで活躍し、メキシコ植物誌の挿絵を描いた植物画家アタナシオ・エチェベリアにちなみます

<タニクショクブツ・エケベリア ベンケイソウ科エケベリア属>
8/24 柏の葉公園


夏に白い小花を咲かせ、花後に成る小さな赤い球形の果実がホオズキまたはミニトマトに似た果実を鑑賞するナス科ナス属の非耐寒性常緑低木です。

主に寒くなると色づきが良くなることや、冬でも成ることからフユサンゴ(冬珊瑚)とも呼ばれます。

<タマサンゴ(玉珊瑚) ナス科ナス属>
8/24 柏の葉公園

初夏から秋にかけて白い花を咲かせる南米原産の球根植物です。 日本への渡来は古くて明治時代初期にしたので日本でも馴染みのある植物です。

「ゼフィランサス」や「レインリリー」と呼ばれることもありますが。これらはゼフィランサス属やハブランサス属の総称でもあり、本種だけを差して呼ぶものではありません。


和名の由来は、純白の花を「玉」(真珠などの丸い白い宝石)に、棒状の葉が集まっている様子を「簾」(すだれ)に見立てて名付けられたと言われてます。

<タマスダレ(玉簾) ヒガンバナ科ゼフィランサス属(タマスダレ属)>
8/3 あけぼの山農業公園

メキシコ原産のキク科の多年草で、根は球根になっています。日本には江戸時代1842年(天保13年)にオランダから長崎に持ち込まれました。

大輪種から、中輪種や小輪種、一重咲きや変化咲きなど品種が非常に多く、古くから親しまれてきた春植え球根です。

そのほか、葉色の濃い銅葉系の品種や、木のように大きく育つ品種や、チョコレートの香りのする品種など、ユニークなものもあります。

花形のタイプによって、代表的なデコラティブ咲き、弁先が細長くなるカクタス咲きなど、10数種に分類されます。

花名は名前はスウェーデン植物学者ダール氏の名前にちなんで付けられたものです。また、花姿がボタンに似ており、和名は天竺牡丹と名づけられています。

<ダリア(天竺牡丹) キク科テンジクボタン属(ダリア属)>
8/3 あけぼの山農業公園


日本には自生しない植物ですが、中国では薬用として古くから利用されています。数ある薬草の中でも、最も優れた血液サラサラ効果を持つと言われています。

春先に咲かせる花の形は唇のような形をしています。これはシソ科に特徴的な花の形で「唇形花」と呼ばれます。

<タンジン(丹参) シソ科アキギリ属>
8/29 つくば実験植物園

ヨーロッパの北部が原産です。石灰岩質の草地や耕作地に生え、高さは50~150センチほどになります。

古くから野菜として栽培され、若い葉はサラダ、花はサラダや砂糖漬け、つぼみはピクルスそして根は焙煎してコーヒーに利用されます。

7月から10月ごろ、淡いブルーの花を咲かせます。半日花です。和名では「キクニガナ」と呼ばれます。

<チコリー(菊苦菜) キク科キクニガナ属>
8/29 つくば実験植物園

大きく分けて中国の四川~雲南地方原産の中国型とインドのアッサム原産のアッサム型があり、ツバキやサザンカに近い樹木です。

葉は先のとがっただ円形で光沢のある濃緑色でフチに細かめのギザギザがあります。晩秋から冬の初めにかけてツバキのような白い花を咲かせ実を付けて、翌年の秋に熟してタネができます。

葉を加工したものが緑茶やウーロン茶、紅茶になる製茶用の作物として有名ですが、大気汚染にも比較的強く庭木や生垣などにも利用され鉢植えで育てることもできます。

<チャノキ(茶の木) ツバキ科ツバキ属>
8/29 つくば実験植物園

万葉集にも記述があり、古い時代より日本人から親しまれている日本が誇る花木のひとつです。花の少ない冬に美しい花を咲かせることから茶花としても重宝され、盛んに園芸品種の作出が行われてきました。

夏、翠色の艶やかな実を結びます。この球状の実はやがて紅を帯び、秋には褐色となり成熟を迎えます。熟すと背が三つに割れて硬い暗褐色の種が2~4個飛び出ます。

種子から採集される椿油は、化粧品や食用のほか、医療用や機械油としても利用されています。

<ツバキ(椿) ツバキ科ツバキ属>
8/29 つくば実験植物園


日本を含む東アジア原産で、畑の隅や道端で見かけることの多い、鮮やかな青い花が咲く夏の植物です。

日本でも古来から自生しています。朝咲いて昼には萎む儚い様子から、万葉集の和歌でも恋の歌で登場する植物です。

<ツユクサ(露草) ツユクサ科ツユクサ属>
8/26 近所の路傍

約24種類が南アフリカに分布する球根性植物で、日本では花に甘い芳香があるフラグランスと比較的開花期間の長いビオラケアの2種が普及しています。

初夏~夏に花茎の頂点に星形の花を放射状に十数輪付けます。花色は淡いすみれ色、白などがあります。

性質は丈夫で花付きも非常によく、荒れ地でも生長し花を咲かせます。葉は細長くニラのような姿です。

<ツルバキア ユリ科ツルバギア属>
8/29 つくば実験植物園

熱帯アメリカ原産のサトイモ科の植物で、約30種あると言われており、葉の模様が美しく耐陰性があるため室内に置く観葉植物の定番となっています。

サトイモ科に分類されているため樹液にシュウ酸カルシウムを多く含んでいます。そのため、体質にもよりますが皮膚などに付くと炎症をするおそれがあります。

<ディフェンバキア サトイモ科シロカスリソウ属>
8/24 柏の葉公園

濃い青紫色に白いフチが入った鮮やかな花が、垂れ下がるように咲く美しい植物です。原産地は主に北米南部やブラジルです。

「タカラヅカ」の名前は、キリリとした美しい花姿が、タカラジェンヌが正装した袴姿を思わせることから名付けられました。

<デュランタ・タカラヅカ(台湾連翹) クマツヅラ科デュランタ属(ハリマツリ属)>
8/24 柏の葉公園

アジアを中心に、世界中に広がっているラン科の植物で、国内にも「セッコク」と「キバナセッコクが自生します。

<ビギバム>

日本では、自生していたセッコクを江戸時代の半ばに「長生蘭(ちょうせいらん)」と名づけ、薬用や観賞用として栽培しました。

<メリーファンタジー>

「カトレア」「シンビジウム」「パフィオペディルム」と並んで「世界四大洋蘭」と称されています。花は筒形で先端が5つに裂けて開いたラッパ状です。葉が美しいので観葉植物として人気が高いです。

<デンドロビウム(長生蘭) ラン科デンドロビウム属>
8/24 柏の葉公園

メキシコの乾燥地原産で、乾燥と寒さに強く、耐陰性もあるため観葉植物として世界各地で利用され、ポニーテールの名でも親しまれています。

名前の通り「徳利(トックリ)」のように株元の幹が膨らむユニークな植物です。膨らんだ幹に水分を溜め込む性質があるので、乾燥に強い植物です。

<トックリラン(徳利蘭) リュウゼツラン科トックリラン属>
8/29 つくば実験植物園

メキシコ北部原産でのツユクサ科ムラサキツユクサ属の這性半耐寒性多肉質の多年草です。

葉は卵形で2枚が重なります。花は紫紅色で、朝方に開花し、昼近くに花弁が閉じます。“白雪姫”や“ホワイトベルベット”などの園芸名で売られています。

直射日光や蒸発から植物を保護するため植物体全体が白毛で覆われています。

<トラデスカンティア・シラモンタナ ツユクサ科ムラサキツユクサ属>
8/24 柏の葉公園

北アメリカ南西部から南部、メキシコ、南アメリカ北部の平原や河口に、2~3種が広く分布しているリンドウ科の植物です。

日本に昭和10年代に導入されてから著しく品種改良が進みました。八重咲き、大輪、小輪、クリーム色、そして緑や茶色、複色と、非常にバリエーション豊かな品種がつくり出されました。

<トルコキキョウ(ユーストマ) リンドウ科トルコキキョウ属(ユーストマ属)>
8/24 柏の葉公園


原産地のインドシナ半島やアフリカで約40種が知られています。

可愛い子つばめが口を開けたような、スミレにも似た小花が春から晩秋まで次々と咲くことで人気があります。

花形は唇形で花色が野生のスミレに似ていることから別名にナツスミレ(夏菫)やハナウリクサ(花瓜草)といわれています。

<トレニア(夏菫) アゼトウガラシ科ツルウリクサ属(トレニア属)>
8/3 あけぼの山農業公園

中国原産のアオイ科の春播き一年草です。7~9月頃に黄色の大きな花が咲きます。同属のオクラに似た花が咲くことからハナオクラという別名があります。

一日花ですが、花の少なくなる時期に次々とよく咲いてくれます。別名をオウショッキ(黄蜀葵)と言いますが、蜀葵というのはタチアオイの古い呼び名です。

名前の由来は、根にトロロのような粘液があるところからで、根をすりつぶした粘液が和紙づくりに使われます。

<トロロアオイ(黄蜀葵) アオイ科トロロアオイ属>
8/29 つくば実験植物園

インド原産の野菜。日本には奈良時代に中国から伝わり、古くから日本人に親しまれた野菜のひとつです。春から夏に育てる野菜として人気があります。

花は状態が良い時は、花色がきれいな濃い紫色で、花の中心にある雌しべが雄しべより長くなります。


実の形や大きさは様々で、丸や卵、中長、長形など種類が豊富にあります。

栄養面で特記すべきものはありませんが、食物繊維は多く含まれています。果皮の紫色は「ナスニン」と呼ばれる色素で、ポリフェノール類に属します。

<ナス(茄子) ナス科ナス属>
8/29 つくば実験植物園

マメ科の植物になる実で、熱帯アジアまたは熱帯アフリカが原産とされ、それらの地域では古くから食用や薬用として栽培されていいます。

若い莢(さや)が食用になり、じつは福神漬けの具として誰しもが一度は目にしているはずです。

大きく見栄えのする、蝶形花(ちょうけいか)と呼ばれるマメ科らしい形状の花が咲きます。

成長が非常に早く、蔓は高さが6メートルにもなり、そして豆のさやは50cmほどにもなります。その様子があの童話「ジャックと豆の木」のモデルになったと言われています。

<ナタマメ(鉈豆) マメ科ナタマメ属>
8/29 つくば実験植物園


「8月の花のアルバム ⑤」 30品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「8月の花のアルバム ⑥」に続きます。


8月の花のアルバム ④

2023-09-20 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 8月の花のアルバム ③ 2023-09-17

 


今回も、先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

 


マレー半島~太平洋諸島が原産の常緑低木で、葉の模様に富んでいます。現在観葉植物として流通している本種は園芸品種がほとんどです。

独特の葉が主役の観葉植物です。鮮やかなグリーン色をした葉に、ライトグリーンや赤色の模様が映える、コントラストが美しい植物です。

<クロトン(クロトンノキ) トウダイグサ科クロトンノキ属(コディアエウム属)>
8/24 柏の葉公園

 

 


日本には野生種は存在せず、インドなどの熱帯アジア原産の植物です。平安時代以前に大陸から渡ったとされ、万葉集に「韓藍(カラアイ)」の名称で登場しています。

日本原産ではない植物ですが、日本の気候が生育に適するため、日本での品種改良が盛んで、世界で園芸品種や切り花品種として流通している本種はほぼすべて日本で育種されたもののようです。

<ケイトウ(鶏頭) ヒユ科ケイトウ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

北海道から九州,奄美大島,および台湾,朝鮮,中国中部,ロシア極東に分布し,山野の草地に生えます。ドクダミ,センブリとともに日本の三大民間薬の一つです。

夏に白色、淡紅色、紅紫色の花を付けます。名前の由来は、すぐに薬効が現れるという意味で「現の証拠」と付けられたといわれ、昔から民間薬として用いられました。 

<ゲンノショウコ(現証拠) フウロソウ科フウロソウ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

南アジア、熱帯アジア原産で、沖縄の健康野菜として有名ですが、ガーデニングでは実の収穫よりも「緑のカーテン」としてよく植えられるようになりました。

実際、品種を選べば大きな葉と旺盛な生育によって、他の緑陰植物に比べて優れた緑のカーテンになります。また、とても丈夫な植物で初めての野菜栽培にも向いています。

花は黄色できゅうりに似ています。実には特徴的なイボイボがあります。実は緑のうちに収穫しますが、熟すと黄色になり割れてタネが見えてきます。

<ゴーヤ(苦瓜) ウリ科ツルレイシ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

中国北部からシベリア、朝鮮半島に自生するシソ科の植物。日本では薬草や観賞用として栽培されています。

享保11年(1726)に朝鮮半島より種子を取り寄せたとの記録が残されていますが,これは八代将軍の徳川吉宗(1684―1751)が実施した生薬の国産化の一環によるものです。

植物名は花の色ではなく,根の内部の色が淡黄色であるところから名づけられました。

<コガネバナ(黄金花) シソ科タツナミソウ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 


南アフリカを中心に5種程度が分布します。一般にストレリチアと呼ぶ植物は本種を指し、観葉植物として楽しまれています。

花は鳥の頭のような形をしているものがあります。花は鮮やかなオレンジ色の萼と青色の花弁からなり、温度を保てば周年開花し、切り花としても人気があります。

<ゴクラクチョウカ(極楽鳥花) ゴクラクチョウカ科ゴクラクチョウカ属(ストレチア属)>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

自生地では、樹高10~30mほどまで電信柱のような太い幹をまっすぐ上に伸ばし、その先に羽のような葉っぱを放射状に付けます。大きくなると、葉っぱだけで5mほどの長さがあります。

黄色い花を咲かせた後、「ココナッツミルク」の原料となるココナッツを果実として実らせます。皮が分厚く、重さも4kgほどと重いことが特徴です。

<ココヤシ(古々椰子) ヤシ科ココヤシ属>
8/28 つくば実験植物園

 

 

 

南アフリカ原産の匍匐性低木です。ネーミング通り、ランタナを小ぶりにしたような花が地面一面に開花します。

繁殖力が旺盛で、放任でも広がってたくさんの花が開花します。色はピンクや白、クリーム色、黄色などの単色をはじめ、最近は複色のものもあります。

<コバノランタナ クマツヅラ科シチヘンゲ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

ハルシャギクやキンケイギクの仲間で、北アメリカを中心に80~100種が分布します。明るい花色の陽気な感じのする花を多数咲かせます。

美しい花を咲かせる幾つかの種があり、帰化植物として各地で野生化している一年草のハルシャギク、キンケイギクがあります。

その他、多年草タイプのイトバハルシャギク、コレオプシス・グランディフロラ、コレオプシス・ロゼアなどが、観賞用として広く栽培されています。

<コレオプシス キク科ハルシャギク属(コレオプシス属)>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

熱帯アフリカ、アジア、太平洋諸島原産で、白い花のような苞に黄色の星型の花が美しい涼し気な熱帯植物です。

白やピンク、赤などの鮮やかな花弁のように見えるのは萼片で、花は小さく目立ちません。

白い苞の草姿から「ハンカチの花」とも呼ばれることもありますが、「ハンカチの木」という名の花木がありますが、まったく別の植物です。

<コンロンカ(崑崙花) アカネ科コンロンカ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 


ツバキに夏ツバキがあるように、フジにも夏藤というべきものがあります。それがこの本種で、マメ科ナツフジ属のつる性低木で、冬には葉を落とします。

原産地が台湾~中国南部で、園芸店やホームセンターなどでは台湾サッコウフジという名前で出ていましたが、サツマサッコウフジとも呼ばれます。特に、紫の花が咲く品種はムラサキナツフジとも呼ばれます。

<サッコウフジ(錯甲藤) マメ科ナツフジ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 


ジャマイカ、グアテマラ、キューバ、メキシコ原産の多年生球根植物です。ゼフィランサスとしても流通しています。

花は6月〜9月頃に開花します。ピンク色になり、径6cm〜8cm程で上向きに咲き、花被は6裂し、花被片の基部は淡い緑色を帯びます。

和名は薬用植物として知られる「サフラン」に似ていたことにちなみます。

サフランモドキ(サフラン擬き) ヒガンバナ科タマスダレ属
8/18 自宅

 

 

 

南アフリカ東ケープル州周辺が自生地です。珪岩が多く露出した岩山の斜面や、川の峡谷の斜面などに自生しています。

地面から細い幹を立ち上げ、そこから横に広がるように地面と水平に枝を伸ばして成長します。

成長期がピークに差し掛かると、直径3㎝ほどの白い花を次々と開花させます。

<サルコカウロン・バンデリエティエ フウロソウ科サルコカウロン属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

中国南部原産のミソハギ科の落葉中高木。漢字での名称「百日紅」の名のとおり、初夏から秋までの長い間鮮やかな紅色やピンク、白などの花を咲かせる花木です。

樹皮が白くなめらかな手触りをしていることが特徴です。猿も滑って落ちてしまうほどツルツルという様子から名付けられました。

花の後にできる果実は直径7ミリほどの球形です。秋(11月頃)に熟すと6つに裂け、長さ4ミリほどの種子が現れます。

<サルスベリ(百日紅) ミソハギ科・サルスベリ属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

 

ブラジル南東部原産のシソ科アキギリ属の多年草です。美しい花を咲かせることから観賞用として導入され、世界中の熱帯から温帯地域で栽培されています。日本には明治時代に渡来しています。

別名では「ヒゴロモソウ」や「スカーレットセージ」等とも呼ばれています。ヒゴロモソウ(緋衣草)の由来は花が緋色の衣を纏ってるかのように見える所からきています。

アキギリ属(サルビア属)には約900種の植物が分類されていますが、単に「サルビア」というと、本種を指すのが一般的です。

<サルビア・スプレンデンス(緋衣草) シソ科サルビア属>
8/5 あけぼの山農業公園

 

 

 

本種の最大の特徴は非常に濃い花色と、大きく口を開いた様な個性的な花の形(唇形)にあり個々の小花は長さが5cmと大きい所も魅力です。

日本ではメドーセージという名前で流通していますが、本来はサルビア・プラテンシスの英名であり、名前が間違ったまま国内に出回ってしまい定着したものと思われます。

<サルビア・ガラニチカ(メドーセージ) シソ科アキギリ属
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

 

中国中南部の原産のバラ科の落葉低木。別名では、サモモとも呼ばれます。

日本には江戸時代に中国から薬用の樹木として小石川御薬園に持ち込まれて、その後は庭木や盆栽として栽培されています

高さ2mほどの低木で、春に小さな白い花を咲かせ、1cmくらいの丸い実を付け、秋に赤に色づきます。

<サンザシ(山査子) バラ科サンザシ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

北アメリカ大陸を原産とするキク科の多年草。夏になるとヒマワリに似た花を咲かせるが、ヒマワリと違って茎の断面が四角になるためこの名前で呼ばれます。

開花は6~8月。茎の頂部から伸びた花茎に、直径10センチ前後の花が咲きます。花は周辺部にある舌状花と、中心部にある筒状花が多数集まってできており、構成は多くのキク科の花と同じです。

背丈はヒマワリと同じように高いものの、花は小振りで種のできる部分も小さいのが特徴です。

<シカクヒマワリ(四角向日葵) キク科テトラゴノセカ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

ブラジル原産の常緑低木です。花は朝咲いて翌日には散る1日花で、鮮やかな紫色の花が次から次へと開花します。

まるでクモが歩いているように見える雄しべの形から「ブラジリアン・スパイダー・フラワー」の別名もあります。

和名の由来は「紫紺色の野牡丹」で、アジアを中心に分布する別属のノボタンより、花色が濃い紫色であることを意味します。

<シコンノボタン(紫紺野牡丹) ノボタン科シコンノボタン属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

 

メキシコを中心に南北アメリカに15種類が分布する植物です。

初夏~晩秋にかけての長い期間花を咲かせ続けるところから「百日草」とも呼ばれ、今では5月~11月と百日どころではない長期間咲く草花です。

草丈も高性種から矮性種まであり、花のサイズも超大輪、大輪、中輪、小輪と色々。咲き方もポンポン咲き、カクタス咲き、ダリア咲き等とても多様です。

日本には江戸時代末期に入ってきましたが。栽培や品種改良が盛んになったのは戦後になってからで、それまでは仏花として栽培される程度だったそうです。

学名Zinia(ジニア)はドイツの植物学者、ヨハン・ゴットフリート・ツィン(J. G. Zinn)の名前にちなみます。

<ジニア(百日草) キク科ヒャクニチソウ属(ジニア属)>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 


沖縄、中国、台湾に分布する落葉高木で、最大20メートルくらいになります。沖縄では「島百日紅」とも呼ばれます。

花は薄紫色から白色で、7~8月に当年枝の枝先に円錐形にかたまって多数付きます。花序の分枝は同属のサルスベリより多いです。

花の美しさはサルスベリには劣りますが、幹が直立して美しいです。幹肌は盛夏には白、冬には赤褐色となります。

<シマサルスベリ(島百日紅) ミソハギ科サルスベリ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

江戸時代に中国から渡来した帰化植物です。林床などの湿り気のある半日陰でよく繁茂します。耐寒性は強く、日本の戸外で楽々と冬越しできる数少ないベゴニアです。

秋になると葉腋にムカゴができ、あたりに自然に落下して繁殖します。バラ科の海棠(カイドウ)に似た花を秋に咲かせていることから、本種の名がつきました。

<シュウカイドウ(秋海棠)シュウカイドウ科シュウカイドウ属(ベゴニア属)>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

中国が原産となる帰化植物で野山に多く自生しています。秋に白やピンクの花が開花するキンポウゲ科の宿根草です。名前に菊とありますが、学名からもわかるように菊ではありません。


 
花弁に見える部分はがくが花弁化したもので実際には花弁はありません。華道の素材としてや秋の茶花としても親しまれ、切り花として流通しています。

濃いピンク色の花は別名で京都の貴船地方に多いことから「貴船菊(きぶねぎく)」とも呼ばれます。

<シュウメイギク(秋明菊) キンポウゲ科イチリンソウ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

インドネシア、スマトラ島の熱帯雨林に自生します。最短でも2年に一度2日間しか咲かない、世界最大の花として有名になりました。

種子をまいてから花が咲くまで14~16年ほどかかるといわれ、その間十数回にわたり破れ傘をひっくり返したような1枚の巨大な葉を広げ、地中のコンニャクイモに栄養を貯えます。そしてある時、イモから花芽が出芽し約1ヶ月後には開花します。

生息数が非常に少なく、絶滅の心配のある希少植物です。名前はろうそくを立てる燭台に由来します。

<ショクダイオオコンニャク(燭台大蒟蒻) サトイモ科コンニャク属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

南アメリカの草原・パンパスに分布し、高さ2~3mにもなる大型の常緑多年草。ススキに似た多年草で、約20種が知られています。英名からパンパスグラスとも呼ばれます。

日本では明治時代に渡来しました。日本では8月〜10月頃が開花期です。雌雄異株で、雌株の花穂には長い毛があり、観賞価値が高くなります。

葉は、長さ1m〜3m程、幅2cm〜3cm程の縁が鋭い線形で、密生して大株になります。また、葉の縁は鋭く、指を切ってしまうこともあるので、注意が必要です。

<シロガネヨシ(白銀葭) イネ科シロガネヨシ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

中国南部の雲南~ラオス、タイ、ビルマ周辺に広がる山岳地帯で生まれたとされています。日本へは縄文時代後期に朝鮮半島か中国の揚子江あたりから北九州に伝わりました。

弥生時代中期には、本州の一番北(今の青森県あたり)でも作られていたようです。北海道は一番遅く、明治時代になって、やっと作られるようになりました。

<スイトウ(稲) イネ科イネ属>
8/10 近所の田んぼ

 

 


オーストラリア原産で、日本で出始めた頃は花色が青いことから「ブルーファンフラワー」と呼ばれていました。

その後は白やピンク色、紫色の花色も開発されていきました。花は手を広げたような形の小さな花が沢山咲き、紫や白、桃色の花もあります。

花期がとても長く、5月から10月の間、長く花が咲き続けます。和名は末広草です。園芸品種ではサントリーが開発した「サンク・エール」がよく知られています。

<スカエボラ(末広草) クサトベラ科クサトベラ属(スカエボラ属)>
8/24 柏の葉公園

 

 

北アメリカが原産のオオバコ科の耐寒性多年草です。ケロネ・リオニーの園芸品種で、チェロネやリオン、ジャコウソウモドキと呼ばれることがあります。

花が咲く時期は7月~10月、花が少なくなる夏から咲き始めます。茎の先端に短い総状花序が伸びて、たくさんの花が咲き、長期間楽しめます。

<スピード・リオン ゴマノハグサ科ジャコウソウモドキ属(ケロネ属)>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

元々アメリカで1940年代に作られはじめ、その後ヨーロッパへ渡り、日本に導入されたのは1974年のことです。蕾を摘まずに枝状に数輪咲かせる洋菊ということで、一般的に菊ではなくマムと呼ばれています。

日本で最初に導入したのは愛知県豊川市です。その後全国に広がり、いまではフラワーアレンジ、家庭での観賞用、仏花など、色々な場面で使用されるようになっています。

<スプレーマム キク科キク属>
8/24 柏の葉公園

 

 

メキシコ及び中央アメリカ原産のヒルガオ科サツマイモ属の春播き一年草で、ソライロアサガオとも呼ばれます。

1つの花径に3~5花をつける西洋系のアサガオです。葉は丸く、さわやかな空色の花は短日開花性により暖かい地域で8月以降から霜のころまで咲き続けます。とても生育がよく「緑のカーテン」に適しています。

<セイヨウアサガオ(西洋朝顔) ヒルガオ科サツマイモ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

「8月の花のアルバム ④」 30品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「8月の花のアルバム ⑤」に続きます。


8月の花のアルバム ③

2023-09-17 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 8月の花のアルバム ② 2023-09-13


今回も、先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

 

 

カモの仲間は日本で30種を越えますが、ほとんどが「冬鳥」なので春夏にはいなくなります。春夏もいて普通に繁殖するのは本種だけです。

くちばしの先が黄色いのも特徴。ひなは「ピヨピヨ」と鳴くが、成鳥はアヒルに似たしわがれ声です。くちばし以外で本種を見分けるには、腰の部分に見える白い三日月模様がポイントです。

<カルガモ カモ目カモ科 全長約61cm>
8/29 つくば実験植物園

 

 


常緑性で木本性の蔓植物で、乾くと黒く変色します。花は円錐状集散花序を出し、花は白色、径2.5-3cmで上を向いて全開します。 センニンソウに似て小葉が厚手でその基部に関節があります。

明治の末の頃まではブドウ科のウドカズラと混同されていたものが、牧野富太郎が同定、命名したものです。当初これが和歌山県で発見され、その地域特産と考えられたため、本種の名前が付いたとのことです。

<キイセンニンソウ(紀伊仙人草) キンポウゲ科センニンソウ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 


日本全土、朝鮮半島、中国、東シベリアに広く分布する多年草です。日当たりのよい草原に見られますが、国内ではそのような場所が激減したため絶滅危惧種になっています。

古来より美しい花が人々に愛され、万葉集のなかで秋の七草と歌われている朝貌と表記されています。秋の七草の始まりは奈良時代、山上憶良が万葉集で詠んだ歌が由来とされます。

「秋の野に咲いている花を、指を折って数えてみれば、七種類の花がある」といった内容の和歌です。

<キキョウ(桔梗) キキョウ科キキョウ属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

 

北アメリカ原産の花で、明治時代中期に鑑賞用に導入された多年草ですが、栽培されていたものが野生化した植物です。

葉は少し光沢があり、対生し、葉身は5~15cmぐらいの大きさで、先が尖り、縁に鋸歯があります。キクイモに似てますが、茎塊が出来ないところから、本種の名前が付けられました。

<キクイモモドキ(菊芋擬き) キク科キクイモモドキ属>
8/5 近隣の路傍

 

 

 

揚子江以北の中国中部及び南部を原産とするノウゼンカズラ科の落葉樹。果実を薬用するため日本に渡来し、庭木として暖地に植栽されるほか、野生化したものが各地の川岸や林縁で見られます。

特徴は細くて長い豆果にあり、野菜として馴染みのササゲ(豆)のような実がなる木であるとして命名されました。別名はアズサ(梓)、ライデンボク(雷電木)など。

<キササゲ(木大角豆) ノウゼンカズラ科>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

キク科に属する一年草です。コスモスの仲間であること、花の色が黄色やオレンジしかなかったことから本種の名前で呼ばれるようになりました。

日本で育つ本種は草丈30~100cmほど。一般的なコスモスより背が低くて、深い切れ込みと幅のきいた葉っぱが特徴です。

もともと、黄色とオレンジ色の花しかなかった本種ですが、1966年以降品種改良によって赤色の品種も流通するようになりました。

<キバナコスモス(黄花コスモス) キク科コスモス属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

アジアの中でも特に日本に数多くの種類が自生しています。これらがヨーロッパに渡り、多くの改良品種が生まれました。

非常にたくさんの園芸品種があります。葉のサイズや色、斑入り、花色、花のサイズなどバリエーションが豊富でキリがありません。

名前の由来は、生長しかけの花茎の先端が、寺院や橋などの欄干の飾りに使われるタマネギのような形をした擬宝珠(ギボシ)に似ていたからだそうです。

<ギボウシ(擬宝珠) キジカクシ科ギボウシ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

インド、マレーシア原産。ピンとした雄しべが猫のヒゲに似ていることから、和名がネコノヒゲです。白花が主流ですが、稀に淡い紫、淡いピンク花も出回る事があります。

沖縄などでは薬草として知られており、利尿、血圧低下、むくみ、関節炎やリウマチ、腎臓炎などに効果があるとして、クミスクチン茶が健康茶として飲まれているそうです。

<キャットウィスカー(猫の髭) シソ科オルトシフォン属>
8/24 柏の葉公園

 

 

甘みと酸味、ほのかな苦みを持ち合わせた柑橘で、皮ごと食べられます。「金冠」と当てて、より暮らしが豊かになるように、という願いが込められています。

他のミカン科の果樹は5月に開花するものが多いのに対して、本種は7月~9月と、少し遅いのが特徴です。花は葉の腋に咲きます。 花数が多く、1つの葉腋から2~3個の花を咲かせます。

<キンカン(金柑) ミカン科キンカン属>
つくば実験植物園

 


コロンビア、エクアドル、ペルーの原産。花の色は鮮やかな暖色。オレンジ、黄色、赤と鮮やかな色合いが中心です。観賞用として楽しまれています。

丸い形の葉が蓮に似ていることから、蓮の漢字を使った和名がついています。ナスタチウムとも呼ばれますが、オランダガラシ属を指す学名であって、似た味をもつために転用された通称です。

近年は鑑賞目的だけでなく、花や葉、蕾、若い果実がサラダやスープとして食べることができる「エディブルフラワー」としても用いられています。

<キンレンカ(金蓮花) ノウゼンハレン科ノウゼンハレン属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

本種は全てアジア原産であり、15〜20種が知られています。日本、中国、朝鮮、ロシア、東南アジアに分布します。繁殖力が高く、IUCNの定める世界の侵略的外来種ワースト100に選定されています。

日本では、塊根からデンプンをとり、葛粉として利用してきました。また、生薬や家畜の飼料、ツルから繊維をとって布にするなど、多くの用途に使われてきました。

アメリカでは、本種が高さ35mの材木用の樹木に這い登り、木材生産に壊滅的な影響を与えたり、電信柱に這い登って送電線を機能不全にする問題も起きています。

<クズ(葛) マメ科クズ属>
8/26 近隣の路傍

 

 

中~南アメリカに120~130種ほどが自生するパイナップルの仲間です。樹木の上などに着生し、草丈は20~60cmほどに生長します。

実際の花は中心にあり、花びらのように見える部分は葉っぱが変化した苞です。花は短命ですが、苞は色あせることなくおよそ3~5ヶ月の長い間楽しむことができます。

本種の花言葉には、「いつまでも健康で幸せ」、「理想の夫婦」、「情熱」、「あなたは完璧」という意味があります。

<グズマニア(鳳梨:アナナス) パイナップル科グズマニア属>
8/24 柏の葉公園

 

 

梅雨どきに大型で純白の6弁花を咲かせて強い香りを漂わせ、秋には橙赤色の果実をつけます。

秋には橙赤色の果実をつけますが、熟しても裂開しません。つまり口が開かないことから和名がつけられたとされています。

<クチナシ(梔子) アカネ科クチナシ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

別名では「トリトマ・ルーペリー」とも呼ばれる南アフリカ原産の多年草です。晩夏から晩秋にかけて開花します。

花は筒状の花が穂状に集まり「ボトルブラシ」や「トーチ(松明)」を連想させる様な個性的な花の形をしています。

花は下から上に向かって開花していき通常赤色(~橙色)から成熟するにつれて黄色(~黄緑色)へと色が変わっていきます。

<クニフォフィア ツルボラン科クニフォフィア(トリトマ)属>
8/28 つくば実験植物園

 


販売されている洋ランのなかでは、その株サイズが最大級です。鉢植えをうまく栽培していくと、草丈は入手時の2倍くらいまで大きくなる大型洋ランです。

バルブの頂部付近から花芽を伸ばして開花します。黄色系ベースの花弁に茶色から黒色の斑紋が入るため、東南アジアの英語圏ではタイガーオーキッドとも呼ばれます。

<グラマトフィラム ラン科グラマトフィラム属>
8/24 柏の葉公園

 



世界にたくさんの野生種、原種があり、これらの交配によって、多くの品種が生まれています。英国ではつる性植物の女王として位置づけられ、バラのパートナープランツとして親しまれています。

テッセンと呼ばれることもありますが、じつはテッセンとは、中国に自生している、6枚の乳白色の花弁をもち、雄しべが花弁化している一つの原種のことです。

1年に1回、スポット的に開花する一季咲きのグループのほかに、長期間にわたって花が次々と咲いたり、剪定すると繰り返し咲く四季咲きのグループがあります。

<クレマチス キンポウゲ科 センニンソウ属>
8/24 柏の葉公園

 


 
西アフリカ原産の常緑半つる性低木。青い蝶のような花を咲かせ、別名ブルーエルフィン(青い妖精)やブルーウイング(青い翼)などと呼ばれています。

本種の仲間は種類が多く、ゲンペイカズラ(源平葛)や花房が下がって咲くクラリンドウドウなどの種類もあります。

<クレロデンドルム  シソ科クサギ(クレロデンドルム)属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

「苦労がなく金持ち」に通じるネーミングから縁起木として知られます。モチノキの仲間で、若い枝や葉柄が黒紫色であることや、葉が乾くと鉄色になることから名前が付きました。

冬期に赤い実を付ける庭木としては最大級のもので、花の少ない冬を彩る存在になります。この実はヒヨドリ、ツグミ、ムクドリ、ヒレンジャクなどの野鳥が好んで食べます。

<クロガネモチ(黒鉄黐) モチノキ科モチノキ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

本種は橙色や黄色の色鮮やかな花が普通ですが、本種はエキゾチックなターコイズブルー、もしくは神秘的な翡翠色を思わすブルーのちょっと珍しい色です。


園芸業者がクロサンドラの園芸新種として「リフレブルー」という名をつけて品種登録をしたようです。農水省の品種登録リストのクロサンドラにはそんな名称の品種はないようです。


本当の名前は、エクボリウム・ビリデ(キツネノマゴ科エクボリウム属)と言うようです。アフリカ中部原産で、アラビヤやインドにも分布しているようです。

<クロサンドラ・リフレブルー キツネノマゴ科ヘリトリオシベ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

タイ原産で、ショウガ科グロッバ属の多年草で、シャムの舞姫とも呼ばれます。

地下に細い根茎があります。根茎の先端から葉鞘が巻き重なった偽茎を出し2列の広披針形~長楕円形の葉を互生に付けます。

夏から秋に、偽茎の先端から多数の花序を垂下し、赤紫色の苞から黄色い花弁を咲かせます。花言葉は「華やかな恋」です。

<グロッバ・ウィニティ ショウガ科グロッバ属>
8/29 つくば実験植物園

 

8月の花のアルバム ③ 20品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「8月の花のアルバム ④」に続きます。

 


8月の花のアルバム ②

2023-09-13 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 8月の花のアルバム ① 2023-09-09

 

今回も、先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

 


マダガスカル原産(固有種)の木本性(木材を生成する植物)落葉樹で、樹高は2m程度になります。

6~10月頃に黄色い一日花を付けます。花は筒状花で花冠は5裂します。花色には純黄色のタイプと紫色のタイプの2タイプが存在します。

球状~紡錘形の塊茎から枝を伸ばします。葉は葉縁にギザのあるハート形で、果実は2~3cmの鉤状の突起物を持つ堅果です。

<ウンカリナ・ロエオスリアナ ゴマ科ウンカリナ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

メキシコ原産のサボテン科の植物です。金鯱と言う名前で流通しており、サボテンの王様と呼ばれています。

鋭い棘は長く直線またはわずかに湾曲して黄色味を帯び、時には白色のものもあります。草丈は最大で1m以上に達します。

外側は褐色、内側は黄色の花が、頂部の冠の付近に咲きますが、約20年以上経た個体のみが花をつけます。

<エキノカクツス・グルソニー(金鯱) サボテン科エキノカクツス属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

インド、ミャンマー、タイ、ベトナム、フィリピンなどの原産。葉が細くやや肉厚です。葉を左右に1枚ずつ出しながら、上に向かって伸びて育ちます。

葉のつけ根からやや下垂させながら花茎が伸び、花が円錐状について咲きます。花は、小~中輪で、主にピンクと白の混じった色彩です。

<エリデス・ロレンセアエ ラン科エリデス属>
8/29 つくば実験植物園

 

 



地中海沿岸原産の常緑多年草。初夏から秋にかけて黄色い花を咲かせる常緑木立性の多年草です。庭や花壇の植栽、ドライフラワー、ポプリとして利用されています。

よく枝分かれしてこんもりとした株に育ち、それぞれの茎の上の方の節に、小さな黄色い花が茎を囲むように輪生状に開花します。

名前にセージとありますが、フロミス属のため、セージやサルビアとは別種の植物です。

<エルサレムセージ(黄花着せ綿) シソ科フロミス属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 


日本には明治20年頃に渡来して、鑑賞用として栽培されたものが逸出して帰化しており、全国各地に分布して休耕地や道路脇等に自生しています。

本種の学名はCosmos bipinnatusで、標準和名よりもコスモスという呼び名が一般的です。

標準和名はあまり知られていません。むしろ「秋桜」と表記するほうがよく知られていると思います。

標準和名はキク科別属のハルシャギクに似て、大型であることから和名がつきました。

<オオハルシャギク(大春車菊) キク科コスモス属>
8/10 手賀沼

 

 


北米原産。日本へは明治中期に観賞用として導入され、1955年には野生化しました。今では北海道から沖縄県まで日本全国に定着しています。

現在では外来生物法により特定外来生物(第二次指定種)に指定されており、許可なく栽培・保管・運搬・輸入・譲渡を行うことは禁止されています。

<オオハンゴンソウ(大反魂草) キク科オオハンゴンソウ属>
8/5 近隣の路傍

 

 

 

アオバナ(青花)とも呼ばれ、日本特産の染料植物として滋賀県草津市近辺でのみ栽培されてきました。

花弁を収穫し、青い汁を搾ります。この青い汁をコウゾから作った和紙にしみ込ませ、友禅染や絞り染めの下絵の絵の具にする青花紙を作ります。

ツユクサ(径1cm)より花弁(径4cm)が大きく、目立ちます。花が大きいだけではなく、植物体が直立する、種子が大きいことなどでツユクサとは異なり、栽培植物としての特徴を持っています。

ツユクサ(帽子花:花を包む包葉の形が帽子に似る)の栽培変種とされ、植物体や花が大きいことから本種の名前が付いたといわれています。

<オオボウシバナ(大帽子花) ツユクサ科ツユクサ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 


南アメリカに分布するカタバミ科カタバミ属の多年草です。美しい葉を持ち栽培が容易なことから、世界で広く流通している球根植物です。

4月~10月の花期になると、葉の間から花茎を伸ばして花序を出し、小さな花を咲かせます。花茎は15~35㎝の長さで、花序には1~9個の花が付きます。

<オキザリス・トリアングラリス(三角片喰) カタバミ科カタバミ属>
8/31 北柏ふるさと公園

 

 


原産地はアフリカ北東部。原産地や熱帯では多年草で、何年も繰り返し果実をつけますが、日本では越冬できないため一年草です。

10~20センチメートルくらいに成長した段階の若い果実を食用とし、日本でも広く普及しています。大きくなりすぎると繊維が発達して食感が悪くなり、食品価値を失います。

植え付け後、約1ヶ月でレモンイエローの色をした花が咲き始めます。花は1日花なので、1度咲いたらその日のうちにしぼんでしまいます。

<オクラ(秋葵) アオイ科トロロアオイ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 


日本全国の道端・空き地・河川敷などで、自然にみられる草花です。元々は夕方に咲く花だったためついた名前ですが、現在は昼間から咲いています。

南アメリカ原産で、日本には江戸時代始めごろに渡来しました。花が美しいため観賞用に栽培されますが、広く野生化もしています。

花色は赤、オレンジ、黄色、ピンク、白があり、とってもかわいい花ですが、繁殖力が強いので、雑草として扱われてもいるので気の毒な気がします。

<オシロイバナ(夕化粧) オシロイバナ科オシロイバナ属>
8/5 近隣の路傍

 

 

 

尾瀬ヶ原の池沼に生える水草で、花茎を水上へ突き出し、2~3cmの黄色い花をつけます。

ネムロコウホネ(根室河骨)の変種で、ネムロコウホネに比べて雌しべの柱頭が赤くなるのが特徴です。

オゼの名を冠する、維管束植物レッドデータブックに記載のある希少種です。

<オゼコウホネ(尾瀬河骨) スイレン科コウホネ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 
東南アジア原産のトチカガミ科の1年草。水田や池沼等の水深の浅い場所に沈水して生えている野草です。

本種は雌雄異株で、5月頃長い花柄の先に、幾分黄色味を帯びた白色で2.5~4.5cm程度の3弁花を付けます。

雄花序には10~30個の花がつき、雌花序は1個となります。花後には径1.5cm程度で紡鐘形の果実をつけます。

<オッテリア・コルダタ トチカガミ科オッテリア属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

ヨーロッパ原産の多年草。全国的に市街地の道ばたなどに帰化しています。全体ほぼ無毛で、強いハッカ臭があります。

ハーブでいうミントのことです。ハーブ名はスペアミントといいます。全草は濃い緑色です。江戸時代にオランダから渡来したので、本種の名前でも呼ばれます。

ハーブとして利用できますが、繁殖力がきわめて旺盛で他の植物を駆逐することも多いようなので、下手に植えると大変なことになるかもしれません。

<オランダハッカ(阿蘭陀薄荷) シソ科ハッカ属>
8/10 近隣の路傍

 

 

 

キク科の多年草で、主に熱帯アジアやアフリカなどの温暖な場所に分布しています。花は、まっすぐに伸びた茎の頂点に春と秋に開花します。

切り花の流通がとても多く、赤、オレンジ、黄色、白、ピンク、紫、アプリコット、クリーム色、グリーン色など色の種類が多く、大きさは小輪から大輪まで多種多様な品種があります。

<ガーベラ キク科ガーベラ属>
8/24 柏の葉公園

 

 

 

中央アメリカから南アメリカの熱帯地域が原産。その樹になる実の中にある豆がチョコレートやココアになります。

樹は高さ6~7mほどになり、苗から育てた場合は3~4年目くらいから実がなります。実はラグビーボールのような形をしていて、1個が250~1kgという重さ。その実が1本の樹に年間で10~40個ほどなります。

<カカオ(加加阿) アオイ科カカオ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 


中国や日本など東アジアが原産で、ヨーロッパやアメリカには日本から伝わったために学名にも「kaki」と記されています。品種は世界に1000種近くあるとみられています。

<愛宕>

日本では古くから全国で栽培され親しまれてきたこともあり、その品種も地方によって様々な在来種が見られます。

<衣紋>

それらを大きく分けると甘柿と渋柿に分けられ、さらに種子の周囲に褐斑(ゴマ)が発生するタイプと発生しないタイプがあります。

<祇園坊>

これらを甘柿、渋柿、そしてゴマの有り無しによって、完全甘ガキ、不完全甘ガキ、不完全渋ガキ、完全渋ガキという4つのグループに分けられます。

<西条>

数多い柿の品種の中で、甘柿の種類は非常に少なく、20種類ほどしかありません。甘柿の代表は「富有柿」。甘柿生産量の約8割を占めています。対する渋柿では、「平核無」「刀根早生」「甲州百目」が多くを占めています。

<富有>

「富有はあごで食べ、次郎は歯で食べ、たねなしは舌で食べる」と言われていて、「富有柿」は果肉がやわらかく、「次郎柿」は硬めで、「平核無」はねっとりとした食感をしているところからこう言われてきたようです。

<豊岡>

<カキ(柿) カキノキ科カキノキ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

四国南部や九州西部を中心として台湾や中国南東部まで分布するユリです。鹿児島の甑島は群生地として有名です。

主な開花期は7月中旬~8月中旬で、日本に分布するユリの中ではやや遅めです。径10cmほどの花を下向きに咲かせます(まれに上や横向きに咲くものもあります)。

花びらは大きく上に反り返り、オーソドックスなタイプは縁部分が白で中心部分に行くにつれて紅色になります。茎は直立するか、湾曲して伸びます。

<カノコユリ(鹿の子百合) ユリ科ユリ属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

 

原産は南北アメリカ大陸。主要生産地は中国、インド、ウクライナ、アフリカです。ビタミンA、ビタミンC、たん白質、食物繊維、ミネラルを豊富に含み、栄養価が高い緑黄色野菜です。

日本種、西洋種、ペポ種の3種があります。日本種は昔から栽培されていたため、地方品種が多くあります。果肉は粘質です。

西洋種の肉質は粉質で、果皮の色は黒緑色、白皮、赤皮などがあります。ペポ種には若どり用のツルなしカボチャや、外観が色とりどりのものがあり、栽培する楽しみがあります。

<カボチャ ウリ科カボチャ属>
8/10 近隣の畑

 

 

 

ベンケイソウ科の多肉植物です。原産地は主に、南アフリカ・東アフリカ・東南アジアです。その種類は200以上もあると言われています。

葉は短い毛で覆われているのが特徴で、ギザギザしたもの、丸くツヤがあるもの、紅葉するものと種類が豊富にあり、形が様々なのも魅力の1つです。

開花時期は12月から6月の間で、花の色にはピンクやオレンジ、赤など色鮮やかなものが多いです。また、花の形も一重咲き・八重咲き・釣鐘型と種類がたくさんあります。

<カランコエ ベンケイソウ科カランコエ属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

 

メキシコ~ボリビア原産のシソ科落葉樹で、樹高は6m程度となります。

葉は短い柄を持った長さ15cm程度の楕円状で緩やかに波を打ち、先端部は尾状に尖い枝に対生します。

6~8月頃、枝先の葉腋から円錐花序を出し、紫色の小花を多数つけます。花後の果実は径3mm程度の球形で、10月頃に濃紫色に熟します。

<カリカルパ・アクミナータ シソ科ムラサキシキブ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

 

1990年にペチュニア属から分かれて独立した新しい属で、1994年にサントリーが「ミリオンベル」というブランド名をつけて販売したのが始まりです。

花もペチュニアによく似ています。園芸植物としての歴史は浅いものの、短期間のうちに急激に品種改良が進んでいます。

<カリブラコア ナス科カリブラコア属>
8/24 柏の葉公園

 

 

8月の花のアルバム ② 20品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「8月の花のアルバム ③」に続きます。

 


8月の花のアルバム ①

2023-09-09 | みんなの花図鑑

8月の花のアルバム ①
8月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。8月は近年にない酷暑が続きましたが、植物・野鳥・昆虫など約200品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として8回に分けて投稿させていただきます。

今回も、7月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

 


つる性落葉低木の一種です。「昔はよく食べていた」と言われることの多い食材です。日本各地の低山地の日向に自生しています。特に東北地方や山形の山中などに多く、商業栽培も盛んです。

熟すと果皮が割れて、黒い種子がたくさん入っていることが分かります。それら種子を覆う白いゼリー状の果肉が可食部です。近年は旬である9月頃、栽培されたものが生鮮食品販売店などで売られることも増えました。

<アケビ アケビ科アケビ属> 8/29 つくば実験植物園

 

アザミに似たつつましく、ポンポンのようなかわいい花を房状に咲かせる熱帯アメリカ原産の、非耐寒性の多年草です。

高性種と矮性種がありますが、ポット苗でよく出回っているのは矮性種の方です。高性種は切花に用いられます。

和名のカッコウアザミは、葉がシソ科のカッコウ、花がアザミに似ていることからきています。

<アゲラタム(郭公薊) キク科カッコウアザミ属(アゲラタム属)>
8/24 柏の葉公園

 

 

北アメリカ南部とヨーロッパ原産のつる性の植物。葉柄と花柄が巻きひげのようになって支柱などに巻きつきながら、2~5mくらいまで伸びます。

キンギョソウに似たベル形の花が特徴です。生育旺盛でつるがよく分枝するのでフェンス仕立てやハンギングにも向きます。

<アサリナ オオバコ科アサリナ属(キリカズラ属)>
8/3 あけぼの山農業公園

 

埼玉県の安行に古くからある品種で、ヒメアジサイの一種です。

澄んだブルーの美しい花色で6月頃から咲き始め、霜が降りる頃まで少しずつ咲き続けます。

<アンギョウシキザキ(安行四季咲き:アジサイ) アジサイ科アジサイ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

エゾキクとも呼ばれ、中国原産の古くからよく知られた草花です。わが国では主に夏の切花、特に仏花として多く利用されます。

花はまく時期をずらすことによって、6~9月までかなり長期間楽しめます。ポンポン咲き、平弁半八重咲き、平弁抱え咲き、中輪、大輪などがあります。

花色も白、桃、紅赤、紫、青色、さらに中心部が白や黄色の鮮やかな蛇の目状となるものなど多くの種類があります。

<アスター(蝦夷菊) キク科エゾギク属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

円形のサボテンで、頂部から根元にかけて「稜(りょう)」と呼ばれるラインが5本(5稜)入り、上から見ると星型になります。

実生から10~15年後には6~8稜まで増稜し、円柱型になって30~60cmほどの高さまで生育します。「鸞鳳玉(らんぽうぎょく)と呼ばれるサボテンの変種で、鸞鳳玉よりも大型になります。

<アストロフィツム・ミリオスティグマ(鸞鳳) サボテン科アストロフィツム属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

日本では、一般的に「般若:はんにゃ」として流通しています。般若は、小さいうちは丸く成長します。サボテン科なのである程度成長して大きくなると直径よりも高さが伸びていきます。

刺は鋭く刺座(アレオーレ)から放射状に生えています。原種の稜は普通は8本あり、らせん状にカーブしています。成長する(6〜8年)春と夏に株の頂点から甘い香りのする大きな黄色い花を咲かせます。

<アストロフィツム・オルナツム(般若) サボテン科アストロフィツム属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

メキシコと南アメリカ原産のアオイ科の顕花植物です。通常、さまざまな葉の形をした直立した植物で、色とりどりの花を咲かせます。

本種はすっきりとした白花のカップ咲きの愛らしさと、濃い紫色の葉の模様の風合いが素敵な花です。他の品種はピンク色のキャンディーカップ、薄紫色のクリスタータもあります。

<アノダ・シルバーカップ アオイ科アノダ属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

南アフリカ原産でヒガンバナ科の耐寒性常緑多年草(球根植物)です。 夏の夕方に、花茎を伸ばし先端に散形花序を出し、白い ユリ(白百合)のような漏斗状の花を多数咲かせます。

日本には明治時代の初期に渡来。当時はインドハマユウと同一とされましたが、最近になり別種と判明しました。園芸での流通名はクリナム・ポーウェリー、あるいはクリナム・ポウェリー。

花の名は、アフリカ原産で葉がハマユウに似ていることから付けられ、ハマユウは白い花が木綿を垂らしたように見えることから名づけられました。

<アフリカハマユウ(印度浜木綿) ヒガンバナ科ヒメノカリス属>
8/24 柏の葉公園

 

 


ブラジル原産の常緑蔓性半耐寒性の熱帯性低木です。 英名ではアラマンダと言います。丈夫な性質で、温度さえあれば一年中開花するので、熱帯地域では広く栽培され親しまれています。

花は枝先につき、黄色く、径5~7cmで先が5裂する漏斗形です。花色には黄色や桃色があります。花径は同属のヒメカズラ(5cm)より大きな花を咲かせます。

<アリアケカズラ(有明葛)キョウチクトウ科アリアケカズラ属(アラマンダ属)>
8/29 つくば実験植物園

 

 

チリを中心にブラジル、ペルー、アルゼンチンなど南米に60~100の野生種が分布します。

茎の先端に花がついており、特徴的で個性的な色合いを見せています。花は花弁が6枚。外側と内側3枚ずつ形が違います。

原産地とその花姿から「ペルーのユリ」「インカ帝国のユリ」などの異名があります。

<アルストロメリア(百合水仙) ユリズイセン科ユリズイセン属>
8/3 あけぼの山農業公園

 

 

熱帯アメリカ~西インド諸島原産のトロピカルな雰囲気を醸し出す観葉植物です。

熱帯アメリカに600種類以上があると言われ、色々な仏炎苞や葉の形をしたものがあります。

赤やピンク色のハート型お皿のような仏炎苞(ぶつえんほう)が特徴的です。

これは花ではなく、ここから細い尾のように出てきた黄色い突起が花になります。

ギリシャ語の「anthos(花)」と「oura(尾)」から花の名前がつけられているそうです。

<アンスリウム サトイモ科アンスリウム属>
8/29 つくば実験植物園

 


福島県の檜枝岐村周辺で発見され、生息地域の少なさから絶滅危惧IA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い)とされています。 

4月中旬~5月中旬に花序が枝先の葉腋につき、径2ミリ程度の花をつけます。果実に4稜があり、その形状から和名が付けられました。

<アンドンマユミ(行灯真弓) ニシキギ科ニシキギ属>
8/29 つくば実験植物園

 


サンタンカ(イソクラ)の園芸品種で花弁が細めで、花色は赤く鮮やかです。

サンタンカ属は熱帯各地に約400種が分布しています。花は直径2~3㎝の花が多数集まって半球状に咲きます。

花色は紅、淡紅、橙、黄や白など豊富です。開花時期が長いことから、現地では景観樹、花壇や生垣などに利用されています。

サンタンカが日本にやってきたのは江戸時代中期で、当初は三段花(さんだんか)と呼ばれていました。

<イソクラ 'サマーフレッシュ’ アカネ科サンタンカ属>
8/29 つくば実験植物園

 


西アジア原産。「不老長寿の果物」と呼ばれるほど豊富な栄養素を含むフルーツです。果樹として世界中で広く栽培されています。

西アジア、アラビア南部でアダムとイブの話の中で出てくる"禁断の果実"とは本種のことで、古来からあったことを窺わせます。

本種は隠頭花序(いんとうかじょ)と呼ばれる花を付ける木で、果実のように見える部分は、花軸が肥大化したもので、切った時に粒粒のように見える花です。

<イチジク(無花果) クワ科イチジク属>
8/4 近所のお宅

 


シソ科の多年草でハーブの1種。英名由来のキャットニップという名でも呼ばれます。また、日本に帰化したものが長野県筑摩郡で発見されたことから、チクマハッカとも呼ばれます。

見た目はミントにそっくりで、名前の通り猫が大好きな香りを放ちます。丈夫で繁殖力が旺盛な育てやすいハーブです。

全体が産毛のような柔らかな毛で覆われていて、春〜初夏になると先端に円錐状の花を付けます。

<イヌハッカ(犬薄荷) シソ科イヌハッカ属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

関東地方以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するクワ科イチジク属の落葉低木。

4~5月頃になるとイチジクのように外からは見えない花が球形の「花嚢(かのう」の中に咲き、花が終わって熟すと果実になり、いずれも直径は2センチ弱です。

味はイチジクに似ており、実の形状もビワというよりイチジクに近く、別名をコイチジクと言います。

<イヌビワ(犬枇杷) クワ科イチジク属>
8/29 つくば実験植物園

 

 

2023年坂野ローズガーデン作出の四季咲バラです。5月から育てていますが、8月まで40輪以上とたくさんの花を咲かせてくれています。

咲き始めは黄色で外弁にうっすらピンクがかり、咲き進むと透明感のある黄色に、花の終わりには退色して蛍光色のピンクとなって、一株で色々な花が楽しめます。

中輪のボタンアイのロゼット咲き。淡いながらもティーの香りがあります。葉は照葉。早咲きの四季咲き性ですが暑さにやや弱く、夏場に生育が弱まります。

<うさぎのロップ(バラ) バラ科バラ属>
8/11 自宅

 


ヤシ科の常緑樹で標高4m程度になります。ヤシの葉でありながら切れ込みが無く、名前の通り団扇のような形状を見せます。

大きな団扇(うちわ)状の葉で、欧米ではよく観葉植物として利用されます。日本では生産が少ない希少なヤシです。

<ウチワヤシ(団扇椰子) ヤシ科ウチワヤシ属>
8/29 つくば実験植物園

 

北海道から九州まで全国の山地に自生しており、フキ、ミョウガ、ミツバなどと並んで日本原産野菜のひとつです。

食用とするのは土から顔を出したばかりの新芽の部分や、ある程度育ったものの茎や若芽の部分です。本来野菜というよりも、山菜になります。

花は、7月~9月頃、小さな花が球形に集まって伸びやかに咲きます。ひとつひとつの粒が蕾で、そこからはじけるように白い花が開きます。花や蕾の部分を天ぷらにすると、ぷつぷつした食感でとても美味しいです。

平安時代から身分の高い宮人の間で食されていたという記録が残っていますが、本格的な栽培が始められたのは江戸時代後期、現在の武蔵野市周辺だったといわれています。

<ウド(独活) ウコギ科タラノキ属>
8/29 つくば実験植物園

 

8月の花のアルバム ① 20品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「8月の花のアルバム ②」に続きます。


今年も変化朝顔 ⑥(8月中旬)

2023-09-03 | みんなの花図鑑

先回の続きです。 ⇒ 今年も変化朝顔 ⑤ 2023-08-21

以下は8月中旬の(8/11~8/20)の変化朝顔開花記録です。


<8月11日>
本日は18輪咲きました。

切咲・爪覆輪  1


丸咲・車絞   1

丸咲・吹掛絞  1

丸咲・爪覆輪  1


切咲・爪覆輪  1

切咲      5


丸咲      7

 

<8月12日>
本日は14輪咲きました。

丸咲・爪覆輪  2


桔梗咲     2

采咲      2

車咲      2

切咲      2

丸咲      4

 

<8月13日>
本日は10輪咲きました。

牡丹咲     1

桔梗咲     1

桔梗咲・爪覆輪 1

丸咲      3

丸咲・爪覆輪  4

 

<8月14日>
本日は15輪咲きました。

丸咲・爪覆輪  2

采咲      2

切咲      3

車咲      4

丸咲      4

 


<8月15日>
本日は15輪咲きました。

切咲      1

丸咲・白    2

桔梗咲     2


車咲      2

丸咲・爪覆輪  7

丸咲      5
 

 


<8月16日>
本日は13輪咲きました。

丸咲・車絞   1

切咲      1


采咲      3


丸咲      8

 

<8月17日>
本日は12輪咲きました。

車咲      1

丸咲・車絞り  2

桔梗咲     2

切咲      2

丸咲      5

 

<8月18日>
本日は13輪咲きました。

丸咲・車絞   1

采咲      1

車咲      1

丸咲・爪覆輪  4

丸咲      5

 


<8月19日>
本日は20輪咲きました。

采咲      1


車咲      1

切咲      1

切咲・爪覆輪  1

桔梗咲     3

丸咲・爪覆輪  4

丸咲      9

 

<8月20日>
本日は21輪咲きました。

丸咲・白    1

采咲      1

切咲・爪覆輪  1

浅切咲     2

丸咲・爪覆輪  2

桔梗咲     2

切咲      5

丸咲      7


「今年も変化朝顔 ⑥(8月中旬)」を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「今年も変化朝顔 ⑦(8月下旬)」に続きます。