先回の続きです。⇒ 8月の花のアルバム ⑦ 2023-09-28
今回も、先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
関東以西の低山の林縁、路傍、草原など日当たりの良い場所に生育する小低木です。花は8~10月、葉腋から出した花序に黄白色または緑白色の蝶形花を花序の下部から少しずつ咲かせます。
植物図鑑にも掲載のないことが多く、知名度はあまり高くない植物です。花も地味で目立たず、藪のような場所に生えていることが多いため、気付かれにくいことも一因かもしれません。
果実は表面にカギ状の剛毛を持ち、節ごとに折れて、動物の毛や人間の衣服に付着して運ばれる、「ひっつきむし」型の果実です。和名は本種の茎葉を味噌に入れると「味噌の味がなおる」とされたことによります。
<ミソオナシ(味噌直し) マメ科ミソナオシ属>
8/29 つくば実験植物園
インドのアッサム州原産で、サトイモ科コンニャク属の非耐寒性塊根(多年草)です。葉の上に小さな珠芽(むかご)をつくって繁殖します。
花は「仏炎苞」の内側にあり、棒状の付属体の下部に雄花の集まりが、更にその下に雌花の集まりがあります。
<ムカゴコンニャク (零余子蒟蒻) サトイモ科コンニャク属>
8/29 つくば実験植物園
本種はアメリカで育種されたムクゲの園芸品種で、花の形が八重咲きで、中央に小さな花弁が多数集まり、ふんわりとした柔らかな花姿をつくります。
花の色は白色、白色は光を最も反射するため明るい印象を与えたり、また汚れのない清潔な印象を与えたりします。開花期間中は株を覆うように沢山の花を咲かせる所が魅力です。
<ムクゲ・ホワイトシフォン アオイ科フヨウ属>
8/29 つくば実験植物園
北アメリカから熱帯アメリカにかけて約20種が分布し、日本には明治時代に入ってきました。
シュッと長い葉っぱが垂れ下がり、間から紫色の花をたくさん咲かせます。中心の雄しべが黄色く、花に明かりがともったような見た目は、落ち着いた雰囲気があります。
花は、早朝に開き、夕方になると萎みます。ただ、毎日次々と花を咲かせるので、長期間観賞して楽しむことができます。
<ムラサキツユクサ(紫露草) ツユクサ科ムラサキツユクサ属(トラデスカンチア属)>
8/20 手賀沼
ツユクサによく似て、少し花が大きく、花弁の白い淵のフリルがとても可憐な品種で、白い眼鏡をかけているようにも見えます。
ツユクサと同じように良く分枝し縁から根を出して増える1年草です。別名“フクリンツユクサ”とも呼ばれています。
毀れ種から良く増えて、抜くのが間に合わないくらいの生命力で、とても可憐だが増えすぎて困る植物でもあります。
<メガネツユクサ(眼鏡露草) ツユクサ科ツユクサ属>
8/19 自宅
ノボタン科の熱帯性花木です。花が大変美しいことから「熱帯の宝石」とも呼ばれていて、植物園の温室では見かける機会の多い花です。
熱帯アジアなどに多くの種類が分布していますが、花が美しい種類は、フィリピン原産のマグニフィカとジャワ島原産のスペキオサです。二つの違いは、花序に大きな苞があるのがマグニフィカで、スペキオサには苞がありません。
この属は、1820年にマリアナ諸島の知事であるJ. デメディニラにちなんで命名されました。
<メディニラ(大葉の宿り野牡丹) メラストマ科メディニラ属>
8/24 柏の葉公園
北アメリカ南部から南アメリカに分布するキク科の一年草です。アメリカ・フロリダ州からメキシコ、アンティル諸島、中央アメリカにあり、牧草地や草原、森林などに自生しています。
5月~10月頃の花期になると、茎上部の葉の付け根から花柄を伸ばし、鮮やかな黄色の頭花(とうか)を咲かせます。
<メランポジウム キク科メランポジウム属>
8/3 あけぼの山農業公園
カランコエはマダガスカル島原産の多年草。本種はカランコエの園芸品種です。葉は多肉質で光沢があり、対生、葉身は広楕円形から卵形、縁に鋸歯があります。
10-5月に円錐花序を出し、1cm程の白、淡紅、赤、橙、黄色の八重の花を多数つけます。花冠は4裂します。多肉植物で温室では秋から冬にかけて開花しますが、本来は早春から春に開花します。
<ヤエザキカランコエ(八重咲カランコエ) ベンケイソウ科カランコエ属>
8/24 柏の葉公園
アフリカ南部原産の帰化植物。20世紀初めに観賞用に導入され、最近しばしば逸出が確認されています。花弁は5個で斑紋があり、径4~6cmで朝開き夕方に萎みます。
「矢の根」とは矢じりのことで、葉の形が似ることから。花は九州以南に分布するボンテンカやフヨウ に似ています。「梵天」は婆羅門天、またはインドの意味で、インドから渡来したという説があります。
<ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花) アオイ科ヤノネボンテンカ属>
8/24 柏の葉公園
北海道から九州まで日本各地の山野に生えるマメ科の落葉低木。秋に咲く淡い紅紫の花を観賞するため、庭園や公園、川岸などに植栽され、「草」ではないが「秋の七草」に数えられます。
ハギの仲間は北半球に約60種ありますが、日本には本種に代表され、木として扱われる8種と、メドハギに代表される、草のハギ4種が分布します。
ハギという植物はありませんが、本種が最も一般的であるため、単にハギという場合は本種を示すことが多いようです。
開花は8~10月。花は直径1センチ程度の小さな蝶形。派手さのないところが昔から好まれる所以ですが、花期は長く、満開がはっきりしないまま咲き続け、いつの間にか花が消えます。
<ヤマハギ(山萩) マメ科ハギ属>
8/26 近隣の路傍
原産地は北アフリカまたはインド。日本でも平安時代頃にはすでに栽培されていたとされますが、何時どの様に伝来したかは分かっていません。
キュウリやゴーヤなどの仲間で、食用のウリ科の植物で、主にかんぴょう(干瓢)の原料としては使われています。実は「ふくべ」(瓢)と呼ばれ、それをほ(干)したものだからです。
本種の名称は「朝顔」と対比したものとして、夕方に咲き朝には萎んでしまうところに由来しています。
<ユウガオ(夕顔) ウリ科ユウガオ属>
8/29 つくば実験植物園
北アメリカ原産の多年草。日本には明治時代半ばに入ってきて全国に野生化しています。花径2~3cmの色鮮やかな花を株が隠れるほどに咲かせます。
本種は園芸品種が多く、小型種から高性種まであり、花壇、鉢植え、切り花などに広く使われています。名前の由来は、花色が友禅染のように鮮やかなことに因むと言われています。
<ユウゼンギク(友禅菊) キク科シムフィヨトリクム属>
8/3 あけぼの山農業公園
暖地での栽培に適したブルーベリーの系統で、世界各国の冬季が温暖な地帯に栽培が広がっています。土壌適応性が群を抜いて高く非常に強健です。
主にアメリカのフロリダ州、ジョージア州、ノースカロライナ州で優秀な改良種が発表されてきました。
実が熟す前にウサギの目のように赤く色づきます。非常に樹勢が強く野性味溢れる系統で、甘味が強いのが特徴です。
<ラビットアイ(ブルーベリー) ツツジ科スノキ属 >
8/29 つくば実験植物園
沖縄県に生息しているアサガオの仲間です。海の青さにも負けない濃い青色や紫色の花を咲かせ、生長が早いので夏のグリーンカーテンとして注目を集めています。
朝顔と比べて生命力が強く、つるをよく伸ばして近くのものに絡みつくのが特徴。早朝は青色、午後にかけて紫色に変化する変わった性質をもっていることからガーデニングに人気です。
朝顔は一年草ですが、本種は多年草で強健。10数メートルも蔓を伸ばすこともあります。葉の大きさも普通の朝顔に比べて大きくハート型をしており、花を房状につけ夕方まで咲き続けます。
<リュウキュウアサガオ(琉球朝顔) ヒルガオ科サツマイモ(イポメア)属>
8/29 つくば実験植物園
「枕草子」でも記述がある程、日本で古くから親しまれている植物(多年草)です。 寒さに強く、本州、四国、九州の山野を中心に自生しています。
春に芽吹き、秋の始まりと共に花芽をつけてベル形の花を咲かせ、寒くなる頃には地上部が枯れて休眠します。
<リンドウ(竜胆) リンドウ科リンドウ属>
8/24 柏の葉公園
熱帯アメリカに約150種類ほどありますが、そのなかで育てやすく花や葉が美しい一部の種類が観賞用に栽培されています。
花は一日花で一日で花はしぼみます。大量に開花するというよりは、少量ずつが夏の間開花します。草丈が低く、使いやすいので鉢植えに適します。
<ルエリア・ロンギペティオラタ キツネノマゴ科ルイラソウ属(ルエリア属)>
8/29 つくば実験植物園
北アメリカ原産のキク科オオハンゴンソウ属の二年草、または短命な多年草です。ルドベキア・トリロバ種から作出された園芸品種です。
7月~10月の花期になると、多数分枝した茎の頂部に頭状花を1輪咲かせます。頭状花は、中心部分の小さな筒状花と、花弁のように見える舌状花からなる集合花で、径3~4㎝の大きさです。
<ルドベキア・タカオ キク科オオハンゴンソウ属>
8/26 近所のお宅
南アフリカ原産のイソマツ科の半耐寒性常緑低木で、別名プルンバゴとも呼ばれます。爽やかなブルーの花を春から秋まで繰り返し楽しめる丈夫で育てやすい植物です。
本種の仲間は熱帯を中心に約20種類の仲間が知られています。その中でも南アフリカに分布する、プルンバコ・アウリクラータのことを本種の名(和名)で呼びます。
和名の「ルリ」は花色(瑠璃色)から、「マツリ」は花姿がマツリカ(ジャスミン)に似ているところに由来します。
<ルリマツリ(瑠璃茉莉) イソマツ科ルリマツリ属>
8/29 つくば実験植物園
ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイの原産で、樹高1m〜2m程になるナス科の常緑低木です。日本へは鎌倉時代の頃に渡来したと言われています。
花は、茎の上部に集散花序を出して多くの花を付けます。花冠は径2.5cm程の淡紫色で、星形に深く5裂し、長い花柄があり、下向きに咲きます。
名前は、瑠璃色の花を咲かせることと、葉が「ヤナギ(柳)」に似ていることから名付けられました。鎌倉時代の頃、琉球をへて日本へ渡来したことから「リュウキュウヤナギ(琉球柳)」とも呼ばれています。
<ルリヤナギ(瑠璃柳) ナス科ナス属>
8/29 つくば実験植物園
葉の形が松葉の様に棒状で花の形が菊に似ていることから「マツバギク(松葉菊)」と呼ばれる多年草です。南アフリカ原産で、日本には明治にやってきました。
5〜11月。花には約2cmの柄があり、直径約5cmの一重で光沢のある紅紫色です。耐寒性マツバギクと呼ばれているのはデロスペルマ属の一種で、本種の名前で出回っています。
<レイコウマツバギク(麗晃松葉菊) ハマミズナ科デロスペルマ属>
8/26 近所のお宅
クリムゾンレッドの花色とカップ咲きの花形がシックな雰囲気のバラです。情熱的な花色は咲き進むにつれてピンク色がかかっていきます。
ハイブリッドティーと花付き、耐寒性が良いポリアンサローズの交配で開発されたモダンなガーデンローズのグループです。
今年の5月にわが家で初めて育て始めたバラです。花付がよく8月頃まで花が次々と咲き続けました。今のところ、うどんこ病など病害虫の被害にも合わず、丈夫に育っています。
<レオナルド・ダ・ヴィンチ(バラ) バラ科バラ属>
フロリバンダ 1993年フランス(メイアン)作出
8/9~8/18 自宅
南アフリカの球根植物、多年草。多肉植物としても扱われ、葉が細く、葉の縁がギザギザになっている観賞のポイントです。
春、葉が展開し、春から夏にピンクや薄ピンクの花を咲かせます。
よく出回るのは、「シマツルボ」の名で知られるクーペリと、「豹紋」などの名を持つソシアリスの二種類です。その他、桃花を咲かせるガリエペンシスなどがあります。
<レデボウリア キジカクシ科(クサスギカズラ科)レデボウリア属>
8/29 つくば実験植物園
レモンの原産地はアジア東北部からヒマラヤだと言われています。本種はレモンの栽培品種です。幹や枝には棘があり、葉は淡緑色です。
芳香のある白い5弁花は一年を通じて見られ、とくに春に多く咲きます。実は普通のレモンの約4倍の超ジャンボサイズで、全体に縦長の卵型で、頭の部分が少し絞ったようになっています。
日本では商業ベースで大規模に栽培しているところはおそらく無いと思われます。主に観賞用に庭木として植えられたり、個々の農園が数本植えている程度ではないでしょうか。
<ポンテローザ(レモン) ミカン科ミカン属>
8/29 つくば実験植物園
日本固有の1属1種の植物で、東北地方南部から近畿地方にかけて分布します。深山のやや湿った林床に多く見られ、やや薄暗い林に大群落をつくっていることもあります。
葉の展開が終わるころから花茎を伸ばし、夏に花径4cmほどの大きな藤紫色
の花を、次々と涼しげに咲かせます。夏の盛りに咲く涼しげな花は技巧的かつ
神秘的であり、「森の妖精」「森のシャンデリア」などと称されます。
開花時期には夏の花の風物詩として、マスコミやSNSなどでも毎年取り上げ
られています。蛇足ですが、私は本種を直接見たのは、今回が生涯初めての経験です。
<レンゲショウマ(蓮華升麻) キンポウゲ科レンゲショウマ属>
8/29 つくば実験植物園
世界の熱帯・亜熱帯に約40種類が分布する多年草です。花後にできる綿毛が繊維となり、種子からは油がとれます。厳密に言うとあのふわふわした綿はタネから生えた毛です。
本来は毎年花を咲かせる多年草ですが、寒さに弱く冬には枯れてしまうことが多いため、園芸上は一年草として扱われます。
主な開花期は夏で、ハイビスカスに似た姿の花を咲かせます。花色は淡い黄色で、しぼむとオレンジ色になります。
<ワタ(綿) アオイ科ワタ属>
8/29 つくば実験植物園
8月の花のアルバム①~④ 全199品種の花、野鳥、昆虫を最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は「9月の花のアルバム」を10月上旬に投稿予定です。次回もご覧いただけると、とても嬉しいです。