先回の続きです。⇒ 12月の花のアルバム ⑥ 2024-1-26
12月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。12月は花が少なくなる季節でもあり、木の実や紅葉などを中心に、84品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として8回に分けて投稿しています。
今回も、11月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
花のサンフランシスコ (スコット・マッケンジー)
東北地方南部(福島県)以西の本州、四国、九州及び沖縄の山地や海辺の林内に自生するモチノキ科の常緑樹。
日本庭園には欠かせない植木であり、モッコク、モクセイと共に「庭木の三大名木」とされます。日本のほか朝鮮半島の南部や中国の暖地に分布します。
雌雄異株で、開花期の4月になると雌の木には雌しべ1つと退化した4つの雄しべを持つ雌花が咲きます。
秋(11~12月頃)になると直径1センチ程度の朱色の果実ができます。無味で食用になりませんが、ヒヨドリ、ツグミ、メジロ、ジョウビタキなど野鳥がこれを採食します。
<モチノキ(黐の木) モチノキ科モチノキ属>
12/20 アンデルセン公園
北アメリカ中南部及び中米を原産地とするフウ科の落葉樹。正式にはアメリカフウという名前ですが、一般的には本種の名前で呼ばれ、公園や街路に使われます。
日本へ渡来したのは大正から昭和初期で、アメリカ庭園協会から寄贈されました。渡来したのはタイワンフウより遅いのです、これまでに植栽された数はタイワンフウを凌ぎます。
紅葉の美しさは庭木の中でも際立ちます。紅葉が進むにつれ、緑→オレンジ→赤→紫などと葉色が変化していきます。
雌花の後にできるイガ状の果実は直径3~4センチでタイワンフウよりも大きく、棘があります。クリスマスリースの材料になるほか、小型エビの隠れ家になるとして熱帯魚愛好家に販売されています。
<モミジバフウ(紅葉葉楓) フウ科フウ属>
12/13 柏の葉公園
荒れ地や道端に生える南アメリカ原産の多年生の帰化植物で、草丈が高く「三尺バーベナ」と別名がつけられていますが、三尺よりはるかに大きくなります。
旺盛な繁殖力を誇る本種は、環境省が2015年に発表した「我が国の生態系に影響を及ぼすおそれのある「外来種リスト」にもその名が記載されています。
細い葉をヤナギに、上部にまとまって咲く花を花笠にたとえたものが、名前の由来になっています。観賞用によく栽培されています。
<ヤナギハナガサ(柳花笠) クマツヅラ科クマツヅラ属>
12/1 北柏ふるさと公園
北海道から九州まで日本全国の丘陵や山地に広く自生するクワ科の落葉樹。最も普通に見られるクワの一種で、単にクワという場合は本種を示すことが多いようです。
果実は硬くて酸っぱいが、熟した実は柔らかくて甘みがあり、昔は子供のオヤツになりました。生食のほか、ジャムやアイスクリーム等に加工して利用できます。
葉はマグワと異なって先端が細く尖り、縁にはギザギザがあります。かつては中国産のマグワと共に養蚕のための重要な飼料として栽培され、「蚕が食う葉」から「クワ」と呼ばれます。
<ヤマグワ(山桑) クワ科クワ属>
12/1 あけぼの山農業公園
北アメリカ東南部からメキシコ湾岸の湿地を原産とするスギ科ヌマスギ属の落葉高木。日本に来たのは明治時代で、よく似たメタセコイアと共に公園などに植栽されます。
花の後には球形の種子ができ、10~11月になると暗褐色に熟します。種子の大きさは直径2~3センチが普通だが、5センチ以上になるものもあれば、結実しない木もあるなど個体差が激しいようです。
名前は秋になると羽状の葉が枝ごと落下することに因みます。
<ラクウショウ(落羽松) ヒノキ科ヌマスギ属>
12/13 柏の葉公園
ラクウショウは水湿地や沼地を好み、しばしば根元が水没するので、地中からこん棒のような気根(呼吸根)を突き立てます。それはまるで人の腕や地蔵様、妖怪のようにも見え、幻想的です。
ラクウショウが湿地に生えると、根が水に浸って酸素が不足します。土中の酸素が不足するため、地上の酸素を吸収しようとする工夫です。
日本国内ではこれほど気根が発達した木は大変珍しく、とても貴重な存在だそうです。
<ラクウショウ(落羽松)の気根 ヒノキ科ヌマスギ属>
12/13 柏の葉公園
北アメリカ原産のキク科オオハンゴンソウ属の二年草、または短命な多年草です。ルドベキア・トリロバ種から作出された園芸品種です。
7月~10月の花期になると、多数分枝した茎の頂部に頭状花を1輪咲かせます。頭状花は、中心部分の小さな筒状花と、花弁のように見える舌状花からなる集合花で、径3~4㎝の大きさです。
<ルドベキア・タカオ キク科オオハンゴンソウ属>
12/20 アンデルセン公園
12月の花のアルバム①~⑧ 全80品種の花、野鳥、昆虫を最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は「1月の花のアルバム」を2024年2月上旬に投稿予定です。次回もご覧いただけると、とても嬉しいです。