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10月の気温は全国的にかなり高く、1946年の統計開始以降、北日本、東日本と西日本では10月として1位の高温となりました。紅葉も遅れているようです。
10月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。花が少ない月ですが、つくば実験植物園の植物を中心に近隣の公園の植物を約160品種ほどの花木の撮影ができました。毎月恒例の記録として8回に分けて投稿します。
日本特産の花木であり、暖地の林内や林縁に自生します。晩秋~冬に咲く花を観賞するため、庭木や鉢植えに多く使われています。
花の後にできる果実は直径1.5~2センチほどの球形で、ツバキよりも小さい。翌年の花が咲く10月頃に熟すと三つに裂け、中から黒褐色の種子が三粒ほど顔を出します。
果実から採取される油は良質で、食用油や髪油として使うことができます。種子を蒔けば繁殖できますが、栽培品種は実生ではなく、挿し木や接ぎ木で増やすのが一般的です。
<サザンカ(山茶花) ツバキ科ツバキ属>
10/11 アンデルセン公園
北アメリカ原産地の湿地性食虫植物。北アメリカ(東部、ジョージアからアラバマ・フロリダ・ミシシッピの湿原に生えています。
高さ100cm以上に葉がトランペット状に直立し、葉上部と開口部のふたは赤紫色または緑色、黄緑色の網目模様となります。
葉脈間は白色で、白い斑が入ったようになります。新葉に先だって50-100cmの花茎に暗赤色またはえび茶色のバイオリン形の花を咲かせます。
春と秋に伸びる筒状の捕虫葉(瓶子葉)の表面には蜜腺があり、昆虫などをおびき寄せます。筒の内側はすべりやすく、しかも毛が下向きに逆立って生えていて、一度筒に入った獲物は上って出られないような仕組みになっています。
<サラセニア・レウコフィラ(網目瓶子草) サラセニア科サラセニア属>
10/22 つくば実験植物園
アメリカ南東部、北アメリカ原産のシソ科の多年草。サルビアの中では一番草丈が高くなる種類で大株になります。
サルビアは、初夏から秋の花です。一年草扱いのスプレンデンスやブルーサルビアは、初夏から晩秋まで長く咲き続けます。本種は開花時期が晩夏~秋にかけて咲くサルビアです。
学名のazurea(空色)にちなみ、透明感のある空色の花が穂状にびっしりと咲く姿がとても美しく目を引きます。
<サルビア・アズレア シソ科アキギリ属>
10/11 アンデルセン公園
ブラジル南東部原産のシソ科属のサルビア多年草です。サルビア属には約900種の植物が分類されていますが、単に「サルビア」というと、本種を指すのが一般的です。
美しい花を咲かせることから観賞用として導入され、世界中の熱帯から温帯地域で栽培されています。日本には明治時代に渡来しています。
別名では「ヒゴロモソウ」や「スカーレットセージ」等とも呼ばれています。ヒゴロモソウ(緋衣草)の由来は花が緋色の衣を纏ってるかのように見える所からきています。
<サルビア・スプレンデンス(緋衣草) シソ科サルビア属>
10/11 アンデルセン公園
スカエボラはオーストラリア原産で、日本で出始めた頃は花色が青いことから「ブルーファンフラワー」と呼ばれていました。
本種はサントリーが開発した、多年草のスカエボラの園芸品種です。暑さにとても強く、真夏でも満開が続く特徴を持っています。
花弁が5つの羽・翼に見えることから、フランス語の「5(cinq・サンク)」と翼・羽「ailes(エール)」を組み合わせて名付けられました。
<サンクエール(スカエボラ) クサトベラ科クサトベラ属(スカエボラ属)>
10/11 アンデルセン公園
中国中南部の原産のバラ科の落葉低木。別名では、サモモとも呼ばれます。
日本には江戸時代に中国から薬用の樹木として小石川御薬園(小石川植物園)に持ち込まれて、その後は庭木や盆栽として栽培されています。
高さ2mほどの低木で、春に小さな白い花を咲かせ、1cmくらいの丸い実を付け、秋に赤に色づきます。
<サンザシ(山査子) バラ科サンザシ属>
10/22 つくば実験植物園
インパチェンスとニューギニア・インパチェンスの交雑種として、「サカタのタネ」が開発した園芸品種です。
インパチェンスと本種の最大の違いは、花と葉の大きさです。インパチェンスに比べると本種はひとまわり大きく、成長が早いことが特徴です。
本種は熱帯の植物のため暑さに強く、春から秋まで休むことなく次々と色鮮やかで美しい花を咲かせます。暑さが増すほどに株が大きくなるのが特徴です。
<サンパチェンス ツリフネソウ科インパチェンス属(ツリフネソウ属)>
10/11 アンデルセン公園
原産地は日本、中国、朝鮮半島、シベリアなど。日本に古くから自生してきたことから、環境にも馴染み、育てやすい植物です。
しかし、日本での自生種は九州、中国地方の山間部にわずかに確認されているくらい数を減らしており、絶滅危惧種に指定されるほどになりました。
古典の『今昔物語』に登場するほど、昔から日本人の心に訴えかけてきた植物の一つ。
紫苑の「苑」は広い土地や庭といった意味があり、紫の花が群れて咲き誇る様子に由来するようです。
<シオン(紫苑) キク科シオン属>
10/11 アンデルセン公園
北アフリカ原産の原種シクラメンです。開花は9~11月で、葉は10月の花後に展開します。地植えは出来ません。
ヘデリフォリウムによく似た可憐な花が咲き、香りが楽しめるタイプもあります。葉は大きめで肉厚な印象です。
耐寒性がないため、冬、温度が0度以下になる場合は防寒対策が必要です。そのぶん暑さには強く、完全に乾燥させれば夏越しも手軽にできます。
<シクラメン・アフリカナム サクラソウ科シクラメン属>
10/22 つくば実験植物園
ブラジル原産の常緑低木です。花は朝咲いて翌日には散る1日花で、鮮やかな紫色の花が次から次へと開花します。
まるでクモが歩いているように見える雄しべの形から「ブラジリアン・スパイダー・フラワー」の別名もあります。
和名の由来は「紫紺色の野牡丹」で、アジアを中心に分布する別属のノボタンより、花色が濃い紫色であることを意味します。
<シコンノボタン(紫紺野牡丹) ノボタン科シコンノボタン属>
10/11 アンデルセン公園
日本の山野で見られる多年草。冬になると枯れた茎に霜柱ができることで以前から花名は知られています。
近年、宿根草の植栽が盛んになるにつれ、花の少ない秋に咲く丈夫な多年草として注目され、出回る機会も増えました。
花は筒状で白色、やや長めの総状花序になり、全体的に片側にかたよって花がつくのが特徴です。
冬になると名の通り、枯れた茎に霜柱ができます。霜柱は根から吸い上げられた水分が枯れた茎からしみだし、冷たい外気に触れて凍っていくことで作られていきます。
<シモバシラ(霜柱) シソ科シモバシラ属>
10/22 つくば実験植物園
初夏から秋にかけて美しいブルーの花を長くたくさん咲かせる宿根草のセージです。和名はサルビア・カマエドリオイデス。
銀灰色やシルバーグリーンとも表現される葉と花色とのコントラストが美しく、カラーリーフとして楽しむことができます。
初夏から晩秋まで長くたくさんの花が開花します。透明感のある青い花は、気温が低くなると、より深みを増し、季節によっても多少花色が変わります。
<ジャーマンダーセージ シソ科アキギリ属>
10/22 つくば実験植物園
中国南部~東南アジアに分布するマンサク科の常緑樹。葉や花の付き方、木の姿がシャクナゲに似るているとして、名付けられました。
全体の雰囲気が南国風で、エキゾチックな庭木が好まれるようになった近年は、属名に由来するロドレイアと呼ばれてシンボルツリーに使われる例が増えています。
開花は3~4月。ピンク~濃い紅色の花が下向きに咲きます。花には多数の花弁があるように見えますが、複数の花が房状にまとまったものです。
<シャクナゲモドキ(石楠花擬) マンサク科シャクナゲモドキ属>
10/22 つくば実験植物園
中国が原産となる帰化植物で野山に多く自生しています。秋に白やピンクの花が開花するキンポウゲ科の宿根草です。
名前に菊とありますが、学名からもわかるように菊ではありません。
花弁に見える部分はがくが花弁化したもので実際には花弁はありません。華道の素材としてや秋の茶花としても親しまれ、切り花として流通しています。
濃いピンク色の花は別名で京都の貴船地方に多いことから「貴船菊(きぶねぎく)」とも呼ばれます。
<シュウメイギク(秋明菊) キンポウゲ科イチリンソウ属>
10/15 つくば実験植物園
東南アジア原産で、水辺に生育する大型のイネ科植物の一種。郊外の水辺などに生える野草で、草丈1 - 2メートルほどになります。
実は硬くて光沢があり、昔はつないで数珠の玉にしました。食用品種のハトムギは、本種を改良した栽培種です。
薬用には殻を取り除いた種子を用い、生薬名をヨクイニンといいます。 漢方では解熱鎮痛消炎薬を目的として用いられますが、民間では「いぼ取り」として有名です。
<ジュズダマ(数珠玉) イネ科ジュズダマ属>
10/22 つくば実験植物園
シオン(アスター)属は500種の仲間を有するキク科の中でも大きな属の一つです。
はっきりした定義はありませんが、その中でも、鉢植えや花壇、切り花など、園芸的に栽培されているものを総称したのが本種の名前です。
野生種の他、代表的なものにミケマルス・デージー類、クジャクアスター類などがあります。野菊のような雰囲気の可愛らしい花をまとめて咲かせるものが多いです。
シュッコン(宿根)は冬は茎葉が枯れて根の状態で越す毎年生長する草花のことを指します。園芸でアスターと呼ばれている草花は花後に枯れる一年草として扱うので、それと区別するためにもシュッコンアスターと呼ばれます。
<シュッコンアスター(宿根アスター) キク科シオン属(アスター属)>
10/11 アンデルセン公園
熱帯アメリカに分布するトウダイグサ科の一年草です。日本には明治時代に渡来し、逸出したものが九州以南の一部の地域で野生化しています。
花序はトウダイグサ科の植物に特有の杯状花序で、ユニークな形をしています。
杯状花序とは、合着してカップ状になった総苞の中に、雄花数個と雌花1個が包まれる形になった花序のことです。
花名は、その様子が妖怪の猩猩(しょうじょう)に喩(たと)えられたものです。なおポインセチアの和名はショウジョウボク(猩猩木)です。
<ショウジョウソウ(猩猩草) トウダイグサ科トウダイグサ属>
10/11 アンデルセン公園
菊の一種で、特に食用として栽培されている菊を指します。食菊、料理菊とも呼ばれます。
料理のつまに使われるつま菊などの小輪種、花びらのみを食用とする大輪種に大別されます。食材としての旬は、10 - 11月とされます。
生態、形態上で観賞用のキクとの明確な相違はなく、苦味が少なく、味や香りが良いものを選抜改良したのが食用として栽培されています。
花弁の色や品種はさまざまで、「阿房宮」「蔵王」「高砂」など、異なった特性を持つ多くの栽培品種が存在します。
<ショクヨウギク(食用菊) キク科キク属>
10/22 つくば実験植物園
福島県~新潟県以西の本州、四国及び九州に分布するブナ科の常緑高木。
ドングリがなる木の一つであり、ドングリがカケスやネズミなどの野生動物に運ばれることで自然に増えます。
伐採直後の材がアカガシと比べて白いこと、葉の裏面が白っぽいことなどから本種の名で呼ばれます。
<シラカシ(実) ブナ科コナラ属>
10/11 アンデルセン公園
北海道及び青森を除く日本各地の山野に分布するシソ科の落葉低木。
秋にできる白い実を観賞するため庭木として幅広く植栽されています。別名はシロシキブ、シラタマシキブなど。
園芸用に広く普及するコムラサキの一品種で、白い実がなることから名付けられました。果実が白く熟すのは8~11月。直径は3ミリほどと小さいが多数が密集します。
<シロミノコムラサキ(白実小紫) クマツヅラ科ムラサキシキブ属>
10/11 アンデルセン公園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあるかもしれませんが、ご容赦下さい。
「10月の花のアルバム(4/8)」20品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「10月の花のアルバム(5/8)」に続きます。