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5月の花のアルバム(10)

2024-06-30 | みんなの花図鑑

5月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。5月はバラの花の種類が一番多い月で、新緑の季節でもあります。5月は140品種ほどの花木や鳥の撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿します。

 

雪の華 (歌心りえ)
 
 

 

本種の名前はいくつかの品種の総称で、とても長い期間(5月~11月)開花する多年草(宿根草)です。

本種の名で流通しているのは、サルビア・グレッギー、サルビア・ミクロフィラ、サルビア・ヤメンシスの3種です。

初夏~秋まで咲き続け、基本種の花色は鮮やかな緋色で非常に目立ちます。

葉は軽くもむと甘みのあるフルーツのような香りを放ち、ハーブティーやポプリに利用できます。

<チェリーセージ シソ科アキギリ属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 



本種はネギの仲間で、中空の細長い葉にマイルドなネギの風味があり、和洋中いずれの料理にも利用できる便利なハーブです。

特に卵やジャガイモ料理と相性がよいことで知られ、カロテンの豊富な緑黄色野菜として、西洋料理でよく使われています。

日本原産で古くから薬味として利用されているアサツキ(浅葱)は、本種の変種とされています。

アサツキは夏に休眠しますが、本種は冬を除いて夏の間も収穫できます。

<チャイブ(西洋浅葱・蝦夷葱) ヒガンバナ科ネギ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 



中国南部の雲南省原産で、一度咲くと300日咲き続ける、とも言われるバショウ科の多年草。日本ではまだ流通量が少なく、珍しい植物です。

日本で知れ渡った機会は、1990年の「大阪花博」で、この時の目玉植物として展示されたことで日本でも栽培が普及したといわれています。

「地面から湧いてきた金色のハス」という意味から付けられた名前です。

<チユウキンレン(地湧金蓮) バショウ科ムセラ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

日本を含む東アジア原産種と、北アメリカ原産種が出回ります。

日本にも自生がある花ですが、ガーデンでよく使われるのは北アメリカ原産種が多いようです。

春に芽吹き、初夏に楚々とした趣のある花を咲かせます。花期は短い宿根草ですが、野趣のある山野草です。

<チョウジソウ(丁字草) キョウチクトウ科チョウジソウ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 



小~中型のモミの木で、光沢のある緑色の葉をもち、円錐形の樹形になります。自然に生育する数は少なくなり、絶滅危惧種として指定されています。

「韓国のハワイ」と称される済州島には多く生育しており、済州白檜(サイシュウシラベ)とも呼ばれます。

美しい樹形になり、この木から様々な品種が生まれ、クリスマスツリーとして広く使われています。

「英国王立園芸協会」からは「ガーデンメリット賞」を授与されており、庭での植栽で優れた植物だと評価されています。

<チョウセンシラベ(朝鮮白檜) マツ科モミ属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 



本州(関東以西)、四国及び九州に自生する低木で、主に日当たりのよい山地や丘陵地に見られます。

街路や公園、マンションなどの植え込みに多用されているアベリア(=ハナゾノツクバネウツギ)は本種と同属です。

花が咲くのはアベリアより早い、4月~6月頃ですが、その期間は短いようです。

プロペラ状になる果実の萼片の様子が羽根突きの羽根に、枝の様子がウツギに似ていることから命名されました。

<ツクバネウツギ(衝羽根空木) スイカズラ科ツクバネウツギ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

日本(本州の秋田より南、四国、九州)に自生するつる性の花木で、山野の他、人里近くでも普通に見ることができます。

初夏になると、直径2cmほどの白やピンク色の花を咲かせます。開いた花は花びらごとにやや角度が付いて回旋して船のスクリューのような形になっています。

テイカは藤原定家のことで、カズラはつる性植物という意味です。これは藤原定家が愛する人を忘れられず、本種に変わってその人の墓に絡みついたというお話にちなみます。

<テイカカズラ(定家葛) キョウチクトウ科テイカカズラ属>
5/22 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

南アフリカのハマミズナ科の多年草。4~11月頃、菊に似た光沢がある鮮やかな濃桃色の花を多数つけます。

花弁はやや隙間が多く、外側にそり気味に開きます。花は日中だけ開いて夜や曇天では閉じる開閉運動を繰り返します。

本種は、茎がほとんど立ち上がらず、葉が短く、透明な突起に覆われており、花弁はやや隙間が多く、外側にそり気味に開きます。

類似の「マツバギク」は、茎が立ち上がり、葉が細長く、花弁は幾重にも重なって隙間ができず、ややすぼまりぎみに開きます。

<デロスペルマ・クーペリ(耐寒性松葉菊) ハマミズナ科デロスペルマ属>

5/22 つくば実験植物園

 

 

 

 



北海道南部から、本州、四国、九州の各地の陰地に野生している多年草です。日本の三大民間薬の一つです。

解毒薬として有名で、生の葉を腫れ物に外用するとよく効き、蓄膿症には葉の汁を鼻に挿入し、傷には煎液で洗浄し洗眼薬にもなります。

生の全草には特有の悪臭があるので、毒でも入っているかと、「毒溜め」の名から変化したのが名前の由来です。

<ドクダミ(蕺) ドクダミ科ドクダミ属>
5/22 あけぼの山農業公園

 

 

 

 



最初高知県で見つかったために土佐の名が付きましたが、高知県の四万十川や徳島県の那賀川,勝浦川に分布しています。

このように四国の西と東にわかれて隔離分布していますがその原因は謎です。中国原産のコデマリに似ていますが別種です。

5月にユキヤナギに似た白い花を多数咲かせますが、秋にも少数ですが、毎年狂い咲きで咲いているのを見ることができます。

他種との競合を嫌いますが、竹藪が陸地から河岸へと拡がり自生地を圧迫し、今ではほとんど見られなくなった貴重な植物です。

<トサシモツケ(土佐下野) バラ科シモツケ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「5月の花のアルバム(10)」10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「5月の花のアルバム(11)に続きます。


5月の花のアルバム(9)

2024-06-29 | みんなの花図鑑

5月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。5月はバラの花の種類が一番多い月で、新緑の季節でもあります。5月は140品種ほどの花木や鳥の撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿します。

 

ベリーグッドマン「花束」ミュージックビデオ

 

 

 

キンポウゲ科多年草で、北ヨーロッパからシベリアに広く分布しています。

5~6月ごろ、花茎を伸ばして、長い距のある花を咲かせます。色はピンク、白、黄色、赤、複色など、花色が多種多様です。

咲き方も一重咲きから八重咲き、茎の先に複数輪花を咲かせるタイプまでバリエーション豊富です。

交配が盛んで多くの園芸品種が存在し、小輪から大輪種まであり、草丈も矮性から高性まで様々。高性種は切り花としても流通しています。

<セイヨウオダマキ(西洋苧環) キンポウゲ科オダマキ属>
5/4 自宅

 

 

 

 


成長すると1メートルから1.5メートルになります。北海道から沖縄まで、どこにでも自生する植物で、菜の花として河川敷などで春に見ることができます。

花はアブラナの花にそっくりです。花は黄色でとてもかわいらしいです。茎が細く、風でなびきやすいので、群生すると金色の絨毯がそよいでいるように見えます。

「からし菜」として栽培される植物で、おひたしや漬物、炒め物に使うことがあります。スーパーで売られているからし菜は、本種のことです。

<セイヨウカラシナ(西洋芥子菜) アブラナ科アブラナ属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

北ヨーロッパ原産の常緑多年草。観賞用やグランドカバーとして栽培され、各地で逸出しています。

ジュウニヒトエと似ていますが、全体に毛が少なく、葉に光沢があり花後に走出枝を出して拡がります。

花は上部に大きな苞を伴って輪生状に付き、紫色。上唇は2裂でジュウニヒトエに比べ少し大きく、雄しべと同じ長さです。

花期は春から夏。高さ 30 cm ほどの花茎の葉腋に各段3~10個の花をつけます。

<セイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単) シソ科キランソウ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


ヨーロッパ原産で、ハーブではコモンヤロウと呼ばれ、花壇や切り花として栽培されたり薬用としても植えられてもいます。

花期は6月~9月頃、白から淡いピンク色の小さな花を散房花序につけます。近年、赤色や黄色の多様な品種があり、切り花やドライフラワーに利用されています。

止血作用や健胃作用の薬効があり、古代ギリシャ時代から重要なハーブとして用いられてきました。別名をヤロウ、アキレアとも呼ばれます。

<セイヨウノコギリソウ(西洋鋸草)  キク科ノコギリソウ属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

南ヨーロッパを中心に生息する常緑多年草です。明治時代に渡来したと伝わり、和名では「シロミミナグサ」と呼ばれています。

4~6月にかけて白色の花をたくさん咲かせ、花弁の先がハート型に裂けるのが特徴です。

花も美しいですが、白い毛の生えた葉は銀葉のためシルバーリーフとして人気があります。

<セラスチウム(白耳菜草) ナデシコ科ミミナグサ属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

オランダで品種改良された球根アイリスで、「オランダアヤメ」とも呼ばれます。寒さに強く丈夫であることから、球根アイリスの中で最も栽培されている品種とも言われます。

ジャーマンアイリスと比較すると葉が細く、花も小ぶりで、すっきりとした姿をしています。どちらも4月から5月にかけて開花しますが、本種のほうが少し遅めに咲き始めます。

<ダッチアイリス(阿蘭陀菖蒲) アヤメ科アヤメ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


北海道の西部、本州の東北、北陸、山陰地方に分布し、主に日本海型気候の多雪地で、日当たりのよい山地の谷沿いや斜面に多く見られます。

初夏に咲く花は色鮮やかで、満開時には枝が垂れるほどに咲き誇ります。開花が田植えの頃であるため「田植え花」という別名があります。

ラッパ形の淡い紅色~紅色の花を2~3個づつつけます。5つに分かれた花びらから飛び出した丸い雌しべがよく目立ちます。

ウツギ(アジサイ科)の仲間ではありませんが、山地の谷沿いに自生し、ウツギと同じ頃に花が咲くことから本種の名前があります。

<タニウツギ(谷空木) スイカズラ科タニウツギ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

ヨーロッパ原産の帰化植物。クラウンベッチの名で知られ、肥料や牧草として導入されたものが野生化してます。

茎先に散形花序を作り蝶形花「上唇がピンクか紫で下唇が白く丸い円形状の花」を複数付け、下唇の中に黄色い葯の付いた雄しべ数本と紫色の花柱(雌しべ)1本がある花を複数咲かせます。

丈夫な性質で生育旺盛で増えやすく、雑草よけやグランドカバーに適していることから、観賞用に流通しています。

広がりすぎると農作物に害を与えるため、北米の一部では侵略的な雑草として扱われます。

<タマザキクサフジ(玉咲草藤) マメ科タマザキクサフジ属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 


オーストラリア西部に自生するクサトベラ科ダンピエラ属の多年草です。シルバーリーフの枝と青い花が特徴的です。

開花期は3月~6月で、花径2~3㎝のブルー系の美しい花が咲きます。

園芸品種ではシルバーがかった草姿の’ダンシングブルー’という品種が流通しているようです。

<ダンピエラ・テレス クサトベラ科ダンピエラ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

 

「5月の花のアルバム⑨」9品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「5月の花のアルバム➉」に続きます。


5月の花のアルバム(8)

2024-06-28 | みんなの花図鑑

5月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。5月はバラの花の種類が一番多い月で、新緑の季節でもあります。5月は140品種ほどの花木や鳥の撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿します。

 

松田聖子 赤いスイートピー

 

 


ヨーロッパから中近東にかけて分布するさまざまなアヤメの仲間を交配させてできた園芸品種グループです。

虹の花(レインボーフラワー)とも呼ばれるように、色とりどりの花を咲かせ、アイリスの仲間では最も華やかで、非常に多くの品種があります。

ビアデッドアイリス(ヒゲアイリス)の類に含まれ、花弁のつけ根の近くにブラシのように毛が密生しているのが特徴です。ドイツアヤメという和名でも知られています。

<ジャーマンアイリス(独逸菖蒲) アヤメ科アヤメ属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 


アジア原産の多年草で古典園芸植物のひとつです。中国北部、シベリア南東部、朝鮮半島などに自生し、中国では古くから栽培されていました。

日本には薬用植物として伝わり、江戸時代からは「茶花」として観賞用になりました。

開花時期は5月~6月で、花の色は、ピンク系濃淡の他、赤、白、複色などがあり、一重咲き、八重咲き、翁咲きなど、いろいろな咲き方の品種があります。

<シャクヤク(芍薬) ボタン科ボタン属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


つる性の落葉低木で、本州山形県以南,四国,九州,沖縄,および中国,ヒマラヤ,インドに分布し,山野や河原に生えて茂ります。

枝先に長さ20~30cmもの花序を直立させ、鮮黄色の花を多数つけるので、5月頃の花の時期には遠くからでもよく目立ちます。

秋に褐色に熟して口を開けると目を引きます。種は長さ約1cm、有毒です。東南アジアでは種をマラリアの薬にします。

本種の名前は、つる状の枝が絡んだ様子を、蛇がとぐろを巻いた姿に見立てて付いたと言われます。

<ジャケツイバラ(蛇結茨) マメ科ジャケツイバラ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

 

原産地は地中海沿岸で、欧米では観賞用に栽培されます。日本には室町時代に渡来したとされ、若い茎葉が食用にされています。

本種の品種には、葉幅が広く切れ込みが浅い大葉種、葉幅はやや広く切れ込みが多い中葉種、葉の切れ込みが深くて細かい小葉種があります。関西は大葉種、関東は中葉種が好まれています。

和名は他のキクが秋に花を咲かせるのとは異なり、春に黄色い花が咲き、キクに似た香りがすることに由来します。

<シュンギク(春菊) キク科シュンギク属>
5/22 あけぼの山農業公園

 

 

 

 


北海道、本州(朝日山地、飯豊山、雨飾山、北アルプス)の高山帯の砂礫地や草地に生える多年草。

 

花茎は中空で高さ20〜60cmになり、紅紫色の花を散状に多数つけます。花序は直径3〜4cmで、花被片は6個あり、長さ6〜8mmの卵状披針形で先は尖ります。

<シロウマアサツキ(白馬浅葱) ヒガンバナ科ネギ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

イタリア・シチリア島原産のつる性の一年草または宿根草。日本へ入ってきたのは江戸時代の後半と言われています。

甘い香りと優しい色合いが特徴的で、ひらひらとした花びらが可憐な花です。春を象徴する花として親しまれていますが、「春咲き」のほかにも「夏咲き」「冬咲き」と種類があり、実は年間を通じて楽しむことができます。

花を終えた後に実をつけることがあります。見た目はエンドウ豆とよく似ていますが、本種の実と莢には毒性があり、食用ではありません。

<スイートピー(麝香連理草) マメ科レンリソウ属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

日本原産の植物で、ハニーサックルという名前でも呼ばれます。 とても香りが良いので、香水やアロマオイルとしても人気の花です。

卵型の葉が2枚向かい合わせに生え、その葉の付け根から両側2つずつ花が咲きます。

花は咲き始めは白、翌日には黄色に変化することから金銀花という別名もあります。

名前の由来は、花に甘い蜜があり「蜜を吸う、つる植物」だからだと言われています。

<スイカズラ(吸葛) スイカズラ科スイカズラ属>
5/15 近隣の路傍

 

 

 

 



南ヨーロッパ原産の草花です。日本には明治以前、江戸の末くらいに入ってきたと言われています。

白い毛が生えたフェルトのような質感の葉っぱや茎がユニークです。この葉の様子からフランネルソウの別名があります。

漢字で書くと「酔仙翁」で、花が赤くて酔っ払っているように見えるのでこの名前があるとされます。

<スイセンノウ(酔仙翁) ナデシコ科センノウ属(マンテマ属)>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 


多年生の水生植物で世界の熱帯、亜熱帯に約40種類が分布しています。古くからエジプトでは神聖な花として扱われてきました。

花色は白、黄色、ピンク、赤、紫、青紫、青と豊富です。ハスの花と同様、日中に花びらが開き午後になると閉じます。これを3日繰り返して花の寿命は終わりです。

ハスとよく似ていますが、見分け方は、ハスは葉や花が水面から立ち上がり、本種は葉も花も水面に浮かんだままという点が違います。


<スイレン(睡蓮) スイレン科スイレン属>
5/22 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

日本で最も多く栽培され、なじみがあるのは、ヨーロッパ原産のドイツスズランで、日本原産のスズランよりも草姿および花ともに大型で丈夫です。

長さ15〜20cmほどの幅広い葉をもち、花は葉と同じくらいの高さまで伸びて、釣り鐘形の花を下向きに咲かせます。芳香があり、香水の原料にも利用されます。

日本原産のスズランは本州中部以北のほか、朝鮮半島、中国に分布します。葉に隠れるようにひっそりと咲き、主に山野草として扱われますが、高温多湿に弱くてやや育てにくく、流通は多くありません。

<スズラン(独逸鈴蘭) キジカクシ科スズラン属>
5/2 つくば実験植物園

 

 


今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「5月の花のアルバム⑧」10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「5月の花のアルバム⑨」に続きます。


5月の花のアルバム(7)

2024-06-27 | みんなの花図鑑

5月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。5月はバラの花の種類が一番多い月で、新緑の季節でもあります。5月は140品種ほどの花木や鳥の撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿します。

 

ザ・カスケーズ 悲しき雨音 (訳詩付き)

 

 


本州、四国、九州に分布し、日当たりのよい山野の湿地や田のあぜなどに群生する多年草。

全体に大きく、高さ50~90cmほどになります。茎は太く、中空で柔らかく、直立しています。

新葉には毛が多いが、その後脱落し無毛になる特徴があります。4~6月、茎頂にキク状の黄色い花を6~30個咲かせます。

根元にロゼット状につく根生葉はヘラ形で明瞭な葉柄があるが、茎葉には葉柄はなく、披針形で先端はとがり、茎を抱くように付きます。

沢や湿地に自生するサワオグルマの名は、乾燥した山地に自生するオカオグルマと区別する意味でつけられました。

<サワオグルマ(沢小車) キク科キオン属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


九州~北海道の山地・亜高山の渓流沿い・湿原の縁などに分布する落葉低木。

初夏、白い花をたくさん咲かせるので見応えがあります。実が熟すると美しい瑠璃色となり、存在感を増します。

花や葉がバラ科のウシコロシ(カマツカ)に似ているので、別名「瑠璃実の牛殺し(ルリミノウシコロシ)」と呼ばれます。

狭い沢の上に枝葉を伸ばし、沢にフタ(蓋)をしたような状態になるので、命名されたようです。

<サワフタギ(沢蓋木) ハイノキ科ハイノキ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


ブラジル原産の常緑低木です。花は朝咲いて翌日には散る1日花で、鮮やかな紫色の花が次から次へと開花します。

まるでクモが歩いているように見える雄しべの形から「ブラジリアン・スパイダー・フラワー」の別名もあります。

和名の由来は「紫紺色の野牡丹」で、アジアを中心に分布する別属のノボタンより、花色が濃い紫色であることを意味します。

<シコンノボタン(紫紺野牡丹) ノボタン科シコンノボタン属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


日本全土に分布し、人里の路傍や畑地、山間の崩壊地などの裸地に好んで生えるキク科の多年草。別名イワニガナともいいます。

4~6月、葉の間から長さ10cm程の茎を伸ばし、先に径2cm内外の黄色の花を多数つけます。

畑や土手などに生い茂っている様子が、あたかも地面を縛りつけているような状態に見えるところから本種の名前がついたと言われています。

<ジシバリ(地縛り) キク科ノニガナ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

中国南東部、台湾、朝鮮半島に分布するバラ科シモツケ属の落葉低木。名前の由来は、八重の小花を貝のしじみ(蜆)の中身に見立てたことから。

分布域は山地や丘陵の雑木林や、やや岩の多い場所にあり、日当たりの良い場所を中心に自生しています。

4月~5月頃の花期になると、前年枝の葉腋から花序を出し、小さな花を多数咲かせます。一つの花序は2~3㎝程度の長さで、3~6個の花を付けます。

<シジミバナ(蜆花) バラ科シモツケ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


ハワイ、太平洋諸島原産。ハワイではイリマと呼ばれ、オアフ島の島花に指定されているレイフラワーです。

小型のハイビスカスといった感じで、明るい葉の色と鮮やかな黄色の花は、とてもきれいです。

イリマの花で作られた花飾りのレイは昔から「ロイヤルレイ(王族のレイ)」とも呼ばれ、上流階級の伝統的な贈り物として親しまれ、幸福のシンボルとされています。

<シダ・ファラクス アオイ科シダ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


北アメリカ西部原産の毎年咲く多年草です。茎は立ち上がらずに横に這うように広がって4~5月に花を咲かせます。

シバザクラの園芸品種の一つで、花色は昔から親しまれている淡いピンク色で優しい印象を与えてくれます。

芝桜の品種の中でも、生長が遅い方で、育てやすい品種の1つです。他品種と比較して冬季でも葉が比較的きれいな緑を保ちます。

<シバザクラ「オータムローズ」 ハナシノブ科フロックス属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


ヨーロッパ、特にドイツで薬用にされる一年草のハーブです。可憐な白い花にはリンゴのような香りがあり、風邪、頭痛、下痢などに薬草茶として利用されてきました。

直径2cmほどの花は、成熟するにつれて黄色い中心部が盛り上がり、白い花弁が反り返った形になります。

黄色い部分は中空で、つまむとフルーティーな甘い香りがしますが、葉には香りはありません。

本種の花はローマンカモミールとよく似ていますが、葉には芳香がないことで簡単に識別できます。

<ジャーマンカモミール キク科コシカギク属(シカギク属)>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

ごく当たり前に日本でも自生していまが、元々は中国原産の植物で古くに日本に渡来してそれが野生化したと言われています。

開花時期は3~5月頃。茎を斜めに伸ばして、その先に白地に青い斑点が入る花を多数咲かせます。

花は短命で一日でしぼんでしまいますが、次々と新しい花を咲かせます。雰囲気としてはアヤメの色を薄くしたように見えます。

漢字では「射干」とも書くきますが、これは中国では檜扇(ヒオウギ)を指す言葉です。別名を胡蝶花(コチョウカ)ともいいます。

<シャガ(射干)  アヤメ科アヤメ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 



シャクナゲはツツジと同じく、約800種もあるといわれる常緑性の花木で、日本には古来から豊富な自生種があります。

シャクナゲの野生種は元々ヒマラヤと中国の高山や北国の涼しい地域を中心に自生しており、 暑さに弱く日本の平野部で育てるのが困難でした。

本種はずばぬけて暑さに強い種類で、 街中でも見ることができます。春に鮮やかな濃いピンク色の花をたくさん咲かせます。

日本の和田弘一郎氏の作った本種は、イタリアやインドの暑い地域に生える親を持ち、ずばぬけて暑さに強い品種となりました。

<シャクナゲ「太陽」 ツツジ科ツツジ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 


今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

 

「5月の花のアルバム⑦」10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「5月の花のアルバム⑧」に続きます。


5月の花のアルバム(6)

2024-06-26 | みんなの花図鑑

5月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。5月はバラの花の種類が一番多い月で、新緑の季節でもあります。5月は140品種ほどの花木や鳥の撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿します。

 

宇多田ヒカル「何色でもない花」

 

 

 

本州の伊豆半島以西から四国、九州に分布する小型の多年草。海岸近くに生育することが多いとされ、沿岸の低地部に分布します。

5~6月、茎の先に花序を形成し、青紫色のかわいらしい花を多数咲かせます。葉には両面ともに軟毛が密生し、ビロード状の触感があります。

タツナミソウの仲間は姿形のよく似た種が多く、本種は比較的小型で葉長が1センチ内外、海岸近くに生育することなどが同定のカギとなります。

<コバノタツナミ(小葉の立浪) シソ科タツナミソウ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 


関東地方以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布する落葉高木。日本の固有種で、特に太平洋岸の丘陵地や低地の湿地に多く自生します。

開花は4~6月で、直径1センチほどの小さな花が枝先で傘状に集まって咲きます。

花には甘い匂いがあり花の先端は5つに裂け、雌しべは1本。長い雄しべが5本あります。

名前の由来は、若い枝葉や樹皮にゴマの油のような香りがあるため。

<ゴマキ(胡麻木) レンプクソウ科ガマズミ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

北海道から九州までの各地に分布する落葉低木で、原野の水辺や山地の林内に多く自生します。モミジと並んで紅葉が美しいため公園等に植栽されることもあります。

開花は5~6月で、花は直径7~8ミリほどで黄緑色の花弁が4枚あります。早い場所では8月上旬から紅葉し、その色合いも鮮明であるためモミジに次いで美しい紅葉樹とされることもあります。

9~11月にはニシキギ、ツリバナ、マサキと同じようにオレンジ色の仮種皮のある果実ができます。本種の名前は、葉、果実及び樹高が、マユミよりも小さいことから付けられました。

<コマユミ(小真弓) ニシキギ科ニシキギ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

本種は地中海沿岸地方を中心に世界に200種余りが自生しています。形態は一年草、多年草、低木とさまざまで、つる性のものも多く見られます。

日本に自生種はありませんが、セイヨウヒルガオ(ヒメヒルガオ)などが帰化植物となっています。

ヒルガオによく似た、漏斗形の大きく開いた花を咲かせ、1花の寿命は2~3日くらい、雨天や夜間は閉じています。

ヒルガオ属では、萼のすぐ外側に大きな苞がありますが、本種は苞は小さくあまり目立ちません。

<コンボルブルス(西洋昼顔) ヒルガオ科セイヨウヒルガオ属(コンボルブルス属)>

5/22 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

常緑の低木で、関東地方以西の本州のほか、屋久島に隔離分布しています。江戸中期に数多くの園芸品種が作出されました。

開花期は5月下旬から6月上旬で、ヤマツツジなどよりも1か月ほど遅く咲きます。

これらをおおまかに区別するために、4月から5月中旬に開花するものを「ツツジ」、5月下旬から6月上旬に開花するものを「サツキ」と呼び始めました。

<サツキツツジ(皐月躑躅) ツツジ科ツツジ属>
5/22 あけぼの山農業公園

 

 

 

 


低木の落葉広葉樹。ウツギの仲間はウツギと小型のヒメウツギ、マルバウツギなど日本に7種あります。

本種は花が八重咲きで外側が紅紫色になる変異種です。香りのよい花を下向きに付けます。

花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)です。

内側が白の八重咲きの色あいが、更紗模様に見えることから名前が付きました。

<サラサウツギ(更紗空木) ユキノシタ科ウツギ属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 


北海道、近畿以東の本州及び四国に分布する落葉性のツツジ。深山の林縁に自生します、花や秋の黄葉が美しく、庭木としても使われます。

花は先端が5つに裂けた釣鐘状。形はドウダンツツジに似ていますが、長さは1センチほどでより大きく、白地にピンクの更紗模様が入ります。

花の垂れ下がる様子を風鈴になぞらえた風鈴躑躅という別名があります。花が終わると柱頭(めしべ)は上向きになり、乾いた果実ができます。

本種の名は、花の模様を「更紗染め」に、葉柄や花柄の分岐の仕方を「灯台」に見立てたもの。

<サラサドウダン(更紗満天星) ツツジ科ドウダンツツジ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


南アメリカに分布するシソ科アキギリ属の多年草です。非常に強健で、暑い夏の盛りから秋まで花を咲かせてくれます。

最大の特徴は非常に濃い花色と、大きく口を開いた様な個性的な花の形(唇形)にあり個々の小花は長さが5cmと大きい所も魅力です。

日本ではメドーセージという名前で流通していますが、本来はサルビア・プラテンシスの英名であり、名前が間違ったまま国内に出回ってしまい定着したものと思われます。

<サルビア・ガラニチカ(メドーセージ) シソ科アキギリ属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

ヨーロッパ、中央アジア原産。濃い黒紫の茎で、初夏から秋に長い穂を出し、青紫の小花を多数咲かせます。

初夏になると、株元から茎を立ち上げ、穂状の花序にサルビア類に多い唇形花の小さな花がびっしりとつき、花は下から上に向かって咲き進みます。

本種の名前は、もとの生息地の「森」を意味する「ネモローサ」に由来します。

<サルビア・ネモローサ シソ科サルビア属>
5/22 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

原産地の北アメリカでは宿根草ですが、耐寒性がないため、日本では一年草として分類されています。

ラベンダーに少し似ている美しい青紫の花を長期間咲かせることからブルーサルビアとも呼ばれます。

白花や2色咲き種がありますが、大量に出回っている割には改良品種をあまり見ません。

花の美しさに加え、株がそんなに大きくならないこともあって人気があります。

<サルビア・ファリナセア(ブルーサルビア) シソ科サルビア属>
5/22 あけぼの山農業公園

 

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

 

「5月の花のアルバム⑥」10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「5月の花のアルバム⑦」に続きます。


5月の花のアルバム(5)

2024-06-25 | みんなの花図鑑

5月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。5月はバラの花の種類が一番多い月で、新緑の季節でもあります。5月は140品種ほどの花木や鳥の撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿します。

 

愛花『ハナコトバ』Official Music video

 

 

 

北海道の南西部~東北地方の日本海側に分布するスイカズラの落葉樹。山地や海岸沿いの林内に自生しますが、花や果実を観賞するため、庭園や公園にも植栽されます。

開花は4~6月。枝先にある葉の脇に直径2~3センチの花が二輪ずつ咲きます。花の後にできる果実は直径6~8ミリの球形です。

7~9月に熟すと透き通るような赤色になります。二つ並んだ果実の様子が瓢箪(ヒョウタン)に見えることから、別名をヒョウタンボクといいます。

咲き始めは白いが次第にクリーム色、そして黄色へと変わり、時季によっては白と黄色の花が一緒に見られるため、それぞれを金と銀に見立てて、名付けられました。

<キンギンボク(金銀木) スイカズラ科スイカズラ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


中国中南部を原産とするオトギリソウの仲間。開花期間が長いことから、庭木の下草として公園や庭園に植栽されるほか、切り花にも利用されます。

開花は梅雨時から盛夏にかけて、花は直径3~5cmで、枝先に2~3輪ずつ咲きます。

日本へ渡来したのは江戸時代中期で、花弁の様子がウメに似ていること、黄色い雄しべが特徴的であることが本種の名前の由来です。

近年は本種にかわって、花や葉が大型で、長期間にわたって花を咲かせ、生育旺盛な、園芸品種のヒペリカム・ヒドコートが広く栽培されるようになりました。

<キンシバイ(金糸梅) オトギリソウ科オトギリソウ属>
5/22 手賀沼

 

 

 

 

 

北海道から九州に至るまでの各地に自生するコウヤワラビ科の多年草。山地の明るい草原や湿ったところにしばしば群生します。

葉は株元からまっすぐに伸びた茎から互い違いに生じ、先端へいくほどく大きく広がります。観葉植物として庭に植えられることも多いようです。

若芽はコゴミといい山菜のひとつです。年間を通じて市場に出回るほど、山菜としての人気が高い山菜です。

縄文時代の遺跡から化石が出現したため、古くから食されていた可能性があります。

クサソテツ(草蘇鉄) コウヤワラビ科クサソテツ属
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


北海道~本州、四国の山間部に分布する多年草で、サクラソウの仲間です。湿り気のある環境を好み、山野のせせらぎや渓谷の湿地に自生します。

春になると株の中心から花茎を伸ばし、花茎をぐるりと囲むように同じ高さの場所にサクラソウのような花を数輪咲かせ、それが階層状になります。

草丈は大きなものでは90cmほどになり、サクラソウの中ではもっとも大型の部類になります。花色は濃い紅紫色です。

花の咲き方がお寺の屋根の先端に付いている「九輪(くりん)」に似ているのが和名の由来です。

<クリンソウ(九輪草) サクラソウ科サクラソウ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


世界にたくさんの野生種、原種があり、これらの交配によって、多くの品種が生まれています。

英国ではつる性植物の女王として位置づけられ、バラのパートナープランツとして親しまれています。

テッセンと呼ばれることもありますが、テッセンとは、中国に自生している6枚の乳白色の花弁をもち、雄しべが花弁化している一つの原種のことです。

1年に1回、スポット的に開花する一季咲きのグループのほかに、長期間にわたって花が次々と咲いたり、剪定すると繰り返し咲く四季咲きのグループがあります。

<クレマチス キンポウゲ科 センニンソウ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

本種の仲間は4種からなる小さなグループで、北アメリカに分布する落葉低木です。

濃緑色の葉、多数の花弁からなるチョコレート色の甘く香る花が特徴です。樹高は1mほどにしかならず、多数の枝を出して茂ります。

最初の花が咲き終わった後も次々と花を咲かせ、長い間楽しめます。甘い香りだけでなく、美しい光沢のある葉も魅力です。

<クロバナロウバイ(黒花蝋梅) ロウバイ科クロバナロウバイ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

北海道西南部から九州まで日本各地の平地に分布するスイレン科の多年草。いわゆる水草であり、日当たりのよい池沼や小川に自生します。

5~9月になると花を咲かせます。花の大きさは5センチほど。花びらのように見えるのはガクです。花弁、雄しべ、雌しべは退化していて、花の内側に収まっています。

根茎は白くて太いです。その様子がまるで骨のように見えたことから、「川骨」、「河骨」という名前がつけられました。

<コウホネ(河骨) スイレン科コウホネ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


北海道から九州まで日本全国に分布するバラ科の低木。低山の道端や林の縁に見付けることができます。日本のほか、中国や朝鮮半島にも自生します。

一つの花は直径5ミリほどですが、びっしりとまとまって咲くため、華やかな雰囲気となります。

葉はモミジやモミジイチゴ、カナウツギに似た特徴的な形になります。葉の長さは2~6センチほどで、若葉は食用となります。

<コゴメウツギ(小米空木) バラ科コゴメウツギ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

中国東南部原産のバラ科の落葉低木。中国から江戸時代初期に日本に伝わりました。

日本でも古くから知られており「スズカケ(鈴掛)」の古名があり、江戸時代の初めには庭木などに利用されていました。

開花期は、4月中旬〜5月中旬。花径1cm以下の白い5弁花で、一つひとつの花は大変小さいのですが、集まってドーム状に咲く花序を作ります。

その姿が小さな手毬のように見えることから、名前が付きました。

<コデマリ(小手毬) バラ科シモツケ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

北アメリカを原産とするズイナ科の落葉低木。日本へ渡来したのは明治時代で、在来のズイナよりも葉が小さいため名付けられました。

アジサイと同じ時期に咲く白い穂状の花や、紅葉を観賞するため各地の庭園に植栽され、生け花の花材にも使われます。

開花は5~7月で、新たに伸びた枝先に、直径5ミリほどの小さな白い花が長さ5~10センチの穂状に集まって咲きます。

花には5本の雄しべと5枚の花弁が目立ちますが、花弁は開花後の早い段階で落ちます。

<コバノズイナ(小葉の髄菜) ズイナ科ズイナ属>
5/22 あけぼの山農業公園

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「5月の花のアルバム⑤」10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「5月の花のアルバム⑥」に続きます。


5月の花のアルバム(4)

2024-06-24 | みんなの花図鑑

5月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。5月はバラの花の種類が一番多い月で、新緑の季節でもあります。5月は140品種ほどの花木や鳥の撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿します。

 

宇多田ヒカル - Flavor Of Life -Ballad Version-

 

 


日本、朝鮮半島、中国などの東アジア地域に分布し、日本では北海道南西部、本州、四国、九州に分布します。

山地や丘陵地、山野の日当たりのよい場所に自生しています。秋には真赤な宝石のような果実をつける美しい樹木です。


春には花、夏の緑濃い葉、秋の赤い果実、冬には紅葉など、四季を通して美しい姿を見せてくれる植物です。

<ガマズミ(莢蒾) ガマズミ科ガマズミ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


本種はラン科の多年草で、花が美しいこともあって非常に人気の高い野生ランです。

4月下旬~5月上旬、木々の新緑が眩しさを増す頃、薄暗い森の中にあって、黄金色の光を放つように華やかな黄色い花を咲かせます。

非常に豪華さを感じさせる花のせいか盗掘が横行し、一時期(1970年代から1980年代にかけて)人の目に触れるようなところからは姿を消してしまいました。

そしてやっと最近になって復活の兆しが見え始めたようです。それでも以前の状態には程遠いようです。

<キエビネ(黄海老根) ラン科エビネ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


道端や空き地などでみられる高さ30~120cmになる多年草です。

繁殖力が旺盛で、畑の害悪雑草として有名です。種子数が多く、1株あたり1万粒もの種を落とすと言われています。

穂を擦ると「ギシギシ」と音がすると言う説があります。春から秋まで花を咲かせ、大型で成長力の強い雑草です。

<ギシギシ (羊蹄) タデ科スイバ属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

初夏に鮮やかな黄色の花を咲かせる、アヤメ科アヤメ属の多年草です。池や沼、川、水路などの浅水域でよく見られます。

以前は観賞用に栽培されているハナショウブに黄色系の花がないことから、その貴重性から重宝されたようです。

繁殖力がつよく拡散が問題とされ、外来生物法で要注意外来生物に指定されている植物です。

<キショウブ(黄菖蒲) アヤメ科アヤメ属>
5/22 あけぼの山農業公園

 

 

 

 


西欧州原産のハンニチバナ科の常緑低木。樹高は2~2.mで、葉の縁部には荒い鋸歯を持ち、先端は尖っています。

5~6月頃、枝先に5~6㎝程度で白色5弁の花をつけ、花弁には黄色の斑点模様が入ります。本種は全体的に独特な強い芳香を放ちます。

ハンニチバナ(半日花)科の名前の通り、朝開花して夕方には散ってしまいます。抗菌抗ウィルス作用を持つ抽出物が採れます。

<キスツス・ポプリフォリウム ハンニチバナ科ゴジアオイ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


地中海西部沿岸地域原産の常緑低潅木。樹高は50cm~2mほどで、葉は披針形で対生しており、葉の先は尖り、縁に鋸歯はありません。

枝や葉には毛が生えており、全体が匂いの強い不透明な樹脂状の物質で覆われています。

開花時期は5~6月で、花は白い5弁花で直径は8cmほどです。それぞれの花びらのつけ根の部分に赤い斑点があり、花の真ん中と雄しべは黄色い。開花時間は8時間程度と短いが、次々と咲きます。

ラブダヌムという樹脂状の物質を有し、下痢止めの薬として使われたり、又、香料にも利用されます。

<キスツス・ラダニフェル ハンニチバナ科ゴジアオイ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

イベリア半島の岩礫質で、日当たりの良い草原や牧草地等に自生する球根植物の多年草。草丈は10~30cmほどです。

4~5月頃茎頂に散房花序を出し、花径3cm程で青紫色の花をつけます。花は一日花です。

花被片は6個で、淡青紫色地に濃青紫色の条線模様が入り、外花被片の基部には黄色い模様が入ります。

<ギナンドリリス・シシリンキウム アヤメ科モラエア属>
5/2 つくば実験植物園 

 

 

 

 



ヨーロッパから西アジア・シベリア南部にかけて分布する、サクラソウ科サクラソウ属の多年草。樹高は20~25cmほどになります。

4~5月ごろ、真ん中にオレンジの斑紋のある小さな黄色い花を咲かせます。古くから葉は去痰・鎮静剤として、薬用に使用されてきました。

英名のカウスリップの名前は、アングロサクソン語の「牛糞」に由来します。牛や羊の放牧地によく生えていたからとか。

<キバナノクリンザクラ (黄花九輪桜) サクラソウ科サクラソウ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

近畿地方から九州北部の林床にある多年草で絶滅危惧II類となっています。

草丈は20~30cm、葉身は広楕円形で対生し、節間が詰まって2~3対つきます。 葉に艶はなく、やや暗い緑色をして葉縁には鋸歯があります。

花期は4月~5月で、ヒトリシズカ より少し遅く、葉が展開してから開花します。蕾の時期は、花糸が淡い緑色をして、開花に伴い白く変り広がります。

<キビヒトリシズカ(吉備一人静) センリョウ科チャラン属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

本種は、シソ科イヌハッカ属(ネペタ属)の多年草です。青紫色の小花が穂になって咲き、ラベンダーのような雰囲気があります。

本種の名前は、本来ネコが好むハーブのキャットニップの英名なのですが、日本では学名でいうところのネペタ・ファーセニーが本種の名前で普及しています。

ネペタ・ファーセニーは、ネペタ・ラセモーサとネペタ・ネペテラが栽培地で交雑して生まれたといわれています。

本種の名前にミントとついていますが、ハーブとしてではなく、観賞用に栽培されています。

<キャットミント シソ科イヌハッカ属(ネペタ属)>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「5月の花のアルバム④」10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「5月の花のアルバム⑤」に続きます。


5月の花のアルバム(3)

2024-06-23 | みんなの花図鑑

5月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。5月はバラの花の種類が一番多い月で、新緑の季節でもあります。5月は140品種ほどの花木や鳥の撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿します。

 

紫陽花~唄 アリス (1971年に結成した音楽グループ)

 

 

北米原産の多年草で、5月~7月にかけて黄色のコスモスに似た花を咲かせます。

平成18年に外来生物法に基づく特定外来生物に指定され、生きたままの運搬や栽培、譲渡などが原則として禁止されました。

栽培が禁止されている原因は、強靱な性質のため在来生態系に被害を与えるからです。個体に毒が含まれていて危険であるなどの報告は、現在のところありません。

<オオキンケイギク(大金鶏菊) キク科ハルシャギク属>
5/22 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

南ヨーロッパの地中海沿岸地域原産のキジカクシ科オオツルボ属の多年草。学名よりシラー・ペルビアナで呼ばれる事も多いようです。

美しいブルーの花がピラミッド状に星形の小花を数十輪咲かせます。花色はブルーが一般的ですが、白花もあります。

和名は大きな蔓穂(ツルボ属の多年草)というのが由来です。鱗茎には有毒成分があり、学名のシラーはギリシャ語の有毒を意味する言葉に因みます。

<オオツルボ(大蔓穂) キジカクシ科オオツルボ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


ベニツツバナ(紅筒花)の仲間で、中央アメリカ原産の常緑小低木。樹高は1~3m程度です。

開花期は、原産地では周年花が見られるようです。葉は長楕円状で、縁部は、上半部に不規則な鈍鋸葉があります。

和名はなく、学名がそのまま名前になっています。紅筒花の英名はファイヤースパイクですが、花が紫がかることから、本種はパープルファイヤースパイクと呼ばれます。

<オドントネマ・カリスタキウム キツネノマゴ科オドントネマ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

日当たりのよい湿った場所にごく普通に生える多年草です。背の低い草を主とした野原では群生します。

ヘビイチゴの仲間と同様に、愕片の外側に5枚の副愕片があります。ただ副愕片は小さく、花を裏返してようやくわかる程度です。

花後に果実ができますが、ヘビイチゴのように赤く大きく膨らむことはありません。ヘビイチゴより大形なので雄蛇苺という説と、ヘビイチゴの赤い実に対して茶色の地味な実をつけるので雄がついたという説があります。

<オヘビイチゴ(雄蛇苺) バラ科キジムシロ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

南アフリカ原産の水辺や湿地に生える多年草。この属の植物は仏炎苞や葉が美しいものがあり、観葉植物として栽培されるものがあります。

園芸ではカラーまたはカラーリリーと呼ばれます。古くは「海芋」「海宇」(かいう)といったようです。

3~6月頃 白色の仏炎苞を巻いた黄色の肉穂花序を付け、一見は白色の花のように見えます。

日本には江戸時代に渡来し、オランダから渡来したため、この和名が付けられました。

<オランダカイウ(阿蘭陀海芋) サトイモ科オランダカイウ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

地中海ヨーロッパ原産のセリ科の花植物です。園芸的にも観賞価値の高い草花でありながら、日本に本格的に導入され始めたのは1990年代後半です。

比較的新しい花ですが、繊細な花姿からは想像できないほどの丈夫さで、こぼれダネからでも増えることから、あっという間に広く見かけるようになりました。

高さ90cmまで成長するこの多枝の一年生植物は、分かれたシダのような葉と、夏の長い期間にわたって純白の花を平らな円錐花序に咲かせます。

オルラヤ・グランディフロラ セリ科オルラヤ属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 


北アメリカのテキサス、ルイジアナ原産の草花で、毎年花を咲かせる多年草です。日本へは明治時代中ごろに入ったといわれています。

蝶が羽を広げたような美しい姿の花を咲かせます。花は咲いてから3日ほどで散ってしまいますが、春から秋の長い期間、次から次に花を咲かせていくため、長い間観賞することができます。 

花の大きさは1.5cm、細長い花茎に小さな蝶が舞っているように見え、その花の形から「ハクチョウソウ(白蝶草)」の別名があります。

<ガウラ(白蝶草) アカバナ科ガウラ属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

古来より日本にある植物で、江戸時代前半から観賞用に多くの品種が改良された古典園芸植物です。

5月~6月頃に、浅い水辺から50cm~70cmの丈を伸ばし深みのある鮮やかな青色の花を咲かせます。

江戸時代中期に入るとアヤメ(菖蒲)の品種改良が進み、人気が出てきました、どちらもよく似た花の形をしています。

この2つの植物は比べられるようになり、どちらも素敵で選ぶのに迷うほどよく似ています。本種は水辺で茎を出し花を咲かせ、アヤメ(菖蒲)は乾燥した土から茎を出し花を咲かせています。

<カキツバタ(杜若) アヤメ科アヤメ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

花は春に咲き、茎頂に径3cm前後の白い5弁花をつけます。花弁は広卵型でやや重なります。雌蕊が多いのが目立ちます。 

6月ごろに実るオレンジ色の果実は食用となります。葉などは有毒ではないようですが、食用にはしません。

名前の由来は、葉の形がクワ科のカジノキに似ていることから。別名キイチゴ、トウイチゴ、エドイチゴともよばれます。

<カジイチゴ(構苺)  バラ科キイチゴ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


温帯から熱帯の地域に分布し、世界に約850種も存在しますが、日本では6種類が自生しており、さらに7種類ほどの外来種が帰化植物として定着しています。

道端や庭、畑など地面を這って自生しています。ハート型の葉を3枚つけ、黄色くかわいらしい花を咲かせますが、繁殖力が非常に強いことから、駆除するのが大変な雑草とされています。

真鍮(しんちゅう)の鏡や仏具を磨くために用いられていたことから、別名「鏡草」とも呼ばれています。また、本種の葉で10円玉をみがくとキレイになるのを知られています。

<カタバミ(片喰) カタバミ科カタバミ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「5月の花のアルバム③」10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「5月の花のアルバム④」に続きます。

 

 

 


5月の花のアルバム(2)

2024-06-22 | みんなの花図鑑

5月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。5月はバラの花の種類が一番多い月で、新緑の季節でもあります。5月は140品種ほどの花木や鳥の撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿します。

 

あじさいのうた 原由子

 

 

見た目が玉ねぎのような南アフリカ原産の球根植物です。玉ねぎのような球根から細く長い葉を伸ばし波打つように垂れ下がり、葉はすべて根出葉です。

球根の中心部から径3mm内外の花茎を15cmほど伸ばし枝先の分かれた先に1~10個ほど花が上向きに咲きます。

6弁の花弁はいずれも同じ形をしていますが、外側の3弁だけが開き、内側の花弁は閉じたままの筒状になります。

アルブカとはギリシア語の「白い」の意味で、花色からきています。フミリスとは、「低い」の意味です。

<アルブカ・フミリス キジカクシ(ユリ)科アルブカ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

北海道から沖縄まで日本各地の山野に分布する樹高2~4mの落葉性低木。塩害や大気汚染にも強く道路の中央分離帯などに多く利用されています。

枝葉にイボタロウムシ(イボタカイガラムシ)という虫がつき、オスは体から白いロウ(蝋)を分泌します。

このロウは「白ロウ」とよばれ工業用ロウとしてワックスなどに利用されています。

本種の名前の語源は、カイガラムシの仲間のイボタロウムシという昆虫が樹皮に寄生し、分泌した白いロウ状物質であるイボタ蝋が取れることから。

<イボタノキ(水蝋の木) モクセイ科イボタノキ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

 


スペイン~ポルトガルに分布するアヤメ科アヤメ属の多年草。和名は「スペイン菖蒲(すぺいんあやめ)」で、開花は5~6月頃です。

花の直径は5~6cm程度で、外花被片の基部中央が黄色くなっています。内花被片は萎れ気味です。

<イリス・クシフィウム(スペイン菖蒲:すぺいんあやめ) アヤメ科アヤメ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

 


イギリスで自生している深青色のベル型の花で、森林の中に甘い香りを放ちながらカーペットのように群生で咲きます。

イギリスではこの花は春の訪れを知らせる花として古くから親しまれています。

狭釣鐘形で芳香があり、茎の片方に花が付く為、先の方が垂れ下がって咲くのが特徴です。

<イングリッシュ・ブルーベル キジカクシ科ヒアシントイデス属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

北海道南部から九州まで日本各地に見られるアジサイ科の落葉低木。開花は4~6月で、小さな白い花が円錐状になって枝先に咲きます。

旧暦四月(卯月)のころ咲くことから別名卯の花とも呼ばれ、その涼しげな姿は古くから短歌や俳句などにも多く詠まれてきました。

和名は幹が中空であること「空木(ウツギ)」に由来しています。別名の卯の花(ウノハナ)はウノハナウツギの略称です。

ちなみに、豆腐のしぼりかす(おから)をウノハナと呼ぶのは、この白い小花の咲いている姿と似ているからです。

<ウツギ(空木) アジサイ科ウツギ属>
5/22 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

日当たりのよい山野の道端に生える多年草。根生葉は長い柄があり、3~5つに分かれた葉がついています。

花の直径は約2センチで、光沢がある黄色い5枚の花びらが上を向いて開きます。茎や葉の柄に開出毛という、外側に向かって立つような毛が生えているところが特徴です。

名前の由来は、根もとから出る根生葉の形が「馬の足形」に見えることによるとされますが、実際はあまり似ていないという声もあります。

どちらかというと人の手の平の形に近く、最近は、別名である「キンポウゲ(金鳳花)」で呼ばれるほうが多いようです。

<ウマノアシガタ(馬の足形) キンポウゲ科キンポウゲ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

道ばた、土手、林縁 など、いたるところに生えるつる性の日本在来の多年草です。ただし、ただし全国的に見ると減少傾向にあるようです。

全体に思わず顔をしかめたくなるような強い悪臭があり、また有毒で食べられません。夏から秋にかけて、葉わきにラッパをねじったようなかたちの花が次々と咲きます。

果実はぶら下がるようにつき、その姿がまるで馬の首につける鈴のように見えることから本種の名前があります。

<ウマノスズクサ(馬の鈴草) ウマノスズクサ科ウマノスズクサ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

ラン科に属する多年草で、日本を含む東アジアが原産地です。春咲き品種と夏咲き品種があり、色彩豊かで繊細な花を咲かせることで知られています。

開花期は4~5月、葉が出てくるとともに花茎を伸ばし十数輪の可憐な花を咲かせます。

地表近くにできる根茎がエビのように曲がって連なっているため「海老根(エビネ)」の名前があります。

<エビネ(海老根) ラン科カランセ(エビネ)属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

たくさんの品種がある植物で、それぞれの品種によって花の色や形、開花時期も様々です。環境に合わせて鉢植え、地植え(庭植え)で育てることができる点も魅力です。

本種は740種があるといわれ、そのうち16種がヨーロッパに、ほかの大部分のものは南アフリカに自生しています。

わが国では、鉢物として40種、50品種くらいが流通しています。繊細な枝に小さな花がびっしりと咲くため、株全体を見るとにぎやかな印象を受けますが、一つ一つの花も可憐で個性豊かです。

<エリカ(品種不明) ツツジ科エリカ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

ヒマラヤ地方を原産とするオウバイやソケイの仲間。開花時期は3~4月でオウバイよりやや遅れて咲きます。

花の直径は4~5センチほどでオウバイより大きく、花びらが6~10枚に分裂するため、二重咲あるいは八重咲に見えるのが特徴です。

<オウバイモドキ(黄梅擬) モクセイ科ソケイ属>
5/22 あけぼの山農業公園

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「5月の花のアルバム②」10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「5月の花のアルバム③」に続きます。


5月の花のアルバム (1)

2024-06-21 | みんなの花図鑑

5月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。5月はバラの花の種類が一番多い月で、新緑の季節でもあります。5月は140品種ほどの花木や鳥の撮影できました。毎月恒例の記録として8~9回に分けて投稿します。

 

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北海道南西部から沖縄まで、日本全国に自生するグミ科の落葉樹。日当たりのよい原野や川原などの水辺に見られます。

開花は4月~5月で、花がびっしりと咲きます。咲き始めの花は白ですが、やがて黄色へと変化します。9~10月頃に赤くて丸い果実(偽果)ができます。

名前の由来は、秋にグミの実ができることによります。グミは口に含んで食べる「含み」を語源とする説、刺を意味する「グイミ」を語源とする説があります。

<アキグミ(秋茱萸) グミ科グミ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


地中海沿岸に自生するナデシコ科の植物で、細いストライプの入った爽やかなピンク色の花を初夏に咲かせます。

ヨーロッパでは麦畑の雑草として知られるほど丈夫な性質なので、原産地以外にも分布を広げています。

和名のムギセンノウは麦畑に生えるセンノウ、葉がムギに似たセンノウなど由来は諸説あります。

<アグロステンマ(麦仙翁) ナデシコ科ムギセンノウ属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

日本原産のセリ科の多年草。八丈島など伊豆諸島で多く栽培されています。近年、栄養価の高さから健康野菜として見直され、広く認知されています。

秦の始皇帝がその昔、「東方の海中に不老長寿の薬草あり」と使者を送ったとされる言い伝えがありますが、その「不老長寿の薬草=本種」だったと言われています。

本種の名前は、茎葉を収穫しても翌日には新芽を出すほど生育が旺盛な性質に由来します。

<アシタバ(明日葉) セリ科シシウド属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

ヨーロッパやアジアを中心に自生するシソ科の多年草です。春の季節になると、紫色や青色などのかわいらしい花をたくさん咲かせます。

日本に自生するジュウニヒトエやキランソウも本種の仲間です。和名は「西洋十二単」ですが、これは本種の花が幾重にも咲く様子が十二単に似ていることに由来しています。

本種は、地面を這うようにランナーと呼ばれる茎を伸ばし、短期間で広範囲に広がることができます。この性質から、庭全体を覆い尽くす可能性があり、他の植物が育つスペースを奪ってしまうことも懸念されます。

<アジュガ(西洋十二単) シソ科キランソウ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

日本全国の山野や木陰に見られるキジカクシ科の多年草。春の新芽は山菜として食用にされます。ただし、果実は球形で熟すと黒くなりますが、有毒です。

開花は4~6月。花は緑白色で長さ2センチ弱の筒状。花の先端は浅く6つに分かれ、葉の脇から鈴をぶら下げたように咲きます。

名前の由来は、太い根茎の形がトコロ(ヤマノイモ)に似ていて、甘みがあることによります。

<アマドコロ(天野老) キジカクシ科アマドコロ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

本種は高さ30~60cm、葉はまっすぐに立ち、茎の先端に1~3輪の花を咲かせる多年草です。

多数の茎が株立ちになり、短く這う根茎からは多数のひげ根が伸びています。 多くが山野の草地や日当たりの良い草地に自生しています。

同じアヤメ属ですが、アヤメ以外の種別にあたるハナショウブやカキツバタを含めて、アヤメと呼称する習慣が一般的に広まっています。

<アヤメ(文目) アヤメ科アヤメ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


ヒガンバナ科の多年草(球根植物)で、葉や茎はニラの香りがします。和名の三角葱(ミツカドネギ)は、花茎の断面が三角形であることにちなみます。

アリウム類の中では開花時期が早く、春から初夏にかけて、釣鐘状の白地に緑の筋が入った美しい花が無数に開花します。

繁殖力が高く、分球のほか種でも増えて次第に群生し、時には舗装した道路の割れ目などでも開花している姿を見かけます。

<アリウム・トリケトラム(三角葱) ヒガンバナ科アリウム属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


チリを中心にブラジル、ペルー、アルゼンチンなど南米に60~100の野生種が分布します。

原産地とその花姿から「ペルーのユリ」「インカ帝国のユリ」などの異名があります。

葉は、はじめは茎から新芽を伸ばしますが根元の所でぐるりと反転して育ちます。私たちが見ている葉は実は裏返しなのです。

外側は大きく丸みを帯びた花びら、外側よりも一回り小さな花びらが内側に3枚あり、花びらにはまだら模様、縞模様がついているのが特徴です。

<アルストロメリア(百合水仙) ユリズイセン科ユリズイセン属>
5/22 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

マレーシアなどの太平洋諸島原産で、ショウガ科ハナショウガ属の常緑多年草です。

別名で、レッドジンジャーと呼ばれます。これは、ショウガ(ジンジャー)の仲間で苞が赤いことに拠ります。

赤い花の様に見える長い松笠状の苞をつけます。苞の間から出ている小さい白いものが花です。

この花は小さいことや、すぐに落下してしまうので目立ちません。温室では、苞が一年中付いているので、花が周年咲いているように見えます。

<アルピニア・プルプラタ ショウガ科ハナショウガ属>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

 


イベリスには、大きく分けて2種類があります。秋まきの1年草であるウンベラータやアマラなどと、多年草の本種などです。

本種は、1年草のイベリスとは異なり、横に広がる性質が強い植物です。春には地面を覆うように、白い花の美しい絨毯になります。

小花が集合した純白の可憐な花で、4枚の花弁は外側の2枚が大きく、内側の2枚が小さい花が集まってできています。

<イベリス・センペルビレンス(屈曲花:マガリバナ) アブラナ科マガリバナ属(イベリス属)>
5/2 つくば実験植物園

 

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「5月の花のアルバム①」10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「5月の花のアルバム②」に続きます。